BIOHAZARD【V+α】   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第19話目更新でございます。
今回はタイトル通りの幕間で会話回です。
それでは、本編へどうぞ。


EP XIX『幕間:手渡された希望と新たに動く道化』

PM14:12、ジェイク達が戦闘を終えてから約7時間経過後。

甲板の応急修理や護衛艦の鎮火作業等が行われて取り敢えず特殊空母は元通り…とは行かない物の機能の8割程は回復し艦載機の搭載等を再び可能にしていた。

そしてジェイク達は艦橋にて回収したレミエルの死体からDNA鑑定を行いその検査結果を待っていた所であった。

そして、その結果はすぐに出るのであった。

 

「シェリー、ジェイク、貴方達が殺害したウィルス完全適応者レミエルのDNA鑑定結果が出たわ」

 

「早いな。

で、何処の何奴が七大天使の名を騙ってイキってやがったんだ?」

 

「レミエルの本名は『ライナス・メルディセク』、メキシコのとある麻薬カルテルの長を務め、麻薬のみならずB.O.W.も売り捌いていた容疑が掛けられていたけど明確な証拠が見つからず、他の麻薬カルテルからもB.O.W.に手を出すカルテル間のルール違反を犯していると告発かあったけどそれすらも躱されてしまってメキシコ政府は野放しにするしかなかったの。

そしたら麻薬カルテル構成員共々数ヶ月前に行方を晦ましていた国際指名手配犯よ」

 

「麻薬カルテル……麻薬を売り捌くだけじゃなくB.O.W.まで……」

 

ハニガンからレミエル……ライナスの正体を聞かされたジェイクとシェリーは彼が1つの麻薬カルテルの長を務めていた事や麻薬のみならずB.O.W.まで手を出してカルテル間の市場を荒らしていた事すら判明し2人は呆れや嫌悪と言った感情を向けジェイクに至っては死んで世の為になる人間だったのだと理解しライナスの事を内心軽蔑していた。

だがその経歴ではまだスペンサーの理想と繋がらない為ジェイクはもう一言突っ込みを入れる事にした。

 

「だがそれだと連中の人類の……何たらって妄想垂れ流しな理想に繋がらないんじゃねえか?

奴個人の経歴とかもっと洗い出せなかったのか?」

 

「そちらの方も大方洗い流せているから心配しないで。

ライナスの親は如何もアンブレラ社に務めていたらしく、親子2人共々アンブレラ総帥だったスペンサーの熱心な信者だと言う事も判明しているわ。

だからこそ我々の見立てでは何処かのタイミングでCLOWNと接触し部下共々資金を全て持ち逃げしたか、元々CLOWNの構成員で麻薬やB.O.W.による市場独占と荒らしは彼等の資金を集める為の物で、一定額に達したから夜逃げしたかの2パターンを想定しているわ」

 

「親共々スペンサーの信奉者…それならあの狂信的な思想も理解出来るわね、理解したく無いけれど…」.

 

ジェイクのもう1つ突っ込んだ話をハニガンに向けた結果、彼と彼の親がスペンサーの信奉者だった事も判明し、CLOWNとの繋がりをどのタイミングであろうが持てる上に何方にせよCLOWNの資金源になっていた事をジェイク達は理解し、益々ライナス・メルディセクと言う男は救えない者だと発覚しより明確な嫌悪感を示していた。

すると艦橋にワクチン等の開発主任が入室し艦長に敬礼し報告を開始した。

 

「艦長、並びにアメリカ政府直轄のエージェントの皆様、そして血液提供者のジェイク氏に報告します。

T-Genesis用ワクチン、コードネーム『Apocalypse』と抗ウィルス薬の『Pandora』、そして血清弾の『Fallen Bullet』の完成、及び相当数の生産を開始しました‼︎

現在のそれぞれの備蓄数からBSAA、A.B.F.が避難させた生存者達の居る各駐屯地に配り切り、並びに各戦線で戦うBSAA、A.B.F.隊員達、特に東京前線に立つ北米支部アルファチームや極東支部デルタチームとA.B.F.オメガ小隊達に血清弾の配備が可能となりました‼︎」

 

「うむ、ではワクチン等を各駐屯地に直ちに配給、そして前線に立ちCLOWN抹殺指令を帯びた戦士達に天使を撃ち堕とす弾丸を渡す準備に取り掛かれ‼︎

…この短時間で良く作り上げてくれたな、諸君の奮闘に敬意を表するぞ「了解しました‼︎」」

 

如何やらワクチン、抗ウィルス薬、血清弾が

完成、更に駐屯地に避難中の生存者達にや戦闘中のBSAA隊員達に回す備蓄数が用意出来たらしく、バイオテロ発生から2日後にしてワクチン等の製造に漕ぎ着けた事にジェイクは上出来だと言う表情を浮かべ、シェリーも胸を撫で下ろしこのまま行けばT-Genesisに感染し動く屍となる人々が減ると安堵していた。

そして艦長やハニガンはBSAA各隊員やレオンに通信を入れ、一旦指定した駐屯地に撤退して血清弾の受け取りをする様に命じる通信を送り出し、甲板上の輸送機に次々とワクチン等が運び込まれ離陸準備に入った後そのまま離陸して行き始めていた。

 

「シェリー、ジェイク、貴女達もレオン達のサポートの為に東京前線に向かって!

東京の彼等の居る駐屯地に向かう機体は048号機よ!」

 

「へっ、民間協力者も前線に出なきゃならない程切羽詰まっているみたいだな。

なら良いぜ、俺と俺の血から生み出された洒落た名前のワクチンやらでこのバイオテロを終わらせてやるぜ!」

 

「分かったわハニガン!

レオン、クリス、待ってて、私達も行くわ!」

 

其処から通信を終えたハニガンはジェイクとシェリーに東京の最前線付近の駐屯地に向かう機体の番号を教え2人はそれぞれ走り出し艦橋から外に出た。

そんな中でジェイクはワクチン等が洒落た名前だと言いながら外に出て行ったのを見て艦長は天井を見上げながら独白を始めた。

 

「…Genesis、創世記の神話を終わらせるべく人が用意した『黙示録』と奴等が振り撒いた災厄の中に残された『最後の希望』、そして『天使を地に撃ち墜とす為の弾丸』、これらこそが我々人類が君の血から用意出来た反撃をより完璧にする駒でありそのコードネームを考え出したのだよ。

……ありがとうジェイク・ミューラー、君の協力には感謝しか無いよ……」

 

如何やらジェイクの聞いていない所で始まった独白によれば彼こそがワクチン(apocalypse)抗ウィルス薬(Pandora)血清弾(Fallen Bullet)の名を考え出した張本人らしく、CLOWN達が齎したバイオテロやそれらに反抗する為の人の叡智、それらの象徴として考え抜いた名前であるとして独り言で話し、艦橋に居た船員達は艦長に敬礼をし、ハニガンはこの3つがバイオテロを終わらせる鍵になる事を祈りつつレオン達に的確やサポートを送る準備を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ、HQが駐屯地への撤退命令を出したか…よし、デルタチームとオメガ小隊は急ぎ指定された回収地点に行き駐屯地に向かうぞ、誰1人遅れるなよ!」

 

「ワクチンや血清弾が完成した為それらを俺達に支給する為、か……よし、アルファチームとオメガ、シータ混成小隊は此れより駐屯地に赴き装備を再び整え今度はアジトの洗い出しに向かうぞ‼︎」

 

一方その頃東西に分かれたアルファチーム、デルタチームとA.B.F.各員やレオン達に指定駐屯地への撤退命令が出され、更にそれがワクチン等の開発に成功した事による物であると全員が知り小走りでROICE学園へと向かい、其処から全員が輸送機に乗り込みチャーリーチーム達や自衛隊達が懸命な活動により確保された駐屯地に着陸し、其処でアルファとデルタ両チームが合流してそれぞれの情報を交換し合い始めた。

 

「クリス、全員無事の様だな」

 

「B.Y.達もな。

それで、生存者は…?」

 

「西地区は…ダメだった。

通信から聞いてそっちの東地区は居たらしいが…此方は東地区以上の有り様だったよ…」

 

「…そうか」

 

クリスとB.Y.が全員の駐屯地到着後の点呼を終わらせた後2人で集まり情報共有を始め、クリスは西地区の生存者救助報告が無かった事が気掛かりで聞いた所、矢張り東地区のあのマンションの生存者達は運が良かったのだと分かり落胆すると同時にCLOWNのバイオテロに対し2人共怒りを隠さず拳を握り締めていた。

一方レオンはと言えば西地区で様々な事があって不安定な葵を心配し、事前に葵の好きなジュースをマキから聞き買って来ようとした所でマキと茜も便乗して来た為(但しお金は渡してる)一緒に買って来てやっていた。

そうして葵が休んでいる簡易休憩所に来ればマキや茜のみならずゆかりやあかりも来ており話をしていた所だったらしく機を見計らって声を掛ける事にし一感覚置いて葵達に話し掛けた。

 

「少し邪魔するが、良いか?」

 

「あ、レオンさん。

ええ、大丈夫ですよ」

 

「こっちは粗方お互いの行動やらを報告し合えたからね。

後はガールズトークだけど私達を守ってたレオンさんだから参加許可出すよ」

 

「…ふっ、ガールズトークか。

なるべく邪魔にならない様にしないとな」

 

如何なら残りはガールズトークだったらしくレオンは参加は憚れる筈だが如何やら葵達を守った功績点から参加可能になったらしく、しかしそれでも女の子同士の会話の為なるべく邪魔にならない様に休憩所の椅子に座らないままで居た。

 

「…それでね、ゆかりさん達も知っているあの叔父さん叔母さんなんだけど、ゾンビになっててそれで…」

 

「そう、だったんですか……葵さん、叔父さん達を救えなかったのは残念ですが、あの人達に鎮魂を与えてあげたって事を忘れないで下さい。

多分叔父さん達も、それ以上葵さん達に醜い化け物になった姿なんて見せたく無かった筈ですから…」

 

「知り合いがゾンビになった上で引導を渡すしか無い、なんて滅多に無い状況ですが上手く言えませんが、叔父さん達は葵さんに眠らされて安らかになっている筈ですよ……レオンさんも、そう思いますよね?」

 

葵の思い詰めた表情を見てあの場には居なかったゆかりとあかりがそれぞれ励ますのと叔父さん達の気持ちになって話して行き、マキや茜も頷きながら葵を心配する様子を見せ、当の本人も周りを見てやや俯き気味ではあるがそれでも彼女達の気遣いに頷きゆかり達の話を肯定して行く。

そんな中であかりがレオンにガールズトーク特有のキラーパスを行い、レオンは実際このキラーパスはどのタイミングでも来ても良い様に自身の中にある経験を思い出していた。

そう、2つの苦い悪夢の中で起きた経験を。

 

「そうだな……俺の経験から言わせて貰えば、葵が引導を渡した人達がそれ以上動く屍として他の人を襲わない様にしてやったのは正解だった筈だ。

俺も2回、感染した知り合いを手に掛けているからな…」

 

「レオンさんも?」

 

「ああ、先ず初めは1998年のラクーンシティ…あの時俺は新米警官として着任する筈が、ラクーン市警から待機命令が出て何時まで経っても連絡が来ない事が気掛かりになってラクーンシティを訪れ、其処で俺の忘れられない悪夢の原初が刻まれたんだ。

そのラクーンシティで警察署を訪れた俺は生きていた先輩警察官2人の内1人はシャッター先から救い出そうと引っ張り出したが結局ゾンビ達に貪られてみすみす死なせてしまい、その後にもう1人の先輩であるマービン・ブラナー警部補に俺は助けられて、彼のサポートを受けながらラクーン市警からの安全な脱出法を探していた、

そしてそれを見つけいよいよ脱出する時には既に負傷していた警部補はゾンビ化の兆候が現れ始め、自我がある内に俺を脱出させた……だが、紆余曲折あって再びラクーン市警のその場所を訪れた際に警部補は完全なゾンビに成り果てて襲い掛かって来た。

だから俺は彼を撃ち、ラクーンシティでのバイオハザードを引き起こした原因を探って解決すると誓った。

此れが1回目だ、2回目は……今の大統領直轄エージェントになった後、1年前に起きたアメリカのトールオークスでのバイオテロで、俺はゾンビになってしまった、エージェントになった後の俺の恩人であったアダム・ベンフォード前大統領を、この手で……だからアオイ、君の選択は間違いでは無かったと俺は思う。

少なくとも君が撃った人達はウィルスによるゾンビ化から解放され、もっと言えば人間としては既に死んでいて手の施し様が無かったんだ、だから君の選択は間違いなんかじゃない……少なくとも俺はそう思っている」

 

「……ごめんなさいレオンさん、迂闊に聞いてしまいました…「いや、構わないさ。

聞かれたら答えようと思っていたからな…」…」

 

あかりからキラーパスを受けたレオンは葵達が想像する以上の地獄と十字架の一端を話し始め、それらの経験から葵が間違った選択をしたか否かを話し、葵は間違っていなかったと何度も何度も地獄を経験したレオンの口からそれらが出切った後、ゆかりやあかりはクリス並に重過ぎる十字架を背負ってしまっていると感じ取り、マキや茜は同じ地獄を経験したがレオンはそれ以上に経験している為矢張りこの中で葵の苦悩を良く理解し、間違っていないと言えるのは彼だけだったと思いガールズトークに参加させたのを正解だと感じ、そして当の葵は自分が思った以上にレオンが十字架を自ら背負った事を話させた事に申し訳なさを感じ謝るが、レオンは聞かれたら答える気だったと気にしない様に話し、それを聞き葵は気にしながらもこれ以上蒸し返さず、且つ茜達の様に自分の選択を間違ってないと話すレオンに感謝しつつ手に持ったジュースを飲み干すのであった。

 

「ワン‼︎」

 

「あれ、この子ずんだもんじゃん‼︎

で事は…「あ、葵ちゃんにマキちゃん、ゆかりちゃんにあかりちゃん、それに茜ちゃん、無事だったんですね‼︎」あ、やっぱりずんちゃんだ‼︎

それに…『ささら』ちゃんに『つづみ』ちゃん、『イア』ちゃんに『オネ』っちじゃん‼︎

皆無事だったんだ‼︎」

 

そんな空気の重い休憩所に避難したずんだもんが現れ、その後ろからずんだもんを追って来たずん子やその友人達で前から灰掛かった茶色の髪の毛をサイドテール気味に束ねた少女で早生まれでずん子と同じクラスの『さとうささら』にこのメンバー内では年上の方だが誕生日が7月中だった為ずん子達と同じクラスの青髪ショートヘアが特徴の『すずきつづみ』、更に学生でありながら音楽芸術家、俳優を務めるメンバー内最年長で高校3年で灰色のロングヘアーと少し小さめの身長が特徴の『イア』、葵達と同じクラスでイアの妹にしてイアと同じ事務所所属の金髪のぱっつん癖毛ショートヘアとその他属性盛り沢山の音楽芸術家の『オネ』、皆合わせて葵やマキ、ゆかり達を中心にROICE学園で昼食や下校等も一緒にする仲良しグループであり、彼女達の無事を見た途端葵達が席を立ち元気に向かって行った。

 

「皆、無事だったんだね‼︎」

 

「うん、私達ショッピングモールで買い物中にこのゾンビパニックに巻き込まれて2日間中に閉じ込められちゃったのよ」

 

「でも同じ様に買い物に来ていた『ダン』君が私達を守る為にシャッター操作とかしてくれて何とか生き残ってたんだ……でも、ダン君はBSAAの人達が来る前に私達を庇ってゾンビに噛まれて……」

 

「それで今、ダン君のお別れ会をダン君の遺体の前で男子一同がやってるんだよね」

 

「ダンの奴、『俺が死んだ時はアニソン歌いながらあの世に送って欲しい』とか言ってたから皆律儀に守ってるんだよ、勿論泣きながらね」

 

「そっか……ダン君…」

 

如何やらささら達はBSAAにショッピングモールで救われたらしく、更に男子から一定の人気を集めていたイアとオネの大ファンだった葵のクラスメイトのダンと言う少年がささら達を庇い死んだらしく、男子達はダンが兼ねてから言っていた遺言を実行して泣きながらダンが安らかな眠りに就ける様に彼の遺体の前で特別に送別会を行っていると聞かされ、葵やマキ達もダンのヲタ芸や知識には驚く物があり(ミリタリーからアニメまで幅広い知識を持っていた)ある意味彼を尊敬の眼差しで見ていた…が、死に別れとなると矢張りキツいと感じ葵達は胸に手を当てダンの別れを惜しんでいた。

余談ではあるがこのささら達こそがカイチームが救助した学生生存者であり、ダンが手厚い処置でこの駐屯地まで運ばれて来た感染末期寸前の学生である。

そうして皆がダンの別れに想いを馳せる中、年長者のイアがレオンや茜の前に出て話し掛け始めた。

 

「あの、貴方がずん子ちゃん達が言っていたアメリカのエージェントで皆を守ってくれたレオンさん、それと葵ちゃんのお姉さんの茜さん、ですよね?

葵ちゃんにマキちゃん達を守ってくださりありがとうございました…」

 

「…いや、俺達だけじゃないさ。

マキやアオイ達も戦い、ズンコ達も出来る戦いをしたからこそ全員が生きてこの場に来られたんだ」

 

「せやからウチらに感謝するよりも、葵やマキはん達の勇気に賞賛を送るんが正解やで。

それに……本当にウチらは大層な事はしてへんから」

 

「それでもです、ありがとうございます」

 

イアは皆を代表してレオンと茜に礼を述べるが、レオン達はそれぞれマキ達も頑張ったからこそ最善が取れたと言いその礼を受け取る気はなかったが、それでもとイアは言って聞かず頭を下げた為レオン達はそれをこれ以上受けるのを拒むのは失礼だとして黙って受け取り、それから葵達はグループ同士の会話に盛り上がり互いに涙を流しつつ生存を喜び、死んで行った学友に別れを告げていた。

そんな中、『アルファ』が簡易休憩所を訪れ、軽い手振りで茜達に召集を掛けそれを見た茜達は簡易休憩所を去って行く。

そして葵、マキ、ゆかり、あかりの4人も行こうとした所でささらがずん子から聞いた今までの戦いの記録を思い返し、4人が再び戦いに行くのだと察して声を掛けた。

 

「葵ちゃん、マキちゃん、ゆかりちゃん、あかりちゃん、行くんだね、戦いに」

 

「うん、この馬鹿げたバイオテロを完全に終わらせて来る為に。

だから皆…」

 

『行って来ます』

 

ささらは4人が戦う者としてレオン達と共に再び死地に向かう事を案じ声を掛けると、葵達は只々シンプルに、しかし力強く行って来ますとささら達の方を向きながら答えレオン達の後を追い始めた。

するとささら達はその力強い言葉から彼女達の決意は強いと察したささら達もまた死地に赴く学友達に対してただシンプルに、しかし絶対に帰ってくると信じて一言だけ言ってその背中を見送る。

 

『行ってらっしゃい』

 

ささら達の見送りの言葉を背に受け葵達の歩は更に力強くなりこのバイオテロを終息させる決意を新たにクリスやB.Y.達の待つ集合地点へと向かう。

時刻はPM18:44、バイオテロから2日が経過し、火が落ち始めこれから夜戦に入ろうと言う時刻であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ささら達と別れた葵達は直様クリス達の前に整列し、点呼を行い全員が居るかを確認した後クリスが口を開き始めた。

 

「よし、全員居るな。

ではこれよりバイオテロ主犯組織CLOWNとB.O.W.の撃滅作戦の準備に入る…が、その前に皆に今作戦に同行する新たな仲間を紹介する!

先ずはエージェントケネディと同じくDSO所属のエージェントシェリー・バーキンと、今回の作戦、及びバイオテロによるウィルスの脅威を下げるべく血液提供を行いT-Genesis用ワクチン『Apocalypse』と抗ウィルス薬『Pandora』、そして撃滅作戦に於いて最大の力を発揮する血清弾『Fallen Bullet』の開発に協力してくれたB.O.W.討伐を専門とする傭兵ジェイク・ミューラーの両名だ‼︎

…シェリー、ジェイク、挨拶を」

 

「はい、私はシェリー・バーキン。

今事件に於いて使われたT-Genesisの基となったウィルスの1つであるGウィルスをこの世に生み出した両親を親に持っていた現アメリカ大統領直轄エージェントの1人です。

今事件には私の親が残した因縁が絡む為私はその清算にやって来ました、皆様よろしくお願いします」

 

「ジェイク・ミューラーだ。

このイカれたバイオテロに特に因縁らしい因縁は無かったんだがシェリーの頼みで献血してワクチン開発に協力してやった……までは良いが、俺の親のウェスカーとか言う馬鹿野郎の因縁も如何やら事件に第三勢力として関わってる様だから首を突っ込みに来てやった。

取り敢えず言える事は此処までだ、後は勝手に想像しな」

 

クリスの紹介により前に出て来たシェリーとジェイクはそれぞれ自己紹介をし、葵、茜、マキはシェリー達の経歴を聞き自分達と良く似ていると思い、マキは1年前の事件からジェイクの素性を彼の口から、茜は独自の情報網から知っていたがゆかり、あかりはウェスカー、つまりはクリスと死闘を繰り広げたアルバート・ウェスカーの子がセイカ以外に居た事にこれを知らない他の隊員共々驚き、葵は2人の親の因縁に共感を湧き、更にシェリーについてはT-Genesisを琴葉紅がこの世に生み出してしまった事について謝ろうと感じながら視線を送っていた。

 

「全員静粛に!

以上2名の協力者が部隊に加わる事になり、更に彼等は既にセイカ・キョウマチの協力があった様だがCLOWNの構成メンバーの1人、コードネームレミエルの処断に成功したらしい!

無論それには完成した血清弾(Fallen Bullet)の力があってからこそであり、またその力が実証されCLOWN達にも有効であるとされた為撃滅作戦に参加する我々にそれが支給、及び感染予防の為にワクチン(Apocalypse)投与と現地で万が一に感染した場合に処置すべく抗ウィルス薬(Pandora)が支給される事となっている。

全員ワクチンを直様投与した後、作戦予定時刻20:30に武器弾薬を整え死地の更なる奥に向かう‼︎

それまでに全員ワクチン(Apocalypse)を打ち、自分の武器の整備を怠らない様に!

以上、全員準備に取り掛かれ‼︎『了解‼︎』」

 

「…黙示録に天使に箱を渡された女の名前に天使を地に堕とす弾丸か、洒落た上にこの上無い名前やな」

 

クリスは全員の視線を集め、ワクチン等が完成した事を告げた後それらの投与と支給を含めて準備に取り掛かる様に命じ、此処で茜はそれらの名前が洒落た名前であり、またCLOWNのコードネームであるレミエルを聞いた為かこの上無く良い名だと口にしたと同時に全員が解散。

それぞれが集合地を離れると葵、マキ、そして茜がジェイクとシェリーの前へ行き話し掛け始めた。

 

「あの、貴女達は?」

 

「ジェイクさんにシェリーさん、私はこの街の現地協力者の琴葉葵です。

此方は私の姉でA.B.F.のオメガ1である琴葉茜、そして」

 

「取り敢えず1年振りでお久、元チャーリー23で今はBSAA極東支部デルタチームのデルタ2弦巻マキだよ。

まさかアンタ達とも再会するなんてこの事件は蘭祥(ランシャン)の同窓会かと思ったわ」

 

「は?

このガキがあの死神のオメガ1かよ「ガキで悪かったな、ついでに世界平和貢献の為にあんさんの血ぃ更に4リットル位採血してもかまへんで」…その物言いや佇まい、マジな様だな。

で、一体何の用だ?」

 

葵がシェリー達に声を掛けた所でマキ達も同様に声を掛け、ジェイクと茜は売り言葉に買い言葉の事態になりそれぞれシェリーと葵が宥めてそれ以上いざこざにならない様にしつつ、ジェイクが何の用かと聞いて来た為葵がその言葉を待っていた様に口を開いた。

 

「シェリーさん、私とお姉ちゃんは貴女に謝らなければならないんです。

実は…私達の父親の琴葉紅は、今使われている物の初期型とは言えT-Genesisをこの世に生み出してしまった人間なんです。

つまり、貴女の知らぬ所で要らぬ因縁をあの人は作り出してしまったんです。

そんな親に代わり、私達は貴女に謝罪させて頂きます、本当に申し訳ありませんでした……」

 

「そう、なの。

貴女達の親が……でも、やっぱり親は親で貴女達は貴女達よ。

確かにお互いに因縁の様な物が出来上がってしまったけれど、私達はそれに振り回されず、また自分の意思でこれを清算する、その為に多分今この場に居るのよね?

なら謝る必要は無いわ、寧ろ一緒に戦ってこのバイオテロを終わらせましょう、アオイ、アカネ」

 

葵は琴葉紅がT-Genesisをこの世に生み出しシェリーにいらぬ因縁を作り出した事に対し謝罪し、横に居た茜も同様に頭を下げてシェリーに何かを言われるつもりでいたが、そのシェリーは自身の人生観やジェイクとの交流を通じて互いに成長した結果葵達に特に何も言わず、その上共に戦おうと口にし握手を求めて来た。

その大人の対応に葵達は人生観の先輩だと思い知らされたまま握手をし、共に戦う事を此処に誓った。

 

「で、何でお前は此処に居んだよ?」

 

「何か起きない様に見守る保護者役、文句あるグラサン似合う兄ちゃん?」

 

「…特に無いな、ギターが良く似合いそうな嬢ちゃん?」

 

一方ジェイクとマキは軽口を叩き合いながらも1年前にB.Y.共々生き残る為に協力した間柄だった為特にいざこざは起きず互いに拳を突き出し合いながらコツンと合わせてドジっ子気質なシェリーと精神がやや不安定気味な葵のサポートをやるパートナー役として意気投合し、5人は話し終えるとウィルスに耐性の無い葵とマキはワクチン(Apocalypse)の投与に向かい、そして互いの武器の手入れを行い準備を万端に済ませるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葵達がジェイク達と合流し、ワクチン(Apocalypse)を投与していたのと同時刻。

とある施設内に於いて大きな円卓テーブルを囲み5人の仮面を被った者達が空いた1席の椅子を見ながら会議を開始した。

そう、此処はCLOWNのアジトである秘密施設であり彼等はレミエル、ライナスの不祥事の確認の為に集まったのだ。

 

「『ラファエル』、『ゼラキエル』、現状報告をせよ」

 

「ええ『ガブリエル』、レミエルは検体ジェイク・ウェスカー及びシェリー・バーキンの捕獲に失敗、更にワクチン等の破壊すら阻止された上にあっさり死んだわ」

 

「更に監視衛星からの情報を精査すると相当数のワクチン、抗ウィルス薬、そして血清弾が各バイオハザード地区に持ち込まれてしまった様だ。

これではエクスシアがあっさり殺されてしまうだろう。

矢張り此処はエクスシアの更なる『進化』をさせるか、我々自身が動きBSAAとA.B.F.を殲滅。

そして検体とオメガ1、琴葉茜の回収を最優先に行うべきだと進言する。

が、その雑事を行うレミエルが死んでしまい他が動かざるを得なくなっているが、な」

 

『I』と書かれた椅子にガブリエルと呼ばれた、映像でよくCLOWNの中心に立ったリーダー格がラファエルと呼ばれた『II』の椅子に座る仮面を被る葵達と同年代程の少女とゼラキエルと言う『V』の椅子に座る男に情報を共有させ、『IV』に座った仮面の男は仮面に手を当てレミエルの失態に頭を抱える様な仕草をし、『III』の数字が書かれた椅子に座ったこの中で最もがたいの良い男が次に口を開き始めた。

 

「ふん、新人類の資格を得ていたとは言え所詮は末席、『ラグエル』所かゼラキエルにすら及ばぬ愚か者が調子に乗った末路だ、同情する余地すら起きんわ」

 

「確かに『ウリエル』の言う通りですが……これからその雑事は如何しますかガブリエル?

矢張りこの私ラグエルが行うべきですか?」

 

「…そうだな、ラファエルとゼラキエルは此方の情報網に一役買っている、そんな彼女達を雑事で失うのは惜しい。

なら順当に行けばウリエルかお前の出番になるが、ウリエルもB.O.W.の管理に忙しい。

よってラグエル、お前が行け」

 

「はっ‼︎」

 

ラグエルと呼ばれたIVの椅子に座った男はIIIのウリエル達の代わりにレミエルが担った雑事を行う様に進言し、ガブリエルはそれを了承しラグエルを行かせる。

それを見ていたラファエルは興味無さ気ではあるなラグエルの事に関し口を挟んだ。

 

「良いのかしら、ラグエルでは特殊防御法も攻略され易いわ。

なら私が動くべきでは無かったかしら?」

 

「別に良い。

BSAA達や琴葉茜達がラグエル程度を突破出来ぬ様ならばそれまで、突破したなら我等と戦う用意が出来てる物として扱えば良い。

それに……ラグエルを倒した所で私やラファエルは倒す事など出来ぬ、ならば余興を楽しむのも一環だろう?」

 

ラファエルの言葉にガブリエルはラグエルを切り捨てたも当然の発言を行いラファエルを黙らせ、またラファエルもガブリエル同様ラグエルは倒せても自分やガブリエルは絶対に倒せないと確固たる理由がある為それ以上の進言を止め席を立ち、ゼラキエルと共に情報収集へと動いた。

そして残ったガブリエルとウリエルは仮面の下から不気味な笑い声を上げ、物事が如何に転ぼうが最後は自分達が勝つとしてその円卓テーブルで延々と笑い声を上げるのであった。

 




此処までの閲覧ありがとうございました。
今回まだエイダさんの出番はありませんが近々彼女も動き出します。
また、CLOWN構成員のコードネームが判明しましたが元ネタは多分分かる方は分かり、また意図的にある天使の名が無いです。
その理由はまたいつか…。
あ、因みにレオンの過去はRE:2準拠です、決してヤケ酒起こして遅刻したわけじゃ無いです(但しヤケ酒はしないとは言っていない)

次回もよろしくお願い致します。
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