今回はバイオ名物の日記回になります。
なので色々と見辛いでしょうがご了承下さいませ。
では、本編へどうぞ。
葵達の手によりラグエル、白龍は斃されそれと同時にB.O.W.どの戦闘を終わらせたシェリーやB.Y.達。
分断された5人同士は巨大に瓦礫をレールガンで吹き飛ばす選択肢を取り、葵が瓦礫の隅にレールガンを撃ち込み其処に開いた穴を素早く通り合流した。
「レオン、皆無事⁉︎」
「はいシェリーさん、私達皆無事です。
それにラグエル、蘭白龍はあの通りですよ」
シェリーがいの1番に白龍と戦っていた側に駆け寄ると葵が白龍の方を見てその状態を示す。
白龍は一度ウィルスに完全適応したからかまだ生きているが、
「ゴフッ、ゴフッ‼︎
ふ、ふふ、如何やら私の負けみたいですね……やっぱり、私の思った通り、になりました、か」
「…蘭白龍、アンタがウチ達に証明して欲しい言うたのは何やったんや?
勝ったから答えて貰うで」
その虫の息の白龍に茜が詰め寄り、一体何を思いこの戦いに臨んでいたのかを問い質す。
すると白龍は笑みを浮かべながら応え始めた。
「ふふ……簡単ですよ。
私はこの世界には諦念しか抱けず、世界の再編しか希望が無いと思っていたのですよ……琴葉葵さん達を見るまでは」
「えっ、私達?」
「はい。
貴女達、特に葵さんは自身の出生の秘密を知ってしまい折れるしか無いと私は思っていました。
しかし、貴女は折れずに此処まで来て、弦巻マキさん達の支えもあり私を倒すに至りました……その為、私はこう思ったのですよ。
ああ、こんな子達が居る世界ならまだ捨てた物じゃない、私にもこんな友人がいれば……と」
白龍は如何やら葵は此処で折れてしまうと思っていた様だが、それが折れず友人や姉、歴戦の戦士等の支えもあり自身を討ち斃す結果を齎した。
この事に彼の心は揺らいでしまい、この世界には紅が示した道以外にまだ希望はあると思い知らされたと言う物だった。
「呆れた物ね、この世界に絶望してその道を選んだのなら最後まで突き進むのがスペンサーの理想に共感した貴方の使命でしょう?
なのに中途半端に揺らいで貴方達が言う私達旧人類に負けた、本当に中途半端過ぎるわよ」
「しかもレールガンを使える程の電磁力を使えるなら此方の武器を磁石の様に引き寄せてこっちを丸裸にした上で倒せた筈なのにやらなかった。
エイダの言う通り、お前は中途半端過ぎたんだ、何もかも」
「…その通りですね、エイダ・ウォン、レオン・S・ケネディ。
ですが、実際に私はそう感じて負けたのです。
これは揺らがない、葵さん達が手にした勝利なのです……これなら紅を討ち斃し、ラファエル……彼女の心も救えるかも知れません…
…」
エイダとレオンは白龍に中途半端と辛辣な評価を下したが、この場に居た全員が同じ意見を抱きバイオテロに加担しながらこの世界に希望を抱いた身勝手さにそれぞれ辛辣な意見を抱いていた。
すると白龍は更に言葉を紡ぎ、紅を斃すは兎も角ラファエルを救うと言う言葉に疑問符を抱きシェリーが今度は詰め寄った。
「ラファエルを救う?
それって一体如何言う意味なの!」
「言葉通り、ですよ。
彼女は私と同じ様にこの世界に絶望を、抱いてますが……彼女の場合は、身勝手な兄に付き合わされてCLOWNのメンバー入りし、T-Genesisにも完全適応してしまい現在のNo.IIの実力と地位を、得てしまったのです…。
此れ以上は彼女のプライベートなので話せませんが、一つ遺言を、頼みたいです……」
白龍曰くラファエルは彼の様に世界に絶望を抱き、それも身内に振り回された結果そうなったと聞き、茜や葵達、更にセイカはその話に親近感を抱き、特にセイカは自分みたくその道を選択しか出来なかったのかと感じていた。
そして白龍が息も絶え絶えになり始めた時に遺言を頼み始めると、茜がハンドガンを抜き頭に照準を合わせて黙ってその遺言を話させた。
「…ラファエル……彼女の心を救ってあげて下さい。
私と違い、この道を選ばされたCLOWN内に居る加害者でもあり被害者でもある彼女を…」
「…良いで、救ったるわ。
何処まで出来るか分からんけどな」
「……ありがとう、ございます…」
『ズダンッ‼︎』
茜は遺言を聞き届けた後止めの1撃を頭に撃ち、蘭白龍の命を終わらせる。
そしてその光景を見た葵はウィルス完全適応者も矢張り人間で、確かに相手はバイオテロ犯だったがそれを自分達は殺したと罪悪感を抱き自身の手を見ていた。
「アオイ・コトノハ、ウィルス完全適応者で人の心を捨てた者はそれは人間では無い、B.O.W.だ。
故にお前は人を殺していない、だがもしそれでも割り切れないのであれば背負え、蘭白龍と言う男の命を。
それがお前に課せられた、生き延びた者の使命だ」
「『アルファ』さん……私が、背負う……」
葵の様子を見た『アルファ』が任務に徹する彼にしては珍しく、或いは民間人だったからなのか葵に気に掛ける発言をして遠回しに励ましていた。
それを聞いた葵は最後に白龍を一瞥し、彼の分まで生きよう、彼が自分に抱いた希望を実らせようと思い一言だけ白龍に声を掛けた。
「…分かりました白龍さん……さようなら…」
もう何も言わぬ白龍にそう告げた後、遺体をマキやB.Y.が携帯型死体袋に入れたのを確認して葵達は第1試験場から去って行くのだった。
特に葵は彼の命を背負うと思いながら…。
「良かった、あんなバカスカレールガン撃っとったから管理サーバーに1発ぶち当たって無いか心配したけど無事やったみたいだ」
葵達が第1試験場から去った後、茜の案内で連絡通路を通って行き第1管制室に辿り着き、そこで茜はコンピュータに指紋認証とマスターコード(コードはSpencer)を打ち込みデータが無事かの確認を取りそれが終えた所だった。
「にしても、マスターコードをスペンサーにして8年もコードをそのままにするとは…クレナイ・コトノハは本当にスペンサーの狂信者だな」
「それだけアイツの中でスペンサーに対する忠誠心やらはかなりウェイトを占めとるって訳なんや。
さーて、
レオンはマスターコードにスペンサーの名前を使い、それを変えない事に琴葉紅の狂信振りを見て呆れを通り越した何かを感じていた。
それに対し茜はそちらへの興味は0でこの8年姿を晦ました際の研究データや日記等全部を晒し物にする気でキーボードを打ち込んでいた。
「あっちは時間が掛かりそうだから私は……」
その様子を見ていた葵は時間が掛かりそうと感じ別のコンピュータから何かデータを引っ張り出そうとマスターコードと指紋認証をしつつ操作を始めた。
すると興味が惹かれたファイルを一つ見つけた。
「…2006年9月9日の監視カメラの映像記録……この日は確かお母さんがくれた記憶ならお姉ちゃん達がバイオテロに巻き込まれた日……だけど本当の記憶なら…」
葵は2006年9月9日の映像記録ファイルを見つけ出し、自身の記憶と悪夢を照らし合わせ、この日に茜がハンドガンで紅の殺害を行ったと推測し映像記録の再生を行った。
「あら、面白い物を見ようとしてるのね貴女」
「あっちはまだ掛かりそうだから一緒に見せてよ葵ちゃん」
「うわこの2人すっかり葵のプライベートゾーンに入ってる、私が守らなきゃ」
するとエイダとセイカの2名が葵のコンピュータを覗き始め、それを見たマキは悪いお姉さん2人に葵が拐われない様にガードを固めるべく近くに来てその映像を見た。
「…やっぱりこれだ、私の悪夢の光景‼︎」
すると映像の先には葵の悪夢通りの光景が監視カメラ越しに流れ、悪夢の内容通りの物が流れた後、複数のカメラ映像から茜が一度ウィルス研究室前通路から第2管制室に移動する映像が流れ、そこで自爆装置を起動する姿を捉えていた。
「お姉ちゃん…」
「あらこれは…お嬢ちゃん少し映像を戻してウィルス研究室前通路の方を見なさい」
「え、あ、はいエイダさん」
するとエイダは何かに気付いたのか葵に少し映像を戻してウィルス研究室前通路を見る様に指示を出す。
それに従い葵は映像の再生を少し巻き戻しウィルス研究室前通路の方に注目した。
「……えっ、これ⁉︎」
「うわ、頭撃たれたのに執念で動いて隠してた何かを身体に打ち込んでる」
「ふぅん、映像から察するに打ち込んだのは多分T-Genesisでしょうね」
すると其処には紅が懐から薬物アンプルを取り出し自身に打ち込む映像が流れ、紅が頭を撃たれて今なお生きてるのはこの時にT-Genesisを打ち込み復活した事による物だろうと4人は理解し、更に頭を撃たれてなお動いたその執念に逆に関心を持たざるを得なかった。
「…あら、すっかり元気になって動いてタブレットで何か操作してるわね」
「多分
「おっと茜選手此処で気付いて走り出すも紅選手も気付いて緊急脱出用エレベーターに乗り込み逃げ出した!
紅選手を逃した茜選手此処で痛恨のミス‼︎
っと、茜選手も別の脱出エレベーターに乗り込み自爆寸前の施設から脱出しました〜」
「おいコラ其処、特にセイカ、あんさん人のミスを実況すんなや」
葵やマキ達は紅のT-Genesisによる復活劇を目撃し、更にその後ウィルス研究室でT-Genesisを回収し当時の茜がそれに気付く僅かなタイムラグの間に脱出したシーンが流れ、セイカはこれを嬉々として実況していたが茜に怒られてしまう。
「…よし、8年間の研究データと日記の全コピーは完了した。
後は日記を読んだ後この
どうせ向こうもその気で居るだろうからな、手短に済ませる為に重要そうな部分をピックアップして置くぞ茜」
「サンキューB.Y.はん。
じゃあ日記の朗読会を始めるから葵達も来るんや」
するとB.Y.が全研究データに加えて日記もコピーし、更に今読む分で必要そうな部分を別ファイルに抽出し、茜はその有能さに感謝しつつ朗読会を開始するべく監視カメラ映像に張り付いた葵達を読んだ(なお監視カメラ映像に関する記録は2006年9月9日から途切れ8年間の記録が無かった)。
「此れがそのピックアップした部分ね」
「さて、どんな痛々しい毒日記になってるか晒し者にしてやるか」
シェリーとレオンもコンピュータ画面にある抽出物を確認しどんな内容なのかを見ようとした。
そして茜は全員が見易い様にコンピュータ画面から全部巨大モニターにそれを映し朗読会が始まった。
『2006:9:12。
茜の手により
兎に角私は隠し持っていたT-Genesisに完全適応し、茜の目を盗み更にT-Genesisを回収し自爆寸前の
その後この日本にある施設改造前の
元から情報共有化等の機能があって研究再開の段取りは付けれそうだった。
しかし、あの施設にあった資金やミカエルたる茜の行方を見失った損失は大きい。
この施設と予備の
何とか資金の目処を立たせなければ……』
「ふーん、アイツ初めは資金繰りに困ってたみたいやな、良い気味やで」
如何やら最初の抽出日記でマキ達やレオン達が分かった事は紅が元々
そして茜は資金繰りに困っていた事を笑い物にしながら次のページへと移る。
『2009:9:25。
あれから3年が経過した。
スペンサー卿を殺したアルバートの奴が元部下のクリス・レッドフィールドに殺害された為溜飲が幾らか下がった、何度でも言ってやる、ざまぁみろ。
資金面は私が計画の2番目であるガブリエルを名乗り集め結成したCLOWNの同志たるメキシコ麻薬カルテルのライナス・メルディセクや中国政界に顔が効き、BSAAに資金提供している蘭白龍、更にロシアの名家レティシア家の2人である『フォン・レティシア』とその妹にして盟主の『ヨナ・レティシア』、更にアメリカ元統合軍准将『マグナ・グラスホッパー』達のお陰で潤沢になり
「CLOWNはこの時期から既に活動していたのか。
それに隊長、この名前」
「未だだ、続きを読むぞ」
葵達は2009年時点でCLOWNは既に活動下にあった事を知り、更にデルタ4はと白龍以外にも目立った名前を見て声を上げるが、B.Y.は完全に読み切るまではその先の言葉を待たせ続きを読み始める。
『だがまだまだT-Genesisのゲノム編集や初期型からの進化等には時間が掛かる。
白龍やレティシア2人による情報、資金操作でBSAAの監視を掻い潜りながらこのゲノム編集をするには何名かの助手達を以てしても難しい。
矢張り偶然の歯車の一致で出来たこのじゃじゃ馬ウィルスの研究は困難を極める…私に『アレクシア・アシュフォード』とは言わずマーカス博士やバーキン博士並の才能さえ有れば……無いものを強請っても仕方ない、研究に集中しよう』
「ふむ、此処で協力者の名前、しかもライナスや白龍達の名前まで出て来たな。
如何やらCLOWNは5年以上前には出来た組織らしいな…しかもレティシア家まで関わってるとはな」
「あの、レティシア家って何ですか?」
『アルファ』が日記の内容からレティシア家の名前が出た事に驚き、そのガスマスクに手を当て思案する素振りを見せた事に葵は疑問符を浮かべ周りに聞き始める。
するとレオンとシェリーが端末を弄りレティシア家の情報を出し説明し始めた。
「レティシア家はロシアの名家で白龍同様政界に顔が効くだけじゃなく、軍部には高性能監視衛星を提供し、幾つもの企業のトップに立つエリート中のエリートだ」
「その盟主は2009年当時僅か11歳、現在16歳で兄を上回る才覚と幾つもの博士号に企業経営の手腕を身に付けていたヨナ・レティシアが務め、秘書には兄のフォン・レティシアがサポートに周り様々な人道支援からBSAAに資金やバイオテロ犯の情報提供をしていたスポンサー組の1人で……ROICE学園設立に関わった建設会社の親元でもあるわ‼︎」
「ROICE学園は開校3周年を迎えた…となれば…茜、続き読ませて」
如何やらレティシア家はロシア版白龍とも言うべき存在で、更にROICE学園設立に関わった存在でもあると知り葵は驚き、更に白龍の言葉通りCLOWNが学園設立に関わっていた事を裏付ける証拠となっていた。
そしてマキは続きが気になり茜に次のページを読まれる様に指示し、茜はキーボードを操作した。
『2011:2:15。
T-Genesisのゲノム編集も漸く目処が立って来てウィルス完全適応者を探す実験場の基盤となる場所周辺の中心に学園を設立する計画も順調に進み、ROICE学園が開校するまで残り僅かになった。
だが、此処でまさかの誤算…此方にとって嬉しいやら意外やら様々な物だったが、何とルシフェル、葵がこの学園に入学してくる事が判明した‼︎
まさか、あの時茜に逃がされ行方知れずだった葵がこの日本に居るとは……日本人は矢張り隠し事が上手い方だな。
だがこうなると気になる事が出て来た。
茜と違いウィルス完全適応者の形質が表れなかった葵は能力をこの約5年で開花させたのか?
T-Genesisの真の完成の暁には葵の能力値検査の為に彼女の下にB.O.W.を送り込まねばなるまいな、死なす簡単に突破されない程度には…』
「…つまり、今までのゲームは私の能力を知りたいから仕掛けられたの?
じゃあ皆が学園で襲われたのは…」
「葵、それは違うと思う。
確かに葵のとこにB.O.W.を送るって書いてあるけど葵が学園に来たのは意外って書いてあるし、結局ROICE学園は実験場の中心にあるからB.O.W.があの学園にゲームで送り込まれるのは変わり無かった筈だよ。
まさかバリケードを張って安全だと思った場所が実験場なんて誰が想像出来るのさ、あの腐れ外道が‼︎」
葵は日記から自身が学園に居た所為でその性能実験のゲームであの夥しい数のB.O.W.を送り込まれたと責任を感じ始めていた。
しかしマキがフォローを入れ彼女が要らぬ責任を抱かない様にしつつ近場の機械板に紅に対する怒りを汚い言葉と共にぶつけていた。
茜も紅に苛立ちを覚えつつも次のページに進んだ。
『2013:8:27。
アメリカ、中国大規模バイオテロから2ヶ月程が経過した。
スペンサー卿を裏切り、死ぬ要因を作ったアレックス・ウェスカーも死に、ネオアンブレラを名乗った自称エイダ・ウォンの『カーラ・ラダメス』が起こしたC-ウィルスの世界的蔓延もあのレオン・S・ケネディやクリス・レッドフィールド、更に忌まわしいアルバートの子のジェイク・ミューラー達に阻止され、更にアメリカ大統領補佐官シモンズが同じくC-ウィルスを使用し大統領を暗殺した事でこの事件の主犯はシモンズとなり、哀れな自称エイダは利用され死んだ者になった』
「何、カーラ、ラダメス……?
つまり、クリスが追っていたあのネオアンブレラのエイダは偽物だったのか…!」
「矢張りシモンズが主犯だったなんて単純な事件じゃ無かったらしいな、それにしてもこいつ等の情報網は恐ろしいな…!」
「あらら、女の秘密を暴くなんて琴葉紅はデリカシーの無い男なのね。
最悪な性格してるわ」
続きの日記の2013年8月、ネオアンブレラがアメリカ、中国で大規模バイオテロを起こした詳細な事が書かれ、更にエイダが悪戯で秘密にし、更に自身の偽物でありもう1人のエイダと呼べたカーラの事まで調べ尽くしたCLOWN、ひいては紅にエイダはデリカシーのかけらも無いと少し苛立ち、レオン達あの事件に関わった者達はあの事件の真実を垣間見て驚きを隠せず、更にCLOWNの情報戦力に脅威を感じていた。
「な?
あんな奴死んで当然やろ、続き読むで」
茜は回転椅子を回して皆の方を向き紅の屑さを改めて言い表し、葵達も同意見を抱いていた。
そして全員続きを読み始めた。
『だがそんな事は今は良い、葵の知能指数を確かめたが矢張り茜と同程度に頭は回り成績も主席、体育の成績すら首席と普通に見れば完璧だろう。
しかし……矢張り肝心のウィルス完全適応者の形質が表れていない。
最早予定通り早々に始末すべきか?
しかしミカエルだった茜が消え、未だ行方知れずの為幾ら失敗作と言えどその可能性を潰す事は出来ない…。
目障りなBSAAと3年以上前から目立って来たA.B.F.等を潰す為にもこのままウィルス完成の優先が先だろう。
そう言えば学園に来た保険医の京町セイカ、彼女は本物のエイダと同じ組織に所属し、ジェイクと同じくアルバートの子であり、またジェイクと違いウィルス完全適応者、つまり新人類となった逸材らしい。
T-Genesisでこのステージに立った訳で無い為、またあの忌々しいアルバートの子であるのでミカエルの称号を与えるのは先送りにし、彼女がT-Genesisに完全適応したならば仕方ないからミカエル候補に入れてやろう。
忌まわしいウェスカーの名を持ってはいるがな』
「私の事まで調べ尽くしやがってあの男、絶対地獄を見せてやる…!」
更にセイカは自身の触れられたく無い部分をこの時点で調べ上げられた事を知りいよいよ以って彼女の普段あまり感じられない怒りが感じられる程に怒りが露わになり、そのカラーコンタクトの下の瞳が赤く輝いていた。
茜も要らぬ敵を作り過ぎるこの男に呆れを感じ、更に次のページに進ませた。
『2014:6:28。
メキシコやシカゴでバイオテロが敢行され、その主犯のグレン・アリアスは私のT-Genesisと同じくプラーガの遺伝子を利用したウィルスを使ってるらしい。
が、そんな事は如何だって良い、重要じゃない‼︎
遂にT-Genesisの真の完成が訪れた‼︎
早速我々同志一同で自身に投与し、私は初期型に加え完成したウィルスを投与した事で更なる強化が為され、そして事前の遺伝子形質からT-Genesisに完全適応する候補を絞っていた為誰が真の同志となるかは分かっていた。
ライナス、フォン、白龍、マグナ、そしてヨナ。
彼等こそが
「成る程、ウィルスのゲノム編集完了等はつい最近で、元から名前がピックアップされていたのは事前にウィルス完全適応者になるのが分かっていたからか…」
『………』
B.Y.はウィルスの完成がつい最近である事や白龍やライナス、更にレティシアの2人に元アメリカ統合軍准将等の名がピックアップされた理由を知り納得した顔を浮かべた。
対して
『特にヨナはウィルスのゲノム編集に多くのヒントを与えたばかりか、この強化された私には僅かに劣るが、事前にウィルス完全適応して無ければ間違い無く彼女が完全に私の上を行く逸材だった‼︎
更に世界を憎むその想いも含め、ラファエルの称号は彼女に相応しく、残りは能力値を測りそれぞれ称号を与えよう‼︎
……そして同志になり得ず哀れなゾンビ、ネフィリム達になった者達に鎮魂を。
そしていよいよスペンサー卿の理想を叶える日が近付いて来た。
計画実行はアリアスのバイオテロが終わってからにし、そして新たに開発した感染媒体用B.O.W.グリゴリやウィルス、強化されたネフィリムの実験にはA.B.F.を使ってやろう。
ああスペンサー卿、貴方の理想が叶う時がもう直ぐ其処まで来ました…。
しかし、ただ計画を実行するのは面白くない、旧人類にもチャンスを与えてやらねばな…』
「成る程成る程、ウチ等をダシに使うのは最初から決定事項やったんか……ふざけやがってあのイカレ頭が‼︎」
「オメガ1、落ち着け。
お前の怒りも分かる、実際俺も同じ想いだ。
だが今は頭を冷やし、続きとなる日記を読むのだ。
B.Y.がピックアップした内容は未だあるのだから」
茜は紅がA.B.F.を最初からウィルス実験に使う魂胆だった事を知り今まで溜めていた怒りが爆発し思わず機械版を叩いて一部凹ませてしまうが、『アルファ』が此れを沈ませ続きを読ませた。
最も『アルファ』も怒りが今にも爆発仕掛けており声色が穏やかで無い事は全員が窺い知れていた。
そんな『アルファ』を見て茜は怒りを収め、続きを読み始めた。
しかもこれは本当に最近の内容だった。
『2014:7:27。
バイオテロ計画は無事実行に移された。
レオン・S・ケネディとBSAAのB.Y.がルールの穴を突き日本にオメガ1を観光客に紛れ込ませたりシェリー・バーキンをジェイク・ミューラーの下に向かわす等あり、矢張りルールが甘いとラファエルやラグエル達に言われてしまった。
だが………だが‼︎
まさか、まさかオメガ1がミカエル、茜だったとは‼︎
確かにオメガ1の実力は常軌を逸した部分はあったが……まさか茜だとは思わなかった‼︎
A.B.F.め、上手く茜の情報を隠してくれてたな…‼︎
だが、茜がこの地に来た事で
ははははははは、素晴らしい、なんて素晴らしい日なんだ‼︎
この逸る気持ちを出来るだけ抑え、今の茜の限界能力値と、ついでに葵の能力値を検証せねば……ああ茜、早く我が下に来ておくれ…‼︎」
『…キモッ‼︎』
「成る程あの時の通信の時はかなり昂っていたらしいな……確かに気持ち悪い奴だな。
壁と話してろと言ってやりたいな」
葵、茜、マキは同時にキモッと同じ感想を言い、レオンやB.Yも同じ意見を持ち特にレオンは壁と話していろと思い浮かべていた。
すると日記の更新が来て、茜達はその更新された日記を見始めた。
『2014:7:29。
やあ茜、そして葵やその仲間達。
今頃君達はこの日記を読んでいるのだろう。
監視カメラでラグエルやB.O.W.との戦闘を見させて貰ったが、茜は矢張りミカエルに相応しい力を持つな。
この8年で進化したT-Genesisの完全適応者だったラグエルと相性が悪い筈なのに互角以上に戦い、更に葵も本当にウィルス完全適応者じゃないのが惜しい程に能力値が高かった。
他の皆もそれぞれ素晴らしい力を持っている、これでT-Genesisに完全適応したら茜と同等以上の力を得られる筈だろう。
更にジェイクの血から血清弾やワクチン等を作り上げた事は賞賛に値するよ。
特に茜、君の力は8年前より更に進化しその能力値が上昇しているのだからね。
同じ身体能力特化のウリエル、マグナ以上の力を持つなんて相当だ』
「やっぱり見てたんか。
んで日記が赤裸々に読まれて喜ぶとかやっぱマゾちゃうんか?」
「お姉ちゃん、言いたい事は分かるから続き読もう?」
茜は紅が日記を更新し、それを読まれている事を前提に書きながら茜達の戦いに喜び、特に茜の力を見て興奮している文に気持ち悪さが込み上げて来ていたが、葵も同じ気分を持っていた為同情しつつ続きを読ませてる事を促した。
『だがそれでも何手か足りないぞ茜。
何故ならジェイクの血で作られた血清弾……Fallen Bulletと言ったか?
アレは確かに進化したT-GenesisのB.O.W.やウィルス完全適応者を殺せるだろう…私以外はな!』
「……はぁ⁉︎
何言ってんのコイツ…⁉︎」
しかし、その先の文を読みレオンや葵達は驚いていた。
何と紅は自分には
『更にラファエル、ヨナの力は恐らく今の茜
と同等以上の身体能力に加え氷を操る特殊能力に目覚めている‼︎
水の特殊能力しか目覚めず身体能力はそこそこしか上がらなかった彼女の兄であるゼラキエル、フォンを遥かに上回る力を持ち、あわよくば私の計画すら塗り替え真に世界の破滅を願う憎しみの権化たる彼女に果たして勝てるか‼︎
今は高みの見物をして置くとしよう……もしヨナを倒した時は私と戦う時が来たのだと私も腹を括るが、その時までに私の弱点を見つけねば勝てないと知るが良い‼︎
因みに私はラファエルまでが持つ能力を全て操れる、この言葉の意味も噛みしめて置く様に…ふははは、ははははははははは‼︎』
『………』
日記の最後の内容に絶句し、白龍が言っていたラファエル、ヨナの心を救って欲しいと言う彼の願いの原因…紅の言葉を借りるなら憎しみの権化であり、紅の計画も塗り替え真に世界の破滅を願ってるとする彼女や紅はそんなヨナの力を含めた全員の特殊能力を使えると書かれており、想定以上の敵が2人居る事に驚きを隠せずにいた。
「…もし紅のこの日記の内容が正しいなら奴の弱点を見つけなければならない……HQにデータ送信を開始する‼︎」
「こっちも同じデータをハニガンに送る。
ハニガン、緊急連絡だ。
CLOWNメンバー全員の正体が分かったのと奴等のリーダーには今の血清弾が効かない事が分かった!」
『何ですって、それは本当なのレオン、シェリー⁉︎』
「ええ、敵が余裕や油断からか日記を更新してそれを知らせてくれたわ。
全てのデータをそちらに送るから解析を…」
これらの事の対応にレオンやシェリー、B.Y.がいち早く動き出し、それぞれの司令部やサポーターのハニガンにデータ送信を開始しながら管制室から外に出て白龍の遺体袋が置いてある脱出エレベーターに向かい始めていた。
「お姉ちゃん」
「茜」
「分かっとるで葵、マキはん……あの男舐めた真似してくれんなホンマに……絶対に地獄に送ったるから覚悟せぇよ腐れ野郎が‼︎」
『バギィ‼︎』
葵、マキ、茜は紅のその余裕綽々で地雷原でタップダンスを踊る様な日記の内容に遂に完全にキレ、茜はリミッターを解除しながら機械版にパンチを繰り出しそれをぶち抜いてしまう。
此れに『アルファ』は勝手なリミッター解除を咎めず、そのままエイダ達の後に続いて行き葵達も怒りをそのままに別の制御盤から
「(…でも白龍さんが言っていたヨナって人の心を救ってくれの内容が多分憎しみを晴らしてくれって事なんだけど…身勝手な兄に振り回されて今があるって位しか白龍さんの言葉とかからは分からなかった。
何を如何したら良いんだろう…?)」
しかし葵、更に葵と双子故に同じ思考に辿り着く茜、更に珍しく思考が一致したマキは紅の弱点判明は上に任せてラファエル、ヨナの心を救うとは具体的にどんな事なのか分からず何をすれば良いのか考えていた。
しかしその場では答えが出ずエレベーターまで辿り着き、この白龍の遺言が今後の課題となったのであった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
本編捕捉として何故白龍がラファエル、ヨナの心を救うように頼んだかと言えば、自分以上に世界を憎み、そして破滅すら願ってる彼女を見て何処か儚さ等を感じ、それが同情に似た恋心に転じたからです(但し彼女は全てが憎いため叶わぬ恋と知ってました)。
そして現時点で紅に弱点が無いとされていますが果たしてその実態は…?
次回もよろしくお願い致します。