IS学園に入学したジオン兵は2度目の空を飛ぶ   作:とあるP

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昴さん久しぶりの投稿です



オペレーション009 謎の侵入者

クラス対抗戦当日。結局鈴は一夏の事を許していなかった。一夏が謝ろうとしても、鈴が避ける。強引に話しかけようとすると、2組に行ってしまうし、昴が近くに居ればその背中に隠れてしまう。

 

結局のところ鈴が恥ずかしくて、話せないだけである。そして、クラス対抗戦当日になってしまった。一夏をはじめ1組及び鈴と2組のメンバーはアリーナの総合受付にある大型テレビジョンに注目していた。そこには…

 

第一試合

1年1組      1年2組

織斑一夏  VS  凰 鈴音

 

それを見た鈴は無言で去っていった。

 

「昴さん、俺もしかして鈴に嫌われる事したんでしょうか…」

 

「さぁね。それは、彼女自身に聞いてみる事だね」

 

「あっ!ちょっと待ってくださいよ!」

 

そう言って、一夏の言葉を無視して昴とセシリアはアリーナのスタンドに向かうのであった。ピットには箒が随行する手筈になっている。

 

「セシリア。この勝負君にはどう見える?」

 

「一夏さんはわたくし達との特訓を活かしてくれれば、勝機はあると思いますが、鈴さんがどういった形で勝負をしてくるのか…」

 

「わからないと?」

 

「…はい。申し訳ございませんわ」

 

「いいや、セシリアが気にする事じゃないよ。ありがとう」

 

「は、はい♪」

 

そう言って、昴はアリーナに目を向けた。そして、脳内のシャア大佐と試合の行く末を話し始めた。

 

この試合どう見ますか。大佐

 

(そうだな。一夏君は付け焼き刃程度だが、今日までの努力が報われる事を祈ろう。問題は…)

 

鈴さんの実力…ですね

 

(うむ。調べてみたところ彼女は元々日本に居たが、故郷である中国へ引越した後に、直ぐに中国代表候補生の座を実力で勝ち取ったという)

 

相当な努力をしたというところですかね

 

(ああ、もしかしたら実力はこの学園で上位の位置になるだろう)

 

そうですか…

 

(だが、君よりは劣っていると私は見たよ)

 

過大評価し過ぎです。僕は【サザビー】と言う力があるだけで、実力はそんなにないですよ

 

(そんな事はないだろう。あの織斑千冬(ブリュンヒルデ)と渡り歩いていると聞いたぞ)

 

そんな事ないですよ

 

(謙遜するな。最近はササビーの扱いが上手くなって私も嬉しい限りだ。これなら、私の夢も…)

 

大佐?

 

「…さん。…ばるさん!昴さん!」

 

「っ!どうしたんだいセシリア?」

 

「どうした?ではありませんわ!何度も呼び掛けたのに、全然反応しなかったので、心配致しましたわ」

 

「ああ、すまないよ」

 

シャア大佐との会話は、セシリアから呼び出されて切れてしまった。昴は、アリーナに視線を戻したところ、丁度両名がピットから出て来るところだった。

 

そして、両名が所定の位置に着いた時試合開始のブザーが鳴り響く。

 

『これより、クラス対抗戦第一試合を始めます。試合開始!』

 

「でりゃぁぁぁぁぁ!」

 

先ずは一夏が雪片弐型を構えて、鈴に突っ込んで行った。相変わらず、突撃癖は直ってないらしい。

 

それを見た鈴は、一旦下がると両端に刃を備えた翼形の青龍刀双天牙月(そうてんがげつ)を1本の刀にして、一夏の雪片弐型を受け止めた。そして、そのまま押し切った。

 

「フン。こんなもんなのね」

 

「なに!」

 

「アンタの実力はこんなもんなのかって、言っているのよ!!」

 

「っく!」

 

「他の人達や昴と特訓したみたいだけどね。アタシはアンタ(一夏)と別れた後からずっと、特訓して来たのよ!それも血反吐を吐くくらいね…」

 

「…」

 

「…一夏。1つ賭けをしない?」

 

「賭けだって?」

 

「ええ、この試合でどちらかが勝った方の言う事を聞くってことよ」

 

「いいだろう!」

 

「そう。じゃあ、こっちは本気出すわね!」

 

そう言って、鈴は肩の非固定浮遊部位(アンロックユニット)に特徴的な棘付き装甲(スパイク・アーマー)を起動させて、一夏に照準を合わせた。するとそこから、衝撃波が飛び出し一夏のSEを削り出した。

 

「っく!何だ!」

 

「まだまだ!行くわよ!」

 

「あれは…」

 

「あれは『衝撃砲』ですわね」

 

「衝撃砲?」

 

「ええ、鈴さんのIS【甲龍】は第三世代型になりますわ。その兵器の一つに「圧縮した空間そのものを射出する」と言うコンセプトがありますわ。それが『衝撃砲』ですわ」

 

「『圧縮した空間そのものを射出する』つまり、空気砲みたいな物か?」

 

「だいたい合っていますわ。けど、鈴さんは空間自体に圧力をかけて砲身を作りだし、かつ、その砲身や砲弾も不可視化していますわ。ですから、見えないところから、空気の弾丸が飛んでくると同じですわね」

 

「だが、それだと飛距離は限られて来るんじゃあないか?」

 

「ええ、ですからわたくしの【ブルー・ティアーズ】の様に遠距離攻撃はできません。けど、鈴さんは見たところパワータイプ+格闘と射撃の複合型と言ったところでしょうか。ですから昴さんのようなものですわ」

 

そうこう言っている間に一夏のSEはどんどん減っている。だが、一夏も馬鹿ではない。その証拠に当たる回数が、先程よりも少なくなってきた。

 

逆に鈴は思うように、攻撃が当たらなくなって苛立っている。

 

「あー!もう!なんで当たらないのよ!」

 

「分かるぜ、鈴。お前は打つ瞬間、その先を目で追いかけるからな。だったらそれと逆の方向に逃げればいいんだよ」

 

「キ~~!」

 

「よっしゃ!これで行くぜ!」

 

そう言って、一夏が鈴めがけて突っ込んだその時!

 

「!2人共避けろーー!」

 

ドゴーーーーーン!

 

 

突如として、アリーナのシールドを破るほどの黒光りする光が2人の頭上から落ちてきたて、砂ぼこりが舞った。2人は寸分のところで回避した。

 

そして、徐々に落ち着きそこに姿を現したのは、両腕が人の何倍も大きく、左右にはビーム砲が付いていた。更に全身をフルスキャンで覆い、顔の部分には目が1つしかなかった。

 

一夏と鈴は一旦距離を取り、様子を伺うことにした。

 

「何なのよアイツ…」

 

「分からん。とりあえず聞いてみよう」

 

「オイ!お前、何処から来た!」

 

「……」

 

「答えろ!」

 

「……」

 

一夏の問いかけにも答えない、謎の機体。すると突然両腕を一夏と鈴に向けた。その直後両腕のビーム砲から、極大のビームを撃ってきた。慌てて回避するも、一夏も鈴も足を掠めてしまい。SEが徐々に減っていった。

 

「ウソ。掠めただけでこんなに減るの…」

 

「マズイな。鈴!お前は先にピットに戻ってこい」

 

「はぁ?一夏、バカじゃないの!その内にやられたどうするのよ。ここは、先に一夏が戻りなさいよ!」

 

「でも!「でもじゃないわよ!」」

 

そんなやり取りを謎の機体が許すはずもなかった。今度は2人の間めがけてビーム砲を撃って来たのだ。一度散開してやり過ごす2人。だが、再び集まって痴話げんかをするのであった。

 

「だから!早く一夏は逃げなさいよ!」

 

「でも、そうしたら鈴が…」

 

「アタシは代表候補生よ。ここで、へこたれる人間じゃないわよ」

 

「鈴…」

 

「兎に角、全校生徒の避難が完了するまで、アイツ(謎の機体)から注意を引くこと。いいわね」

 

「ああ、分かった」

 

『話しは聞かせてもらったよ』

 

『昴(さん)!?』

 

そこには、IS【サザビー】を纏って現れた。

 

「昴さん!避難はどうなりました?」

 

「今はセシリアが主導で動いている。聞くところによると、IS学園全体のシステムがハッキングされていて、自動ドアがロックされていた。それを僕が破壊して、避難経路を確保している。あとは、セシリアと有志の学生達で避難を行っているよ」

 

「今の話し本当なのか千冬姉!」

 

『織斑先生と…まぁいい。皆川が言っていることは本当だ。兎に角織斑と凰の両名は一旦ピットに下がれ』

 

「でも!『でもじゃない。お前たちのSEが残り僅かだ。急いでチャージをする必要がある』っく!」

 

「…わかりました。織斑先生、織斑、凰両名一旦戻ります」

 

「鈴!」

 

「良いから一夏、行くわよ。それと、昴さんありがとうございました」

 

「なに、礼には及ばないよ。それよりも早く行くといい。敵は待ってくれないよ」

 

「はい。でも、絶対にやられないでくださいね!」

 

そう言って、鈴は戻って行くのであった。一夏はこちらをちらりと見ると、歯痒い顔でピットに戻って行くのであった。

 

 

 

推奨BGM:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア「序曲」

 

 

 

一夏と鈴がピットに戻って行くこと確認した昴は個人間秘匿回線(プライベートチャンネル)を使って、避難誘導をしているセシリアに繋いだ。

 

「セシリア。今どんな状況だい?」

 

『はい。半分の避難が完了いたしましたわ。ですが、避難誘導の際に怪我人が発生しております。今はその方の手当てを行っておりますわ』

 

「わかった。引継ぎ頼むよ。それと終わったら、また連絡をくれ」

 

『了解いたしましたわ。昴さんもご無事で…』

 

「ありがとう」

 

そう言って、昴はセシリアとの通信をおえた。そして、改めて謎の機体と対峙した。しかし、妙な気配も感じていた。

 

「生気が全く感じない?」

 

そう、目の前の謎の機体からは、生気が感じ取れないのだ。試しに、呼び掛けてみることにした。

 

「私はIS学園1年1組 皆川昴と言いう。貴殿の名前を伺いたい!」

 

「……」

 

返答はなし。次に昴は再度忠告をした。

 

「ここはIS学園である!貴殿の返答に寄り次第は実力行使を行う」

 

「……」

 

これでも返答はなし。仕方なく昴はビート・ショット・ライフルを構えた。

 

「これが最後通告である!なぜIS学園を襲撃した!答えよ!」

 

「……」

 

すると今度は、両腕のビーム砲を昴めがけて構えて、ビームを撃って来た。寸前のところで躱した昴は敵対行為とみなして、実力行使に出る事にした。

 

「チィ!ならば、こちらも遠慮なく行くぞ!」

 

昴はビート・ショット・ライフルを巧みに使い、攻撃していった。相手の攻撃をシールドで防いだり時にはビームで相殺したりと、反撃のチャンスを伺っていた。

 

そんな時、セシリアから通信が入った。

 

『昴さん!生徒の避難完了いたしましたわ。わたくしも直ぐに合流いたしますわ』

 

「すまない。助かる」

 

『いえいえ♪それでは「昴さんーー!」昴さんあそこですわ!』

 

「あれは…箒!」

 

「昴さんーー!負けるなーーーーー!」

 

 

そこには、放送室の窓を開けアリーナに向かって叫ぶ箒の姿があった。そして、謎の機体は放送室の箒に向かって両腕を向けた。そして、そこから極大のビームを撃とうとしていた。

 

ヤバイ!そう確信した昴の行動は早かった。すぐさま、瞬時加速(イグニッションブースト)を使って、放送室と謎の機体との間に入った。

 

すると、両腕から黒光りするビームが発射された。すぐさまシールドで防ぐが、全てまではいかず昴自身にもダメージが及んだ。

 

『昴さんー!』

 

「ぐっ!あ、熱い!」

 

数十秒のビームが止みシールドは半分程融解していった。しかし、昴はまだ戦える状況であった。そして、拡散ビームを撃って、謎の機体の動きを牽制した。それと同時にセシリアに個人間秘匿回線(プライベートチャンネル)を使って指示を出した。

 

「セシリア!すぐさま箒を連れて行ってくれ!」

 

『わかりましたわ』

 

「くそ!硬いなアイツ」

 

集束ビームに変えたが決定的なダメージを与えられていない。ならば、拡散メガ粒子砲を使うか迷ったが、ここで使用すれば被害が拡大するだけだと思った。

 

そこで、昴は謎の機体に向かって威嚇射撃を行い、奴が入って来たシールドから外に出るのであった。幸いにも、謎の機体も付いてきた。

 

「よしいいぞ!付いて来い!」

 

そして、海上まで来たササビーと謎の機体はビームの打ち合いから第二ラウンドを始めた。ここなら、誰にも迷惑をかける事無く、思いっきり出来る。

 

「よし!行くぞ!」

 

瞬時加速(イグニッションブースト)ですぐさま近くとヒートホークで切りつけた。しかし、上手く力が伝わらず傷が浅くしか、入らなかった。

 

「チィ!やはり、拡散メガ粒子砲を使わないとダメか…」

 

昴は一旦距離を取り拡散メガ粒子砲を撃とうしたが、謎の機体もビームの発射体制に入った。

 

「マズイ!ええい!イチかバチかだ!拡散メガ粒子砲発射―!」

 

ドゴーーーン!

 

腹部にある拡散メガ粒子砲口から発射されたビームは謎の機体に当たり、爆散した。昴は安堵していたが、突然もの凄いプレッシャーを感じた。

 

そして、強力なプレッシャーを放つ方を見てみると、昴がよく知っているMA(ヤツ)だった。

 

「な!なぜここに…アイツが…【アプサラス】がいるんだ!」

 

それは、ジオン公国軍の試作機で技術少将のギニアス・サハリンが開発責任者を務めるモビルアーマー【アプサラス】であった。この機体は巨大でありながら、重力下での浮遊能力を持ち、機体中央の大口径ビーム砲『メガ粒子砲』を持っている。その範囲はジャブローをも火の海にするくらいだ。

 

兎に角昴はここで発射されたらまずと思った昴は【アプサラス】に向けてオープンチャンネルで通信を行うのであった。

 

『私はIS学園の皆川昴と言う。貴殿の名前を伺いたい!』

 

しかし、返答はなし。そこで、昴は【アプサラス】に向かって、モノアイの光でスモール信号を送った。

 

『ワタシハ、ジオンコウコクグンショゾク、スバルミナガワショウサダ。キデンノナマエハ?』

 

すると、【アプサラス】にある【ザク】のモノアイ光でスモール信号による返答があった。

 

『ワタシハ、ジオンコウコクグンショゾク。ギジュツショウイ、アイナサハリントイイマス』

 

「アイナ様?なら、この周波数で…良し繋がった!アイナ様!」

 

『あ、繋がった!良かったです。スバル少佐お久しぶりです』

 

そこには、宇宙戦争当時のアイナ・サハリンが映っていた。ジオン公国のノーマルスーツに薄緑色のショートカット。まさしく当時のアイナ・サハリンであった。

 

「ええ、こちらこそ。時にアイナ様どうしてこちらの世界に?」

 

『それについては、話したい事があります。一先ず私の後に付いて来てください』

 

そう言って、【アプサラス】は飛び去っていく。昴も疑問に思いながらも一緒に付いて行くことにした。

 

 

 

一方で昴が去った後に学園はとんでもないことになっていた。昴との通信が一切出来ない代わりに、レーダーも【サザビー】がロストしている状態である。おまけに、千冬が『私が探してくる!』と言って教員用のIS【打鉄】を持ちだしそうになった。

 

流石に真耶の説得も合って事なきを得たが、いつ爆発するかもしれない。皆の共通認識は『早く帰って来てくれ昴(さん)!』だった。

 

箒は自室にこもっていた。あの時、昴の助けが無かったらどうなっていたか…自身の軽率な行動が彼を危険な目に合わせた事により、自室謹慎1週間と反省文20枚が言い渡された。

 

だが、そんな事はどうでもいい。一番の事は昴が生きてくれていることだけを願っていた。

 

「昴さん…」

 

意気消沈している箒の所に、現れたのはセシリアであった。

 

コンコン

 

『箒さん、今いいでしょうか?』

 

「セシリアか…いいぞ…」

 

「失礼致します。…ハァ見事に落ち込んでいらっしゃいますね」

 

「……」

 

「こんな姿を昴さんが見たら何というのでしょうか…」

 

「…うるさい」

 

「…正直言って拍子抜け致しましたわ」

 

「どういうことだ?」

 

「だって、わたくしのライバル(・・・・)としてそんな無様な姿を昴さんに見せたくありませんからね」

 

「ライバルだと?」

 

「ええ、…好きなのでしょ昴さんの事が?」

 

「うぇぇぇ!///ちょ!セシリア!今なんてい、い、言った!?///」

 

「この際ハッキリと言っておきます。わたくし、セシリア・オルコットは昴さんの事が異性として好きですわ」

 

「セシリア…」

 

「それで?」

 

「え?」

 

「それで、箒さんはどうなのですか?」

 

「私は…私も…私も、昴さんが好きだ。出会った時から、優しくしてくれた時から、私を励ました時から、ずっと、ずっと好きだった」

 

「ええ…そうでしたの」

 

「ああ。だから、この気持ちは誰にも負けたくない!勿論セシリアや他の人達にも」

 

「…それを聞いて安心致しましたわ。ですから、昴さんの無事を祈りましょう」

 

「ああ、分かった」

 

そう言って、セシリアと箒は昴の無事を祈るのであった。

 

 

 

スバルの正体を明かす人

  • セシリア
  • ラウラ
  • グリフィン・レッドラム
  • ベルベット・ヘル
  • 織斑千冬
  • 山田真耶
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