葵ちゃんは遂に深淵への扉の先にある真実を知る時が来てしまいました。
因みに自分は琴葉姉妹のダークサイドを書いていないと予め宣誓します。
では、本編へどうぞ。
葵達は通路を進み、ドアロックを茜や葵の指紋認証で解除して行くと縦に広めな通路が現れ茜が前、セイカが後ろ側にただその間にレオン達が隊列を組む形になりゆっくりと油断せず進んでいた。
すると突然葵達が入って来た扉が閉じられてしまい、葵達全員通路に閉じ込められてしまう。
「しまった、罠か!」
『『ブッ!』はい、その通りです。
では第1のトラップ、人体切断レーザートラップを突破して下さい』
レオンが罠と叫ぶとラグエルが通信を入れて来てトラップ内容を晒す。
すると茜達の前の通路両端が輝き、今にもレーザーが出そうになっている所であった。
「大隊長、全リミッター解除許可‼︎
葵を助けて全員で此れ突破する方法あるで‼︎」
「よし、なら許可する‼︎」
すると茜は葵を救う事をダシにして『アルファ』から自身の全リミッター解放許可を貰い腕をコキコキ鳴らしていつでも行ける合図を出した。
すると茜達の前10メートル先からレーザーが出現し更にそれが直ぐ網目になり回避不能レーザートラップと化していた。
「セイカァ、アンタ左ィ‼︎」
「じゃあ茜ちゃんは右ね‼︎」
『ドゴォッ、ブチブチッ!!×2︎』
そんな中茜は右の壁に向かってパンチを繰り出し、後ろのセイカも左の壁に向かって同じくパンチを繰り出して壁の中に手を突っ込む。
すると何かがブチッと千切れる音が茜とセイカの2回分鳴り、それに関係してか通路の電気が消え去ると同時に茜の1メートル先まで迫ったレーザーも同時に消え去り、前後のドアが開いた。
『警告、第5通路のケーブルに異常が発生しました。
警告、第5通路のケーブルに異常が発生しました。
エンジニアは第5通路に直行し異常の調査、修理をして下さい』
但し、この通路のケーブルに異常が発生したと言うアナウンスが流れながら、である。
如何やら茜、セイカの考えは両側の壁にあるケーブルを引き千切りこの通路の電源を無理矢理落とす事で突破すると言う物だったらしい。
そんな事をしなくても後ろに下がればと思う葵だったが、他は直ぐ様後ろを確認して後ろ側もレーザーが出る兆候があったのを見ていた。
その為茜達の手が最善であり最短のルートであった。
「さ、早く前に行くで」
『……まさかそんな力技で突破するなんて想定してませんよ。
本来は後ろ側のレーザーを回避して通路の端にある端末からパスコードを手早く入力して解除するトラップでしたのに』
「あらごめんなさい、私達全員如何もそんなゲームにお上品に参加する程律儀じゃないみたいよ?」
此れにはこの施設のトラップを知り尽くしたラグエルも呆れ果て、対してエイダが何処かで見ている彼に対しゲームに真面目に参加などしないと意訳して前側の出口まで歩いて行った。
そしてセイカが思い切りドアを叩き締めた所ドアが通路の内部まで飛んでいき通路が吹き抜けになってしまう。
これ等を見た葵やマキはこう思っていた、『これはひどい』と。
更にその先にB.O.W.との戦闘する部屋が用意されていたが、このメンツでは最早エクスシアすら抜群のコンビネーションと
『もうエクスシアすら相手になってくれませんか……良いでしょう、この先のトラップはまた力技で解除されるでしょうからもう作動させません。
左に真っ直ぐ向かって私の下に来て下さい。
あ、右は資料室でハズレなので寄らなくても結構ですよ……葵さんが知りたい情報を逃したいなら、の話ですが』
するとラグエルはもう生半可なトラップ等ではレオン達の進撃を止められないと察したのかこの先のトラップの全解除を宣言し、葵達を自分の方に誘導し始めていた。
……しかし、葵は右が資料室と聞き、そちらの方に自分が知るべき事があると思い皆を見ると、マキ達も事件の資料として回収しなければならず、エイダやセイカもT-Genesisのデータが欲しい為資料室に向かう事に反対するメンバーは誰1人居なかった。
その為葵達は右に向かい資料室へと入った。
「…うっわ、ウチが知る資料室とまんまコピペ配置や此れ。
資料も爆破した
『ええ、研究施設
そして我々はその施設に我々の資料を全てコピーし、送信して置く事で円滑にT-Genesisの研究をする事が出来たのです。
さあ葵さん、どの資料でも好きに取って下さい。
恐らく貴女にとって有意義な物しか書かれていませんから』
茜は自身の過去の記憶、琴葉紅殺害時に爆破した研究施設
「(…あれ、円滑に研究?
琴葉紅はT-Genesisをお姉ちゃんの言葉から聞くと
だが葵は此処でラグエルの言葉…円滑に引き継ぐ、と言う部分に引っ掛かりを覚え何故CLOWNが紅の研究をそのまま引き継げたか、2人の言葉を文面通り受け止めると時系列があやふやになっているのだ。
其処に違和感を感じ、しかし葵はその手で資料を取るのを止めずに読み始めた。
タイトルは『T-Genesis、並びに関連計画一覧』と言う物であった。
茜は矢張りそれを取るかといった表情を見せながら葵の後ろに回り、彼女を見守っていた。
そして葵が初めに目を通したのは以下の物だった。
T-Genesis計画ー
01:始動
『アンブレラ社が倒産してから2年以上経過した。
この
妻の藍を無理矢理連れて来てウィルス研究を続行させ、そして遂に鍵となる物を揃えた。
スペインにあったプラーガの情報を手にし、闇市場で支配種、従属種両者を手にしたのは正に天啓としか言えなかった…。
後は元から持っていたTウィルスと同じく闇市場で入手したGウィルス、コレ等とプラーガの遺伝子を組み合わせ融合、進化させれば私の悲願であるスペンサー卿の理想を叶えられる時が来る‼︎
名前は既に決めてある、スペンサー卿の理想たる人類の高次への進化、此れの創世記の鐘を鳴らすに相応しき名…T-Genesisである。
早速作業に取り掛かろう、この研究成果をスペンサー卿の下にお届けする為に』
如何やらT-Genesis初期型の計画始動は2005年、アンブレラ社倒産から2年以上が経過した時点で始まりに漕ぎ着けた事が資料から読み取れた葵は次のページを流し読みで読んで行った。
曰く、偶然の歯車の一致でウィルス初期型が完成した事。
曰く、藍の反対を押し切りホームレスを使った人体実験を行いゾンビからネフィリム(その容姿から決まった名前)への進化、更には性能実験とウィルス特性からネフィリムは自分と藍には襲い掛からない事が判明した事。
曰く、T-Genesisは既存B.O.W.に投与して強化しようとしても微々たる物でネフィリムには到底及ばなく研究が暗礁に乗り出した事。
様々な事が書かれていたが矢張り茜の言う通り藍を無理矢理協力させていた事が資料からも分かり葵の手に力が入り始めていた。
しかし……その次のファイルを読み始めた瞬間から葵の表情は青ざめ始めていた。
その内容はこうであった。
14:新計画始動
2006:4:1
『駄目だ、T-Genesisをタイラントに投与し理想のB.O.W.を作り出そうとしてもタイラント側がT-Genesisに耐え切れず絶命してしまう‼︎
矢張り既存のB.O.W.ではT-Genesisの効果を想定通りには発揮出来ない、既にキャパシティを割り振られている為T-Genesisが入る余地が無いからだ‼︎
此れならホームレスからT-Genesis完全適応者を探して実験した方がまだマシだが時間が足りな過ぎる、もう直ぐスペンサー卿の命の灯火が消えてしまう‼︎
そうなる前に何としても成果を届けなければ、しかしどうすれば……!
そうだ、何も既にこの世に生誕した人間を使わなくても良いでは無いか。
丁度此処には私と妻の藍が居る。
彼女の未受精の卵子を人工子宮で受精させ、同時に受精卵にT-Genesisを投与すれば人為的な完全適合者、しかもT-Genesisに全てのキャパシティを割り振られた生命が誕生させられるでは無いか‼︎
何故早く気が付かなかったのだ、私は‼︎
そうと決まれば彼女の胎内から卵子の摘出を開始しよう。
何、何時もの様に反抗すれば力でねじ伏せ従わせれば良い、全てはスペンサー卿の理想成就の為だからな。
そうなれば計画名も考えなくてはならない、どんな名前が良いだろうか…』
葵は嫌な文字を後半に見つけてしまった。
『未受精の卵子』、『人工子宮』、『受精と同時にT-Genesisの投与』、『T-Genesis用にキャパシティが開いた生命の誕生』等を。
葵は後ろにいた茜を見て何か一言言って欲しい、せめて違うと言って欲しいと言う願望を乗せて見ていた。
しかし茜は険しい顔をしており、左腕を掴んだ右手に力が籠らせながら『その先も読むのか?』と表情で語っていた。
この様子に他の資料を漁っていたレオン達、特にマキやセイカが葵に近付き、嫌な予感を感じその資料を取り上げようとしたが茜がそれを止め口を開いた。
「…葵、こっから先はアンタの自由やで。
先を読むも破くも葵の自由や。
だから決めるんや……此処で踏み止まるか、それとも踏み抜くか」
茜はこの先は全て葵の自由であると話し、資料は取り上げはしないが読まないならそれでも良いと言う意思を見せて葵に二者択一の選択をさせる。
対して葵は過呼吸気味になりながらも自分は何の為に此処まで来たか思い出し、資料の頁を巡り次の文を読み始めた。
そして茜は同時に思っていた、葵ならこの選択を間違い無くとってしまうと。
知らなければ良い事を知る、その選択をしてしまうと。
そして此処まで来てしまったからにはもう止める権利は自分には失せてしまったと。
そんな葵に対する様々な感情を込めた目で彼女を見ていた。
そして葵は……絶望の詰まった2頁をみつけてしまった。
15:想定外の誤算
2006:4:25
『何と言う事だ、人工子宮内で受精させ、T-Genesisを植え付けた胚が2つに分裂し、成長促進で2人の赤子が生まれたでは無いか‼︎
つまりは双子、T-Genesisの力を全て引き出せる器の子が2人も生誕する事になるとは‼︎
この嬉しい誤算には神が居るならば感謝せねばなるまい、我が計画に新たな息吹を与えたその天啓に‼︎
先ずはコードネームを決めよう、分裂した方をA-2、分裂元をA-1と呼ぼう‼︎
そしてこのまま成長促進させ8歳児になる様にし、藍の記憶操作技術で8年分の記憶も植え付けて其処から経過観察と性能実験をしなければ…‼︎
だが藍がそろそろ喧しくなって来た、そろそろ黙らせる方法も模索するか』
16:コードネーム、計画名決定。
2006:9:3
『スペンサー卿があのアルバート・ウェスカーに殺害された、なんたる事だ。
折角の成果をお見せするチャンスだったのを…あのウェスカー計画で生まれ生き延びただけの男が‼︎
こうなれば私がスペンサー卿の理想を真に引き継がなければならない…。
しかし、A-2にはガッカリだ。
知能はA-1と大差無いにも関わらずT-Genesisの力を一切持たずその形質すら見られない失敗作だとは…。
対するA-1、藍は茜と呼ぶあの子は素晴らしい。
ネフィリム所か8歳児相当でありながらスーパータイラントすら屠る力を見せるとは……矢張りこの子こそがスペンサー卿の理想の中で頂点に立つに相応しき子だ。
これからはA-1、茜は『ミカエル』、熾天使の頂点に立つ者の名を贈ろう!
計画名も決まった、ミカエルを頂点とする世界を導く七大天使を生み出す計画…
そして失敗作の欠落者たるA-2、葵と言うT-Genesisの力を持たぬ方には『ルシフェル』、堕天使の烙印を押そう。
そして……そろそろ邪魔になって来た藍共々ルシフェルは殺そう、創世の世界に堕天使の長であり最大の失敗作の居場所など存在しないのだからな』
「うっ、ボォエッ、オエェッ、オェッ…‼︎」
『ビチャビチャッ!』
葵は手に持った資料を落とし、部屋の隅へと走り嘔吐してしまう。
自分と茜が普通の生まれ方をしていなかった事、否、生まれながらの生物兵器と言うとても受け止め切れない事実に胃の中の物を全て吐いてしまう。
マキは葵が見た内容を黙読し、葵が受けた衝撃を垣間見た上で茜を睨み何故止めなかったと言わんばかりにハンドガンを構え一触即発の事態になってしまう。
対する茜は淡々と、しかし止める権利が消えた事実を話し始めた。
「マキはんがウチに銃向けんのは分かる、何でこんな内容が書かれたもんを読ませたんやって言いたいのも分かる。
けど、逆にマキはんは止められたか?
此処まで付いて来て、その理由も『真実』を知る為やったんや。
せやからもうウチには止める事は出来ず選ばせるしか無かったんや、この先を知るか否かを。
……ウチが話しちゃあかんかった理由も分かったやろ、こないな真実が普通あるんかって殴りたくなる内容やし、葵が真実を見る覚悟を決めなかったら葵は壊れとったからや。
それに…マキはんはウチの立場やったら全部逆の事出来たんか?」
「それは……でも、ならなんでアンタはそうやって……チクショウ‼︎」
マキは茜はの言葉に一切反論の言葉が出ず、手に持った資料を地面に叩き付けて近場の机を蹴ると言う方法でしかこの怒りを発散させる事が出来なかった。
茜の言う通り逆の立場なら同じ道を辿り、そして大前提の葵が真実を知ろうとしている為止められる訳無く何処かで葵に押し切られてしまいこの真実に到達すると考えが過りマキは悔し涙を流すしか出来なかった。
「……成る程ね、クライアントも葵ちゃんに何らかのウィルスの痕跡があるかもしれないからサンプル取って来いって命令を出したのはこの背景をどこかで知ったからか…」
するとセイカ、エイダがマキが投げた資料を見て何故態々ウィルスの痕跡があるかもしれないとは言えセイカに葵の血液等のサンプル回収を命じて来たか理解し、同時に茜のサンプルを回収した理由も葵の双子の姉である為に回収し、その後にウィルス完全適合者だと判明した為クライアントのH.C.F.の判断は正しかったとセイカは思っていたが、まさかこんな裏事情があるとは思わず知らなければ良い真実もあると改めて思い知るのだった。
『如何でしたか葵さん、いえA-2、或いはルシフェル…どの名で呼んで欲しいですか?
貴女の自由意志に任せますよ』
其処にラグエルが再び声を掛けて来た為マキは放送スピーカーに向けて怒りのまま銃弾を放とうとした。
だが其処に先程まで部屋の隅で吐いていた葵がヨロヨロと立ちながら銃を持ち、スピーカーの斜め下へと棚などに凭れ付きながら立ち、それを茜とマキが直ぐに支えて倒れない様にした。
そして胃液が垂れた口を何とか拭いてラグエルの問い掛けに対して答え始めた。
「………
『ふむ?』
「私は、琴葉、葵よ…!
A-2だとか、ルシフェルとか知らない、私は……琴葉藍の娘で、琴葉茜の妹の、琴葉葵よ‼︎
私は葵、琴葉葵なのよ‼︎」
葵は自身を琴葉葵、琴葉藍の娘で茜の妹だと腹の底からスピーカーに向かって叫び自身の存在はA-2やルシフェルと呼ばれる何かでは無いと否定した。
その判断に至れたのは茜の妹、そして人工子宮とは言え藍の受精卵から生まれた存在である為にこの苦し紛れな、しかし自分は自分と言う答えを示し吠えたのだ。
「葵…そうだよ、この子は琴葉葵だよ‼︎
ゆかりんやあかりちゃん、ずんちゃんやささらちゃん達に私の友人で、チョコミント味のアイスとかが大好きで明るくて皆の人気者、そんな何処にでも居る普通の女の子の琴葉葵だよ‼︎
アンタ達が言うなんたら何て訳の分かんないモノなんかじゃないわ‼︎」
其処に友人であるマキも吠え、葵が葵たる友人達の存在を口にし、更に自分が知る葵の人物像や好物すらも口にしつつ普通の女の子だとハッキリと言い、この研究資料に載ったモノじゃないと友人として、偽りの記憶の後より本当の自身の記憶から誕生した友人として葵を擁護したのだ。
これには茜も満足の出来た答えであり、この真実を知ってもなお折れないと心の隅で信じ続けた甲斐があったと思っていた。
「さて、お前達の研究朗読ショーは此処でお開きだ。
後はお前を倒してこの施設の確保をし、お前達テロリストの悪事を晒してやるさ」
『テロリスト……確かに世間一般的にはテロリストでしょう。
しかし、見方を変えてみて下さいよ。
本当に今の世界に存在する価値はあるのか、そう考えた時私達CLOWNの目的が正しかった事に』
「ならんわアホ。
アンタ達はテロリスト、ウチ達はそれを倒すアンタ達の言うゲームの主役やで。
せやから絶対CLOWNが正しいなーんて答えは出て来うへんよ!」
そうしてレオンの皮肉を合図に全員が読み漁り、保存した資料室から出始め(葵は茜、マキにまだ支えられている)、ラグエルの下に向かい始めた。
するとラグエルは何処か遠くを見る様な声で見方を変えれば自分達の目的は正しいのでは?
そんな問い掛けをレオン達にしたが此処で今まで黙っていた茜がバッサリと切り捨て、CLOWNの考えには一切同調しない事を告げた。
口数が少ないエイダも下らないと内心切り捨て、B.Y.達BSAAや『アルファ』もテロリストの言葉に耳を貸す程落ちぶれて居らず、シェリーもレオンと同じくCLOWNは馬鹿げた理想を掲げたテロリストとこれまた切り捨て、最後にセイカは今の世界が滅びたらお酒も無くなる為当然同調せず結局ラグエルの言葉に耳を貸す者は此処には居なかった。
「…さて、この先は第1試験場や、此処にあんさんが居るんやろ、ラグエルはん?」
『ええ、此処で皆さんを迎え討つ事がガブリエルの命じた命令なので待っていましたよ、どうぞ中へーー』
『Pillllllllli、ザザァッ‼︎』
そして茜の記憶上この先で様々な性能実験を行なっていた第1試験場がある事を知っている為ラグエルに其処に居ると尋ねるとアッサリその通りだと答え全員を中に入れようとした。
が、此処で何時もの通信ジャックが発生し、間が悪い為全員無視しようかと考えていたが、スピーカー越しにラグエルが溜め息を吐き『出てあげて下さい』と言い如何にもラグエルとガブリエルは目的は同じだが何処か馬が合ってない様子を垣間見ながらレオンが通信に出た。
『やあ諸君、元気だったかね?
ラグエルはもう倒してしまったのかい?』
「資料室の中にあった物全部漁った後今から倒そうとして第1試験場の中に入ろうとしたらそっちの通信が今入ったのさ、間が悪すぎるんだよ道化が!」
『……それはすまなかったね。
しかし資料室を見たか、となれば琴葉葵君、いや、A-2はあの資料を見たのかね?」
通信機からCLOWNリーダーのガブリエルの相変わらずな中身のない通信に辟易していた全員をB.Y.が代弁し、全員でガブリエルを睨んだり興味なさげに見てたりしていた。
そんな中資料室と言う言葉にガブリエルもまた葵をA-2と呼び、煽る様な発言をしたが葵はこれに反応し叫び始めた。
「私は私、琴葉葵よ‼︎
お姉ちゃんの妹で、お母さんの娘で、マキさん達の友達の琴葉葵、A-2だのルシフェルだなんて知らないわ‼︎
それよりも、私はこの施設や資料の違和感や、貴方の正体に気付いた事があるんだから答えなさいよ‼︎」
『……ふむ,違和感に正体か、許そう琴葉葵。
違和感を掲示したまえ』
葵はガブリエルの言葉に自分は琴葉葵と言う資料の一部やマキが証明した確固たる自我を以てA-2等を否定し激怒した声色を見せた。
が、そんな精神状態が今までの中でも不安定な状態の中でも気付き頭の中に押し留めた違和感をガブリエルに答えさせるべく通信越しに叫び、ガブリエルも面白そうな為発言を許していた。
「先ず第1、私とお姉ちゃんは確かに普通とは違う生まれ方をしたけどそれはこの
なのに何でこっちに爆破されて無くなった資料がそのままあるの!
第2に何故T-Genesisの研究が持続出来たか、更に第3に如何やってCLOWNはT-Genesisの初期型を、お姉ちゃんの言葉が正しければ爆破と共に消えた筈なのに入手出来たのか‼︎
……これら3つの違和感、もしも琴葉紅とCLOWNが同時期に研究していたらある程度は解消可能な部分があるけど、T-Genesis計画の資料にはCLOWNの文字は一字も出なかった、つまりCLOWNは
そして貴方の正体、T-Genesisの事を良く知りそれを根本から改良出来る人間、それは既に死んだ筈の、この世に居ない筈の人間しかあり得ない筈なのよ‼︎」
葵は3つの疑問を提示し、此れらの中でCLOWNと言う組織は資料内に出て来なかった事も併せて話し、更にT-Genesisに詳しく根本からの改良が可能なのはただ1人の人間しか居なかった事を告げた。
此処まで葵が話した結果、レオン達もガブリエルの正体に勘付き始め、エイダも葵の頭の回転は早いと考えセイカが気に入るのも分かるとしつつガブリエルに不敵な笑みを浮かべ画面を見ていた。
「…そっか、葵も自力で此処まで来たんや、なら答え合わせするんには充分な材料を揃えとるな。
なら葵、ウチら姉妹で同時に『ガブリエルの正体』を口にしようや。
それでまるっとこの事件の背景が浮き彫りになって来るで」
「…そうだねお姉ちゃん、ガブリエルの正体は私達が答えなきゃいけない。
この事件の根幹に私達が関わっているんだから。
そうでしょガブリエル……いや……」
此処で茜は葵がガブリエルの正体に勘付いた事にいよいよ隠して来た真実の中の1つの内容を答える時が来たと感じ、姉妹で同時にガブリエルの正体を答えようと提案した。
それを葵はOKを出し、絶対姉が持つ答えと同じ自信がある事を示しながらガブリエルを見据え2人で口を揃え、その正体を口にした。
『琴葉紅、それがお前の正体やで/よ!!』
茜と葵は画面向こうに居るガブリエルに対し、既に死んだ筈の人間の名前……琴葉紅の名を出し同時に双子として瓜二つの睨み付けをガブリエルに行っていた。
対するガブリエルと言えば……肩が震え小さく笑い声が溢れ始めたと思った瞬間、音割れしそうになる程の大声で笑い出し、席を立ち大振りの仕草を見せ付けて来る。
『ふふふふ、ふははははははははははははははは‼︎
はははははははははははは‼︎‼︎
そうだ、その通りだA-2、いや琴葉葵‼︎
失敗作とは言えミカエル、茜と同程度の知能を持ち、頭の回転も唯一評価出来たのがお前だったなぁ‼︎
そう、このガブリエルこそが我が傑作、T-Genesisをこの世に生み出し、琴葉茜と言う新人類の頂点に立つ第1候補も生誕させた男、琴葉紅だァァァァァァァァ‼︎
ふはははは、はぁーはっはっはっはっはっはぁ‼︎‼︎‼︎』
ガブリエルは高笑いをしながらその仮面を投げ捨て、ハッキリと顔が見える様にしながら演劇の一幕で犯人が正体を表すそれをし、茜と葵にその正体を見せ付けた。
その顔は紛れも無く葵の偽りの記憶に残る家族想いな、しかし実態はマッドサイエンティストであり藍を暴力で支配し、あまつさえ邪魔になり始めたと言う理由で葵ごと消そうとした外道、琴葉紅その人だった。
ただ唯一違う点があるとすれば、その目がウィルス完全適応者の目をしており人外になっていると言う証を持っていた事であった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
レーザートラップは映画(1作目と2作目は良かったなぁ…)やバイオ4、6で出た奴のオマージュでしたが、此れを力技で捩じ伏せるのもやりたかったのです。
そして葵ちゃん達の正体に加え、ガブリエルの正体も書きました。
そりゃ死人なら隠れて研究も出来ると言う物です…。
後葵ちゃんごめんなさい。
次回もよろしくお願い致します。