今回はタイトル通りウリエル、マグナとの戦いになります。
そしてマグナと意外な関係を持つ人が…?
では、本編へどうぞ。
「さあ行くぞ‼︎」
マグナのこの一言で戦闘が始まり、先ずクリスに超スピードで接近しアサルトライフルを叩き落とし、そのまま格闘戦に無理矢理持ち込む。
「ぐっ、うおぉぉ‼︎」
マグナのパンチやキックを受けてしまったクリスだが、元よりウェスカーと戦う為に鍛え上げた肉体のお陰で一方的にやられず、その丸太の様に太いパンチを当てたりしてクリス・レッドフィールドは未だ衰えずを見せた。
「俺も相手だ准将様よぉ‼︎」
更に其処にジェイクが加わりクリスのパンチが止められた瞬間に顎にアッパーを、自分のパンチが止められればクリスがパンチを2発当てると言うウィルス完全適応者相手に奮闘を見せた。
「中々やるが、まだまだだぞ‼︎
はぁ‼︎」
『ぐぁッ⁉︎』
するとマグナは足払いをして2人を一瞬中に浮かせた所にそのまま回転蹴りを繰り出し、2人を吹き飛ばしてしまう。
しかし2人が離れた事を良い事にビリーやカルロスがアサルトライフルを掃射し
「その手は予測済みだ‼︎」
『ブゥンブゥンブゥン‼︎』
しかしマグナは2人の1手を予測し、超スピードによる高速回避により2人に接近してその手からアサルトライフルを叩き落とし無理矢理CQCに入らせる。
「チクショウが‼︎」
「ちぃっ‼︎」
カルロスも今までの経歴+A.B.F.仕込みの格闘技術、ビリーも同様の技を見せ2人とも人体の急所を的確に狙いウィルス完全適応者と言えど必ずダメージが入る攻撃を繰り出しダメージを蓄積させようとする。
「この技、A.B.F.式の格闘技術か!」
「そうさ、ウィルス完全適応者相手を前提にした格闘技術だぜ‼︎」
「簡単に破れると思うな…‼︎」
2人のウィルス完全適応者用格闘戦技にマグナは下を巻き、これを仕込んだ者はウィルス完全適応者の危険性を正しく理解し、人間の手でも鎮圧出来る様にしていると理解する。
「だがまだだ‼︎」
「ってうおぁ⁉︎」
「ぐぅ⁉︎」
しかしマグナは2人の隙を付き、ダメージを与えられながらもビリーをジェイクの方に、カルロスをクリスの方に吹き飛ばし2人はそれぞれ吹き飛ばされた方の相手に受け止められ態勢を立て直した。
「そぉら、これもプレゼントだ‼︎」
「っ、グレネードだ‼︎」
「やべっ‼︎」
更にマグナは4人それぞれに手榴弾を投げ、それぞれが上手く回避行動を取らないと避けられない様に誘導し、再びクリスに急接近し、クリスは今度はカルロスと共にこれを迎え打つ。
「…ゆかりさん」
「分かっていますよあかりちゃん」
そんな中で無視され続けたゆかりとあかりはそれぞれCQCの邪魔になる長物の銃を投げ捨て、ゆっくりとマグナの方に明確な決意を秘めた目を彼に向けながら近付いて行く。
「はぁ‼︎」
「グハッ‼︎」
「うぐっ‼︎」
一方マグナはクリス、カルロスのコンビも自身へダメージを入れられつつも去なし、これらを吹き飛ばした。
するとマグナはゆかり達が近付いて来る事に気付きそちらに目を向けた。
「ユカリ、アカリ、無茶するな‼︎
俺達に任せろ‼︎」
「…大丈夫です、無茶かどうかは分かってますので」
クリスは身体能力差が明確なマグナ相手に2人が無茶な行動に出ようとしたと感じそれを止めようと叫ぶが、ゆかり達は大丈夫と言って遂にマグナの前まで歩いて来る。
「すまんなお嬢さん方、厄介そうな奴ばかりを相手にしていたら君達を無視してしまった。
戦場に立った以上男も女も関係無かったのにな。
お詫びに暫くは相手になってやろう」
「……はぁ、やっぱり気付いて無いのですか」
「?」
マグナはゆかり達を無視した非礼を詫び、暫く相手になると宣言し再び独自の構えを取るが、そんなマグナ相手にゆかりは溜め息を吐き覚えていないと話しマグナを困惑させる。
「覚えていませんか?
2005年の12月22日、貴方は中東の地のB.O.W.犇めく戦場で2人の少年兵だった女の子を助けた事を」
「そして親兄弟が居ないからと引き取り、自身の下で生き残れる様にあらゆる技術を身に付けさせ、時には戦場に連れて行き経験を更に積ませた日々を」
「そして2007年12月22日、最後の誕生日プレゼントとしてその子達をバイオテロと無縁だった日本へと移住させた事に…」
「………まさか‼︎」
ゆかり達はマグナに彼が助けた少年兵だった女の子2人の話を始め、彼から色々学んだ後日本へ渡らせてもらったと言う話をした結果、マグナはその話に覚えが有り驚きを隠せずにいた。
そう、少年兵に日本に渡り国籍を得た、これはゆかり達の経歴と全く一緒なのだ。
つまり……このゆかりとあかりこそが、マグナから様々な技術を身に付けられた子供達なのだ。
「やっと思い出してくれましたか、『お義父さん』。
そう、私達ですよ、貴方に命を救われ、今こうして日本の諜報員として働く女の子達は!」
ゆかりはマグナをお義父さんと呼ぶと、あかりと共にマグナと全く同じ構えを取り応戦態勢に入った。
この瞬間マグナの中でパズルがぴたりとハマった。
この娘達こそ自身が救い、また技術を伝授した弟子で有り養子の娘で有り、一時は気を許し心の中の虚しさを和らげてくれた子供達なのだと。
「…ふ、ははは、はははは‼︎
そうかお前達だったのか!
日本でパイオテロをやる以上巻き込まれてしまうかも知れないと考えたが教えられるだけの物は全て教えたから生き残り、運が良ければそのまま脱出していたかと考えていたが、まさか日本国諜報員となってたはな‼︎」
「はい,貴方から教えて頂いた全ての技術を無駄にしない様にと日本政府から諜報員とならないかとスカウトがありゆかりさん共々お義父さんへの恩返しとしてこの技術を更に磨く道を選びました。
そして今では大の男を捩じ伏せるだけの力と技術を持つに至りました。
なので……それら全てを使いお義父さんの間違いを正します‼︎」
マグナはゆかり達が諜報員となってたとは知らずに対峙し、そしてゆかり達もまたマグナがCLOWNとなった事を知らず運命の悪戯で再会を果たしたのだ。
そしてあかりが養父の間違いを正すと吠えた瞬間、2人の雰囲気がガラリと変わりまるでマグナが3人になったかの様な錯覚をクリス達は覚えてしまう。
「間違いを正すか、面白い‼︎
やれる物ならやってみろぉ‼︎」
マグナは2人の決意を聞き届けた瞬間超スピードは敢えて使わず接近し、今の2人の実力を確かめる様にCQCに入る。
2人もまた同じ格闘技術で戦い、そのキレはマグナにも劣っていなかった。
しかしこれを教えたのはマグナ、よって2人よりも技術の長があるため隙を見つけ其処へ攻撃を始めた。
「隙ありだ‼︎」
「いいえ、フェイントです!」
するとゆかりはマグナに指摘された隙を突かれたと思いきやそれを合気道の動きで受け流し、更に教えていない筈のシステマの動きでマグナにダメージを与える。
「何っ⁉︎」
「今度はこっちです‼︎」
次にあかりがボクシングのステップで近付いたかと思えば直ぐに流れる様に八極拳の技に繋げ、更に日本空手の正拳突きを腹に叩き込んだ後柔道の背負い投げに移行しマグナを投げ、そしてマグナが立ち上がり再び襲い掛かって来れば今度はシラットの流し技でゆかりの方へ流し、そしてゆかりが蹴天三でマグナを吹き飛ばし的確なダメージを与えて行く。
しかもどれもマグナが教えてない物ばかりである。
「こ、これは…世界各国の格闘技の技や動きが俺の格闘戦技に組み込まれ、その上でそれぞれの隙や短所を消し長所を劇的に伸ばしているだと…⁉︎」
「そう、これが私達の貴方への恩返し。
貴方から教えて貰ったこの技に世界各国の格闘技の技や動きを全て刻み込みました!」
「そして何れもが器用貧乏にならない様に、そして短所を全て消す様に貴方の教え通り磨き続けた結果全く隙の無い私達独自の戦技に生まれ変わりました‼︎
さあお義父さん、私達はクリスさん達と一緒に貴方の矛盾を、間違いを、慟哭を全て正し受け止めますよ‼︎」
マグナは自身が教えなかった技を取り込み、更に自身の教えである『短所を消し、長所を伸ばし、先鋭化せよ』を守っていたゆかり達に驚くばかりであった。
そのゆかり達は彼の養女として全てを受け止め正すと吠え、しかしその眼から涙を流しながらマグナを見ていた。
「こりゃ、俺達も彼女達に遅れる訳には行かないな、クリスの旦那」
「ああ、そうだな……マグナ・グラスホッパー、俺達は必ずこの場でアンタに勝ち、アンタの間違いを全て白日の下に晒してやる‼︎」
そしてその一連の流れを見ていたクリス達はゆかり達から鼓舞を受け立ち上がり、マグナに真正面から倒すニュアンスの発言をし再び身構えていた。
「…ふ、ははは、はははは‼︎
ならば良いだろう、貴様達全員戦士と言う歯車となりこの俺を殺してみるが良い‼︎
無論俺もウリエルと言う歯車に成り切り貴様達全員を殺す、例えそれが養女だったユカリ達だったとしても‼︎
一度戦場に出れば男も女も関係無い、全員死に物狂いでかかって来い‼︎」
そうしてマグナも自身の信念通りに行動すると宣言してゆかり達も含めた全員の始末すらやると言う。
これに対しクリスはアイコンタクトで合図し、全員で一斉にマグナに挑み始めた。
「マグナ、アンタは間違っている‼︎
世界を変えたいなら、バイオテロを起こすのでは無くバイオテロと戦い続けるべきだったんだ‼︎」
「それが意味がないから虚しさを感じたのだ‼︎
クリス・レッドフィールド、貴様にもいつか分かる時が来るはずだ、この世界を変えるにはこれしかないと‼︎」
先ずクリスがマグナに突撃し、ウィルス完全適応者の力に負けぬ様にパンチに合わせカウンターフック等を掛けマグナに戦い続けるべきだったと語るが、意味が無いと返された上に耐久力に物を言わせてそれらを無視し蹴りで吹き飛ばしてしまう。
「違う、それは逃げだ大佐‼︎」
「逃げだとコーエン少尉⁉︎」
「そうだ、アンタは虚しくなってこうなったと言ったが結局は戦いから逃げてしまったんだ‼︎
だからアンタは矛盾して」
「俺は、逃げてなどいない‼︎」
次にビリーがA.B.F.仕込みの格闘戦技を叩き込みつつ、マグナがバイオテロとの戦いに逃げてしまったのだと言い放ち一瞬動揺させるが、此方もアッパーを喰らった後腹にパンチを貰い吹き飛ばされてしまう。
「いいやビリーやクリスの旦那達の言う通りさ‼︎
アンタは結局戦う事を放棄しちまったんだ‼︎
そして思考停止してバイオテロを起こしちまった、此れがアンタの抱えた矛盾なんだよ‼︎」
「貴様も言うか、カルロス・オリヴェイラ‼︎」
更にカルロスもクリス達と同様の事を語りつつ体格上ビリーよりもパワー寄りに急所を狙って行くが、やはり此方も耐久力の所為で耐え切られてしまい回し蹴りで錐揉み回転しながら吹き飛ばされてしまう。
「それにだ‼︎
アンタはバイオテロで喪う事の痛みを知る筈なのにバイオテロで多くの人を悲しませた‼︎
その時点でもうアンタの主張には正当性は消えてんだよ、それを分かれよ‼︎」
「貴様に分かる物か若造ッ‼︎
最早欲深き人間が蠢くこの世界で戦い抜いたとしてもその守った人間がバイオテロを起こす…ならば此れを最後のバイオテロにするしか方法が無いのだ‼︎」
次にジェイクが自身独自の徒手空拳を交えながらハンドガンに込めた
「いえ、皆さんの言ってる事は正しいです。
そしてお義父さん、貴方は私達の居る国で、私達の友人を巻き込みバイオテロを起こしました!」
「私達はもう怒り心頭な上に悲しいんですよ‼︎
お義父さんが敵になって、しかもバイオテロなんて最低な行動を選択した事に‼︎
お義父さん、どうか此処で止まって下さい‼︎
でないと本当に取り返しが付かないですよ‼︎」
「ユカリ、アカリ、例えお前達の言葉でも俺はもう靡かん‼︎
このバイオテロを完遂し、世界から欲深い人間を全て一掃してやる‼︎」
「……その欲深い人間がウィルスに完全適応するかもしれない可能性を考えろ頑固親父‼︎」
最後にゆかりとあかりが先程見せたコンビネーションと同じく片方が攻撃し、片方が去なす事をしつつマグナへの説得を続ける。
しかしマグナは靡かず2人のコンビネーションに遂に対応し足払いをして脇腹蹴りで吹き飛ばそうとした。
しかしその瞬間、ゆかりが何時もの口調を捨てた瞬間ーー
『ズダダンッ‼︎』
その足払いを避け、脇腹蹴りも去なした瞬間両手でハンドガンを素早く抜き、バレエの動きで超近距離まで接近し
「ぐっ、今のは……合気道とガン=カタを合わせた物か⁉︎」
「そうだよ頑固親父、そして
「やるな……だが俺はウリエル‼︎
ラグエルまでは肉体を変異させなければその力を最大限発揮出来なかった連中とは違う1ステージ上の者‼︎
血清弾2発ごときで能力を減衰させられる程甘くは無いわ‼︎」
マグナはゆかりの動きと流し技が合気道とガン=カタを合わせた物と分析し、ゆかりはそのまま二丁拳銃を構えてマグナを倒す宣言をした。
だがマグナが自身はラグエル…白龍やレミエル、ライナス達と違い肉体の一部の変異無しで100%の力を発揮すると言い放ち再びゆかり、あかりに突撃する。
…そしてゆかりやクリス達はまだ知らないが確かに彼は肉体を一部変異させなくとも100%の力を発揮出来るがその実態は茜やセイカと同じ完全身体能力特化型、故にNo.IIIに座してしまっているのだ。
「こうして、拳を交えたりしてると思い出しますよね頑固親父‼︎
私達に生き残る術を全て与えてくれたあの頃を‼︎」
「あの頃からずっと心を満たされて、それまでただ朽ちて死ぬだけの歯車だった私達は生きた歯車になって本当にキラキラ輝いた人生を送れた‼︎
だからお義父さんもあの頃は心の空虚なんて忘れる事が出来たんじゃないの⁉︎」
「……だが結局俺はこの道を選んだ‼︎
心の穴は塞がれていなかったんだ‼︎
そして事を起こした以上、あの頃には2度と戻る事は出来ないんだよ、ユカリ、アカリ‼︎」
ゆかりとあかりは再びコンビネーションを発揮して何とかマグナに喰らい付きつつ自分達がマグナに引き取られてからの日々を思い出し、彼の心も自分達も満たされた筈と彼女達の最大にして最後にして説得を行う。
しかし、それでもマグナの腕や足は止まらずゆかり達に襲い掛かり、マグナ自身ももう戻れないと口にしその手を払ってしまう。
つまり……最早誰も彼を言葉で止められない事が確定した瞬間だった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」
「何ぃ、クリス貴様ぁ‼︎」
『クリスさん⁉︎』
其処に突如クリスが割って入り、マグナの懐に潜り込みそのままズルズルと押して行きボディスラムに入る態勢を取るが、嘗てのウェスカー同様途中で身体を押すのが止まり持ち上がらずそのまま膝蹴りを2発受ける。
しかしそれでも離さないクリスに痺れを切らせたマグナは肘打ちを叩き込もうとするーー
「此処だぁ‼︎」
「っ、何ぃ⁉︎」
が、何とクリスは過去の経験からその攻撃を予測し更に潜り込み背中に周り、両手でガッチリと肩を挟んで取り押さえる事に成功する。
此れも全て、ウェスカーとの戦いの経験が活きた結果であった。
「今だ、撃てぇ‼︎」
「…サンキューなクリスの旦那‼︎」
「大佐、此処で終わりだ…‼︎」
「動くなよウリエルさんよぉ‼︎」
『ズダンッダンッダンッダンッダンッダンッ‼︎×3』
そしてクリスがマグナを取り押さえた瞬間を狙いビリー、カルロス、ジェイクがハンドガンに込めた
「ウオォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」
マグナは大量の
そして銃弾の雨が止んだ瞬間ゆかりとあかりは同じく血清弾入りハンドガンを構え照準をマグナに合わせた。
「此れで終わりよ頑固親父!」
「…お義父さん…‼︎」
『ズダンッ‼︎×2』
「ぐぅ、おぉぉ…‼︎」
最後にゆかりとあかりが放った2発の弾丸で遂にマグナは地に倒れ伏し、この戦いに終止符が打たれた。
クリスやゆかり達が正しく、そしてマグナが間違っていたと言う結果を勝敗で表して。
「は、はは、負けたか……当然か、こんな腐り切った老兵が若く強い兵士に負けるのは世の常……矢張り俺は、結果を急ぎ過ぎた訳だ…」
「そうだ、マグナ・グラスホッパー。
アンタはやり方を間違えたんだ。
だからこそ俺達に、何よりアンタの養女だったユカリ達に負けたんだ…!」
マグナは倒れ、血を大量に流し自身が敗北した事で漸く間違っていたと認めるに至った。
そしてクリスもまた彼が間違っていたからこそゆかりやあかり、そして自身らバイオテロと戦い続ける者に負けたと告げる。
此れにはマグナも笑うしか無く月明かりと星が彩る夜空を見ながら口を開いた。
「そう、だな。
お前達の言う通り、俺は戦いから逃げてしまった……そのツケが今回って来たんだろうなぁ…」
「その通りですよ頑固親父。
……そして老兵は去るのみ、貴方の口癖の一つでしたね。
今から私とあかりちゃんで貴方を完全に終わらせます、遺言は何かありますか?」
マグナは心の空虚を言い訳に戦いから逃げたツケが回って来たと理解し、後は老兵は去るのみとなりその役割をゆかりとあかりが行う事になった。
しかし血は繋がらなくとも親殺しをさせる程クリス達は冷酷では無い為自分達が代わりにやろうとアサルトライフルを取りに行こうとしたーー。
『ズダンッ、カラカラ‼︎』
「っ、ユカリ、アカリ‼︎」
「クリスさん達は下がってて下さい、此れは私とあかりちゃん、2人のグラスホッパーの意志を継ぐ者がやるべき最期の仕事なんです。
さあ、早く遺言を話して下さい。
でないとこのまま撃ちますよ?」
しかし、ゆかりがクリスのアサルトライフルを撃ち、遠くに追いやる事で他の4人に自分達が此れをやる、やり切ると言う鉄の意志を見せクリス達はやるせない思いを抱きながら動けなくなってしまった。
そしてゆかりはマグナに遺言を急かし、早く言わねば此処で終わらすと宣言し引き鉄に指を掛けた。
「……ふう、老兵は去るのみだから遺言など要らんのだがなぁ……じゃあ2つ、クリスとユカリ達にそれぞれある」
「俺に?」
するとマグナはゆかりの姿勢に根折れし、ゆかり達と、更に何故かクリスに遺言を託すとしてクリスもゆかり達の隣に呼び寄せる。
此れには他のメンバーも面食らい、何が話されるのか気になっていた。
「クリス・レッドフィールド……バイオテロを許さず、戦い続けるその姿勢は正に今の世界に必要な物だ。
しかし、必要なのはお前個人の折れない意志であり、組織ではない。
BSAAは巨大になり過ぎた、そして巨大な組織には何処かから綻びが生まれ腐り始めるんだ。
長年軍に与し、そしてラクーンシティ事件の裏側を経験した俺だから言えるんだ。
クリス、もしもの時は組織では無く己が意志、信念を信じて道を進め!
それがお前に残す、老兵からの、忠告だ…」
「……了解した」
クリスはマグナから経験則でBSAAが巨大になり過ぎた故に何処かから必ず腐り始めると聞かされ、更に最後に信じるのは自身の信念、意志でありそれを胸に進めと託された。
それを聞いたクリスはただ了解と口にし、マグナの忠告を胸にしまった。
そしてマグナはゆかり達に視線を向け、口を開いた。
「……ユカリ、アカリ、お前達は俺が思った以上に大きく、美しく、そして強くなったなぁ………もう俺から教える事は何も無い、自由に、好きに生きろ。
だが……その前にお前達の友人のアオイ・コトノハ、そしてその姉のアカネ・コトノハがこの事件の根幹に、関わってしまっている。
だからどうか、2人で彼女達を支えてやってくれ。
アオイ・コトノハもアカネ・コトノハも、今を生きる普通の女の子なんだからな……」
「当然です。
私は葵ちゃんを、そして茜さんを支えてやりますよ」
「だからもう化けて出て来ようなんて考えなくて良いよ、お義父さん」
「…愚問、だったか…」
マグナはゆかり達が自身の想像を超えて強く育った事に感無量な面持ちになり何も教えなくても良い、つまりは『マグナ・グラスホッパーと言う養父を超えた』事を口にし笑みを浮かべた。
しかし直ぐに葵や茜がこの事件の根幹に関わっていると真剣な表情で言い、2人で彼女達を支える様にと最期の遺言を託した。
しかしゆかり達は元より葵、葵の姉の茜の味方の為その遺言が無くとも支える気であった。
そして遺言を聞き届けたゆかり達はいよいよ止めの1発をそれぞれ撃とうとしていた。
「……さあ、やるんだ。
もう言い残す事は無い……」
「分かりました…では、先にあの世で待っていて下さいお義父さん、遅くなりますがいつか必ずそちらに向かいます」
「それまでは………さようなら、お義父さん……」
「…ああ、さらばだ」
『ズダンッ‼︎×2』
そしてゆかり、あかり、マグナの養親子達は別れの言葉を告げた後、ゆかり達の銃から
『………』
クリス達は養父を撃った2人に何と声を掛けたら良いか分からずその場に佇んでしまう。
幾ら血が繋がらないとは言え戦闘中であっても親子の絆は確かにあった、そう感じてしまうと余計に何かを口にする事が憚れてしまうのだ。
『パチンッ、ボッ!』
するとゆかりがマグナの遺体のポケットからジッポライターと葉巻を取り出し、それに火をつけて彼の遺体を近場の柱に凭れ掛からせると葉巻を咥えさせ、そのまま2人も佇み、暫くしてゆかりから口を開いた。
「クリスさん、皆さんは少し席を外して下さい。
少しやる事があります」
「終わったら呼びますのでどうかお願いします」
「……分かった。
行くぞビリー、カルロス、ジェイク!
……『3人』切りにさせてやろう」
『…………』
ゆかりとあかりはクリス達に席を外させ、『3人』切りとなり先程の銃声や戦闘が嘘の様に静かで、しかし硝煙と鉄分の臭いが辺りに未だ充満した空間にゆかりとあかりは佇み……そしてクリス達が居なくなって暫くして膝が折れ、その瞳から大粒の涙を2人は流していた。
「…バカ……何で、何で死ぬ道を選んじゃったんですか……バカお義父さん……‼︎」
「う、うぅ……お義父さん……お義父さん……‼︎」
『ぁぁ……あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……‼︎』
ゆかり達は死ぬ道を選んだマグナに涙と嗚咽を漏らし、そして最後には声にならない泣き声を木霊させながら養父の死を悲しんだ。
その悲しみはあまりにも深く……そして今後、どんな事があっても癒されぬであろう『傷痕』として残り続けるだろう。
この2人の命が尽き果てるその時まで………。
此処までの閲覧ありがとうございました。
今回の話はゆかりさんとあかりちゃんに必ず焦点を当てると決めていた為この流れと相成りました。
更に判明したウリエル以降は肉体の一部を変異させずに100%の力を発揮する物です。
よってラファエル、ガブリエルは更なる強敵と化しました。
そして最期のマグナの忠告が意味する所は矢張り……です。
次回もよろしくお願い致します。