GIRL AND COMBAT ZERO ~THE TEENAGER WAR~ 作:アルファデッド
今回は本当にタイトル通りの内容です。
長門SIDE
大会の予選が終わってこれから準決勝へと進むわけだが時間が空いているため、通常業務に戻ってアラート勤務をしているところだ。
普段はそこまで忙しくないが海域によって航空自衛隊の代理として国籍不明への対領空侵犯処置を担う都合上、1日3〜4回またはそれ以上スクランブル発進を行うことがあり、その時は忙しい上に責任重大な任務である。
それ以外に全国学園艦連合が定める
何交代制については場所とその基地の規模によってさまざまであり、当然秘密である。
今回は夜間を担当し、バディーとして小原がいるわけだがアラート待機所にはパイロットだけでなく、整備員も一緒にいる。
バンカーとアラート待機所は少なくとも通常爆弾の直撃に耐えられるように設計されているためか、コンクリート壁がかなり厚いだけでなくて
そして、パイロットが快適に過ごせるように施設が整っており、エアコンはもちろんのこと夜間作業作業灯などがある。
さて、読者への説明を終えたところで世間がクリスマス商戦で浮ついている時にむさくるしい野郎共と小原で夜間勤務の最中だ。
私が騒がしいことを好まないと知っているからか、かなり静かな空間で快適なものである。
基地の消灯時間を過ぎ、これから深夜帯に入るというときに無音になっているテレビではニュースが流れていた。
私はロイヤルミルクティーが入ったマグカップを片手に『我が闘争』を読みふけっている。
ただ、一方的にヒトラーは批判されているが彼の思想を読み解かないことには批判をすることはできないが、言えることがあるとすればヒトラーはなるべくしてなった人生であると分かった。
賛同するつもりもないが、当時の荒れたドイツではメシアにでも見えた。
でなけりゃ、終戦までいくらゲシュタポが怖くても国民は戦争を続けなかっただろうな。
これまでも所謂
スターリングなんて、人の血が流れてすらいない。
まあ、こんな退屈な話をしても読者の皆様は退屈であろう。
さて、切りのいいところで本を膝の上に置いて身体を伸ばしていると視界の端で雄二が映画化されている推理小説を読んでいる。
その本の作者のシリーズで初の長編小説で内容が少し重く、感動的である。
私も読んだことがあるけれど、まだ子供だった私には理解できない部分があって大人になって経験を積んだ頃に読み直そうと考えていた。
なにせ、恋とそういうものを未だ理解できない。
まあ、こうして平気な顔をしているけど男性にはトラウマに近いものを抱えている時点で生涯独身は確定したも同然なのだが、小原に対してはなぜかそういうことは起こらない。
初の弟子だからなのか、なんであるかは分からないけれど安心感に近しいものを感じる。
本当になぜだろう。
その思った刹那、上級軍曹が座っている席にあるホットライン用電話機が鳴り、私と小原は持っていたものをサイドテーブルに置いてヘルメットを手に取った。
「スクランブル!」
上級軍曹がそう言うと同時にサイレンとベルが鳴り響き、整備員と共に隣のバンカーへと走る。
小原はもう一つ向こうのバンカーへと走る姿を見届けながら梯子を駆け登って愛機に乗るとエンジンを始動させ、計器類チェックとヘルメットにつけている酸素マスクのパイプ接続をした、第一と第二エンジンが暖機に入ったことを確認するとエルロン及びエアブレーキを動かした。
動作に異常がなく、バンカーの耐爆扉が開いており無線ではタワーから必要な情報が通報されていて高度計とIFFを弄って、警戒管制隊の周波数をメモしていつでも変えられるようにしている。
暖機が終わり、回転数が安定して滑走路へタキシングすると隣のバンカーから小原が乗っている機体も出てきた。
滑走路に入って停止して最後のエルロン動作確認をして小原にハンドサインを送ってすぐにスロットルを押し倒してさらに大きな轟音が夜の空を切り裂いた。
無線を警戒管制隊に切り替えて今後の指示を仰ぐ形になる。
今回は学園艦が太平洋側を航行しており、大抵はテロリストであることが多くて撃墜許可が出る。
方位に245に向けて最大巡行速度で向かい、目標に対して少し遠回りに接近して背後に着くような形にしようとしていた。
テロリストがどこで戦闘機を手に入れているかは分からんが、学園艦を狙う理由はさまざまだ。
ただ、学園艦のような鉄の塊が制御ができずにどこかに突っ込むと甚大な被害が出るのは間違いないし、独身国家を作れなくもないから狙われるらしい。
そんな阿保なとは思うだろうけど、現に私たちの会社や他社も必死になって対処している。
そんなことよりE-2Dから共有されている情報によると目標はあと4マイル先にいるようで5機編成のようだ。
一応
目標は航空灯を消しており、ほぼ間違いなくテロリストである。
<<こちらは大洗防衛機構空軍部門 貴機は大洗学園艦領空に接近しつつある 速やかに針路を変更せよ>>
領空侵犯対処要領と同じように無線警告と目標に対して自機の翼を振って「我に続け」の警告を見せたところで3機が編隊から外れてこちらに真っ直ぐ向かって火器レーダー警報が鳴った。
[WARNING] RADAR LOCK
<<目標からの敵対行動及び攻撃の意思を確認 実弾に切り替えて撃墜する SLAVE1 WEAPONS FREE>>
小原<<ROGER, COMMENCE AN ATTACK>>
敵の編成は護衛の戦闘機3機と戦闘爆撃機2機だ。
所属は当然不明であるが、差し向けてきた相手は情報部の連中が解析してすぐに判明するだろうと思っている今度はミサイル警報が鳴り始めた。
[WARNING] MISSLE
回避運動はすでに始めていたが、わざと単調な動きをしていた。
連中に引き金を引かせて決定的な状況を作り出すためにね。
向こうがこっちにレーダーロックした時点で十分に撃墜できる口実はあるのだが、言い逃れができないレベルにすると
相手をオーバーシュートさせてハイGターンで背後にいる敵機をなるべく引き離した上で急上昇してオーバーシュートさせた敵機に目掛けて降下してコクピットに銃弾を叩きこんだ。
キャノピーが20mm弾に耐えられずに砕け散り、敵パイロットが原型を留めていないことは容易に想像できる。
敵がこれを見ていたのか怒り狂うのように私に集中攻撃をし始めたが、小原も私と同じようにコクピットに銃弾を浴びせて撃墜したことで残った最後の敵の護衛機が敗走しようとしたがミサイルで容赦なく撃ち落とされた。
小さい機体だったのか、バラバラに破壊されてベイルアウトする余裕がないまま海面へと墜ちていった。
すぐに学園艦へと向かっている残りの2機を追いかけて機体の種類だけを確認してから最初の撃墜した敵機と同じように無慈悲に暗闇へと叩き墜としてミッションコンプリート。
<<MISSION COMPLETE VICTORIA SQ RTB>>
そう宣言して学園艦へと戻った。
着陸して戻れば報告して少し休憩してからスラングル発進していた間にバックアップで入っていたパイロットと交代して待機に入る。
先ほどのフライトの操縦を思い出して反省点を見つけ出しては次はどうすべきかを考えるを繰り返して頭が疲れたら甘いものと紅茶を飲んでは本を読んで夜を明ける。
これが私の、いや、0空団の夜間待機の日常だ。
小原SIDE
俺の日常は夜間待機もしているが、俺が多種多様な機体の操縦資格を持っているというせいでなおさら忙しい。
人員欠如時のバックアップ要員として救難、輸送や教導などと業務が多岐に渡り、ほぼ休みはなくて割と呼ばれる。
特に救難は熟練の操縦資格者でないと務まらないため、パイロット不足が深刻だったりするが簡単には増やせないというジレンマをどこの会社も抱えている。
自衛隊よりいくら人員が多いとはいえ、熟練者と呼ばべるものは決して多くないし、条件もかなり厳しい。
当たり前ではあるが、救難はかなり厳しい状況下で安全かつ繊細な操縦を求められる。
救助者が遭難者になるということがあってはならない。
そのプレッシャーは尋常ではないし、自衛隊の救難隊ほどの経験を持ち合わせていないから尚更大きい。
いくら研修して練度を高めたところで実地の経験だけはどうしようもないし、自衛隊と海上保安庁の救難部隊を超えることは無理に近い。
高校生に瞬時かつ的確な判断をする方が酷だ。
今日は救難の夜間待機をしている時に学園艦が航行している海域の近くにいたタンカーから緊急要請があり、近くには自衛隊も海保もおらず、最速で1時間で到達できたらいい方で天候も悪化傾向にある。
しかし、患者の容体は芳しくないようだ。
どうやら作業中に発作を起こして倒れ、その際に頭部を強く打ってしまった。
それも打ちどころが悪くて血も大量に流しているとのことだ。
緊急発進のサイレンが鳴って、ヘルメットを手に取ってヘリがいる格納庫の外へと走り、牽引を終えたばかりのUH-60J改Ⅱ型(架空機)に乗り込んでエンジン始動の準備を始めた。
その間に
プロペラ稼働範囲内に人がいないことをしっかりと確認し、エンジン始動と同時に機材動作チェックを行う。
無線では接続確認と現場の気象情報が伝達されていた。
風はタンカーの気象観測装置によれば最大で20KT以上吹いており、波は最大で2Mを超えている。
見通し距離はあまりよくはなく、今後の予報ではかなり悪化が見込まれていた。
飛行場の直上でもあまり良くない雲が流れてきており、今夜の天候の悪さを物語っている。
エンジンも暖まり、回転数も安定してきたところでフルスロットルでエンジンの異常な振動や音などがないことを確認して出力を最小にしてから整備員からゴーサインをもらう。
輪留めが外されて、エンジンの出力を60パーセントまで上げて6フィート上がったところで滑走路までホバータキシングで移動した後にヘリの発着に着くと管制塔からの情報を得て出力を上げて真っすぐ要救助のところへと向かった。
予報通り空域の天候が悪く、目的のタンカーに近づくにつれて風が強くなっているのか機体が流れ気味で操縦桿が重くなっている。
機載の気象レーダーでは積乱雲やその一歩手前の塔状積雲が周辺のエコーとして映っており、いつ放電(落雷)してもおかしくはないほど大気が不安定だ。
冬の特徴的な気圧配置である西高東低のせいであり、雪も降り始めている。
海の状態も上空から見た感じだと落水すれば間違いなく生き延びることが絶望的だと一目で分かるほど波が高く、この気温で水温だ低いことが容易に想像できる。
20分の気象状態と戦いながら飛んでいるとGPS上では目標のタンカーに近づいていることを示していた。
風はタンカーの情報によると最大で30KT吹いているようで、ホバリングを維持するのが困難だがやるしかない。
救難員がドアを開放してホイストクレーンの準備をしている間にタンカーで救難員が降りられるように少し広めの場所の真上になるように機体を安定させ、1メートル以上動かないようにホバリングを開始して救難員にゴーサインを送った。
救難員が降下を開始し、機体位置を逐一確認して推定着地地点を微調整しながら高度を一定に保つことを努める。
一人目が降下を終えてすぐにホイストを引き上げて二人目の降下を開始している間に一人目の救難員が要救助者の元に駆け付けた。
無線で現場の実況が入り、担架が必要となり二人目が担架を抱える状態で降下することになる。
担架が変に風やヘリのダウンバーストで流されないように重りをつけたロープを着地地点に落としてから二人目の降下を開始した。
要救助者の応急処置が終わってタンカーの乗組員の協力で外まで運搬し、二人目が降ろした担架に乗せ換える。
そして降下した二人目の救難員が先ほど落としたロープを担架に繋げて、担架と一人目の救難員のロープが捻じれていないかを機上員が確認し終える。
俺もエンジンの出力をわずかに下げて安定させて救難員からのゴーサインを待つ。
天候も見る見るうちに悪くなり、見通し距離も落ちていて飛ぶってレベルではなくなり始めていた。
担架の上昇が開始され、二人目の救難員が担架に繋げたロープで担架が変に回転にしないように細心の注意を払い、要救助者を刺激しないように一丸となって動いている。
その時、突風が吹くも操縦桿越しでその予兆が伝わって風が吹くと思われる方向に少し傾けて機体の安定な状態を維持した。
担架が上昇し終えて機内に収容されて、タンカーに残っていた救難員を回収して帰投する。
滑走路の発着位置に着いてからホバリングタキシングで駐機位置に着地してすぐにエンジンを切るとスタンバイしていた救急車が近づき、機上員ろ救難員が慎重かつ素早く担架を運んだ。
プロペラが完全に止まったことを確認してフライト報告書と進出帰投路の気象状態を書いてまた待機して夜明ける。
これが俺のスラングル待機とは別の夜の日常だ。
続く
リアルに忙殺されて中々更新できなくて申し訳ないです。
次話も出来れば早めに投稿できたらと思っています。