蒼き鋼のアルペジオ 光速の駆逐艦が征く 作:ニャモししゃもじ
この世界には“霧の艦隊”と呼ばれる人類の科学力を遥かに超える超兵器を持つ謎の勢力が存在する。
人類は霧達によって海から駆逐され、シーレーンも長距離通信も断たれたことによって各地に孤立した。
霧は“アドミラリティ・コード”に従って行動しているが、ヨーロッパを最後に現在は消息不明。霧は最上位に位置するアドミラリティ・コードを探し求めている。
何故こんなに詳しいのには二つの理由があり、一つ目は俺も霧の一員だから、もう一つは今は置いておく。
そして、そんな霧に立ち向かう者達がいる。彼らの名は“蒼き鋼”、イ401に乗って霧を倒す言ってしまえば英雄的な存在なのだが、リーダーである千早群像率いる彼らは人類に与している訳でもないので、霧だけでなく人類からも危険視されている。
確かに例え同族であったとしても、命令を聞かないくせに自分達よりも強いと脅威に感じるのは仕方ないと思うが、流石にアホじゃないかと思う。
独自の航路を爆走しているとはいえ霧と敵対してるのに違いは無いのだから。
「やっぱり、そう考えると人って醜いな」
俺も
「なに辛気臭い空気出してんだよ。そんなのお前には似合わないって言ったろ?」
「………そう言うお前はもうちょっと緊張感持てよ」
だから人の気も知らないでいきなり背後から声をかけて来たコイツに文句を言っても許される筈だ。
「おいおい、それが“艦長”に対する態度かよ?」
「何度も言うが俺はお前を艦長と認めたことは無いからな。立場的に仕方なく付き合ってやってるだけだってこと忘れんなよ?」
俺がジト目でそう言えばソイツはおどけたように手を広げてこう言った。
「相変わらず冷てえじゃねぇか、相棒」
「冷たくて結構、特にお前にはな」
そう、コイツには情けなど不要。コイツは甘やかしたらとことん付け上がる生き物だ。コイツのせいで何度酷い目にあったことか……俺が駆逐艦の中でも速度特化の艦じゃなければ今頃どうなっていたかと思う場面多々あるしな。
まぁ、コイツの立てる戦術に助けられたこともあるから信頼はしてる。態度として見せたらどうなるかなんて考えなくてもわかるからいつも内心思うだけだがな。
にしても、さっきから感じるこの嫌な悪寒……まさかだが……
「なぁ、ちょっと行ってもらいたいとこがあるんだけどさ」
はい予感的中〜俺おめでとうございま〜す
「はいはい、お前の考えてることはお見通しだよ。どうせ反対しても無理矢理行かせるんだろ?」
「よくわかってるな。流石は俺の相棒」
………少しは否定して欲しかった。とは口が裂けても言えんな。前こういう空気になった時に言ったらその後三日くらい荒れまくって困ったし。
「この紙に書かれた座標に向かってくれ」
言い方からして他の誰かが書いたものなの……いやこれコイツの字だな、何故わざわざ紙に書く……まぁ行くんだけどさ。
「はいはい、駆逐艦シマカゼ抜錨しまーす!」
俺は自身の
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「これで……よし!出来た!」
俺は何時もどおり趣味である休日のプラモ祭りを行っていた。だが、今回のプラモは一味違った。
なんせ、このプラモはなんとか手に入れた俺が大好きな駆逐艦“島風”のプラモなのだから!
俺が島風と出会ったのは親友である
ゲーム自体は凄く楽しかったのだが、俺は熱く語られた“嫁艦”や“推し艦”を見つけられないでいた。というか探す必要性を本気で考えていた。マジで。
なので仕方なく当真に相談すると、当真はすぐさま嫁艦である島風を紹介して来た。最初こそふーん程度だったのだが、聞けば聞くほど戦力として欲しくなり、それまでよりもガチになった。具体的に言えば、一日のプレイ時間が三倍になった。
そして紆余曲折あってようやく島風を手に入れた時は有頂天になったな。(その後当真が引くほどの凄まじい速度で練度上げまくってケッ○ンもした。)
で、結局俺はキャラクターとしての島風だけでなく、軍艦としての島風も好きなった。なので資料を片っ端から漁って情報を頭に叩き込み、ネットを見たり店舗を回ったりして島風のプラモを探した。
ただ、何故かはわからないが島風だけどこにもなくて、何日も何日も途方に暮れる毎日を過ごした。
だが、今目の前にその島風が!ようやく手に入れた島風が!あ〜、やっぱりこの造形いいな〜軍艦て時速40ノット出せるとかホンマ凄いわ〜
そんな感じに、俺が飾る場所を考えながら島風のプラモをペタペタと触っていると、突如として大きな揺れが俺を襲った。
「うわぁぁぁ!?なんだ!地震か!?」
自分でも何やってるんだと思うが、俺は机の下に隠れないであたふたしている。原因は抱えている島風なのだが、これは何があろうと絶対に離さん。絶対にだ。
でもとりあえず机の下に隠れよう、そう思って屈んだ瞬間に、棚が倒れて来た。
「いってぇぇ!?」
この時、俺は重大なるミスを犯した。そう、俺は絶対に離さないと誓った矢先に島風を離してしまったのだ。
「島風、どこd…………!?」
俺は背中に走る痛みに耐えながら島風がどこに行ったのか知るために揺れが収まらない部屋の中を見回し、見つけた。
だが、島風は俺同じように棚に潰されてしまっていて、無残な姿を晒していた。
「あ、あぁ………」
せっかく買って、あんなに慎重に組み上げたのに、こんな一瞬で……酷い、酷過ぎる……俺が何をしたっていうんだ……
俺は項垂れ、生きる気力を失った。
そして天井に付けられていた照明器具が俺の頭に落下し、後頭部に激痛を感じた―――と思えば何故か女の子になってなんかの船に乗って大海原の上にいる。
うむ、どれだけ見てもやはり海は青い………そして地球は丸い。
「って現実逃避してる場合じゃないな。なんでこうなったのか調べなければ……」
とりあえずさっきまでのが全部夢………ってのは無いか。マジで痛かったし。ならこれだけ夢の可能性がある。とりあえず頬を抓ってみるか。痛くないなら夢ってことだし。
「よし!思いっきりいくぞ! せい!………?」
なんなんだこの感じ?痛くはないけど頬を触ってる感覚はある。ちなみに言うとスベスベのモチモチだ。
うーん、服は見覚えないけどこの特徴的な色の髪……どっかで見たことあるんだよな……どこだっけ?
「うぉっ!?なんだ!?」
そんなことを考えていると、突然チ、チ、チという音が鳴り、俺の周りに光るリングのが展開された。
って待てよ?これもしかしなくてもアルペジオに出てきたアレなのでは?
………見れば見るほどそうとしか思えない。ん?
「指令?『再起動の後は海洋を占有し人類を海から駆逐、分断せよ』っていうアレ?」
でも確認した感じそうでもなさそうなんだよな。なんかここに行けみたいな感じだし。
でも、命じるくらいなら何かあるだろうし、行ってみるか。それでなんかわかれば万々歳だし。
まぁ、俺この艦の動かし方わからないんだけどな。適当に念じたりすれば動くのか?とりあえず、前進?
俺が前進と念じると、駆逐艦島風――いや、シマカゼは物凄いスピードで前進し始めた。具体的に言うと景色が光に見えるくらいの速度で。
「って早い早い早い!?今どれくらいの速度出てんの!? え、時速80ノット!?そんな速くしろとか言ってないんだけど!?」
俺が思わずそう言いながら減速と念じると、シマカゼはゆっくりと減速し、速度は40ノットまで下がった。いやまぁ、これが島風の速度なんだけども。
にしても、
「疲れたぁ……
シマカゼって駆逐艦だったよな?なら上位クラスが手を貸してくれてたりするのか?でもそんな気配無いし………うーん、とりあえず今考えても仕方なさそうだな。今は移動に専念しよう。
そんでもって移動しながらこの艦の情報とか漁ろう。霧が模した姿とはいえこの艦も島風に変わりはないからな。