忘却少女と異界の獣   作:k25

9 / 23
遅くなりました9話です。
あと一時間でニンダイ始まるってマジ~~??


9,断裂される記憶

「フェローチェ、とびはねる!」

「ムウマージ、シャドーボール!」

 

黒い球をムウマージが手元から放つ。

しかし、宙高く飛び上がったフェローチェには当たらず、その黒球は空を切る。

 

そして空中から帰還したフェローチェがムウマージを襲撃した。

 

 

「ワタシ、ビックリデース!

アナタもアナタのポケモンもとてもつよーい。

そのつよさをたたえ、このジムバッジわたします!」

 

「ありがとうございます…」

 

5人目のジムリーダー、メリッサはフィランにレリックバッジを差し出した。

それを受け取ろうとした瞬間。

 

「あっ…」

 

フィランの手はメリッサの手の横を通り過ぎ、体ごとそのまま床へ倒れこんだ。

 

「!」

 

否、完全に倒れることはなかった。

横にいたフェローチェがすかさずフィランの腕を掴み、態勢を持ち直させる。

なぜか今日に限って戦闘後にボールに戻すのを忘れていたのがケガの功名となった。

 

「ダイジョウブですか?」

「…すいません。少し眩暈がして。。」

 

「アナタもつかれがたまってるのデショウ。ゆっくりやすむとイイですよ。」

「ありがとうございます…」

 

 

そういい、フェローチェとともにジムを後にする。

 

 

「ありがとね。昨日からやっぱり調子悪いみたい…」

「……」

今日はゆっくり休めと、フェローチェが視線で訴えかけてくる。

「うん。そうだね。今日は早寝しよう。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時は少しさかのぼり、トバリジムに続き、ノモセジムも難なく突破したフィラン達。

そろそろヨスガのジムリーダーも戻っている頃だろうと、ノモセシティからヨスガシティに戻ることにしたのだった。

「ええ?明日戻ってくる?」

「はい。申し訳ありませんが明日ならジムに挑戦していただけます。」

「わかりました…。じゃあまた明日来ます。」

 

ヨスガシティに戻ってきたのはいいものの、ジムリーダーは明日まで戻らないという。

明日なら挑戦できると考えるべきか、また一日足止めを食らってしまったと考えるべきか。

しかし戻ってこない物は戻ってこないので一日時間を潰さねばならない。

 

「そうだ!あそこ行ってみよう。」

 

フィランは今日の時間の使い方を思いついたようで、再びヨスガシティを出て、209道路を歩いて行った。

 

・・・

・・

 

そうして到着したのはカンナギタウン。

ズイタウンの来たある小さな町である。

 

ここにはシロナの実家があり、彼女の祖父母が住んでいる。

フィランも彼らとは面識があり、せっかくなので挨拶しておこうと考えたわけだ。

 

「ごめんください。フィランです。」

「おお、フィランちゃんじゃないか。どうしたんだい?」

 

シロナの実家を尋ねると、中からシロナの祖母が出迎えてくれた。

 

 

「そうかい。旅に出たことはシロナから聞いていたけど、わざわざこんなところまでねえ…」

「いえいえ。せっかくですし。それにお二人にもお会いしたかったですし。」

 

それから、少しの間歓談を楽しんだ。

 

「それでは、私そろそろ行きますね。ありがとうございました。」

「もう時間かい。この後はヨスガまで戻るのかい?」

「はい。でもその前にせっかく来たのでほこらも観て行こうかなと思いまして。」

「そうかいそうかい。ほこらなんて何にも無いところじゃがの。気を付けての。」

「はい!お二人もお元気で!」

 

二人に挨拶をし、フィランはシロナの実家を後にした。

 

 

 

 

-----------------------------

 

カンナギタウンの中央にある祠、その奥の遺跡にて二人の男が何やら密談をかわしていた。

 

「そうか。ではその方法であれば、あのポケモンの力を操ることもできる。と。」

 

青髪の男性は自身の部下であるその男に問いかけた。

その問いに対してもう一人の男が恭しく答える。

 

「恐らくは…。ですが万が一もございます。私と彼女で二つ目のプランも進めております。この二つがあればアカギ様、アナタの願いも…。」

「ああ。手札は大いに越したことはない。期待しているよ。」

「恐縮です。」

「さて、戻るとしよう。君も研究で忙しいだろう。」

「かしこまりました。」

 

部下の男は入り口付近に向かって呼び掛けた。

 

「おい!帰るぞ!……誰だ!?」

 

 

---------------------------------

 

 

「ん?」

町の中央にある祠、その奥の遺跡を訪れたフィラン。

遺跡に入るや否や誰か入り口近くに立っていることに気づく。

 

きれいな黒い髪を背中のあたりまで伸ばした女の子だ。

 

(この子、一人かな?町の子?)

 

気になったフィランは声を掛けることにした。

 

「ねえ。君、一人?町の子?」

 

フィランの問いかけにその女の子は首を横に振った。

 

「迷子?お父さんかお母さんは?」

 

「お父様は…」

 

そういいながら壁画の方向を指さす。

その先には黒髪をオールバックでまとめたメガネの男と、彼と何かを話している青髪を逆立てた男がいた。

 

 

その二人は会話の内容までは聞こえないが何かを話している。

(あの人、どこかで…)

 

メガネの男性に既視感を覚える。

記憶を失くす前どこかであったことのある人なのだろうか?

今までそんな人物は一度も現れなかった。だが、もしかするとこの人は自分を知っているのかもしれない。

 

(あれ、なんか頭痛と眩暈がしてきた。)

 

しかし、思い出そうとするとどうにも体が不快感を訴える。

まるで記憶が呼び起されるのを拒否するかのように。

 

そんなとき、

 

「おい!帰るぞ!……誰だ!?」

 

メガネの男性がこちらに振り向き自分の娘に声を掛けた。

と、同時にフィランにも気づいたのだろう。

 

瞬間、男性の顔と声を認識したフィランの意識が飛んだ。

 

---------------------------------

「なんだ!?」

メガネの男性は状況を理解できずにいた。

自分の娘の横にいた少女が急に倒れたのだ。意味が分からないのも無理はない。

 

「まあいい。先ほどの話を聞かれていたかもしれません。ここで処分してしまいますか?」

男は自身の仕えるその人物に確認をする。

「どうしたものか。大した内容では無いが…」

 

自身の懐からモンスターボールを取り出す。

 

すると倒れているはずの少女の荷物からモンスターボールが開かれるのに似た光が放たれる。

「っ!今度はなんだ!」

 

次の瞬間、その少女は消えていた。

 

 

 

・・・

・・

 

 

「ん…」

フィランは見知らぬベッドの上で目を覚ました。

非常にデジャヴを感じたが、前回と違うことがある。

 

(遺跡に行って、女の子を見つけて、父親もいて、アレ…?)

 

自分が何をしていたか覚えている。

そのことを確認し、周りを再度確認するために体を起こす。

 

すると自分の手が何かに掴まれていることに気が付く。

白くて細い腕から伸びた手が自分の手を掴んでいる。

 

「……!」

「おはよう…フェローチェ。」

 

べし!

 

軽く頭を叩かれる。

冗談ぽく言ってみたが怒られてしまった。

 

「ごめんごめん。ありがとうね。」

何が起きたのかまだ把握できていないが、フェローチェはここで見守ってくれていたようだ。

 

 

ガチャ

 

「おや、目覚めたかい。」

ドアが開き、シロナの祖母が現れた。

 

 

 

 

「そうですか…ご迷惑をおかけしました。」

フィランはシロナの祖母に事の経緯を聞いた。

 

 

フィランが出て行って数十分後の出来事だった。

シロナの祖母は戸を叩く音に気付き、また誰か尋ねてきたと玄関を開けた。

 

「おや…あんたフィランちゃんの…?どうしたんだい!?」

するとフェローチェが、気を失ったフィランを抱きかかえて立っていた。

 

一先ずフィランを家に入れベッドに寝かせてくれたのだという。

 

 

 

「いやいや。いいんだよ。

その子があんたを運んできた時には何事かと思ったけどねえ。」

 

「本当にすみません。」

 

「いいんだって。それにしても、あんたいいポケモンを持っているねえ。

その子、あんたを寝かせてからもずっとそばを離れなかったんだよ。

こんなにトレーナー思いなポケモンはなかなかいるもんじゃないよ。」

 

「本当、感謝してもしきれないです。」

「ふふ。大事にするんだね。」

 

その後、シロナの祖母の提案で一先ず一泊していくことになった。

時間も遅いし気を失っていたのにそんなにすぐ動くもんじゃない、と少しお叱りもうけてしまった。

 

 

「本当に何から何までお世話になりました!」

「いいんだよ。今度こそ、本当に気を付けてね。」

 

翌朝、フィランはヨスガシティに戻るためカンナギタウンを後にした。

 

 

 

そして挑んだジム戦。

 

勝利することはできたが、メリッサのゴーストポケモン達に苦しめられ、最終的にはフェローチェも出すことになってしまった。

 

自分でいうのもアレだが、今日はポケモン達への指示もいまいちだった。

まだ全快では無いのだろう。フェローチェの言う通り早く休んだ方が良さそうだ。

 

 

 

ポケモンたちの回復も終え、宿をとり一息着く。

あの時の男の顔も、声も、思い出せない。

それでも何か自分の記憶のカギになるかもしれない、と考える。

 

(…?)

無意識に見下ろした自分の手が震えていることに気付く。

「…?なんだろう…知りたいのに、思い出したく無い…。」

 

その手の震えは、昨日と同じく自分の手をとってくれる存在によって止められた。

 

「フェローチェ…ありがとう。」

「……」

 

また勝手にボールから出てきたフェローチェはフィランの手を強く握る。

 

 

 

「ねえ。今日は一緒に寝てくれない?」

 

 

 

 

そうしてフィランはフェローチェの腕の中で眠りについた。

 




9話でした。
特に書くことなさそうなノモセジムはさっくりとスキップしました。
ロトムで電気技打つだけだしね。

ヨスガジム手持ち的にちょっと苦戦したと思われます。
このころゲンガーがまだ浮遊持ってますしね。

そして新オリキャラが二人登場。
謎の男と謎の幼女です。謎の男はギンガ団がらみの人っぽいです。
原作登場幹部ではないです。
何者なんでしょうね?

フィランの看病?中のフェローチェ。多分椅子とかに座ってるとは思うけど画が想像しづらいな?


自分の書いた話読み返してみたんですけど1話あたり短くない?????
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。