GIRL AND COMBAT ZERO ~THE TEENAGER WAR~ 作:アルファデッド
今年もよろしくお願いいたします。
今年の初投稿になります。
本当に完結できるように頑張ります。
長門SIDE
思ったより対戦相手の動きは早かったが、これの方がやりがいがあるというものだ。
中距離AAMで牽制して、ヘッドオンコースを避けさせた上でサイドワインダーに兵装を切り替えて護衛機を狙うかのように機首を向けて距離をさらにつめると爆撃機の方にロックオンして発射して、護衛機に機銃でヘッドオンしてすれ違いながらチャフを散布していった。
ミサイルをまともに避けきれずに爆撃機編隊の1番機が撃墜判定を受けてさらにミサイルの爆発範囲内で破片飛来によって2と3番機は一部の操縦系統に損傷を負い、中破判定となっていて追撃をしなくてもすぐに墜ちるほどのダメージだ。
機銃で撃たれた護衛機も撃墜判定だ。
旋回すると敵機もこちらに向かってきて、ミサイルを放つもフレアで躱してヘッドオンで機銃で撃って1機を墜とす。
こちらが2機だけで対応しているから仕方がないが、すぐ後ろを付かれてしまうが久しぶりにこういう状況になったから少し心が躍る。
それは長嶺も同じらしくて動きに表れている。
決して相手を貶しているわけではないが、楽しいのは事実だ。
後ろに張り付いていた敵機をオーバーシュートさせて、ミサイルで墜とすことを繰り返していると敵機をすべて墜としていた。
ヤタガラス<<敵機はすべて片付いたようだな。スレイブ1と電子戦機は作戦空域へ 鮟鱇隊は爆撃機と合流したところだ。クイーンは作戦空域へ ナイトは鮟鱇隊と爆撃機の護衛機だ>>
<<クイーン、了解>>
長嶺<<ナイト、了解>>
ブリーフィングでの手筈通りに高度を下げて最大巡航速度で作戦空域へと向かった。
レーダーから探知されることを避けるためとはいえ、ここ最近は高高度飛行をしていない。
悪天候の多い日本海の冬だと暗い雲を抜ければ綺麗な青色の空が広がっており、何者にも穢されていない景色が私の心を昂らせてくる。
地上の柵から解放され、私だけの王国が存在する。
きっと、小原も同じことを思っているはずだ。
孤独と孤高の自分だけの王国があり、同じ者同士が共感できることだ。
私がただの長門美優であり、空のクイーンであることだけが私という存在を証明できる唯一の居場所である。
今日も明日も飛んで守る。
それだけだ。
小原SIDE
生まれてから愛された記憶もなければ人として扱われたこともないまま、宮原家という呪縛のせいで予備部品として生きてきた自分にとって大空は自由で何者にも縛られず、ただ一人の人間、否、死神として唯一存在出来るのが、ダークブルーの青空という名の戦場と王国だ。
いつしか愛おしい者と一緒に見たかった光景で私の墓場となる。
誰からも愛されない地上に用はないが、逃げるように捨ててしまった彼女にキチンと別れを告げれなかったことだけが心残りだが、些細なものだ。
ここ来れば自分の存在意義が初めて証明され、小原雄二でもなんでもない一人の男としていることができる。
数多の偽名を使い、忌々しい名を捨てて地上では名前もないけど、己の力で自分を示せる場所を誰にも奪わせはしない。
中国地方の山を越えて広大な作戦空域に到達すると現地の諜報員及び特殊部隊とのデータリンクによってミサイルサイロのミサイル発射管制施設の位置がレーダーとHUDに表示され、頭の中で瞬時に最短ルートを割り出して自分の位置から一番近い目標へと向かった。
電子戦機は山越えする少し前に高高度へと上昇して敵の通信と支援装置の無力化を開始しており、自由に飛べる時間はまだある。
対空兵器による抵抗はほとんど受けずに照準ポッドを起動して動作チェックをすぐに終わらせると、爆撃機がまもなく配置に着くという一報が来た。
対空機銃がポツポツと火を吹き始めたものの、電子戦機の妨害で直接照準しか使えない状況では当たる方が難しい。
爆撃機<<こちらジュリエット1、作戦空域に到達した。指示をどうぞ>>
<<スレイブ1、了解>>
返答するとすぐに大きく旋回して一つ目の目標を捉えると操縦桿の引き金を引いて、横風に流されないように照準を合わせ続けてHUDでの円が小さくなって一定リズムを刻んでいた音の間隔も短くなり、消えると同時に目標にバンカーバスターが命中して爆発が視線の先に見えた。
中央ミサイル発射管制施設も存在するが、存在が極秘のため今回の大会では各サイロに配置されているミサイル発射管制施設を破壊判定するとそのサイロは使用不能という特別規定が適用になるため、点在する発射管制施設のみ破壊することになったからまだやりやすい。
中央ミサイル発射管制施設となると猛烈な抵抗に遭うからな。
目標は撃破されたことを確認するとすぐに次の目標へと機首を向けると敵の護衛機がレーダー上に映り始めているものの、まだ電子妨害で俺の位置を把握出来ていない。
しかし、電子戦機の方へと向かっているものの長門が真っ先に対処しに行くようだ。
次の目標も同じように破壊を続けたが、流石に向こうも黙っているはずもなくて電子妨害があっても対空ミサイルが飛び始めて対空機銃も組織的な抵抗を形成していた。
流石に簡単にやらせてはくれないが、まだ戦闘機がこっちに来ていないだけマシで照準を合わせることに集中しつつも回避運動もできる範囲だ。
機体に銃弾が掠め始めていくが、飛行に支障はないのでそのままロールなどで照準が大きくズレないように上手く回避をして命中させてさらに次の目標を破壊に向かおうとした。
だが、物事がそう都合よく簡単にはいかないし、嫌な予感予感というのはこういう時に限ってよく当たる。
その後は順調に破壊を終えた瞬間にレーダー上にICBMの表示が現れた。
ヤタガラス<<クソッ!してやられた。ダムの中からICBMの発射が確認された。高度が低い間に破壊せよ>>
増量槽を切り捨てて機体を軽くするとすぐにアフターバーナーを使わない最大速度で発射された飛翔体のほぼ真下について自己防衛用のミサイルと機銃でミサイルを無力化した。
爆発があったものの燃料系に引火してからの誘爆ということもあって、放射性物質が漏れだすこともなく無力化されるが、更なる発射も確認されていた。
ヤタガラス<<方位010 新たなICBMの発射を確認っと!? さらに方位180でもICBMの発射を確認 クイーンは方位180 スレイブ1は010の破壊をせよ>>
<<了解>>
ダムから発射されるICBMの噴射炎と白煙が2つ見え、この世の終わりをはっきりと知らしめる恐ろしいさがある。
距離が少し遠いものの破壊に成功すると残りのサイロの無力化に向かった。
(ジルバー隊、慶良間は最後の方に出てくるつもりだな)
サイロの防衛する戦闘機に追われながらサイロを破壊しに周り、長門が纏わりつく護衛機を墜としていくと最後の一個になった。
山肌にあって風の影響を受けやすいが、無理ではない。
照準を合わせると機体が右下に引っ張られて高度が想定よりも早く下がっている。
(バンカーバスターの投下は取り消せないぞ)
相変わらず山風は読めないな。
軽く操縦桿を動かして修正してポインターがズレないようにして細心の注意を払う。
バンカーバスターが命中したことを見届けてから高度を上げて長門と合流すると、AWACSからエリート部隊が来たという無線が入る。
ヤタガラス<<スレイブ1、最後のサイロを破壊・・・ ヴィクトリア隊 複数の機体が接近中 様子が妙だ 警戒せよ>>
<<来たか>>
レーダー上には綺麗な編隊を組んでいる機影が映っていた。
??2<<戦線の主導権が敵にあります>>
??1<<奴らは速い ついていけ>>
??2、3、4<<了解、ボス>>
白虎が猛威を振るい、鮟鱇隊へ矛先が向くことはなくて真っ直ぐ私に向かってきた。
??1<<私についてこい>>
なぜ、4機しかないんだ・・・とは言えないな。
長門<<おかしくないか?事前情報では5機と聞いているんだが>>
<<隠れている可能性は・・・ない。ジルバー隊は正々堂々と勝負をしてくる。慶良間教室の教官、いや、隊長が引退した可能性があるな。ぼやいていたしな>>
俺が退任した時に慶良間はもう弟子に託したと言っていたな。
<<なら、こいつらの実力を試させてもらうか>>
長門<<悪役みたいなこと言いやがる。自己防衛用のミサイルしか持っていないのにな。まあ、私も望むところだ>>
<<クイーンも人のこと言えないですよ>>
長門<<フッ 行くぞスレイブ1 出来るだろ>>
<<仰せにままに>>
照準ポッドは機動性に大きな影響はないからいつも無茶はできる。
バレルロールをしながら出会い頭で1機を撃ち墜として、ハイGターンでもう1機の背中を追う。
??1<<ジルバー3、ベールアウトしろ>>
ジルバー3<<やはり、届かないのか・・・>>
決して実力は悪くないが、俺と長門が相手になった時点で運の尽きだろうな。
サッチウィーブで長門が引き付けていた敵機を墜として、今度は俺には背中に着かせるつおもりだったが、慶良間教室を受けているだけあった乗ってはくれない。
だが、まだまだ改良の余地はある。
シザーズに持ち込んでからハイ・ヨー・ヨーで綺麗に上を取って機銃で無力化した。
ヤタガラス<<大会運営から状況終了の電文を受信した RTBせよ お疲れ様でした>>
終わったか・・・短いながら楽しかったな。
作戦時間は全体でも3時間くらいでほとんどが移動時間だが、内容は濃かった。
前回の初戦にあった
ジルバー1<<こちらはジルバー1、割り込み失礼する。スレイブ1はいますか>>
<<自分がスレイブ1だ>>
ジルバー1<<小原さんで合ってますか>>
<<合っているが、どこで聞いたかね>>
ジルバー1<<教官が最後まで墜とせなかった相手であり、憧れだと言っていました>>
<<そうか、今日はいなかったが、引退したのか>>
ジルバー1<<・・・引退は引退なんですけども>>
<<幼馴染を追いかけに行ったか?>>
ジルバー1<<はい・・・その通りです>>
<<ハハハハハ、それは仕方がないさ。俺が隊長をしていた頃からずっと言っていたよ。「自分はあいつの傍にいたい」とな>>
引退するには勿体ないほど腕は良いのに幼馴染のこととなるとポンコツなんだよなぁ・・・(遠い目)
みんなで弄るのが楽しかったし、一途で真剣さが誰にも負けない奴だった。
<<そろそろ、時間だから切り上げるぞ>>
ジルバー1<<時間を取ってすみません。ただ確認したですし、次遭った時は負けません>>
<<構わんよ。そして、待っているよ>>
こういう後輩は好きだぞ。
長門<<おっと、いきなり挑戦状を叩きつけられたねぇ>>
<<自分はこういう奴が好きですから>>
長門<<久しぶりに模擬戦やるか>>
<<毎回やって勝負がつかないじゃないですか>>
だいたいタイムアップか、兵装切れで終わって勝負が決まらない。
機体にそれなりのダメージは与えているはずなのに当たった気がしないが、やはり自分が勝つのはまだ先になりそうだ。
昼過ぎたばかりだが雲がなくなって快晴となり、眩しい太陽の下で砂丘を少し見てから所々に上がっている黒煙を背に帰るが、次が準決勝戦でたぶんまた俺が知っている連中と当たるんだろうなぁ。
殺気マシマシで強い・・・
俺に初の黒星がつくかもしれない。
だが、楽しみにしている俺がいる。
長門<<私ほぼ空気なんだが>>
続く・・・
BGMはACE COMBAT 7の「Magic SpearⅠ」をイメージしてください。