GIRL AND COMBAT ZERO ~THE TEENAGER WAR~   作:アルファデッド

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やる気と時間の余裕があるうちに頑張って書くぞ・・・とは言ったものの相変わらず日常に忙殺されている作者です。

とりあえず、年内にこのKNIGHT ROUTEの完結が目標です。


準決勝戦・・・ 中編

長門SIDE

 

仮眠を終えてPスーツで直前ブリーフィングで新たな情報と気象状態を受け取ると愛機の暖機運転を開始するが今は学園艦上の天気が少しばかり予想より悪くなるような低さだった。

 

当初は私が西側、雄二が東側を担当する予定が急遽変更されて私と雄二だけで西側を担当することになった。

 

挟撃から陽動作戦へと方針を変えて頑丈な防空網を崩したいようだ。

 

この方法だと損耗率20%に抑えることが出来ると言っていた。

 

但し、失敗すると作戦が総崩れするためミスが許されないが命令された以上はやるしかない。

 

今回は対地目標への攻撃を考える必要が少ないから特殊兵装として8AAMを載せることにした。

 

そして、機体がF-15CからF-15EXへと更新されて後部座席は(クレイジー変態長嶺)が担当することになってしまったが大丈夫だろうと信じたい。

 

雄二の機体もF-15EXに更新され、後部座席には不気味なAIではなく新兵の子が担当することになったようだ。

 

本当がAIを載せたかっただろうけど、AIとF-15EXのシステムの最適化が終わっていないこととちょうど課程卒業と部隊実習を終えたばかりの後部座席士官の新兵の受け入れ先に困っていた空団司令部が雄二の後部座席が空いていることを耳にしてお願いをしたらしい。

 

嫌がる様子はないが、新人が私と小原の大会での活躍を聞いてかなりプレッシャーを感じているのようでガチガチに固まっていた。

 

小原<<実習での成績は聞いている。期待しているが、緊張しすぎるな。些細なことでも報告に上げるようにな>>

 

新兵(ルーキー)<<は、はい!!>>

 

小原<<ハハハハハ、自分の新兵時代を思い出すなぁ。まあ、大丈夫だ。この機体に更新されて俺も慣れないこともあるからな。ミスをしてしまったらすぐに言ってくれればこっちでどうにか対応する。頼りにしているぞ新兵>>

 

少し顔が赤いように見えるのはきっと緊張のせいだろうと思いたい・・・

 

あれ?なんでこんなことを思っているんだろうな。

 

雄二が新兵を後ろに乗せられることは誇らしいことだがね。

 

新兵がまさかの女の子とはなというか、我が空団の女子率が高いな。

 

我が社全体の人員の3から4割が女子隊員を占めて全国の民間軍事会社では日本三番目の割合になっている。

 

ちなみに5割強で日本一はプラウダ高校学園艦を防衛する『株式会社タルコフスキー』である。

 

さすが共産圏の連中だな。

 

その次にパトリオット社で4~5割弱となっている。

 

民間軍事会社で初の女子特殊部隊隊員を輩出したところであり、意外に初女子隊員を数多く輩出している。

 

おっと、話が脱線したな。

 

機体に乗り込んでエンジン始動させて操縦系統の動作確認している間に兵装とレーダーのチェックしてもらっている。

 

|長嶺<<マスターアームロック、良し!火器管制レーダー、良し!・・・>>

 

整備員<<すべてのエルロン良し!・・・>>

 

エンジン音には異常なしで計器類にも問題なさそうだ。

 

周囲には東側の本隊を構成する戦闘機や攻撃機もエンジン始動を開始したが、時間差で到達するためか余裕を持って準備していた。

 

いつもなら雄二がもっと変態的な装備をしてくるかと思ったが、新兵のことを考えてQAAMという比較的まともな選択をしていることにホッとした。

 

ここでHPAAとかIEWS(統合電子戦システム)とかを使うと頑なに言い出したら新兵が過労死するのは間違いない。

 

HPAAは誘導性が悪い代わりに破壊力が高められている高機動での一撃必殺を狙う玄人向けの代物である。

 

IEWS(統合電子戦システム)はそもそも別分野の知識を問われるし、本来は電子戦機が担う役割で新人にECMとESMを同時にやらせるのは酷な話だ。

 

QAAMはほぼ初心者から玄人までの幅広い層が使うもので敵を有効範囲内に補足していればほぼ自動的に誘導されるからな。

 

ちょっとの回避機動では躱されないから便利な代物だ。

 

さて、こんな誰得な話をしたところで発進時間が迫っており、滑走路へと向かって管制塔から高度計の設定に必要な情報を得て反映させて停止位置に着いた。

 

そして、離陸許可が出て右隣にいる雄二へとハンドサインを送ってすぐにアフターバーナーで加速してゆっくりと操縦桿を引き、車輪が地面を離れた瞬間に収納してアフターバーナーを消してながら3万フィートまで上昇した。

 

ここまで過程はまるで曲芸飛行隊のような綺麗な飛ばした方をしたのは久しぶりだった。

 

機体を水平に戻した頃にが雄二は右隣から少し後方に下がった位置になっていた。

 

<<後ろの子は大丈夫か?>>

 

小原<<今の所は()()()()()()していないな>>

 

<<()()()()()()していないなら大丈夫だな>>

 

長嶺<<0空団は安泰ですね>>(/color)

 

《color:#0000ff》新兵(ルーキー)<<えっ、えっと>>

 

<<すまないな、みんな悪乗りが好きでな。緊張しすぎずにいつも通りでいい。失敗は我々が取り返すから心配するな>>(無自覚超イケボ)

 

新兵(ルーキー)<<は、はい・・・()()()()>>

 

ブルータス!お前もか!!!

 

|長嶺<<ルーキーちゃん、分かるわ。私もそうやって陥落したのよ>>

 

や、やめろ!

 

これ以上事態をややこしくするな。

 

小原<<さすがクイーンです>>

 

<<お前、覚えておけよ>>

 

この会話が新兵の緊張を和らげてくれるといいんだがなと思いながら、小原をちょっと許さないリストに入れてあげることにしてどうやって〆てやろうかと考えていたらAWACSから無線が入る。

 

ヤタガラス<<ヴィクトリア隊、間もなく作戦空域に入る。高度1000ft以下に規制する。無線封鎖を実施せよ>>

 

<<ヴィクトリア隊、了解>>

 

緩やかに800ftまで降下し、小原も私に追随している。

 

下には海、左側には陸地が暗闇の中で微かに見えているが離れているせいで少し小さく見えており、この風景は2時間程続く。

 

遠回りで作戦空域に接近していることもあって途中で給油し、連続4時間も飛行している。

 

まもなく朝日が見えるだろう。

 

|長嶺<<方位290 10nm 敵機3機 パトロール編隊と思われる。方位100へ飛行中>>

 

手筈通り、ド派手に暴れて連中の防空隊を引き付けてなるべく本隊も引きずり出せる勢いでやる。

 

その時、太陽が登り始めて周囲が徐々に見えるようになった。

 

太平洋側はやはり天気がよく、視界も良さそうでドッグファイト日和だ。

 

<<行くぞ>>

 

小原<<スレイブ1、了解 クイーンに続く>>

 

クローズ回線で小原に攻撃を仕掛けることを伝えて、急上昇ですぐにパトロールしている敵機へと喰いかかった。

 

パトロール機1<<こちらサングリア12、異常なし>>

 

敵AWACS<<サングリア12!!方位190 5nm 敵機2機だ>>

 

サングリア12<<そんなバカな!>>

 

パトロール機2<<み、ミサイルロックされた!回避すr>>通信途絶

 

パトロール機3<<サングリア14がやられた・・・クソ!!!>>

 

先制で私が1機、小原が2機を墜として周辺がクリアになった。

 

ヤタガラス<<2時間ちょっとぶりだな、ヴィクトリア隊 今ので増援6機がそちらに向かっている。別のパトロール編隊2個が合流してランデブータイム(推定接敵時間)15分だ>>

 

6機だけか?

 

予定ではもっと来るはずだが、まさか本隊がしくじってしまったのか。

 

嫌な予感がするな。

 

今回は鮟鱇隊全13機に加えて学園艦防空を務めることが多い常陸隊から7機の護衛機を差し出ししてもらっている。

 

しかし、鮟鱇隊が対地対艦兵装をメインにしているせいで対空戦闘能力が著しく低下しているため、敵防空隊に出くわすと太刀打ちできない。

 

しかも鮟鱇隊は帰投用の自己防衛対空ミサイル2発のみで増量槽と対地対艦ミサイル満載だ。

 

護衛機の連中も腕っ節とは言えれど、数の力には抗えない。

 

常陸隊はSu-35S、F-16V BLOCK72、MiG-35SやF-15J改Ⅳ型(架空機)、鮟鱇隊はF/A-18E BLOCKⅢとF-2改Ⅰ型(架空機)でなんとか質で補っている現状である。

 

おっと、こんなことを語っているうちにそろそろ増援と接敵するはずだ。

 

|長嶺<<方位010 敵機6機 情報通りです>>

 

<<小原、撃ち漏らしを任せた>>

 

小原<<スレイブ1、了解>>

 

兵装を8AAMに切り替えて、ロックオンして引き金を引いた。

 

長嶺<<ミサイル切り離し問題なし クイーン、ミサイル発射>>

 

6本のミサイルが綺麗な煙を残しながら敵機へと吸い込まれて爆炎が見えた。

 

ヤタガラス<<周辺に敵機なし ヴィクトリア隊!大至急、本隊の増援へ行ってくれ!>>

 

どうりでこっちへの増援が少ないわけだ。

 

パトロール隊を撃墜した時点でレーダーに探知されているから高度を下げる必要もなくなり、25000ftまで上昇した後にいち早く到達するためにわずかな余裕を残していた増量槽分を使い切るつもりでアフターバーナーを焚いた。

 

速度計と燃料計がクルクルと周り、機体がほんの少し揺れてエンジンの咆哮が身体に伝わる。

 

最悪は通常ミサイルのみでXB-0を倒すことになるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵藤大尉SIDE

 

対艦対地ミサイルを満載にした隊を率いて100ft以外で統制して極力探知されないように努力したものの、無駄になってしまった。

 

向こうの情報部かレーダーの探知能力が上だったようだ。

 

AWACSからの情報だと25機がこっちへ真っ直ぐ来ているらしいが、実質戦闘機が13機しか以内我々には対処できず、ヴィクトリア隊が間に合ってくれることを願うしかない。

 

対艦ミサイルはそろそろ射程圏内になるが、対地ミサイル組を目標まで届けないと今作戦は失敗となる。

 

対艦ミサイル組はあくまでも敵の護衛艦隊を排除するためにいる。

 

機銃でも破壊出来なくはないが、時間とリスクが伴うだけだ。

 

なんとか目標に少しでも近づくために最大巡行速度で接近しているが、先に墜とされそうだ。

 

[WARNING] MISSLE LOCK

 

敵のAWACSレーダー補助を受けた中距離AAMの射程圏内に入ってしまった。

 

<<鮟鱇1から鮟鱇隊全機へ、アフターバーナーを許可する 常陸隊、護衛を引き続きお願いします>>

 

常陸1<<常陸1、了解 常陸5、6,7 対ミサイル弾用意 全機6000ftまでの高度制限を実施、それ以上は命の保証をしない>>

 

相変わらず冷たい奴だけどやることはやるなと思いながら自隊の全機を3000ftまで上げて迫りくる敵に備える。

 

ヤタガラス<<鮟鱇隊 ASM-3改、AGM-84D(ハープーン)ASM-2B(93式空対艦誘導弾(B))射程圏内(100km)だ>>

 

<<各員、聞こえたな 発射後は直ちに離脱コースで帰投せよ 副隊長、頼んだぞ 以上>>

 

今の察したと思うが、俺は対地ミサイル組だ。

 

副隊長と隊の約半分を対艦ミサイル組に入れて俺を含めた半分を対地ミサイルを兵装として積ませている。

 

20本のミサイルが緩やかに下降しながら加速して視界から消えて行き、6機が帰っていった。

 

アフターバーナーは僅か時間しか使えないものの、これで少しでも目標に近づけばいい。

 

[WARNING] MISSLE

 

警告が出たものの、常陸隊の対ミサイル弾のおかけで来ていた二十数発が墜とされていった。

 

ヤタガラス<< 敵の追加増援12機 高速で接近中 25機編隊は6分後 12機は10分後に接敵予定だ>>

 

おいおい、マジかよ・・・

 

常陸1<<常陸1から鮟鱇1へ、そのまま突っ切れ 我々が連中を引き受ける>>

 

<<幸運を祈る>>

 

常陸1<<ふっ、そのセリフはそのままお返しする>>

 

ロックウィングからの緩やかな上昇をかましていく常陸隊を見届けて目標への進路を維持した。

 

さて、そろそろ対艦ミサイルが敵の護衛艦隊に到達する頃だ。

 

ヤタガラス<<鮟鱇1、対艦ミサイル14発命中 残存艦は5隻だ 防空能力は大幅に削れているが油断するなよ>>

 

戦果まずまずだが、安全に飛ぶには十分だ。

 

周りを見渡しても海と追随する僚機しか見えていないが、レーダー上では青い点と赤い点が点在している。

 

見えているこの穏やかな空に合わない大規模な空戦が起きようとしていることを考えると参加したかったな。

 

だが、ジャイアントスレイヤーというのも悪くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻先の話

 

小原SIDE

 

護衛のはずの常陸隊が敵の増援と交戦し、奮戦しているものの数の力に押されている状態だ。

 

ヤタガラス<<常陸隊が3機を喪失>>

 

37機対7機で怯まずに挑んだ奴と気が合いそうだ。

 

<<花火の中に突っ込むぞ>>

 

バレルロールをしながら急降下で戦場へと突入した。

 

これは楽しい混戦になりそうだと思いながら1機にミサイルを浴びせて急上昇にもう1機を墜とす。

 

ミサイル煙で悪化する視界、進路上に出てくるミサイルや機体をすり抜けながら敵機を次々と墜としていくが、新人の目が回ってないか若干心配ではある。

 

<<ルーキー、生きてるか?>>

 

ルーキー<<はい、大丈夫です>>

 

大丈夫そうなら、いい。

 

背についた敵機を引き付けてさらに上昇してしっかりとへばりついてることを確認した上でエアブレーキを展開して急失速させた。

 

[WARNING] STALL

[WARNING] MISSLE LOCK

 

さらに操縦桿を左に倒して機首が下向きに少し落ちたらスロットルを全開にして敵が放ってきたミサイルをフレアで躱して擦れ違う寸前にミサイルを撃ち込んだ。

 

長門<<スレイブ1、援護を頼む>>

 

次の敵機を墜としに行こうとしたタイミングで長門から援護要請が入り、レーダーと目視で位置を掌握して操縦桿を動かしてその道中も数機を葬る。

 

高い誘導性を誇るQAAMだから出来ることだか、それではつまらない。

 

爽快感とか撃墜感が薄いのだ。

 

そんなことはともかく、長門の背中に引っ付いていた2機のうち1機を機銃で蜂の巣にして残った方を追い詰めて長門の機体の前に押し出す形のオーバーシュートを誘発させて援護を切り上げた。

 

レーダーにはまだまだ赤い点が散在しており、客観的な数の不利を覆せていない。

 

こんな状況の混戦は昂ってしまうな。

 

入り乱れる機体とミサイル、視界を狭めるミサイル煙や進路を強制変更をさせてくるもので全神経を尖らせてここにただ唯一のルール『勝ち残れ』に従って知的でかつ獣のように暴れる。

 

運すら喰うか喰われるかの運命を分ける世界だ。

 

<<ルーキー、生きているか?これからが激しくなるぞ>>

 

ルーキー<<行けます。火器管制は任せてください>>

 

<<頼んだぞ>>

 

ここまでの()()()()()()揺れに耐えれているなら、御の字だ。

 

加速、失速や緩急旋回などとありとあらゆる動きで機体を操っては自由気ままに飛ぶ。

 

これがパイロット()の王国であり、俺を示す唯一のアイデンティティである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残り25機

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

??<<『鬼神』を阻止する>>

 

<<『鬼神』だかなんだか 目障りな蠅だ>>

 

<<対空戦闘用意!>>

 

ヤタガラス<<不味い、想定よりもダメージを与えられていない。ヴィクトリア隊、すまないが飛び立とうとしている巨鳥を狩れ>>

 

<<油圧系を切り替えろ>>

 

<<ダメコン、急げ!>>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??<<いよいよ、片道切符が切られたか・・・>>

 

 

続く・・・

 




次話はかなり遅くなります。
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