遂に……遂に最終盤、最終決戦目前となりました。
此処からは如何なる結末になろうともノンストップとなります。
では、本編へどうぞ。
フォンが自害し、ヨナが投降してから2時間後のAM9:28、アメリカ軍特殊空母から簡易無菌室用、及び血清生成用器材が輸送機で駐屯地に運び込まれ始めていた。
そしてその輸送機の1機の中から何とアメリカ軍特殊空母艦長であるシルバ・ヴァレット大佐が降り立ち、現在クリス達の前で拘束中のヨナの前に立った。
「……」
「…シルバ、叔父様…」
ヨナは監視衛星からアメリカ軍特殊空母の艦長が叔父であるシルバ大佐だと分かっていた。
が、直に会ったのは数回程度であり今この場に立ったと言う事は自身に何か言う……それも咎める事を言う気なのだろうと感じ無表情でシルバを只々見つめていた。
そしてシルバの取った行動は……ヨナを抱き締めると言う本人すら予想していなかった事だった。
「…えっ?」
「ヨナ、すまなかった。
お前の苦しみを叔父として理解してやれずこんな事に……本当にすまなかった、無知だった私を許してくれ…‼︎」
ヨナは何で抱き付かれているか理解出来ずにいたが、次のシルバ大佐の一言で全てが解せてしまった。
謝罪…血の繋がりがある家族として何れだけ苦しんでいたか、こんな道を選ばせてしまった自身の無知と無力からの謝罪であった。
しかしシルバは既にレティシア家からアメリカに嫁いてしまってた為シルバがヨナの現状を理解するのは地理的にも様々な理由からも無理だとヨナは理解しており、にも関わらずシルバ大佐が自身の家族として謝罪していた。
これに対しヨナの反応はと言えば。
「………」
無言、ただ無言を貫きつつも涙を流し、シルバ大佐が近くに居れば、或いは自身を引き取ってくれたらと言う今はもう無き可能性に情景し、シルバ大佐への申し訳無さが心に溢れ涙を流したのだった。
そんな確かな家族の光景が10分続いた後、シルバ大佐は一度遺体安置所のマグナに敬礼をした後血清生成準備の指揮に、ヨナは血液採取後にクリス達の尋問を受けにそれぞれ別のテントに向かって行った。
因みにレオンは一応エイダから返された茜と葵の血液サンプルや死滅確認用のT-Genesisサンプルを、2人の生い立ちを考えてシルバ大佐に念の為渡したのだった。
「では、尋問を開始するが君には黙秘権もある。
言いたくなければ言わなくて良いが構わないか?」
「…良いわ、聞かれた事は大体答えるわ。
もう黙秘しても意味は無いのだから…」
そうして尋問用になったテントにクリスやレオン、『アルファ』、B.Y.、そして少女組が特別に立ち会い尋問が開始された。
ヨナの態度から一応大体答える雰囲気を感じるが捕虜に対する扱い等の条約もあり一応様式的に黙秘権行使もあると伝えてから1つずつ問い質しが行われた。
「では先ず君の経歴…一応確認だから簡潔に答えてくれて良い。
ヨナ・レティシア、誕生日は1998年6月13日、血液型はO型、レティシア家の若き盟主で博士号を幾つも取得、7歳時点で大学を卒業、そのまま数多くの企業の親元、筆頭株主になり様々な事業で手腕を見せていた、違う部分は無いか?」
「合っているわ」
先ずクリスが経歴を並べ、合っているか如何かを聞くとヨナは合っていると話し早く次の質問に行きなさいと言った雰囲気を出していた。
「なら次はこのバイオテロ組織に加入し事を起こした動機だが……蘭白龍の言葉等を加味すれば無理矢理CLOWNに入れさせられた挙句今がある、違うか?」
「…そうね、その話に至るまで私の生い立ちとかどんな風に生きて来たかを教えるわ…」
次にレオンが本題であるCLOWNのメンバー入りやバイオテロを起こした動機等に踏み込み出した。
一応レオンも白龍の言葉等からヨナはフォン達に勝手に入らせる様にされたと想像していたが、その事実確認の為に話をすると、ヨナは先ず生い立ちから振り返りその話に繋げる様に言い、口を開いて行った。
「…先ず私の兄、いや、兄とも呼びたく無いゼラキエルが当初はレティシア家の盟主になる予定だった、けど彼はあの毒親達の思った様な能力を見せずがっかりさせたわ。
其処で白羽の矢が立ったのは当時2歳だった私だった。
私は英才教育と言う名の暴力や過干渉等を受けてしまってたわ」
「……やっぱり、自分の道を選ばせて貰えなかったんやな、ヨナさん」
ヨナは先ず家庭事情から入り、其処で先程自害したフォンが両親…ヨナが毒親と呼称した2人の思った通りに能力を発揮せず、代わりに当時2歳だったヨナに英才教育……本人曰く暴力や過干渉に塗れた物を受けたと話し、茜は横から道を選ばせて貰えなかったと口にした。
それに対しヨナは静かに頷き続きを話した。
「その教育の甲斐あってか、私は6歳時点で博士号を幾つも獲得、7歳でレティシア家御用達の名門大学卒業、そしてレッドフィールドの言う通りの一見すれば順風満帆、その実は束縛しかない生活を送ってたわ。
まあこの時はまだそれでも良いと思ったわ、これが私の辿る道なんだって諦めが付いたから……あの時までは」
「あの時……もしかしてCLOWN入り、琴葉紅と接触してしまった時ですか?」
ヨナは一応その毒親達の敷いたレールの上を歩く事に7歳時点で諦めが付いたらしくそれまでは良かったと話した。
しかし、次にあの時と口にした瞬間から表情が険しくなり、葵がこれがCLOWN入りかと思い聞いてみるとヨナはドレスが破けそうになる位力を込め始め、全員当たりだと確信して話の続きを待った。
「…きっかけは2008年6月、ゼラキエルがBSAAが纏めたアンブレラやスペンサーの目的が書かれた禁書に興味を惹かれ、スポンサー権限や金に物を言わせて閲覧したのよ。
そしたら……其処から全ては狂って行ったわ。
ゼラキエルはスペンサー信奉者になり私にその思想の先のビジョンを話す様になったわ。
初めはお金にならないし雑音程度だったから無視してそのままにしたのよ……でも、それから2ヶ月後の8月、私は………兄に旅行と称した誘拐を受けたわ」
『⁉︎』
そしてヨナは2008年の話をし始めた時から表情が怒りや憎しみ、悲しみ等様々な負の感情を煮詰めた物になり詳細を話して行ったよ
如何やらフォンがレティシア家と言うBSAAが国連組織になった頃からのスポンサー権限を使いスペンサーやアンブレラの記録を閲覧し、其処からフォンはスペンサーの信奉者となったと話し、更に2ヶ月後に実兄から旅行と称した誘拐を受けたと聞き全員が驚き、其処であかりが口を挟んだ。
「ちょ、ちょっと待って下さい、誘拐って両親とか、レティシア家は名家だからお家に執事さんやメイドさんが居るはずですよね⁉︎
誰も気付かなかったんですか⁉︎」
「ゼラキエルが書置きで1週間兄妹で旅行に行くと書いて毒親はそれをあっさり信じてそれっきり。
有能な執事とメイドが気付き掛けたけど……足取りを途絶えさせた上に私にそれを吐けば殺すと脅しも掛けられたから迷宮入りよ」
あかりの質問にヨナは両親はフォンの言葉をあっさり信じてそのまま、更に書置きや気付き掛けた人にSOSを出せば命はないと脅されたと話し、どの道誰も気付けない状況と知り葵達の中でフォンの外道さも増していた。
そしてヨナの話はまだ続く。
「そうやって誘拐された先…
私の視線の先でガブリエルとゼラキエルはスペンサーの理想を高らかと話して共感しあった結果私と言う盟主の了解無しに支援を取り付けてしまったわ……そして、ガブリエルが私を脅迫して来たわ。
命が惜しくば協力しろと……ウィルス完全適応者の力をこの身で味わいながら脅迫を受けた私は折れたわ。
もう詰みだ、従うしかないと……こうして私はCLOWNの結成メンバーになってしまったわ……」
そしてヨナはフォンの勝手な行動や紅のウィルス完全適応者の身体能力を活かした暴力による脅迫を受けた事でCLOWNの結成メンバーに仕立て上げられてしまったとクリスやレオン達、そして葵達に話した。
それを聞いた葵や茜は特に頭に血が上り、紅をこの手で仕留めないと同じ被害者が増えると感じ表情を険しくしていた。
対してクリス達も怒りを燃やしたが、CLOWNが2008年8月に結成されたと裏を取りそれを記録していた。
「其処からは貴女達の知る様にレティシア家の資金をガブリエルの方に幾らか回してT-Genesisのゲノム編集に協力したり、CLOWNが使う為の監視衛星も作り上げてロシアに提供したわ…やらなきゃ命が無かったから。
因みに衛星レーザーは私からのせめてもの抵抗心で取り付けさせる計画にしたわ。
全てはこのレールを敷いた毒親とガブリエル達を葬る為に……この頃からでしょうね、自由に生きる人達に対して憎悪……いえ、それに近い羨望や嫉妬を抱いてしまったのは」
ヨナは残りはクリスやレオン達が調べ上げた通りの内容と、その裏で命が無いと脅されていたと話し、更にその辺りから今のヨナ・レティシアが形成され衛星レーザー等を付けたのはせめてもの抵抗心と分かり、それが長年蓄積された結果親殺しにまで結び付いたのだと分かり琴葉姉妹やマキ達は同情の余地所か白龍の言った様に加害者であり被害者と言う複雑な立場だと理解し胸を痛めていた。
「酷い…あの糞兄貴野朗、ガチモンの糞野朗じゃないか‼︎」
「これではっきりした事はヨナ・レティシアには情状酌量の余地がある事だ……バイオテロに加担やレティシア邸を吹き飛ばしたのは許されないが、後者は兎も角前者は利用された末なら……極刑を免れる可能性は大いにあるな。
但し証明する為のフォン・レティシアが死んだのが痛いがな」
B.Y.はフォン・レティシアが本当に最低な男だった事に憤り、自分の足を叩いてその怒りを露わにしていた。
そして『アルファ』はヨナが利用された者なら情状酌量の余地があると言いつつフォンが自害し、証明する者が居ない為手痛いとしていた。
後は紅の日記にそれらしい事が書かれてない限りヨナの罪を軽くする事は出来ないだろうとクリス達も悟っていた。
「…それで、余談なんですけど良いですかヨナさん?」
「ユカリ・ユヅキ…貴女の事だからウリエルの事を如何思っていたか聞きたいのでしょう?」
「はい」
其処にゆかりがヨナに話し掛け、ヨナ自身もマグナの事を如何思っていたかを聞きたいと予測が付いた為あっさり口を割り始めた。
「…ええ、貴女達の言う通りよ。
彼が父親なら、とか父親の様に思っていたわ。
だからこそ、ウリエル…いえ、マグナを撃った貴女達の事を許せなかったわ。
例えそれが貴女達3人の事情であっても…だからわざわざこの手で殺しに来ようと思ったのに……」
「それは申し訳ありませんね、私達はお義父さん仕込みでかなりキツく、そして全てを教わりましたから。
だからセイカの言葉が出た辺りから貴女の裏の裏を読む事を優先させて貰いました、お義父さんの教え通りに」
如何やらヨナはマグナの事を父親の様に想っていた事が彼女の口から出る。
そして、だからこそヨナはマグナが死んだタイミングでこちらを襲撃したらしかった。
しかしゆかりはマグナの教えを全て一身に受けた者の1人としてその教え通りにヨナの事を考えたのだった。
此れにはヨナも諦め、葵やゆかりには勝てないと彼女の中で確信するのだった。
「あの、もう1つ余談なんですけど、今のT-Genesisのウィルス完全適応者って皆能力が違ったじゃないですか?
ヨナさん、此れには理由があるんですか?」
「…ええ、現段階のこのウィルスに完全適応した者の能力はその者の精神性や適応にも個人差が出るから、それらの差で決まるわ。
因みにレミエルは1番適応率が低くてケルビムと同じく炎を操る能力と高めの身体能力しか目覚めず、マグナは私達の中で3本指に入る身体能力の高さを誇っていたわ」
ついでの余談で葵がT-Genesisの変異能力が全員違った理由をヨナに聞くと、如何やら個人差と精神性に関わって来ると判明し、ヨナの場合なら心が凍り付いてしまい、そして内に秘めた物が大きい故に氷になったと葵は予想し、その他にも理由が想像出来た為納得が行っていた。
「では最後にガブリエル、クレナイ・コトノハが潜伏している
西側の2ヶ所の内何方かが当たりの筈なんだ。
だからそれを教えてほしい、それで尋問は終了する」
「それで尋問を終わりにするなんて優しいのね。
なら……此処よ、ROICE学園北西に1km、其処に立つビルの地下、其処が
因みにこっちのダミーポイントにはケルビムが2体配置されているわ。
まあ、監視衛星を爆破された時点で向こうは慌ててケルビムを本拠地に戻すか、それかゲーム続行で一気にB.O.W.をバイオハザード地区全てに解放して大混乱を招くかの何かが奴の性格を考慮しての最有力の選択だと思うわ」
最後にクリスはヨナに
それを聞き茜、葵は互いに見て紅が次に打つ1手を予測しあった事を示し話に混ざった。
「なら次来るんはB.O.W.の大量解放や。
あのクズならそんくらいやってこっちの戦力分散を図りつつ時間稼ぎをする筈やで」
「私もお姉ちゃんと同じ意見。
だから攻めるなら早めにした方が良いですよ皆さん」
琴葉姉妹は紅がB.O.W.解放をやると結論付け、
「尋問は終わったかね、諸君?」
「シルバ大佐!
はい、ヨナ・レティシアから
よっていつでも攻め入る準備が可能になりました!」
其処にシルバ大佐が訪れ、それに反応したクリスは尋問終了やヨナから齎された情報を伝え、攻撃準備は何時でも可能と話ながら敬礼していた。
「ふむ、矢張りあの日記の内容は正しかったか……それより、
「矢張りあの確率じゃあ無理があったか…」
「Sandalphon…叔父様は何時も洒落た名前がお好きね」
シルバはその報告を聞き日記の内容が正しいと独白した瞬間、茜達は矢張り日記にヨナが利用された事を示す内容があったと悟りホッとしたのと、ヨナとフォンによる
対してヨナはそのコードネームにシルバが考えた物と一瞬で悟りつつ、自身があの確率を計算し切った為無理が無いとして紅用血清生成失敗については何も言わなかった。
「それで、敵の次の1手とは?」
「はい、バイオハザード地区全てでのB.O.W.の無差別解放です。
此れはヨナ・レティシア、更に琴葉茜、葵姉妹が敵の性格から逆算して間違い無いと裏打ちしております大佐殿」
次にシルバは敵の次の1手について尋ねるとB.Y.が敬礼しながら報告し、裏取りも敵を良く知る3人(内1名は日記や研究データから推察)があり間違い無いとして発言する。
「ふむ……なら私の権限でアメリカ軍のバイオハザード専門部隊や特殊作戦部隊も大多数突入させよう。
此れでも統合軍大佐だ、顔は多少なりとも利くとも」
「ありがとうございますシルバ・ヴァレット大佐殿。
今の戦力では正直その手を打たれれば此方の人員が足りないと思っていた所でした」
そしてシルバは自身の顔利きからアメリカ軍の対バイオハザード専門部隊や特殊作戦部隊を派遣すると公言し、その軍隊の力を借りれば足りない分の戦力差も埋められるとしてB.Y.達にとっては願ったり叶ったりだった。
「ではシルバ大佐、早速その部隊の派遣を要請して頂けないでしょうか?」
「うむ。
此方アメリカ統合軍大佐のシルバ・ヴァレットだ。
現地のBSAA隊員達の要請によりアメリカ軍対バイオハザード特殊部隊、『Silver Bullet隊』から特殊作戦部隊『Black Bullet隊』の派遣を希望したい。
そちらの準備は………」
クリスは早速シルバに頼み対バイオハザード特殊部隊と特殊作戦部隊派遣を要請し、シルバはそれを聞きテントの外に出ながらその指令を送り始めた。
そしてクリス達もまた準備に取り掛かろうとしつつヨナをアメリカ軍特殊空母に輸送機で送り出そうと彼女を立たせたーーーー。
「隊長、大変です‼︎
この駐屯地に大量のB.O.W.が向かってきていると監視班から報告がありました‼︎
その総数500を突破‼︎
更に埼玉、神奈川、千葉でも同様の事態が発生したとの事‼︎」
「何⁉︎」
「ちっ、相手の方が1歩動くのが早かったか‼︎」
が、連絡員から大量のB.O.W.がこの駐屯地に向かっているのと他のバイオハザード地区でも同様の事態が発生した事を聞き、クリス達は紅の行動の方が早かったと察知し早急に対応準備に入ろうとしていた。
「待ちなさいクリス・レッドフィールド、私から提案があるわ」
「何、何の提案だヨナ・レティシア?」
すると全員が慌しく準備に入ろうとした所でヨナがクリスに提案があるとして話し掛け、何の提案かクリスは慌しくも耳を傾けた。
すると彼女からとんでも無い要求が飛び出て来た。
「先ず私の拘束を解除して自由にして頂戴。
そしたら私がT-Genesisの特性を利用して此方に向かって来るB.O.W.を操り自滅させ合わせるわ。
そして、
「何だと⁉︎」
何と彼女は拘束を解いたらT-Genesisの支配種特性を利用してB.O.W.を自滅させ合うと言い放ち、更に琴葉紅打倒にすら力を貸すと話しクリス達を驚かせた。
確かに彼女の提案は魅力的だが、幾ら利用されていた者とは言えバイオテロ犯の1人、それの拘束を勝手に解除するなど以ての外である為クリスは反対意見が喉を通ろうとした。
「それに私を解放したメリットは他にもあるわ。
アカネ・コトノハの知らない地下階層の正確なマップを私は知っている。
そして私はクレナイに今までの復讐をする。
如何かしら、此れでもまだ拘束を解かないかしら?」
そんなクリスに畳み掛ける様にヨナは
するとB.Y.がナイフを取り出し拘束具を解いてしまう。
「お、おいB.Y.‼︎」
「バカ隊長何やってんのさ、これ重大規則違反だよ⁉︎」
「規則違反結構。
俺は目の前の危機と彼女の掲示したメリットを天秤に掛けてみて無視した場合のデメリットが大きいと判断したんだ。
それに琴葉紅の打倒には戦力が幾つあっても良いと思った、だから俺はこの勘とヨナ・レティシアを信じたい」
B.Y.はクリスやマキの咎めの言葉を規則違反上等精神で振り払い、更に目の前の事態に加えヨナの掲示したメリットを捨てる事を良しとしない事や、B.Y.個人がヨナを信じたいと話し、それらを全て加味して拘束を自己判断で外したのである。
これに対しクリス達の反応は……。
「…後で始末書を書いて貰うからな」
「日本の言葉で呉越同舟と言ったか?
クレナイ・コトノハを斃す為の判断なら俺は悪く無いと思う……B.O.W.との共闘はこれが初めてじゃ無いからな」
「利用出来る者を利用し、状況の打破を図るその柔軟性は評価出来る。
ならば後はヨナ・レティシアが此方の思惑通りに動く事を期待するだけだ……無論少しでも背信行為を行えば始末するがな」
クリスはB.Y.にこの後大量の始末書を書かせると言って黙認し、レオンもB.O.W.と共闘するのは東スラブ共和国で経験している為まだ理解があり、『アルファ』はB.Y.の柔軟性の評価とヨナが少しでも背信行為を行えば始末すると言う任務に冷徹な部分を見せつつB.Y.に理解を示していた。
「はぁ、バカ隊長後で始末書で泣き付いても知らないから……で、これで私達に協力してくれんのヨナさん?」
「ええ、勿論よ。
貴女達の信頼に十全に応えるわ……それからデルタチームの隊長さん、信じてくれてありがとう」
「こんな事態さ、猫の手も借りたくなる……それにそちらの目は嘘を吐いていなかった、だからそれに賭けただけだよ」
そうしてマキは呆れつつヨナに力を貸してくれるかを問うと、本人はやる気十分と言った笑みを見せマキや葵達の信頼に応えたいと言い、次にB.Y.に礼を述べていた。
対してB.Y.は自分の勘と状況からヨナの手を借りる事に賭けたと言い銃の準備をしつつ、ヨナにも予備のBSAA制式採用アサルトライフルや自身がカスタムガバメントが来る前に使っていたグロック18C等を渡し、信頼に応える様にと言う雰囲気を出しながらヨナを見ていた。
「よっし、ならサッサと
あのクソ野郎の鼻っ柱を折ったるで‼︎」
「ああ、無論だ……ああそれとクリス、出発する前にシルバ大佐に伝えて欲しい事がある」
「何だレオン?」
茜は早速準備を整え、右の拳を左手に当てる喧嘩スタイルを見せて紅の打倒を此処に宣告し、ゆかり、あかり、マキ、そして葵も同じ考えを持ちこのバイオテロに終止符を打つ戦いに向かおうと気合を入れていた。
それにレオンが乗り、センチネルナインのスライドを引き彼も大詰めと言う雰囲気を醸し出していた……そんな中でクリスにシルバ大佐への頼み事をレオンはしていた。
その内容とは。
「アオイとアカネ、2人の組み合わせで
それはウィルス完全適応者の形質が表れなかった、しかし双子の姉がウィルス完全適応者にしてミカエルの称号を(一方的に)付けられていた葵と茜、2人の血の組み合わせで
これを聞いた葵や茜、更にヨナは驚くが確かにもうこの組み合わせでしか事実上
「けど私は……ううん、もうこの組み合わせしか無いから仕方無いですよね」
「すまないアオイ」
「大丈夫ですよ、私は私ですから…!」
葵も流石にこの組み合わせしか無いと考えが及び、レオンに非は無い上に自身の血が有用ならそれで良いと割り切った。
対するレオンは葵に謝るが、当人は自分は自分と気丈に振る舞い心配させる様な素振りは見せずにいた。
「よし、なら俺達とジェイク、シェリー、そしてエイダとセイカが先行部隊として
流石にヨナの操れる範囲にも限度がある筈だからな」
「正解、半径500メートル。
これが私の支配範囲よ。
因みに
早速クリスは自分達やジェイク、シェリー、エイダにセイカを先行部隊として
「ならばオメガ2、オメガ3も連れて行こう。
あの2人は我々に比肩する実力者だ」
「せやな大隊長……んじゃ、最終決戦と洒落込ませて貰うわ、覚悟せぇよクソ野郎」
更に『アルファ』はビリー、カルロスも同伴させると言い茜も同意し、そして改造AKのマガジン装弾数を確認してから外に出てビリー達に声を掛け始めた。
「……これが、最後の戦い……」
「葵、不安?」
「そうなら私達が背中を守りますよ」
「だって私達、友達ですからね!」
対する葵は最終決戦、最後の戦いと言う言葉に不安や覚悟等の様々な感情が渦巻き、今までの3日間の戦いを振り返り思いを馳せていた。
そんな中でマキ達が友として守ると言い並び立ち、葵はそれを見てこのメンバーなら不安はないと思いを改めて前を見つめた。
「友達……良いわね、私には居なかったから…」
ヨナは葵達を見て改めて友とは良き者だったのだと思い知り、自身にはその友が居ない事に一抹の寂しさを感じ羨ましがる様に葵達を見ていた。
「……この事件が終わったら」
「?」
「こんな事件が終わったら、貴女が罪を全て背負って生きるなら、私は全てを水に流す…とは言えないですが、それでも貴女の友達になってあげますよ、ヨナさん」
すると葵はヨナの言葉を聞き振り返ると、彼女の全てを許す事は出来ないがそれでも友になると宣言し、それを聞いてたマキ達も振り返り同じ思いを抱いた表情を見せ、更に丁度ビリー達に話し掛け終えた茜も混ざり事件が終わり罪を背負うならと言う条件下で友達になると5人はその態度から物語っていた。
「……全く、本当に甘い人達よ、貴女達は…」
それ等を見て聞いたヨナは微妙に表情に笑みを浮かべ、改めて自分のした罪の重さとこの目の前に居る素晴らしき友人達への感謝の感情が混じった涙を流し、そして自身に伸ばして来た葵達の手を取り外に出て行った。
「……ふっ、ああ言う光景は良い物だな。
ヨナ・レティシアも罪から逃げずに背負う道を選んだ、なら俺達が出来る事は……」
「ああ、マキや葵達の道を阻む琴葉紅とか言うクソ野郎を地獄に叩き落としてこの事件を終わらせる事だな……さて、皆に置いて行かれる前に行こうかレオン」
最後に残ったレオン、B.Y.は先程の光景が眩しく見え良き物に映った事を共通で思い、更に琴葉紅と言う全ての元凶を叩く為に武器を構えた2人もまたテントから出てクリス達が待つ広場に走って行った。
そうして此処に最終決戦の幕が開かれた。
それによりこの物語は終幕へと向かい始めたのだった。
それがどの様な形かは、元凶の紅や対峙するレオン、クリス、ジェイク、そして葵達にもまだ分からない……が、確かに言える事は如何なる結末になろうとも全てに決着がつく、それだけは絶対の真理であった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
此処に来て更なるウィルス完全適応者、ヨナが味方になりました。
目的は紅に復讐と更なる呉越同舟となりましたが、この先行部隊が最終戦力になり全ての決着をつけに行きます。
そしてこれが如何なるかは……また先に。
次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘をお願い致します。