BIOHAZARD【V+α】   作:”蒼龍”

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皆様こんにちはです、昨日の分割分の投稿になります。
この話で誰が如何転ぶかどうかご覧下さいませ。
では、本編へどうぞ。


EP XXVII:1-2『レオン達&葵達の戦い:VSラファエル&ゼラキエル戦』

ジェイク達とフォンの戦いが激化した頃、レオンや葵達の戦いにも変化が訪れていた。

レオン達の周りは雨が降り始めていたが、ヨナとセイカの周りは雨が氷の粒に変わっており、彼女達の周りだけ異常に温度が低い事が窺い知れた。

 

「……私がやっかみ者、ですって?」

 

「そうだよ、それも相当他人を羨んで仕方が無い超が付く程ね‼︎」

 

ヨナはセイカが突如自身をやっかみ者と呼称した事に眉を顰めると、そのセイカは隙を突き全員から離れた位置にヨナを背負い投げし距離を離させた。

しかしその際に手の皮が完全に剥がれ、両手から血が勢い良く流れ始めていた…が、ウィルス完全適応者の再生能力で直ぐに元に戻り、氷を払い再び戦闘態勢に入る。

 

「さて私はヒントを与えたよ。

皆気付けるかな?」

 

「…やっぱりセイカさんは何かに気付いているんだ!

だからああやって挑発を…考えなきゃ、今までの発言を…!」

 

セイカは葵達を見てヒントを与えたと言い、それを聞いた葵はセイカが何かに気付いたのだと断定し、全ての発言を思い返して何があったかを精査して行く。

するとゆかりは何かに気が付いたのか声を上げる。

 

「セイカ、茜さん、私が彼女に話し掛ける時間を稼いで下さい‼︎

クリスさん達も、お願いします‼︎」

 

「ゆかりさん、何か分かったの⁉︎」

 

「無理難題どうも、ならやったるで‼︎」

 

「…よし、了解した‼︎」

 

ゆかりは茜にセイカ、クリス達に自身が話す時間を稼ぐ様に言い放つとそれぞれが陣形を取りつつ動き出し、茜とセイカは再び絶対零度の障壁を無視しようと走り出し、クリスは援護としてバーナーを放ち一時的に障壁を中和、2人が動き易くなる様にした。

 

「甘いわ、周りは水浸しならば私の力が更に発揮出来るわ‼︎」

 

「っ、拙い‼︎」

 

するとヨナの足元から一気に地面が全方位に凍り始め、それを見たクリスは足元にバーナーを放ち続け、自身が凍結しない様に周りを火で囲い炎が凍ろうが溶かし、他の面々は兎に角後ろに走って自身が凍らされない様にした。

 

「せいやぁ‼︎」

 

「はぁ‼︎」

 

そんな全方位攻撃を茜達はジャンプしてそれを避け、ヨナに蹴りを喰らわしそれを止めさせた。

それを見たクリスも炎の中から脱出して葵達の前に出る。

 

「危ない危ない、話し掛ける前に氷の像になる所でした……ヨナさん‼︎

ちょっと話がありますが良いですか⁉︎」

 

「敵に話し掛けるなど悠長ね‼︎

それとも降参かしら⁉︎

何方にせよ貴女もアカリ・キズナもアオイ・コトノハも殺すわ、この私の手で‼︎」

 

ゆかりは話す前に死ぬのを回避し、ホッとした後ヨナに向かって話があると叫び始めた。

そのヨナは茜、セイカの2人と素人レベルでは無い氷のナイフを使ったシステマを用いて格闘戦を行い、2人に的確にダメージを与えつつカウンターを受けてもなお攻撃し、話し掛けて来たゆかりのみならず、あかりや葵すら殺すと宣言しつつ茜達に蹴りを食らわせ距離を離した。

 

「いぃ〜ひやこいわ‼︎

何殴った箇所や殴られた箇所から凍結するとか、ほんまに雪女かいな!」

 

「茜さんもう少し我慢して下さい!

…さてヨナさん、貴女は全てが憎い、憎くてしょうがないと言いましたよね?」

 

「ええそうよ、だから殺すわ、貴女達全員!」

 

茜とセイカは手、足や触られた箇所を払いかなり体温と体力を持って行かれたらしく身体を動かして体温を保とうとしていた。

そんな中でもゆかりはヨナに話し掛け、全てが憎い事を再度確認して再び殺害予告を受ける。

 

「矢張り言葉で止めるのは不可能か、なら何としても武力で止めるしかーー」

 

「いえクリスさん、レオンさん、意外と言葉で止まるかもしれませんよ?」

 

「何、本当か?」

 

クリスとレオンはそんなヨナの様子を見て言葉で止めるのは無理と判断しいよいよ自身等が本気で動こうとした。

が、ゆかりは意外にも止まるかもと言い2人を驚かせた。

 

「私が貴女達の言葉で止まる?

巫山戯た事を言わないでーー」

 

「ねえヨナさん、全部が憎いって言うなら………何故お義父さんすら憎いと話さないのですか?」

 

「…はぁ?」

 

ヨナはゆかりの言葉に怒り足に力を込め走り出そうとした瞬間、ゆかりは何故マグナが憎いと話さなかったのかと語り、それを聞いたヨナは何を言っているんだと言った反応を示した。

 

「だって全てが憎いなら余り干渉しなかった筈のお義父さんさえも憎いと感じる筈ですよね?

なのに何故鬱陶しく感じなかった、何て言っちゃったんですか?」

 

「…あっ‼︎

確かにヨナさんはお義父さんを憎いって言ってない‼︎

確かにゆかりさんの言う通りの事しか言ってませんよ‼︎」

 

するとゆかりは全て憎いと発言したにもが関わらず彼女が何故マグナが余り干渉しなかっただけで鬱陶しくなかったかと話し、あかりも発言を思い出しマグナが憎いと一言たりとも言っていないと叫んでいた。

 

「それは私に干渉しなかったからーー」

 

「ええ、貴女の言う通りお義父さんは干渉しなかったでしょうね。

だって……貴女みたいなタイプの人にはその大きな背中で語り掛ける人なんですから。

多分訓練の後、貴女に話しても多く語らず、背中で伝えたい事を語り掛けてたんじゃないんですか?

恐らく……『これから大きな選択をするから俺の様に間違えるな』って」

 

「…………っ⁉︎」

 

ヨナはゆかりの発言を否定しようと余り干渉しなかった事を叫ぼうとしたが、それに割ってゆかりがマグナの人物像とヨナのタイプを照らし合わせ、養父は言葉では語らず自身達が憧れたその大きな背中で語り掛けたであろう事を口にし、更にその内容も予想して話した。

するとヨナの表情が微妙に驚いた物に変わり、それ以上は口にしない様にしていた。

 

「無言は肯定と受け取りますね。

何でこんな些細な言葉選びを間違えたか、多分貴女は道具として育てて来た両親の呪縛から漸く解放されるから舞い上がってしまい単純な言い間違いで本心を見せちゃったんじゃないでしょうか?」

 

「あ、ゆかりさん、なら私にも言わせて下さい‼︎

でもって貴女、多分お義父さんの事を逆に気に掛けてたんでしょ!

本当のお父さんみたいだ、こんな父がいたら何れだけ幸せだったか、みたいな!」

 

「……勝手な憶測で語るな、養女でありながらウリエルを撃った、私の同類が‼︎」

 

そしてマグナを良く知るゆかり、あかりは其処から想像出来る様々な事を語り、特にあかりはヨナがマグナが父親なら良かったのにと感じていると思い、だからこそ鬱陶しくなかったに結び付くと思い付いていた。

そんな2人にヨナは自身と同類と語り叫んでいた。

だがゆかりは笑みを止めず、茜達もゆかり達のお陰でヨナの事を掴み始めていた。

 

「同類…つまり親殺しと言いたいのですね。

はい、私達はお義父さんを撃ちました。

グラスホッパーを知る者として、その名に育てられた者の責任として。

でも貴女はそれを今口にして気にしてる……要するにお義父さんに対する想いの答えがそれなんですよ。

だから言える、貴女は全てが憎い訳じゃない。

多分貴女のは……羨望とかそんな可愛らしかった物が重くなり過ぎたんでしょう。

だからセイカはやっかみと言ったんでしょうね。

それから、全部憎いならその懐にしまった大事な衛星レーザーで全部吹き飛ばせば私達の始末とかもっと早かったのにそうしなかった。

やっぱり貴女はちょっと矛盾しているんですよ」

 

「…っ‼︎」

 

ゆかりの理論立てにヨナは手に力を込めつつ黙って聞く事しか出来ず、更に表情を明確に歪ませた。

茜や葵達はゆかりの意見が正しい、見事にヨナの矛盾点や図星を突いたのだと感じ次に茜が畳み掛ける事にした…内心白龍に謝りながら。

 

「ゆかりさんの言葉に否定出来へん時点であんさんの想いの裏事情は大体取れた、で!

んで、あんさん白龍が妙に気に掛けて来て憎かったとか言っとったけど、白龍があんさんみたいな抜き身の刀に触れてた理由は分からへんの!」

 

「そんなの知る訳無いじゃない‼︎

大方私が勝手な行動を取らない様にガブリエルから言い付けられていたんでしょう‼︎

大体ラグエルの遺言で私に構うとか、奴は何て言っていたのよ‼︎

この場で笑い物にしてやるわよ‼︎」

 

茜はゆかりの言葉に反論しないヨナに急接近しその手に持った氷のナイフをはたき落とし、格闘戦に縺れ込みながら白龍が気に掛けていた理由を知るかを問う。

するとヨナは知らないと話し、更に白龍の遺言で自身に構う茜達にその遺言を問いつつ茜を蹴り飛ばしレオンが何とか受け止める。

そして笑い物にすると口にしてそれを聞こうとした。

 

「君の言うラグエル、蘭白龍が何を言っていたかって言うとね〜。

君を救ってあげて、君は身勝手な兄に巻き込まれた加害者であり被害者、その心を救ってあげて、だよ」

 

「………何、それ、出鱈目を」

 

「出鱈目じゃないわ、私も、アカネやマキ達も聞いてたから間違いないわよ」

 

するとセイカが悪戯っ子的な笑みを浮かべながら白龍の遺言をヨナに聞かせた。

すると彼女は鳩が豆鉄砲を食った様な表情を浮かべ、出鱈目と否定しようとしたがシェリーが援護としてハンドガンを構えつつセイカが嘘を言っていないと話し、レオンや彼に受け止められた茜、マキ、そして葵もまた真剣な表情でヨナを見つめ、否が応でも事実だと認識させた。

 

「うん、白龍は初め無理難題を私等に押し付けて死んで行ったよ。

でもってあの感じ、あれは多分……」

 

「せやなぁ、アレは叶わぬ恋を暴露した一途な男って感じやったなぁ……」

 

「………えっ…?」

 

其処にマキと茜が畳み掛け、白龍の言葉は正に一途に1人の女性を愛した紳士的な男の態度だったと口にし、ヨナはそんな事分からなかったと言わんばかりに驚いた表情を見せ、更に周囲の温度やヨナの足元の氷に変化が起き、1番最初に自身等に話し掛けて来た状態と同じになっていた。

 

「ヨナァ‼︎

そんな旧人類共の出鱈目に耳を傾け」

 

『ボン、ガシャン‼︎』

 

「てめぇの相手はこっちだ、この無能な糞兄貴が‼︎」

 

其処にフォンがヨナに駆け寄りながら耳を傾けるなと叫んでいたが、B.Y.が冷却弾を当ててジェイクが徒手空拳で凍った箇所を中心に殴り最後に掌打を叩き込みフォンとヨナを再び引き離し、更に『アルファ』が靴に仕込んだナイフで斬り付けつつ蹴り、最後にエイダが独特のキックを決めて完全に両者を引き離した。

 

「大事なお話中に混ざっちゃダメって親から教わらなかったのかしら、レティシア家の坊や?」

 

更にエイダが挑発を決め、フォンの表情を歪ませ彼を激昂させつつヘイトを稼ぎ此方の4人に完全に目を向けさせ、ヨナに今後近寄らせたりする冷静な思考を奪い去って行く。

更にこの場に居るレオン達を祝福するかの如く暗雲は去り朝日が再び照り付け始めた。

 

「…ラグエルが、私に…?

そんな筈…」

 

「はぁ、こりゃ自分の事に集中し過ぎて他人の感情に気付けんかったパターンやな。

ええか、あんさんみたいな面倒臭い奴に必要以上に構ったりするのは間違い無く何らかの思惑なり想いなりどっちかがあるからやで?」

 

「そして白龍のあの態度は間違い無くヨナさん、貴女の事を愛していた筈だよ?

例え自分に向く感情が真逆の憎しみとかそんな物でも、ただ一途に貴女の事を彼処に居る身内とも呼べない人何かと比べ物にならない位見て気にしていたのよ。

それこそゆかりんの言う、背中で語ってたマグナさんレベルで…」

 

ヨナは如何やら白龍の気持ちなど考えた事が無かったらしい態度を見せ、琴葉姉妹が彼女に白龍が必要以上に気に掛けていた事を女の勘で言い出し、マキも白龍の生き様を思い出し確かにバイオテロ犯だったが同情の余地はB.Y.達が相手取っているフォンと比べても全然あったと感じながらヨナがいつ攻撃して来ても良い様に態勢を整えていた。

 

「だからヨナさん、貴女が今知らなかった事がある様にこの世界は沢山未だ知らない物だらけなんだよ。

その内の2つ以上を私達は奪ったけど、それでも私は言うよ。

この世界は捨てた物じゃないって、だから」

 

「…五月蝿い、五月蝿いうるさいうるさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ‼︎」

 

『ガシャガシャガシャン‼︎』

 

葵は更に説得を続けて言葉を紡ぐが、それに対してヨナは癇癪を起こした様に叫び、更に周りの水溜りを一気に凍らせつつ尖った氷の柱を凍結箇所から乱雑に生やして葵達を襲わせる。

 

「危ない‼︎」

 

「ちっ、癇癪とかガキかいな‼︎」

 

クリスやレオン達は近場に居た葵達を庇って柱を避けさせ、茜やセイカは生えた瞬間から拳で砕き被害を抑えていた。

そんな中茜達はヨナが懐から衛星レーザー操作用タブレットを取り出す所を目撃した。

 

「ヤバっ、衛星レーザーでウチらを自分毎吹き飛ばす気やでアレ‼︎」

 

「雑音なんか要らない、憐みも同情も何もかも‼︎

皆々……吹き飛んでしまえぇぇぇぇぇ‼︎」

 

茜やクリス達は走ってそのタブレット操作を止めようとしたが、ヨナの方が1歩早く操作を終え自身らの頭上にある監視衛星にレーザーを放つ様に操作してしまった。

そして葵達は頭上を見て身構えたーーー。

 

「………あれ?」

 

「何も、起きない?」

 

が、先程は直ぐ様レティシア邸が吹き飛んでいた筈なのにその僅かな時間が経過しても何故かレーザーが落ちてくる気配が無く、葵やシェリー達は困惑し、ヨナはタブレット操作を何度やってもレーザーが来ない事に焦りタブレットで状況確認をしていた。

 

「そんな、何故衛星レーザーが……一体何が」

 

『Warning, not receiving all satellite signals

Warning, not receiving all satellite signals』

 

すると全衛星の信号を受信出来ないとタブレットに警告文が表示され、何が起きたか分からずヨナは混乱し始めた。

 

「そ、そんな⁉︎

さっきまで使えてた衛星が全部信号が途絶えている⁉︎

何故なの、私が構築したファイアウォールを突破されるわけが無い、一体何で⁉︎」

 

ヨナは混乱して端末を何度も弄るが警告文が出るだけでどの衛星も使えなくなっていた。

それを聞き葵達は何が起きているのかをゆっくりと頭の中で整理して行く。

 

『…まさか⁉︎』

 

すると、ある可能性が女子会参加者達の中に浮かんだ。

その可能性とは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジル達が乗り込んだ輸送機内、其処できりたんは渡されたPCから手の込んだファイアウォールを突破して全衛星にハッキングし、特に日本上空を飛んでいた衛星から先に自爆コードを解析して打ち込み、その際に衛星レーザー発射シグナルが丁度発せられワンタッチの差で全衛星の自爆に成功させていた。

 

「まさか、本当に衛星をハッキングして自爆させるなんて…この子、本当に凄いわ…」

 

「あ、危なかったです……後キーボード1タッチ分遅れてたら今頃葵さん達はレーザーで吹き飛んでました……全く、下手に強固過ぎるファイアウォールを作るなっての」

 

ジルはその光景を見てきりたんのハッキング能力の高さに脱帽し、対するきりたんは親端末から衛星レーザー発射シグナルが発せられていた事を察知しており、あと少し自爆コードの打ち込みが遅れたら優先順位でレーザーが発射されていた事を愚痴り、ぐったりしていた。

 

「ありがとうきりたんちゃん、葵達を守ってくれて…‼︎」

 

「…ま、ツケを払うって約束でしたからそれをやったまでですよ」

 

藍はきりたんに葵達を守った事に感謝し、きりたんは照れ隠しでツケ払いの約束を果たしただけと話しつつPCをジルに返し輸送機の天井を見上げていた。

しかし、その心の中には達成感があった為本人は気付かないがきりたんは満足した笑みを浮かべ、やり切った感を出しながらゆっくり休むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、そんな……まさか、私の防衛プログラムを誰かが突破して衛星を自爆させたと言うの……そんな、有り得ない……一体誰が……」

 

 

「…流石きりたん、私達が知らない間に……なら、私も‼︎」

 

操作タブレットを凍った自身の足元に落とし愕然とするヨナ。

その間にクリス達はバーナー等で氷の柱を溶かしたり砕いたりしてヨナの周りを取り囲みいよいよ残るは彼女の二重防御を如何に破るか、それとも言葉による説得を続けて行くかの何方かになった……その次の瞬間。

 

「やぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

「なっ、葵⁉︎」

 

何と葵がいきなりヨナに組み付き愕然としっぱなしのヨナを押し倒してしまう。

が、まだ絶対零度の障壁等はヨナの精神が乱れて弱まったのみで残っており、葵はヨナに組み付いた部分等から凍結し始めてしまう。

 

「ぐ、ううううう‼︎」

 

「ア、アオイ・コトノハ何を⁉︎」

 

「ヨナさん、貴女は全部憎んでたって言いましたけどやっぱり皆さんの言う様に自由な人達に憧れて、それを妬んで憎しみに近くなってしまったんですよ貴女は‼︎

それに、貴女をしっかり愛してくれた人も、導こうとした人も貴女の側に居てくれた‼︎

なら貴女の知らない事ばかりがまだこの世界にはあるじゃないですか、だからその矛を収めて投降して下さいよ‼︎」

 

葵の突然の行動に驚くヨナに葵は今までの全てを統括しヨナは矢張り道を選べた人達に羨望を抱き、それが拗れた結果憎しみに近い形にまで堕ちてしまったと改めて思いつつヨナに白龍やマグナの真意を知らなかった事を突き、この世界は未知がまだある、それを知らせようとして投降を求めた。

しかしこの間も葵は凍結して行っている。

誰から見ても無謀な試みと見て取れた。

 

「わ、私を貴女は許すとでも」

 

「許す訳無いでしょ当たり前な事だけど‼︎

私達の街を、友達を奪った貴女や琴葉紅達は許せない!

でも貴女は今残ってる2人と違ってまだ死んでそのまま罪から逃げるか生きて罪と向き合って償う権利が残ってる‼︎

巻き込まれたって言うなら今からその手を掬い上げて罪を償う様に生きる道を一緒に選ばせてあげても良いよ‼︎」

 

葵はヨナを許さないとしつつ2つの道…死んで罪から逃げるか、生きて罪と向き合うかの道を掲示してどちらかを選ばせると叫んでいた。

しかし凍結箇所が広がって行きいよいよ身体の半分が凍結してしまっていた。

 

「私に、また生き方を強要すると」

 

「強要なんかしてないよ‼︎

だからこの場で死ぬ道もあるって言ってるじゃない、話を良く聞いてよ頑固者‼︎

それに、現に貴女に残された道はこの2つだけなんだよ、私はそれを今教えてるだけ‼︎

選ぶのは貴女、あっちに居る兄と呼べない奴や私の父と呼べない奴がCLOWN入りを強要したのなら、今はもう強要じゃない自由な道を選べる、その土台が今出来上がったの‼︎

そして私が此処まで貴女を庇うのは私達姉妹と貴女が本当に鏡合わせ過ぎるからなのよ‼︎

だから私達が昔選んだ、選ばせて貰った様に自分で選んで‼︎

死ぬか、生きるか、その2択の何方かを‼︎」

 

葵はヨナに今2つの道が出来上がった事を更に掲示し、ヨナはこれを強要と呼ぼうとしたが、葵は鏡合わせと称したヨナの意志でどちらかを選ばせると叫び二者択一の選択を彼女自身に選ばせようとした。

紅やフォンがCLOWN入りを強要したのとは違うと比較しつつ葵はあくまでヨナの意志決定を促した。

そして身体の7割が凍結しいよいよ生命維持が出来なくなる…その瞬間にヨナが葵を蹴って引き剥がし、高圧バーナーを持つクリスの方に軽く飛ばした。

それを見たクリスは葵の側に火を着けて凍結箇所を熱し溶かして体温を正常に戻そうとし、茜も葵に駆け寄りその行動を咎め始めた。

 

「バカ、あのままやったら間違いなく死んでたで‼︎

葵、一体何考えとんねん‼︎」

 

「え、えへへ。

無茶だとかそうは思わなかったよ。

多分ヨナさんならこうやって突き飛ばしてくれるって信じたから」

 

「それがもしも違っていたら如何するんだ‼︎

結果的にそれが正しかったと証明はされたが結果論に過ぎない‼︎

死ぬ気だったのか、君は‼︎」

 

茜やクリスは葵の無茶苦茶な行動を咎めるが、葵自身は今のヨナを信じ行動し死ぬ事は無いだろうと思っての行動だと話していた。

しかし矢張り結果論の為クリス達は決して葵の行動を認めず彼女の凍結箇所を溶かしつつ怒っていると言わんばかりの表情を向けていた。

 

「わ、私は……私は……」

 

「ヨナさん…もう一度言うから。

此処で選んで、死ぬか生きるかを。

もう誰も貴女の今の選択を奪わず選ばせてくれるから……だからさ、もう面倒な事を考えずどっちか気軽に選んじゃいなよ。

まあ私は何方にしても許す気は余り無いけど」

 

ヨナは何故今自分は葵を突き飛ばしたのかも分からないと言った表情で自身の手を見つめ困惑していた。

そんなヨナに葵は再び死ぬか生きるかの何方かを、許す気は余り無いと付け加えつつ自由に選ばせようとしていた。

マキ達友人組は葵に近付き怒った表情を見せ、レオン、シェリー、セイカはヨナが如何なる行動を取ろうと対応出来る様に囲んでいた。

そして、ヨナが選んだ選択は……。

 

「……くっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…‼︎」

 

声にならない叫びを上げながらの凍結能力の完全解除、つまり武装放棄…投降する道を選んだのだ。

葵はヨナはこの道を選んだ事に満足しつつ体温が戻り次第彼女に近付きもっと話そう、そう思いながら朝日が綺麗な空を見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コイツで終わりだぜ、糞兄貴野朗‼︎」

 

「ぐ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

一方ジェイク達の方だが、矢張り油断せず戦闘を行いつつフォンが途中からヨナの方に気を取られ過ぎた隙にジェイクが止めの血清弾(Fallen Bullet)をウィルスが消え絶命しないギリギリまで叩き込んだ結果、遂にフォンは地面に倒れ伏せ勝負が決した。

 

「ふん、途中から目の前の戦いでは無く彼方に気を取られるとは…貴様に己の運命を切り開く力も意志もなかった様だな。

三流以下の凡人が」

 

「く、くそ、ヨナぁ……何故旧人類如きの言葉に耳を傾けたんだ、君はそんな子じゃ無い、選ばれた人間だろうに…‼︎」

 

「呆れた、坊やは妹ちゃんが自分の所有物か何かだと勘違いしていたのかしら?

全くお話にならない、頭の中が本当に救い様が無い馬鹿その物ね」

 

戦いを終えた直後、フォンはヨナに対し見下している旧人類の言葉に耳を傾けた事に困惑や怒り等の感情を向ける。

対する『アルファ』はフォンが三流以下の凡人と酷評し、エイダもその救い様の無い思考に呆れ果てこれまた酷評をし、彼と言う人間が如何に愚かなのかと存分に知らしめていた。

 

「さて、この馬鹿野郎の無力化に成功したからさっさと血を抜き取ってから捕縛するぞ。

こんな奴の顔を見てるとムカっ腹しか立たないわ」

 

「俺も同感だぜ。

たく、自分の妹を都合の良い様に見てるなんざそんなの家族じゃねえ。

ただの道具としか思ってねえ、そんな屑野朗の考え方だぜ」

 

そしてB.Y.はムカついた感情を隠さず服を捲り上げ、感染しない様に手袋をしながら動けないフォンから採血用注射を取り出して採血し始め、その傍に拘束具を取り出してさっさと此れらを終わらせようとしていた。

同じ様に呆れや怒りの感情を表に出したジェイクは妹を都合の良い道具にしか見ないその思考に辟易し顔も見たくないと言った様子を見せた。

そしてこれら一連の動きを見たフォンはと言えば。

 

「ふ、ふはは、お前達の魂胆は見えたぞ。

大方ガブリエルを殺す為の血清を作り出す為に僕のヨナを抱き抱え込もうとしたんだな……だが、お前達の好きにはさせないさ‼︎

は、ははは、あははははははは」

 

『ザシュッ、トン‼︎』

 

「んなっ⁉︎」

 

自身の都合の良い解答しか見出さず、その上で紅を殺す為の血清を作り出そうとしていると3割正解7割不正解な答えを口にしながら自身に残った最後の力を振り絞り、何と笑いながら自身の首を水圧カッターで切り落とすと言う自殺行為に及びB.Y.達を驚かせた。

そして血が首の方から漏れ出し、これ以上の採血が不能になりB.Y.は確保出来た採血管を密封袋に詰めた後この駐屯地にある空いたクーラーボックスにそれを入れようと歩き出し……その次の瞬間、既に無意味だが血清弾(Fallen Bullet)入りのカスタムガバメントを引き抜きフォンの死体に銃弾を怒りのまま叩き込み、何処までも身勝手な彼に対する態度を露わにした。

 

「本当、救い様が無い愚か者だったわね……もう何も言う事が無いわ」

 

エイダも呆れを通り越して無表情になり、フォンの死体を背にした後レオン達の方に向かいこの事後報告を淡々と済ませに行った。

そして残ったジェイクや『アルファ』も手に力を込め、それぞれフォンに対し怒りや呆れ、様々な感情を滲ませた後クリス達の方に合流して行った。

そして4人の一致する考えはただ一つあった。

それは、フォンが自分が見下す者達以上の身勝手な愚か者と言う酷評であった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
本当はまだ1話位掛かるかなと思いましたが意外にすんなり行けました…。
そしてフォンとヨナの結末は生き死にの完全な対比になりました。
こうなった理由を更に次回に細かくヨナの過去を振り返らせる為に書きたいと思います(正直まだ書き足りないと思ってます)。

次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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