この作品は連載中の作品の息抜きに執筆してみました。
内容はバイオ世界にボイロの子達をぶち込んだ上に原作がうろ覚えな部分がある為稚拙な作品ですが、どうかご容赦を下さいませ。
では、本編へどうぞ
●●●は夢を見ていた。
これはいつも見る夢、幼い頃であろう記憶、しかして知らない記憶の夢。
決まって厄日になる時に限って見る夢。
それは知らない筈の施設らしき場所、其処で●は●である●●●が壁にもたれ掛かっている父に拳銃を向け引き鉄を今にも引きそうな場面である。
「や、止めるんだ!!
あ『ズドンッ!!』
「あ、アナタ……」
「……」
父の静止しようとする言葉を無視し、●は引き鉄を引き、弾丸は父の頭に一直線へ向かって放たれ壁に鮮血が走り、床に脳漿が止めどなく流れて行く。
そう、●は父親を殺害したのだ、今この時に。
「ど、どうして……どうしてなの……」
「……すまんな、●……」
●は一言、●に謝罪の言葉を投げかけ、母親に対しては射抜く様な視線を向け、まるで逃げずにこの場に残す●を育て上げろと言わんばかりの殺気を放ちながらそのまま昇降機の操作を始め、自身と父親の死体を残して母と●を地上へと上げ始めた。
●は何とか腰の抜けた身体を腕の力で端まで持って行き、距離を離して行く自身の双子の姉妹の姿を捉えていた。
「どうして…どうしてお父さんを撃ったの……お姉ちゃぁぁぁぁぁぁん!!!!」
悪夢の最後の場面、地上へと向かい始めた昇降機から双子の妹、琴葉葵は姉である琴葉茜に何故父を殺したのか答えを求め叫んでいた。
しかし、茜は何も答えず葵を悲しげな表情で見つめ、そして昇降機のフロア間の壁により葵の視界は塞がれ、二度と茜の姿を見る事は無かった。
そんな悪夢から高校生となった琴葉葵はベッドの上で目を覚まし、身体を起こして一言だけ言葉を発した。
「…ああ、今日も厄日確定だ」
この夢を見た後は決まって葵の厄日となり、様々な厄災が降り掛かり良い事が起きた試しが無かった。
その為この覚えの無い悪夢に辟易し憂鬱な生活を送っていた。
月日は2014年7月、世界にバイオテロが蔓延りウィルス兵器やBIO.ORGANIC.WEAPON.(通称B.O.W.)が実在すると言う非現実的な事実が受け入れられ、昨今もニューヨークで大規模バイオテロが引き起こされた世界。
この物語はそんな世界の日本に生きる少年少女達がこれから先に待ち受ける惨劇に巻き込まれてしまい、如何に生き延びて行くか否かの瀬戸際に立たされる物語である。
葵はベッドから起き上がり,私服に着替え洗面所で顔を洗い、歯を磨き髪を整えてから居間に向かう。
其処には葵の母である琴葉藍が居り、朝食の焼いた食パンとベーコンエッグ、サラダをテーブルに並べて始めており葵はその手伝いを始める。
「おはようお母さん。
朝ご飯を並べるの手伝うね」
「おはよう葵、いつもありがとうね」
葵は藍と他愛ない挨拶を交わしながらテキパキと朝食を並べ、そのまま椅子に座り「いただきます」と礼儀正しく朝食を食べた。
そして食器を洗い片付けている最中、葵の顔色に気付いた藍はまた悪夢を見たのかと思い声を掛けていた。
「葵、また例の悪夢を見たのね」
「ああ〜うん、本当に変な悪夢だよね。
お姉ちゃんもお父さんも事故で亡くなった筈なのにそのお姉ちゃんがお父さんを殺した、なんてあり得ない夢。
しかも妙にリアリティがあってそれがかえって気分が悪くなるって奴…最悪だよ、本当に」
葵はまた悪夢を見た事を素直に話し、その妙な程リアリティがある悪夢に気分を悪くしているとも言いそのまま食器を片付け終え,手を拭きテレビを点ける。
無論悪夢を忘れたい為に何でも良いので番組を観たかったのだ。
しかし今の時間は8:30を過ぎた頃、既に子供向け番組も終わりどの局もニュースを流すだけであり葵は少し失敗したと思っていた。
何故ならニュース番組はどこもかしこも先日起きたニューヨーク州でのバイオテロ事件の特集ばかりであり、葵はこの手のニュースを母の藍共々様々な意味で嫌気を持っているのだ。
『では、グレン・アリアス氏がバイオテロを引き起こした理由は復讐心からであると言う訳ですね?』
『はい、これはBSAAの公式会見でも公言されており、彼が亡くなった婚約者や親友、その親族達を奪った世界への復讐心から今回のバイオテロへと走ったとされています。
また、BSAAは此度のバイオテロを未然に防げなかったのかと問われますがアリアス氏のそのキャリアから為される手腕によりBSAAもアメリカ政府も出し抜かれてしまったと認めざるを得なく、彼の復讐心が如何に強大で負の連鎖を起こさせていたかを物語るものであります。
そしてーー『ブツンッ!』』
「はぁ、朝から嫌な物見た…2週間も同じニュースばっかり……最悪」
「そうね……けど、それだけバイオテロが日常的になって来ちゃったって事でもあるのよね。
バイオテロで亡くなった茜達が聞いたら酷く悲しくなると思うけど、それだけ生物兵器やウイルスが世界中にに知れ渡っている事にもなるわ……」
葵はテレビを消し、そのままソファに背を掛け気分が悪いと言う表情を見せた。
琴葉家は一見すると普通の一家ではあるが、その実は海外旅行中に発生したバイオテロにより葵の父琴葉紅と葵の双子の姉である琴葉茜を失っており、この手のバイオテロに関してはB.O.W.やウィルス兵器を利用する者達に対して嫌悪し、また出歯亀の如くニュースで嬉々と報道し、犠牲者を弔う精神を持たないこの手の報道も消えるべきだと藍共々思い複雑な感情を抱いているのだ。
そんな琴葉家の次女葵はバイオテロで亡くなった筈の姉が父を殺害する悪夢を見る為この日常に余計に嫌な思いを抱きその感情が災いを呼ぶと学友が教えてくれており、しかしこの悪感情や悪夢から逃れる術が無くそんな日々に対してこう口にするのだ。
「ああ、憂鬱」と。
「葵、確かに悪夢を見た日は運が良くないかも知れないけど余り気にし過ぎるのも良くないわ。
だから、気分転換に散歩に行きましょう」
藍はそんな葵の様子を見かねて散歩に行く事を提案し、いつの間に用意したのかバスケットと日傘を見せ、気分転換の散歩は確定と言う事を葵に知らせる。
葵は藍の包容力と行動力に苦笑し、散歩に出掛けようと自身も準備して自身の分の日傘も用意するのだった。
東京都練馬区、葵達の家から近くにある自然公園へと足を運び、そこで長閑な風景を満喫する琴葉一家。
周りには自分達と同じくこの長閑で暖かな風景を楽しみたい来客者が居り、朝に見た悪夢を忘れさせるのに十分な心地良さを感じていた。
「どう葵、悪夢なんて忘れられたかしら?」
「…うん、それくらい落ち着けたよ。
ありがとう、お母さん」
葵は気分転換に連れて来てくれた母に感謝しながら空を見て、澄み渡る青い空と心地良い風に身を委ねる様に瞳を閉じていた。
これなら悪夢に連動した厄日は起きない、そんな期待が葵の中で生まれ重く沈んだ心を弾ませていた。
「本当にありがとね、お母さん。
お蔭で元気になれたよ!」
「ふふ、それは良かったわ。
母さんも張り切ってサンドイッチ作ってお出掛けの準備をした甲斐があったわ」
琴葉親子は笑顔溢れる日常を今謳歌し、悪夢を見た日ではあるが神様が居るなら感謝したい程良い1日を過ごせる、葵は不思議とそんな気分になり早速次の場所へ行こうとベンチから腰を上げ立ち上がった。
「じゃあお母さん、次は何処に『ドォォォォォンッ!!!!!!』きゃあ⁉︎
い,今の何⁉︎」
葵が母に手を伸ばした瞬間、後方にある街から爆音が響き黒煙が幾つも上り始める。
葵と藍は、否、自然公園に居る者全員は思考が一瞬遅れるが街の方で爆発事故が起き、それが大規模と呼べる程に凄まじい物だと理解する。
「ば、爆発…?
何だか危ない予感が……お母さん、今から指定の避難場所に『Pillllllllllli‼︎』って電話?!
誰なのこんな時に…って、マキさん?
もしもしマキさ『葵、アンタ今何処に居るの⁉︎』
えっ、家の近くの自然公園だけど…それよりあの爆発って『早く其処から逃げて、これはバイオテロだよ‼︎』バ、バイオテロっていきなり何を「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"‼︎』今度はな………あ……『もしもし葵、葵どうしたの⁉︎
ねぇ返事しなさいよ葵‼︎』」
爆発に困惑しながらも母に手を伸ばし緊急災害時の指定避難場所(この自然公園は避難場所ではない)に移動しようとした所で葵のスマホから着信音がなり、葵は誰からの電話かと見ると葵のクラスメイトで帰国子女な人気者『弦巻マキ』が電話を掛けて来た為、電話に出るとマキは慌てた様子でこれはバイオテロだと叫び、逃げる様に叫んでいた。
更に電話先に耳を傾ければ爆発や悲鳴が相次ぎ、マキの方も明らかに異様な事態に巻き込まれている事が窺い知れた。
しかしバイオテロと言う確かに日常を蝕む非現実が実態としてあるこの世界でも日本はバイオテロとは余りにも無縁だった為その話が飲み込み切れず困惑していた葵だが、そんな彼女の近くで悲鳴が上がる。
何事かと思い葵は視線をそちらに向けると信じられない光景が広がっていた。
何と………公園の客の何人かが、公園の外から来た集団に組み付かれ、首筋を喰い千切られたり押し倒された人は複数人に腹や胸を貪り喰われている先程の光景とは全く逆の地獄絵図が葵の瞳に映っていた。
「そ、そんな…これは…ウィルス感染者の……あ、葵、早く逃げるわよ、葵‼︎」
「…あ、お、お母さん…う、うん,逃げ…あっ…『葵、どうしたのよ葵、葵‼︎』」
藍は葵の手を引き、目の前の地獄絵図…ウィルス感染により生まれたゾンビが隣人を喰い殺す忌むべき光景から逃げようと感染者いる方向からから逆の方の出口に向かって手を引こうとし、葵も漸く反応してそちらに向かおうと視線を外した所……ゾンビが3体そちらから歩いて来ており、既に前方も後方もゾンビに囲まれてしまっていた。
更にゾンビに喰い殺された人達もまたゾンビと化し、葵達は夥しい数になったゾンビに追い込まれてしまっていた。
「…このままじゃあ無理ね。
葵、お母さんが囮になるから逃げて!」
「お、お母さん何を「このままじゃ2人共死んじゃうからよ!
それなら私が囮になって葵を逃すのがお母さんの役目よ!」そんなのダメだよ‼︎
お母さんも一緒に逃げてよ‼︎」
藍はゾンビ達から葵を逃がそうと囮を買って出ようとしたが、葵が手を離さず一緒に逃げようとその場で口論になってしまう。
が、ゾンビ達はそんなのをお構い無く葵に詰め寄りそして血塗れの口を大きく開けながら葵達に襲い掛かろうとしていた。
「ッ、葵‼︎」
「お、お母さ…‼︎」
ゾンビ達が葵達目掛けて覆い被さろうとした瞬間藍は葵をゾンビの居ない方へと押し出しゾンビ達から一瞬でも引き離す。
その方が葵がこの場から逃げおおせると考えた藍なりの最善手であった為である。
一方葵は藍のこの判断に納得出来ず押し出されようとも母を救い出そうと必死に手を伸ばしていた。
しかし押し出された関係上葵と藍は距離が離れ、ゾンビ達は藍を今にその血塗れの口で喰い千切ろうと迫っていた。
そして…。
『ズダダダダダダダダダダダダダンッ‼︎』
『ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"…』
突如として銃声が鳴り響き、ゾンビ達は脳髄を撒き散らしながら身体も撃ち抜かれ完全に活動が停止した。
葵、藍は何が起きたのかさっぱり分からず銃声がした方向、丁度葵が押し出された方の更に背後に視線を向ける。
すると其処には如何にも不審者ですと言う黒い服の上に防弾ジャケットに防弾ヘルメット、更に鼻元までを黒フードで覆い隠しゴーグルで目も隠している体型的に葵と其処まで年齢差が無い少女が明らかに改造されているAKモデルのアサルトライフルを構え、そしてゾンビ達の活動停止を確認してから葵達に近付いて来る。
「……どうやら、噛まれて感染はしとらへんらしいな。
間に合うて何よりや」
「………」
「…ああ、ウチがこうつ物騒なもんを持っとったり怪しそうなカッコしとるから警戒が解けへんやね。
安心せぇてえぇよ、ウチは葵と、オマケで其処にいる『お母さん』の味方であるさかい「動くな、今直ぐ武器を足元に置いて遠くに蹴って跪け」……」
不審者らしき人物は葵とオマケ扱いではあるが藍の味方だと話し、武器の構えを解きつつ葵達に手を伸ばそうとした所でその不審者らしき人物の背後から葵の聞き慣れた声が武装解除と跪く様に要求して来る。
その人物は先程葵に逃げる様に電話越しに叫んでいた弦巻マキであり、手にはハンドガン、アサルトライフルにストラップを付け肩に携帯し、更に防弾チョッキと肩パット等を付けた完全武装状態であり、更に肩には国連公認の対バイオテロ組織『BSAA』のワッペンまで貼られ、佇まいも訓練された兵士のそれであり葵の素人目からもマキがBSAA隊員だと一目で判る様な雰囲気を醸し出していた。
「あんなぁBSAAの隊員さん?
ウチは敵じゃのうて「そんな言葉でこの銃を下ろせると思ってるならバカとしか言えないね、『A.B.F.』の『オメガ1』。
アンタ等の所為で私達の仲間がB.O.W.ごと絨毯爆撃で殺されてるんだ、其処までされてこの銃で警告無しにアンタの脳天をブチ抜かないだけでも人間だからって言う温情があると思え。
分かったらさっさと武装解除して跪け、このクソビッチ」クソビッチは幾ら何でも言い過ぎちゃうん?
まあええわ、それでそっちがウチに危害を加えないならそうするわ、ほら『ガチャ、ガッ』で、次は?」
マキの有無を言わさぬ警告に不審者らしき人物…A.B.F.のオメガ1と呼ばれた少女は武装解除し、次に銃やナイフを蹴りそのまま跪き次の指示を仰ぐ。
するとマキはハンドガンを後頭部に突き付けながらヘルメットを外し、フードとニット帽を無理やり外す。
するとその下からはやや肌やロングヘアーの一部をサイドテールに結んだやや赤が目立つマゼンタカラーの髪は荒れているが整えれば間違い無く美少女の部類に入る容姿が見て取れた。
そしてマキはそのまま後頭部に銃を突き付けたまま手を縛り上げ始めた。
「うーん、此処までやられると流石にウチも傷付くわ〜。
確かにウチはあんさん等の仲間を爆破しとったのも事実やしBSAA以外からも良い目で見られとらんのも自覚しとるけど此処までされたらウチはゾンビ達の餌になってまうな〜「黙れ、素手でB.O.W.を殺せる化け物擬きが」いやそれ言ったらあんさん等の英雄のクリスはんも「アレは鍛え抜いた末だから例外、アンタは明らかに私と余り変わらない見た目なのに同じことをやってるのが異常だって言ってんのよ」あ〜それ言われるとウチもちょい反論出来へんわ〜」
そうして漫才の様な、しかして完全に犯罪者をその場で縛り上げるそれをやって残りはゴーグルを外すだけになりマキはその手をゴーグルに手をかけ始めた。
その間葵達は蚊帳の外であったが、葵はこのオメガ1の言葉一つ一つを聞くと何故か心が安らぎ、その髪や整った容姿に何処か懐かしさを感じゴーグルの下にある素顔に対して興味が惹かれ始め視線を外せずにいた。
「さあオメガ1、アンタの今まで隠して来たその素顔を拝ませて貰うわよ。
そしてそのままBSAAの手配リストに載せてやるわ‼『ガッ!』︎」
そしてゴーグルが力づくで外され、その素顔が白日の下に晒された。
その顔は何処か葵と良く似て…否、葵と全く瓜二つであり、唯一違うとすれば葵がシアンカラーの髪の毛と瞳の色に対しこの少女は逆のマゼンタカラー。
更に髪の結ぶ位置も葵と左右対称であり葵をそのまま反転させたかの様な素顔が其処にあった。
そして葵はその顔に見覚えがあった。
それは記憶の中に残る物からそのまま成長させたかの様な、しかし間違い無く葵が最も良く知る人物の容姿であり、同時に幼い頃に死んだ筈でもう2度と会えない筈の人物であった。
「あ…えっ……?」
「…ふぅ、久しぶりやな葵。
『お姉ちゃん』が帰って来たで」
そう、其処に居たのは紛れも無い葵の双子の姉である『琴葉茜』その人であり、そう顔を見た藍、及び初めてオメガ1の素顔を見たマキは驚きを隠せず呆気に取られてしまっていた。
そして今この時にも街では爆発が起き、悲鳴がそこら中から上り感動の再会とは無縁の阿鼻叫喚の地獄絵図、バイオテロによる惨劇の渦が更に広がり始めていた…。
BIOHAZARD【V+α】
此処までの閲覧ありがとうございました。
この作品のストックはまだ作成中なので先に連載中の作品同様不定期投稿になりますがどうかよろしくお願い致します。