アンケート結果を締め切った結果決定したルートに話を書き上げてから第16話目高新致しました。
今回は西に向かったレオンや葵ちゃん達のお話になります。
では、本編へどうぞ。
クリス達アルファチームの部隊と別れ練馬区の西地区と定められた地点へと進入し前後左右を警戒する。
すると住宅街は火事により燃え尽きた家屋が散見し、辺りには案の定ゾンビが跋扈し、中にはネフィリムやエンゼル、リッカーGまでも居り西地区は報告通りにB.O.W.の巣窟と化しており、正に地獄の様相を呈していた。
「こっちは私達の家があった方だけど……もうB.O.W.達の、CLOWN達の所為で私達の街が見る影も無い……許せない、人の命を弄ぶあんな化物や道化達が!」
「それはウチらも同じやで葵、B.O.W.やウィルス兵器と戦う道を選んだ奴は皆この地獄に怒りを覚えるんやで…」
「……まるでラクーンシティだな。
こちら側は人気が無さすぎる上に化物だけが跋扈している…」
「此れは生存者達の存在を諦める時が来るかもしれんな……A.B.F.全隊員はB.O.W.の掃討に移れ!
奴等を1匹たりとも生かすな!『了解‼︎』
「デルタチームも展開する‼︎
デルタ2から7は俺に続け、前衛で戦う‼︎
デルタ8から20までは中衛になり後衛と前衛両者の援護をしつつ安全圏確保‼︎
デルタ21から30は後衛になり、後方に注意を払いつつ前衛の援護をし、安全圏を維持せよ‼︎『了解‼︎』」
葵は外からでは火事等でしか窺い知れなかった自分達の街の真の有様に絶句し、死体が歩きまたその死体が死体を貪り、生物兵器が跳梁跋扈し人間の生存を許さないこの地獄に怒りを燃やし、葵以外にも茜やマキ、B.Y.達の怒りも最高潮に達していた。
一方レオンはこの有り様をラクーンシティ等と重ね、この状態で生き残る一般市民は最早奇跡的な確率の下に生き残れた類い稀な運の持ち主であり、そうで無い者は皆ゾンビに変わり果てるあの地獄がトールオークスや中国の
「オラァ、私のショットガンの味を喰らえ‼︎」
するとデルタ2たるマキが愛用カスタムショットガンをゾンビの頭に叩き付けるとゾンビの頭が陥没し、其処から陥没した個体と周りに居るゾンビやエンゼルに銃口が2連になっているショットガンを発砲、これらの頭を吹き飛ばしていく。
合わせて茜、『アルファ』、レオン、B.Y.、デルタ3達もマキに続きネフィリムやリッカーGを相手取り、B.Y.のカスタムガバメントが火を吹きフルオートの45口径弾が銃身が伸びたその銃から放たれ、通常より更に威力が増した物がネフィリムの頭や第3、第4の目を襲いそれらをリロードを挟みながら素早く沈ませ、更に片手でアサルトライフルを持ち近付くリッカーGを捩じ伏せ、迂闊に近付いたゾンビには蹴りと鉛玉を喰らわせマキが指揮下にいるデルタチーム隊長の戦闘力を発揮する。
デルタ3から7は
更にB.Y.の背中をレオンが守りセンチネルナインやショットガンを状況に応じ変えながらリッカーGにカウンターキックをかましてマキにパスし、そのマキはリッカーGの脳が肥大化した頭をそのショットガンの銃身で叩き潰し、更に背中の巨大眼球もハンドガンで撃ち抜き絶命させるコンビネーションを見せる。
一方茜と『アルファ』は改造AKや改造ハンドガン等で次々にB.O.W.を屠り、更に『アルファ』は近付いてきたゾンビの脳天を撃ち抜いた後背後に一瞬で回り、その首をへし折り最後に踵落としで潰し嘗てのU.S.S所属の処刑人であり死神たるその力を遺憾無く発揮し、ゾンビをネフィリムに変えずネフィリムはダメージによる強化変異を起こさせず、その他B.O.W.にも何もさせない縦横無尽の活躍を見せた。
一方それら前衛を支えるは中衛に後衛だ。
中衛に陣取った葵は籠城戦で培った戦闘能力により離れたリッカーGに対し偏差撃ちで頭を風穴だらけにし周りを本当に民間人かと驚かせた。
最もこの偏差撃ちを教えたのはあのセイカであり、確かにCLOWN達と別組織のスパイではあったが自分達がお気に入りだから死なせたく無い為にこの技術を教えたのは紛れも無い事実でもあり、その点には葵はセイカに感謝し、再び会えたら何を言おうかと考えながらB.O.W.を捌いて行く。
一方中衛、後衛を任されたデルタチームとオメガ小隊は負けじとアサルトライフルやセミオートライフルで援護して行き、A.B.F.の中衛は音によって屋内から外に出たゾンビ等に茜達とはタイプが違うドラムロールタイプのマガジンに改造されたAKを乱射し茜達に近付けさせず、屋根の上に登った後衛も後ろから来たゾンビ達を迎撃しそれに気付いた葵や他数名も後衛を援護。
デルタチームとオメガ小隊の混成部隊は住宅街で展開する人数の部隊では無いながらも1つの歯車として全てが噛み合い、辺り一面のB.O.W.達を殲滅しながら前進して行く。
その中で見る光景はやはり先程と変わらない生存者の気配の無い地獄絵図であり、流石に僅かな可能性に賭けたかったB.Y.達はいやでも現実を直視した。
西地区には最早生存者は居ない、そこに居るはず動く屍と生物兵器の群れしかいないと。
レオン達は無言の怒りをB.O.W.達にぶつけこのバイオテロを一刻も早く終わらせねばと引き鉄を引く。
「……あっ……」
だが葵は此処に来て近所の叔父さん叔母さんがゾンビに成れ果てて死体を貪っている姿を目撃し、一度は目を逸らすがこのバイオテロが起きた時点で友人隣人はゾンビになるかも知れない…そんな可能性を考えていた葵は、最後までバイオテロに首を突っ込むと決めたからにはせめて自分で彼らに引導を渡さねばと考えUMPの引き鉄を引き近所の知り合いだったモノは地面に崩れ落ち2度と起きなかった。
そして一度戦闘が一段落着いた所で葵は近所の叔父さん叔母さんの死体に近付き涙を流しながら手を合わせ、マキもその人達を知っている為一緒に手を合わせせめてその魂が安らかに眠る事を祈っていた。
「その叔父さんら、葵達の知り合いやったんか?」
「うん、学校に行く時や休みの日に出掛ける時に何時も私達声を掛けて来てくれた良い人だったんだ…」
「それがこんな姿になるなんてね……ホント、嫌になっちゃうよ、この地獄の3丁目は…」
茜は2人に知り合いだったかを尋ね人柄を聞くと共に手を合わせ魂の冥福を祈り、レオン達も自分達は知らない、しかしバイオテロに巻き込まれゾンビになってしまった罪無き者達に手を十字に切り、動く死体の中から魂が天に還る様に祈りを捧げた。
そうしてそれらを終え、銃をリロードし再び前進を始めて行く。
すると葵はふと一軒の家に目が付きそちらを見ており、茜やマキもそれに気付くとマキは直ぐに察し、茜は表札を見てそれが何なのかを理解した。
『琴葉』、つまり葵や藍の家なのだ。
『アルファ』やレオン、B.Y.達もそれに気付くと歩を止め、茜は葵に話し掛け始めた。
「此処、葵の家なんか?」
「うん、私やお母さんが暮らしてた家……窓ガラスとか割れてないから一度中に入って持って行きたい物があるんですが、駄目ですか?」
「いや、君は本来なら民間人だ、避難する時にそれが許され今許されない訳では無い。
持って来るものがあるなら取って来ると良い、但し5分だけだ。
早めに行動するんだ」
葵は自分の家が無事なのを確認すると『アルファ』に家の中に入る許可を貰い、5分のみだが帰宅が許され合鍵使い中に入る。
すると護衛にマキや茜もついて行き、先ず軍用鞄にリビングに飾ってある葵と藍が写った家族写真を入れ、次に葵の部屋に入り秘密の宝箱を開け、そこにあった赤と青の小さなハートの飾りが付いたお揃いのネックレスを取り出し、茜に赤の方を手渡した。
「?
葵、此れは?」
「お姉ちゃんと私がお母さんから誕生日プレゼントに貰ったネックレス……何だけど、此れも偽りの記憶から来る物だから余りお姉ちゃんとの繋がりが薄いの。
だから今お姉ちゃんに渡して、お揃いにする。
これが私のお姉ちゃんへの遅めの誕生日プレゼントだよ」
茜は手渡された割と高めな物だと分かるネックレスが何なのか聞くと、葵は偽りの記憶の中で渡された姉妹の誕生日プレゼントだと話し、茜は如何やら偽りの記憶ではこれを置いて旅行に行った際に死んだ事になった記憶を藍から植え付けられ、形見として大事に保管していたのだと察した。
しかし葵は既に偽りの記憶の品物だと知っている為、それを茜に遅めの誕生日プレゼントとして渡し本当のお揃いのネックレスにするのだと言う意図を伝える。
すると茜は無言で頷きネックレスを首から下げ、葵も同じくネックレスを首から下げ太陽の光に反射してそれらが淡く光り、まるで姉妹の本当のお揃いの品になった事を喜ぶかの様であった。
葵はそれを見届け感傷に浸ると部屋を出て玄関に向かい始め、そして計2分半で用事を終わらせた3人は外に出て来た。
「もう良いんだな?」
「はい、取って来る物は取って来ました、行きましょう」
『アルファ』は葵にもう良いかと尋ねると本当は肯定し、茜も何処か嬉しそうな様子を見せている事に気づき観察すると先程まで無かったお揃いのネックレスを2人は身に付けていた事に気付き、『アルファ』は大事な物、恐らく家族写真と此れを取る為に家に入ったのだと察し何も言わなかった。
そして葵が再び玄関に鍵を閉めると1度目を閉じ隊列に戻ると再び前進を開始した。
そうして隊列を乱さぬまま偶に居るゾンビを処理しながら西地区のマッピングをして行き、担当員のデルタ14はROICE学園からマッピングして来た結果、感染が確かに東京、埼玉、神奈川、千葉で今は収まっているがその内部の感染は恐ろしいスピードで広がっている事を察知し苦い表情を浮かべていた。
『『ザザッ』こちら救護部隊カイチームリーダーのカイ1、西東京付近での学生生存者を発見したがそれ以外の発見には至らず此れ以上探索しても生存者発見は絶望的だと判断した。
更に生存者の中の1人が既に他を庇い感染し末期症状寸前であった為止む無く射殺、此れより生存者達を輸送機で運ぶが、彼女達学生生存者の希望により厳重に感染予防処置を施した後、処理した遺体を回収して駐屯地へ運ぶ、カイ1アウト』
更に通信機から流れる西東京付近の生存者が絶望視された事、その上で救助輸送機はこの辺にスタンバッていない事や他の場所との感染状況と比べて此方の感染は最悪レベルだと言う事を窺い知った為デルタ14は表情で生存者の存在は絶望的と言っており、レオン達もこの結果には残念だと感じつつB.O.W.殲滅は変わらず歩いて行く。
『pilllllllllli‼︎
ザザァ‼︎』
すると全員の通信機器が一斉に鳴り始め、レオンはこれで何度目かと呆れつつCLOWNのリーダー格からの通信を開いた。
『流石はラクーンシティの生き残りにBSAA極東支部の精鋭部隊の皆にオメガ小隊達、そしてオメガ1と嘗て
この程度の余興ではもう満足頂けないか』
「御託は良い道化。
さっさと要件を言え、でなければ切るぞ」
『流石死神、バッサリしてるなぁ。
では本題と行こう、其処の大通りを見たまえ!』
するとCLOWNのリーダー格は何かを見せたいのか大通りに全員を誘導しようとし、何か嫌な予感がしたのか前衛のみでそれを確認しに行き、レオン達は影からそれを見ていると1体のネフィリムが立っていた。
しかしそれはゾンビがネフィリムに変わる瞬間の様に煙を拭き始めており、変異と呼ぶには生易しい『進化』が始まっているのだと、ハニガンとの事前情報交換で知っていた。
「ネフィリムが…『進化』を始めている…!」
「ホンマや……アレもしかして、隊長達が学園で情報共有時に言っとった⁉︎」
『よくぞ聞いてくれた、これこそがネフィリム達が辿り着く『進化』の形‼︎
その力は通常のタイラントタイプを上回り、実際にスーパータイラントと殺し合わせた結果此方が勝ち、スーパータイラントを肉塊へと変えた‼︎
堕天の子は今天に認められ、『進化』を成し新たなる名が授けられる‼︎
その名も能天使、『エクスシア』だ‼︎
はははは、ははははははははははははははは‼︎『プツンッ!』』
情報共有で知っていたとは言えネフィリムの『進化』を見た茜、マキ、B.Y.、デルタ3〜7は驚き、レオンはハニガンからの連絡からアレこそが自分達に武器弾薬等をくれたチャーリーチームが被害を出しながらも死亡者、及び感染者を出す事無くギリギリで倒せたネフィリムからの『進化』型B.O.W.であり、その方法も手榴弾やグレネードランチャーを撃ち尽くすまでやって漸くであったと聞いていた。
そしてそのコードネームもCLOWNはチャーリーチームにも教え自分達も教えた。
その名はエクスシア、能天使の名を冠する恐るべき力を秘めたB.O.W.である。
「拙い、中衛後衛はグレネードランチャーとミサイルランチャーの用意をしろ!
エクスシアが出現したぞ‼︎」
「オメガ小隊各員もだ、急げ!」
「マジでネフィリムにまだ上の形態があるなんて‼︎」
「気を付けろ、ハニガンの報告ではアレはチャーリーチームがギリギリで倒した代物らしい!
それに今の通信からするに、恐らく戦闘力はスーパータイラント以上…!」
『グゥゥゥオオオオオオオオオアアアアアアア!!』
レオン達がそれぞれエクスシアについて話すとそのエクスシアはレオン達に標的を定めリッカー以上の俊敏性を発揮して襲い掛かって来た。
『アルファ』はエクスシア出現後に使用せよとBSAAから受け取ったグレネードランチャーやミサイルランチャーの用意をする様に命じながら全員が大通りにバラけてそれぞれの銃で攻撃する。
「……ダメだ、全く効いてる気がしない‼︎
マジでやばいよコイツ‼︎」
だが、それらは効いている気がせずマキ達を始めレオンや『アルファ』、B.Y.も含めた全員が舌打ちをし、このB.O.W.の戦闘力に脅威を感じていた。
『グゥゥゥ……』
エクスシアは放たれる銃弾を物ともせず獲物達を見定めながらゆっくり、ゆっくりと近付いて行き、その姿はまるで狩人が罠に掛けて追い詰めた野ウサギを狩る為に躙り寄るかの如くレオン達に迫って来た。
だが、そんな狩人気取りの化物の邪魔をする者は確かに居る。
『ドォォォン‼︎』
『グォォオオオオオ!!』
「なっ、アオイ!」
何と葵が初めて使うグレネードランチャーをエクスシアの頭にクリーンヒットさせそちらに気を逸らさせたのだ。
勿論この行為には意味があり、この事故車両が多い大通りでは戦うに部隊を展開出来ずただ悪戯に負傷者を出すしか無い場所でしかない為である。
故に葵は気を引きつつエクスシアもレオン達も全員ある程度開けた場所に連れて行こうとしているのだ。
「皆さん、この大通りを下って直ぐにスポーツセンターがあります‼︎
そこでなら部隊を展開してコイツを思う存分爆撃出来る筈です、私が案内しますから走って下さい‼︎」
「葵、無茶はあかんって…ああもう誰に似たんや!
大隊長、奴は特記事項その1に該当する物と判断、全リミッター解除の許可を‼︎「暴走したタイラントを殺す力を秘めたB.O.W.だ、良いだろう解放を許可する。
但しスポーツセンターに誘導し、爆撃準備が整う迄とする!」
了解、オメガ1全リミッター解放、ウチの蹴りたらふく喰らいなはれ‼︎『ドゴォ‼︎』」
葵の一件無茶とも取れる、しかしマキが狙いを定められている為この街に詳しくフリーな存在は自分しか居らずその関係から一瞬気を引いてからスポーツセンター側に走り始めるしかなかったのだ。
茜はそんな葵に誰に似たのかと思いつつ全リミッター解放許可を『アルファ』に要請すると、流石の『アルファ』もスーパータイラントを殺せるB.O.W.相手にはオメガ1の力の解放が必要と考え、しかしあくまで最後は『人間』の手で殺す為スポーツセンターまでの誘導の為の釣り餌に使う為にリミッター解放に条件を付けていた。
茜もその意図を理解していた為エクスシアの腹に全リミッター解放状態の蹴りを喰らわし対角線上のビルの1階ロビーに吹き飛ばす。
この蹴りに餌が余計な抵抗をしたと考えたのかエクスシアは獲物を茜に固定し攻撃を開始。
しかしそれを超スピードで避けつつ茜流の挑発を加えて行く。
「はっ、何が能天使や!
唯の脳タリンじゃあらへんの?
パワーとスピードはあって知性も上がっどっても所詮獣程度じゃ人間様には勝てへんで‼︎
悔しかったらウチを殺してみぃ‼︎」
『グゥガァァァァァァァァァァァァァァ!!』
如何やらエクスシアは人語を解す程度には知能や獲物の動きを先読みする知性はあるみたいではあるが、相手が全リミッターを解放した茜では同じ動きと人間の思考が合わさった存在で無ければ攻撃を当てる事は叶わずエクスシアの4つの鉤爪はどれもこれも空を切り、髪の毛一本にすら擦りもせず苛立ちを募らせていっているのか攻撃が徐々に単調になり茜はカウンターでビンタやら巨腕にチョップを与えたりしながら葵達の方を見てスポーツセンターに次々と部隊が配置されて行っている事を確認し、このまま時間稼ぎに徹していた。
一方スポーツセンター側では駐車場や体育館の屋根に部隊員が次々に配置され、葵も変わらずグレネードランチャーを構えながら待ち構えてていた。
そんな時『アルファ』から先程の行動について詰め寄られていた。
「アオイ・コトノハ、我々は君が無茶をしないなら同行を構わないと言った筈だ。
にも関わらずあのような行動をして部隊に損害を与えかねなかったぞ。
何故あの行動を取ったか論理的に答えよ」
「はい、先ず1にあの場所での戦闘では確実に死傷者が出ます。
その中には私が含まれていたかもしれません、ならば場所を変える必要がありました。
2にこの街の地形を完全に把握しているのは私かマキさんの何方かしか居らず、マキさんは狙われてていて他部隊員さん達はまだマッピング仕切れてません、なら必然的にフリーの私が行動に移すしかなかったです。
3にあの時エクスシアは間違い無くデルタ2から7の誰かを狙っていました。
そうなるとオメガ1特記事項をあの場で必要なのに規定上使えない可能性すらあり、ならまたしても私が動く事で特記事項の成立に必要なファクターが揃いやすくありました。
まだ理詰めするなら4、私はあのエクスシアの動きから巨体と俊敏性が上手くハマった物だと一見したら思いますが、その実は巨体になり過ぎて脇が甘くなっています、4つも腕があるにも関わらず。
なら攻撃を即座に計算して避ける行動を取れるフリーの人間がまた気を引く必要が出て来て、丁度私は籠城戦でレオンさんやマキさん、お姉ちゃんにB.Y.さんにセイカさんと攻撃が来たら如何に避けるか頭に叩き込まれました…初めは失敗しましたが、2回目の籠城戦からは実践完了出来ました。
5にエクスシアに銃弾が余り効果が無いと情報共有でありましたのでエクスシアに狙われた前衛を含めてグレネードランチャー等を行き渡らせる必要がありました。
これらを以て私が動くべきだと判断して動きました、更にマキさん達に聞けば無茶では無いと言ってくれますよ?」
『アルファ』は葵の一件無茶とも取れた行動を咎めようと論理的に答えさせた瞬間、葵は『アルファ』が良く知る誰かさんみたいな理詰めを行い5つも理由を立てて『アルファ』の口を挟ませない様にしていた。
『アルファ』はプロである、これには変わりなくその経験から齎された判断能力から葵が言った様にあの場所での戦闘は無理、デルタ2からデルタ7までの誰かが狙われフリーの誰かが一瞬気を引きオメガ1を囮に使う戦法を取らざるを得なかった事も分かる。
これが4人程度の少数で、半数以上が戦闘のプロなら囮をしつつ誘導なりが屋内外で出来た筈だが、運悪く雑路な上に人が固まり過ぎていた。
これでは遅かれ早かれ部隊に被害が出たのも分かっていた。
そして葵の理詰めはオメガ1を囮に使いたかった『アルファ』からすれば利益が3、葵を死なせる不利益が7と不利益が多いが利益を3割程度出す所すら誰かさんに似ており、矢張りこの2人姉妹だと確信し誰かが手綱を握らないとならない荒ぶるサラブレッドっであり、更に葵には戦闘センスやサバイバル能力が潜在的にあった。
それがこのバイオテロで一気に開花したのがタチが悪く己の運命を切り開く力を持ってしまっており『アルファ』は頭を抱えながら葵を完全に咎め切れない、しかし無茶は許さないと言う思考の末次の答えを出した。
「…もう一度言っておくが次からは許されない。
同じ事をする様なら帰ってもらう、構わないか?」
「善処します」
そして姉妹だと更に思う善処しますと言う答え。
今の茜はそうでは無いが、A.B.F.結成当初の茜は丁度こんな感じであり本当に双子の姉妹だと感じ、デルタ1とデルタ2、レオンを見て手綱を握る様にと無言の圧を掛けていた。
これにはレオンも「泣けるぜ」と口にし、マキもなまじ能力が高いと分かった葵なら何処か平気だと思っていた節があると自戒し、知り合いだったモノをその手で撃って精神が不安定になっている筈の彼女を次からは自分の側に居させよう、と考えるのであった。
「大隊長、全員配置完了です!」
「うむ、オメガ1、そいつを此方に引き寄せろ‼︎」
「了解‼︎」
『アルファ』は全員の配置完了を確認した瞬間通信機で茜を呼び出し、茜も超スピードでスポーツセンターの駐車場に来てミサイルランチャーを受け取り構えた。
すると獲物を逃すかとエクスシアが追い掛けて来たが哀れエクスシアは気付かない、既に狩られる側は自分に移ってしまった事を。
そして各武器の射線に入ってしまいエクスシアは第3、第4の目等で見開きながら茜達を見て此処で漸く自分がこの狩る側達の餌なのだと気付いた。
しかし、次の行動が遅れてしまいその号令を許してしまった。
「爆撃開始‼︎」
体育館の屋上、駐車場、その他スペースに展開した葵、茜含む全隊員はグレネードランチャーとミサイルランチャーを放ち、エクスシアに爆撃を休む間もなく加えて行く。
その様子は宛ら絨毯爆撃、1体のB.O.W.に炸裂弾等が命中し次々に爆炎が上がり、それでも尚B.O.W.絶命確認までは爆破を止めず『アルファ』は攻撃続行を指示、そしてB.Y.も同様の命令を加え全ての隊員が重火力による暴力を振るって行く。
この間にエクスシアは断末魔を上げながら何とか反撃しようとするも爆撃が止まない為1歩たりとも動けず、只々その爆撃の雨を見に受ける事しか出来なかった。
そして各武器の弾が切れ爆炎が晴れた頃、B.O.W.まだ立っており全員銃を構え迎撃姿勢を取る。
『………『ドサッ、バシャッ‼︎』』
しかしB.O.W.エクスシアはそのまま倒れ込み、ネフィリムと同様の絶命合図たる上半身破裂を見せ沈黙。
レオン達は1体のB.O.W.相手にこれだけの火力を叩き込まねばならないのかと考えつつ銃を下ろしてまた一段落着いた。
「ふう……敵性B.O.W.沈黙確認……なぁレオンに『アルファ』、それにマキ、茜と葵、たった1体のB.O.W.を殺す為にこれって効率悪過ぎじゃないか?」
「確かに、通常の銃器を通さない表皮にこれだけの火力でやっと倒せる戦闘能力、そしてチャーリーチームの報告を加味すればネフィリムよりも知能が上がっている。
これじゃあ陽気にダンスを踊るんじゃなくベートーヴェンの運命を忙しく演奏してるのと一緒さ」
「それにウチの本気の蹴りを喰らってもまだピンピンしとったでこのケダモノ。
大隊長、これ相手する時はウチが全リミッター解除して殺しに回った方が効率良くあらへんか?」
「…確かにな。
これでは此方の被害がいずれ出かねん、何とか対策を考えねば…」
「……これが、今のT-Genesisの力…」
B.Y.やレオン達は1体のエクスシアにこれだけの火力集中は悪手だと考え、流石に『アルファ』も本格的な解決策が無い限りはオメガ1の力が必要になると考え思案し、他の対策が無いかを検証しなければならなかった。
一方葵はネフィリムが更なる『進化』によってこれだけの戦闘力を発揮した為、なら今日本に居るネフィリムが全てエクスシアになればどれだけの被害を生むか……想像に難くない、恐ろしい被害を齎すと考えており、マキも同じくエクスシアの戦闘力に戦慄し、ネフィリムからこれになる為これが複数体現れたら自分達は如何なるかが容易に想像出来た為オメガ1、茜に頼り切りになる彼女の負担が増すと言う案以外の解決策が都合良く見つかる事を切に願っていた。
一方レオンはジェイクがアメリカ軍特殊空母に到着し採血が始まり、其処でT-Genesis用ワクチンに抗ウィルス薬、そしてこのエクスシアやT-Genesisウィルス完全適応者用の血清弾が作られている事をハニガンとの定期連絡で知っており、その完成を待ち侘びるのであった。
「流石はレオン、そしてセイカが気に入った子達に
一方その頃エイダは双眼鏡で一連の戦い全てを見ており、一応力を貸そうかと思ったがレオンのみならず茜や葵、そして1年前の中国で見かけたマキにB.Y.、そして
これにはエイダも純粋にその能力を、特にセイカの気に入ったマキや葵達のそれを認めていた。
しかしこのままではジリ貧とも考え手元にあるセイカから渡されたT-Genesisサンプルに茜とセイカ本来の任務で回収したサンプル、これら3つをそれぞれ見つめ、あの様な化物が誕生し今の世界が塗り替わる程の力を持つこのウィルスは封印するべきでは?
そんな考えが頭を過り直ぐに思考を変えて次のオーダーたるT-Genesisが齎す力の全容解明に注力しつつ、可能ならばレオン達の助けになる様に動こうと考えてその場を後にしようとする。
するとタブレットにH.C.F.上層部からの連絡が届き、エイダは少し興味ありげにその連絡を見ていた。
『Pillllllllli‼︎』
するとセイカから連絡が入りそちらの方で何かあったかを確認するべく連絡を取り合い始めた。
『はぁい、エイダさん♪
なーんかネフィリムが『進化』したと思ったら明らかにタイラント超えの怪物が生まれてビックリしちゃったわ。
一応戦闘記録を取って、後ゆかりちゃんとあかりちゃんにあのクソ親父を殺してくれた英雄さんに助力をちょっとだけやったわ』
「此方もその怪物を確認したわ。
まさかネフィリムが1度『進化』しただけであれだけの怪物が仕上がるなんて驚異的ね。
これが世界中にばら撒かれたらC-ウィルス以上の脅威と感染で世界が滅んでビジネスが上がったりになるわね。
このウィルスは封印するか否かを上層部に後で問い合わせてみましょう。
感染や其処から生まれる生物兵器、ウィルス自体をコントロール出来なければ商品としての価値は薄いもの。
それと貴女の気に入った子達は面白いわね、貴女の本来の任務対象の子も合わせてレオンと上手くやれてるみたいだし、中々見所があるわ『でしょ〜!『ゴクッゴクッゴクッ』
ぷはぁ!」ふふ、貴女もいつもの調子みたいね。
ああそうそう、良いニュースと悪いニュース、どちらから先に聞きたいかしら?」
エイダとセイカはそれぞれの状況を連絡を取って情報交換し合い、更にエイダは茜や葵達が面白いと伝えセイカはそれに上機嫌らしく電話越しに酒を飲みながら自分の事の様に嬉しく語っていた。
するとエイダは上層部から来た2つの情報の内悪い方か良い方かを先にどっちを聞くかをセイカに選ばせその反応を見ようとしていた。
『んん〜じゃあ悪い方、良い方は後で取って置いたらあら不思議な旨味が出るからね〜』
「じゃあ悪い方から、今CLOWNのメンバー6名の内1名がアメリカ軍特殊空母にBSAA機に偽装した輸送機で向かっているわ。
狙いはT-Genesis用ワクチンに抗ウィルス薬、そして血清弾破壊とT-Genesisを更に強化する為に被検体を確保する事よ」
『あれ、意外と早くワクチンとか出来あがっちゃう系?
何でなの?』
「それが良いニュースよ、先程言った空母でワクチン等の開発が進んでいるわ。
理由は勿論貴女の様にあらゆるウィルスに耐性を持ち、適応する力を持った者……ウェスカーの子のジェイク・ミューラーが空母に到着したからよ、シェリー・バーキンの案内でね」
『…………』
エイダは先ず悪い方のニュース、CLOWNの構成メンバー6名の内の1人がアメリカ軍空母に向かいワクチン等の破壊とT-Genesis強化用非検体の確保に乗り出したとセイカに伝え、何故こんなに早くワクチンが出来上がるかを尋ねると良いニュース、ジェイクがシェリーの案内により空母に到着した事を伝えた。
するとセイカはジェイクの名を聞いた瞬間から態度を一変させで黙り込み、しかし吐息からは簡単に想像できる感情が通信越しで伝わり、エイダはセイカも矢張り人間であり、つまらない事ばかりをしていたウェスカーとは違うとしつつも感情の出し方に関してはウェスカーに似ていると感じ、矢張り幾ら本人が誹ろうが親子なのだと実感しつつもそれを口にしたら拗れる為黙って彼女に選択をさせる様にした。
「それで如何するのかしら?
貴女はこのままワクチン等の破壊を黙認するのか、それともジェイクを救い、ワクチン等の完成まで時間を稼ぎに行くか。
何方を選ぶのかしら?」
『……はぁ『プシュッ、ゴクッゴクッゴクッ』……分かりましたよ行きますよ。
行ってワクチン守ってこれ以上T-Genesisが強化されない様に動きますよ。
と言うか初めからそれが目的ですよね?
エイダさんのイジワル〜』
「あらごめんなさい,私は意地の悪い女なのよ。
じゃあ行ってらっしゃい、機体はC地区の隠れ拠点に用意した奴を使って良いわよ『はーい、それじゃあ行って来ます〜『Pu』』……さて、2人のウェスカーの子。
その邂逅は世界に何を齎すのかしらね?
T-Genesisがパンドラの箱の厄災なら最後に残った希望かしら、それとも……」
エイダはセイカにジェイク救出を促すと彼女は嫌々ながらも引き受け、C地区の隠れ拠点にある機体と言う物を使わせアメリカ軍空母に向かわせた。
そして彼女はこの世に2人いるアルバート・ウェスカーの子が邂逅した時何が起きるか、出来ればパンドラの箱に残された希望である事が、レオンやROICE学園で見掛けた子達、そしてセイカが本来の監視対象兼サンプル回収任務を帯びて近づいた『対象X』の生きる世界の為になると考えつつ、もし仮に更なる厄災が起きるならば自身の次の行動を決定しなければならないと考え、双眼鏡を仕舞いフックショットで次なる場所に向かうのであった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
クリスでは生存者が何とか居て助けられましたが、此方はそもそも生存者が居なかった上に遂に葵ちゃんの知り合いがゾンビになっている光景が…。
さらっと引き鉄を引いた様に見えたと思いますが当然葛藤とかあり、それが本編でのエクスシア戦に於ける行動に繋がってたのです。
そしてセイカさん、エイダさんのイジワルによりジェイクの方に行かされると言う。
エイダさん的には此れが安パイだと考えた上にジェイクとセイカ、2人が出会った際の化学反応を確認したいと言う考えがあった為にこの選択を取りました(無論其処まで酷い結果にはならないと踏んで、ですが)。
次回もよろしくお願い致します。