辻風 結様へのファン小説   作:小説ネキ

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辻風さんの話し方再現するの難しいな…


変わりすぎた街並み

見知らぬ街を歩いていく。

昔のように着物を着ているものも、刀を差している者もいない、見慣れない光景。

奇抜な服を着た人々はしかし、鎧と着物を合わせたような服を着て歩く私には見向きもしない。

神を見ることができる人間なんぞそれこそ一握りの巫女くらいなのだから当たり前の話なのだが。

 

 

「しかし、本当に変わったなあ」

 

 

昼間だというのにビカビカ光る看板。小さな板切れを指で叩く同じような服でそろえた若い女たち。灰色の柱とそれにつながる空を横切る黒い糸。

江戸の町ですら考えられなかった景色だ。

 

ひょい、と果物屋から赤い果実を一つ拝借し、かぶりつく。

じゃくりじゃくりと咀嚼する私の横を馬なんぞよりも速い鉄の箱が通り過ぎて行った。

 

 

「人は、もう神など必要ないのかもなあ」

 

 

かつて見かけた地蔵ですら今のところ見ていない。

なによりここの人間たちからは信仰なんぞ欠片も感じない。

神というものはそのあたりは敏感なのだ。なにせ自分の力に直結するからな。

 

時代の移り変わりの早さを憂いていると、ようやく目的の神社へ着いた……のだが。

 

 

「なんだここは。本当に神社か?」

 

 

境内の中に置いてある可愛らしい絵の数々。

なんぞ妖しい店にでも入り込んでしまったのかと後ろを振り返るが、そこには昔からある鳥居が見えるだけだ。

 

 

「絵馬にまで。いつからここは春画屋になったんだ?」

 

 

吊るされている絵馬を覗き込むと破廉恥な格好をした女子が描かれている。

絵と共に「〇〇ちゃんのフィギュアが手に入りますように…!」と書かれていた。

フィギュアとはなんぞや?と首をかしげていると不意に肩を叩かれた。

誰ぞと振り返ってみるとそこには険しい顔をした友が立っていた。

 

 

「鬼が俺の神社に何の用だ。荒らしに来たってんなら受けて立つぞ」

 

「友の顔を見忘れるとは薄情者め」

 

「俺に鬼の友なぞおらん」

 

 

その返しにああ、とようやく合点がいく。

そういえば私の姿はもはや全く別物になっていたのを忘れていた。

 

 

「私だ、私。山の上の辻風さ」

 

「はあ?辻風は男で神だ。お前のような女の鬼などではない。馬鹿にしているのか」

 

「それが起きたらこうなっていたんだ。お前なら理由がわかるかと思ってな。ついでに現世の状態も確かめたくて」

 

「信じられるかそんなこと」

 

 

まあその返事は想定内だ。なので私だと分かるとっておきを話すことにした。

 

 

「ほう?では葛飾北斎とやらに勝負を挑んで、勝負にもならなかったと泣きついてきたのは誰だったかな」

 

 

ギクリ、と体を強張らせる友に畳みかけるように言葉を続ける。

 

 

「その上その後やけ酒だと私への酒を全部飲んでしまって神主と巫女に正座をさせられていた情けない神は……「分かった分かった!お前が辻風だというのは分かったから口を閉じてくれ!」

 

 

分かればいいんだ分かれば。

険しい顔を解き、今度は物珍しそうな顔で私を見る友。

 

 

「しっかし……随分変わったな。何があった?」

 

「それが分かれば苦労はしない。お前は私より早く起きていたのだろう?なにか思い当たることはないのか」

 

「ふうむ……。よし、とりあえず上がっていけ。昔と違って神主も巫女も俺のことは見えないからな、暇で仕方がなかったんだ」

 

「ではお言葉に甘えるとしよう」

 

 

こうして私は友の神社へお邪魔することになったのだった。

 

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