とある世界
建物が崩れ、道路がボロボロになり、辺り一面が火の海になっている街で、頭から血を流す1人の青年と1体の黒い怪物が立っていた。
『流石は神殺しのアギトと同じ力を持ったアギトだ。俺の予想を超えてるとはな?』
「はぁ……はぁ……この世界は、俺が守ってみせる!!それが父さんとの……先輩達と後輩達との約束だからな!!」
そう言った青年の腰に、1つのベルトが現れる。青年はベルトについている左右のスイッチを押し、その姿を仮面の戦士へと変えた。
『アギトになったところで、テメエの運命は変わらんさ。大人しく殺されな』
「なら……コレならどうだ!!」
そう言うと、姿を変えた青年が眩い程の光を放つ。あまりの眩しさに目を瞑った怪物は、光がおさまったのを感じ目を開く。するとそこには、左目は赤く右目は緑となり、体の黒かった部分は赤くなり、2本の角のような部分は6本の内4本が赤と青と色を変え、首に水色と橙色のマフラーが巻かれる。そして体の中心にXの形をしたアーマーがついた。
『な、なんだその姿!?んな姿があるって、聞いた事ないぞ!?』
「この姿は……友人達から託された力が……託された想いが、俺を進化させた……最高の力だ!!」
そう言うと、青年の全身が再び光だし、足下に紋章のような物が浮かび上がり、青年の右足に吸い込まれる。
そして
「はっ!!……ハァアアアアアア!!」
『ぐぅぅ!?……バ、バカなぁあああああ!!』
─ドガァアアアアアアン─
青年はその場から跳び、怪物へ飛び蹴りを叩き込んだ。叩き込まれた怪物は、吹き飛び、爆発した。
それを確認した青年は元の姿へと戻り、その場へ倒れ込む。
「ハハ……力……使い果たしたみたいだ……」
苦笑いしながら、自身の体の感覚がなくなって行くのを感じる青年。
「はぁ……皆と……約束……したのに…………また集まって……パーティー……したかった……なぁ……」
段々と意識が薄れていく青年。
「どうか……皆が……幸せ…に……なります……よう…………に……」
その言葉を最後に、青年は完全に意識を失い、死亡した。
こうして青年──
「ん…………あれ?」
謎の怪物に最後の一撃を叩き込み、死んだ光一は、真っ白な謎の空間にいた。
「ここは……俺は確か、死んだ筈なのに」
「そうだよ?君は体がボロボロなのに、無茶してあの姿になって、必殺技を叩き込んだから死んだんだよ」
「こ、この声は!?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、すぐに振り返る光一。そこには、白い服を着た男性が立っていた。男性を見た光一は驚く。
「あ、アルマ!?」
「とりあえず…………一発かますよ!!」
─ゴチン─
「あだっ!?」
後ろにいた男性、アルマから拳骨を喰らい、頭を抱える光一。
「いって~……何で殴るの?」
「分からないの?もう1発いっとく?」
「ま、待って待って!!何で殴られないといけないの!?俺、何かアルマにした!?」
「何にも」
「じゃあ何で殴るの!?」
「君が、僕を頼らないから」
「…………え?」
アルマの言葉の意味が分からず、首を傾げる光一。
そんな光一を見たアルマは、ため息をつく。
「あのね?僕が怒ってるのは、君が僕を頼らなかった事に怒っているんだよ」
「えっ?」
「言ったよね?もし君が困ってたり、ピンチな時は言ってって」
「いやだって……流石に神様に頼るのはな~って」
そう、アルマは数々の平行世界を管理する神の1人なのだ。光一が生前、異世界に旅立つ際に、何が原因か分からないが、アルマ達が住む天界に来てしまい、知り合った。
「あのね?僕は神様であるけど、神である前に君の友人だよ?」
「アルマ……」
「だから、僕は勝手ながら君の友人達に知らせて、あの怪物以外に現れた怪物達を相手してもらったよ」
「えっ!?マジで!?」
「うん。君が死んだ事で、世界との繋がりが無くなかったから、強制的に自分達の世界に戻ったけどね?あ、他の怪物達は倒してもらってるから大丈夫だよ」
「そ、そっか」
アルマの話を聞き、一安心する光一。
「さて、君には提案がある。転生してみないかい?」
「転生って、別の世界に行って生きるってやつだっけ?」
「まぁね。もっと言えば、力を持って別世界に生まれ変わり、生きるんだ。まぁ、中には肉体を再構築して、死んだ年齢からやり直す人もいるよ」
「へ~」
「で、どうする?」
「ふむ……」
アルマに言われ、考える光一。
しばらく悩んだ末、光一は答えを出した。
「悪いけどアルマ、俺は転生しない」
「何で?」
「俺、父さん…………木野薫と親孝行できてないから、天国で親孝行しようと思うんだ」
木野薫とは、光一の義理の父親であり、仮面ライダーアナザーアギトとして戦っていた人物である。
光一が中学生の頃、ある敵との戦いの後、息をひきとった。
ほとんど親孝行できなかった為、天国にいるであろう父親と親孝行をしようと考えた結果、転生しない事にしたのだ。
なのだが
「そのお父さん、木野薫さんだけど、転生したよ?」
「えっ!?」
木野薫は、転生していた。
「な、何で!?」
「ん~?ある世界をオススメしたら、『少しでも、命を助けられるなら、俺は行く』って言って、転生したよ」
「父さん……因みに、なんて世界?」
「『戦姫絶唱シンフォギア』」
「そっか…………アルマ、悪いんだけど」
「うん。転生だね?」
「あぁ、頼む」
光一がそう言うと、光一の目の前に1つの扉が現れる。
「そこを通れば、転生できるよ。特典は何か希望はあるかい?」
「アギトの力と、他の力は使えるようにしてほしい」
「分かった」
「またいつか会おう、アルマ」
そう言った光一は扉を開け、光に包まれて転生する。
こうして、木野 光一、仮面ライダーアギトの新たな物語が始まるのであった。
という事で、企画に参加させるアギトとシンフォギアのクロス作品になります!
次回は転生してからの光一の話になります。
次回も是非読んでください!