それでは本編どうぞ!
オペレーション001 ア・バオア・クー要塞陥落
『誰か応答してくれ!だれ…』
『防ぎきれない!誰か応答してくれ!』
『もうダメだ!Sフィールドは耐えられない!』
それを愛機である漆黒のゲルググから聞いているスバル・ミナガワは愕然とする。最終防衛ラインである、ア・バオア・クーが堕ちれば祖国であるジオン公国は丸裸同然になってしまう。
しかし、スバル一人ではSフィールドは守れない。頼りの仲間たちも宇宙の花となって散ってしまった。
「オイ!応答しろ!…ダメか…」
いくら声をかけても誰も返事をしなかった。今度こそ終わったと思っていた。
目の前には連邦軍の艦隊。サラミス級宇宙巡洋艦が2隻、護衛としてジムが10機、ボールが20機と大艦隊で押し寄せて来た。
だが、スバルにはもう戦う力は残っていなかった。頼みのビームライフルも残弾が尽きかけている。それならば、スバルはここを死に場所としていた。多くの仲間が散ったこの空なら本望だろう。だから後悔はなかった。
「しゃーないな…いっちょやってやるか!」
愛機ゲルググのバーニアを蒸かし、最大速度で手前のサラミス級宇宙巡洋艦に向かって行った。迫りくるボールをビームナギナタで振り払い、向かって行く。
「どけどけ!死にたい奴からかかって来い!漆黒の死神スバルとは俺の事だー!」
あえて弾幕の厚い所を突っ込んで行き、ジムの大群をものともせず、本丸のサラミス級宇宙巡洋艦を狙って行った。
そして、射程圏内になりビームライフルの引き金を引いた。ビーム砲塔と艦橋に2発づづ。
それを受けた、サラミス級宇宙巡洋艦1隻は大破轟沈した。
「よっしゃー!先ずは1つ。残りは…あれか!」
轟沈したサラミス級宇宙巡洋艦から後方30キロ後方にもう一隻のサラミス級宇宙巡洋艦がいた。それに狙いを定めたスバルはまたもゲルググのバーニアを蒸かすのであった。
「あと1つ!なに!」
突如として上から熱源を感知し寸前のところで回避した。その相手とは…
「連邦の白い悪魔…ガンダム!」
そう、連邦最新モビルスーツガンダムがスバル上空から狙いを定めて来たのであった。あのシャア大佐でも手こずった相手だ。勝てるわけがない。
しかし、スバルは諦めていなかった。死んでいった仲間のため。これから撤退する仲間のため。ここで食い止める必要がある。
「いいぜ。相手になってやる。来いよ!ガンダム!」
互いに近づいてビームサーベルやナギナタの鍔迫り合いを行った。機体性能はほぼ互角。後はパイロットの腕次第となる。相手はニュータイプ。こっちは歴戦のジオン兵。
ルウム戦役では、シャアに次ぐ撃破数で連邦軍を恐怖させた。しかし、大戦末期になると、自慢の愛機もボロボロになって来た。今でも局部から火花が散っている状態である。
それでも、スバルは退かずにはいられなかった。ここで退いてしまえば祖国は敗れてしまう。何より戦場で散って行った、多くの仲間達の死を無駄にしたくなかった。
「うぉぉぉぉぉ!」
今でも戦えているのが不思議なくらいである。だが、時間はそれを許してくれなかった。ほんの一瞬のスキが勝負を分けてしまった。
「しまった!エネルギー切れか!」
ビームナギナタのエネルギー出力が大幅に減ってしまい、鍔迫り合いが負けた。そこにガンダムのビームライフルが炸裂する。
「ぐあああああ!」
勝負あり。結局スバルはガンダムには勝てなかった。幸いにも、コクピットは無事だったが、両手両足はバラバラになってしまった。
それを見届けた奴はSフィールドを抜けてア・バオア・クー要塞へと向かって行った。それに続く様に残存部隊も向かって行った。
「…負けたのか…ちくしょうーー!」
その叫びは、虚しく宇宙の空へと消えて行った。何とか無線が回復すると、エギーユ・デラーズ閣下からの無線が飛んできた。
『我々はア・バオア・クー要塞から撤退する!繰り返す!我々は…』
「そっか…ア・バオア・クー要塞が落ちたのか…」
コクピットハッチを開けて外に出ると、ア・バオア・クー要塞から無数の光が上がっていた。あれは未だに抗戦している味方か、あるいは敵か…
だが、ゲルググを失ったスバルにとっては、どうでもいい話しだった。それよりも、これからの事を考えなければならない。
「どうすっかな…うん?」
これからの事について悩んでいたスバルの元に、満身創痍のザクが飛んできた。スバルは腰のピストルを抜いてザクに近づく。
いくら戦闘が終わったといえ常に緊張感を持つのが、スバルの信条だった。ザクに取り付いたスバルは慣れた手つきでハッチを開けた。そこには…
「女の子?」
ザクの中には宇宙公国軍のパイロットスーツに身を包んだ年端もいかない女の子が乗っていた。見たところ14~15歳に見える。
「君は…」
「…私は第103宇宙攻撃軍所属、シャーリー。階級は軍曹です」
「そうか、俺は「第77宇宙攻撃軍所属、スバル・ミナガワ少佐ですよね」…そうだ。よく覚えているな」
「有名ですよ『漆黒の死神スバル』として、無数の連邦軍を屠って来たって」
「そっか…だが、今ではどうでもいいがな」
「ええ…負けたんですね私達」
「そうだ。だが、我々は生きている。生きていればいい事もあるだろう。どうだ?一緒に来てみるか?」
「私は…」
―――――――――――――――――――――――――――――――
U.C0100のとあるコロニー。そこには、10人位の人達に見守られてベットに寝ている男がいた。かつて、ジオン公国で知らぬ者なしと言われてたスバル・ミナガワその人である。
しかし、今はもう若かりし頃の力はなく孫達に囲まれて最期の時を迎えるのであった。
「…俺は…最高の人生だった。シャーリーと出会って…こんなにも…多くの孫たちに囲まれて…」
「貴方…私もすぐに向かいますからね」
「シャーリー…いや、ゆっくりでいいぞ…ああ、刻が見える…」
そう言って、漆黒の死神スバルはその生涯を閉じた。激動の時代を生き抜いた彼の伝説は後世に伝えられるだろう…
そして、新たなる伝説が別世界で発生しようとしている…
―――――――――――――――――――――――――――――――
「ううん…ここは?それに、この姿は?」
そこは、真っ暗な空間だった。しかし、不思議と嫌な感じはしなかった。むしろ懐かしさを感じていた。また、スバルの姿も老人ではなく、U.C0079頃の姿だった。
そして、目の前に光の粒子が集まり形を形成して行く。そこに現れたのは…
「しゃ、シャア大佐!」
『やぁ、スバル少佐。元気そうで何よりだ』
「シャア大佐こそ、お元気そうで何よりです」
『うむ、
「謝らないでください。そのおかげで私はシャーリーと出会えたので」
『フッお熱いな。きっとその子も幸せだろうな』
「はい」
『まぁ、夫婦の馴れ初めについてはまた聞くとして、今回は重要な事を君に伝える』
「はい?」
『君にはもう一度人生をやり直してもらう。勿論あの戦争とは違う平和な時代だがな』
「…人生ですか」
『嫌かい?』
「嫌ではありません。わかりました。そのお役目拝命いたしましょう」
『そう、固くならなくてもいい。今では君が私よりもだいぶ年上なのだからね』
「ハハ…昔からの癖なので、つい…」
『その実直なところが好かれるのだな』
「よく言われます」
『まぁ、いい。それじゃあ行こうか』
「はい!」
そう言って、スバルは光の向こう側へと歩くのであった…
私が好きなガンダム作品をこうやって形にする事が出来て嬉しいです。
更新は遅くなるかもしれませんが、それでも良ければお付き合いのほどよろしくお願いします。
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