注意点として舞台はダルウェイでは無く、別の場所。
更にクリスやイーサンでは無く同じ時間軸にレオンが関わるストーリーになります。
そして敵はモールデッドに加えてオリジナルの敵、更にE型被験体もエヴリンでは無い別の存在になります。
以上が大丈夫でしたら閲覧して下さいませ。
EP I『新たなるハジマリ』
某日、ロシアの某所の城の一室にて肥満体型の男が椅子に座らせた色素の薄い金髪の太腿まで伸びたロングヘアと赤目が美しい黒服の10代の少女を見ながら欲に満ちた笑みを浮かべていた。
「………」
「ふふふふ、コイツの『力』さえあれば我が一族は再び栄華を取り戻し、そしてロシアの覇権すら狙えるぞ‼︎
その為に存分に、たっぷりと、お前の力を奮って貰うぞぉ…ふぁーはは、はぁーはっはっはっはっはっは!!!!」
「(…『イヴ』…)」
男は少女の持つ力を利用し、身に余る馬鹿げた計画を実行しようと高らかに笑い声を上げながら部屋を出て行き廊下にまで下品な声を響かせていた。
そして同席した同じく金髪、しかし少女よりも色素の濃く更に長い金髪の白衣の女性は『イヴ』と心の中で名を呼んだ少女に悲痛な表情を浮かべながら抱き寄せ、少女がこれから利用されようとしている計画に胸を痛めていた。
そして、それらを見ていたイヴの考えは…。
「(…やっぱり、私は…『悪い子』、なんだ…)」
自身を『悪い子』と認識し、目の前に居る『母親』を悲しませるだけの存在なのだと感じ取り、早く『自分を終わらせてくれる良い人達』が来る事を願い、月明かりが綺麗な夜空を見上げるのであった。
琴葉葵は今日もまた戦っていた。
あの日本での大規模バイオテロから約3年が経過した2017年7月20日PM15:26、インドの某所にてこの日もオメガ小隊はBSAA極東支部デルタチームと任務を共にし、多種多様のB.O.W.殲滅に勤しんでいた。
「せい‼︎
オメガ1からオメガ17へ、此方オメガ16!
バイオテロに使われたB.O.W.を此方側は処断しました、其方は如何ですか?」
『此方オメガ1、全体報告とBSAAデルタチームの連絡からB.O.W.の殲滅は完了したで。
お疲れ様や皆、後は帰ってパーっとパーティやで!』
『ひゅー、またズンコのずんだ餅が来るのか!
アレ何度食べても飽きないんだよなぁ』
そうして3年を経て大人の女性まで後1歩まで成長したコールネームオメガ16、琴葉葵は姉のオメガ1、茜や同期でかつては敵で、今ではすっかり親友のオメガ17、ヨナに状況確認すると任務が完了となり後は帰ってパーティの話になった。
其処にオメガ3、カルロスが通信に割り込みずん子のずんだ餅を食べられる事に喜んでおり早く帰ろうとしていた。
『ふふ、此れでまたB.Y.とSNSが出来るわ。
あ〜早く帰りたい気分だわ!』
『あ〜、マキさん頑張れやなマジで』
更にヨナが毎日恒例のB.Y.とのSNSでのやり取りをしたくカルロスの様に早い帰還を願い、それを聞いた茜はマキに頑張れとしか言えなかった。
如何やらヨナはあの事件以来自身の無実に奔走したB.Y.に夢中になっており、葵もマキの親友として彼女を応援するしか出来ない苦笑の毎日を送っていた。
「ご飯食べたら直ぐ別任務?」
だが、某国に帰還した後のPM18:51、葵、茜、ヨナに待っていたのは大隊長『アルファ』による別任務通達であり、ヨナはずんだ餅は兎も角SNSのやり取りが出来なくなった事に内心項垂れつつ表面には見せず、3人は平静を保ちながら任務を受諾し始める。
「うむ、実はアメリカのルイジアナ州ダルウェイと言う田舎町の『ベイカー邸』に3年前、BSAAが仕損じた新型B.O.W.…『E型被験体』第1号のコードネーム『エヴリン』が潜んでいる事が分かり、我等と理念を同じくする『PMCアンブレラ』とBSAAからクリスが軍事顧問として此れを追い抹殺、及び犯罪組織『コネクション』の重要参考人逮捕の任務を遂行中らしい」
葵達はマキの父がありもしない罪から贖罪を果たす為に所属しているPMCアンブレラと、アンブレラの名を嫌うあのクリスが遺恨を余り出さずに新型B.O.W.を追っている事に何か危機感を覚え、3人は互いを見合いながら任務の詳細を聞こうとした。
「では大隊長、私達もレッドフィールド達と共にそのエヴリン抹殺と重要参考人逮捕に向かうのですか?」
「いや、それは違うぞオメガ17。
確かにクリス達の案件も重要だが彼方は彼方に任せれば良い、問題はDSOのレオンが提供して来たE型被験体とそれが有する新種の菌類、『E型特異菌』に関する別案件があり其方を我々が対応する事になったのだ」
「えっ、レオンさんが特異菌関連のを?」
葵達はクリスと共にエヴリン抹殺とコネクションの重要参考人逮捕任務を帯びるかと思いきや、『アルファ』はレオンが持って来たと言うクリス達が追うE型特異菌の関連情報と案件を当たる事になったらしく、詳しくそれを聞き始めた。
「実はレオンもまたマークしていたコネクションの一員を逮捕した所、4ヶ月前にロシアの没落貴族『ダールトン一族』がコネクションよりE型被験体第2号とその母親係を購入し、その力で栄華を取り戻そうと言う愚かしい考えを持ち、更には自身の居城をコネクションの研究所化させ今その被験体や特異菌の力を世に放とうとする計画が水面下で進められているらしい」
葵達はレオンも近頃A.B.F.も逮捕案件が頻発している犯罪組織コネクションの一員を追っていた事を理解し、更にヨナはダールトン一族と言う言葉に反応し、記憶を辿りダールトン一族の情報を抜き出す。
「ダールトン一族……私の6代前のレティシア家との派閥争いに負けて没落した、あの毒親曰く何度負けても食い下がるしつこい敗北者達ね。
では我々は此方の阻止、ですね?」
「うむ」
如何やらヨナの6代前に派閥争いに負けて没落した貴族ダールトン一族がその資産でコネクションからE型被験体第2号を既に購入していた事が判明し、更に城を研究所にした上で馬鹿げた計画も進行中らしくA.B.F.は此方の対処に当たる事となっていた。
「では現時刻よりこの3人で準備を整えた後、現地到着時間の2:30より降下ポイントから徒歩でダールトン城へ突入!
少数精鋭部隊によるE型被験体第2号の無力化無いし抹殺と重要参考人の母親係の逮捕!
更にダールトン一族の計画阻止、特異菌感染者の掃討作戦を実行する‼︎」
『了解‼︎』
葵達は計4つの主要任務からなる作戦を聞き受理の為の敬礼と了解を口にし、此れから始まる未知のB.O.W.が関わる事件に向かう事になるとして、特に3年前までは民間人だった葵は自然と肩に力が入り始めていた。
「なお現地にはBSAA極東支部よりB.Y.とマキ・ツルマキ、更にDSOからエージェントケネディが派遣され、更にPMCアンブレラより特異菌感染防止装備と特異菌用特殊装備が提供される。
それらを有効活用し、更に今回は潜入と新型が相手と言う事でお前達の全リミッター解放を常に俺の許可がある状態にあり且つ任意に解除して良い物とする、以上‼︎」
そして『アルファ』は全リミッター解放の任意許可を常に出すと言う異例の事態を3人に伝え、この作戦が如何に重要かを思い知らせる。
こうして葵達に任務であるE型被験体第2号の無力化、又は抹殺と母親係の逮捕、ダールトン一族の計画阻止、特異菌感染者掃討の4つの作戦を発令された。
「スコット・ケネディのみならずマキやB.Y.も来るのね…日本ではこう言う時に腕が鳴るわって言うのかしらね?
ふふっ」
更に現地でB.Y.とマキ、更にレオンが合流してPMCアンブレラから特異菌用装備2種が提供されると伝えられた3人は、夜明け前のダールトン一族の拠点、ダールトン城に少数精鋭で突入する事になった。
早速気合が入ったヨナを含めた葵達はご飯やずんだ餅を食べた後準備を進めるのだった。
そして現地時間の7月21日AM:2:30。
夜明け前の森に、左肩にA.B.F.のロゴがある黒迷彩服を着た葵、茜、ヨナは降下し、そのままダールトン城が見える丘まで走り暗視機能、サーモ機能付きズームバイザーで目標地点を見ていた。
しかし目標地に『人間の体温を持った者』が徘徊しておらず、逆に暗視で見ると特異菌感染者の末路、『モールデッド』が見回りで徘徊している事が判明した。
「うーん、サーモ機能で見る限り特異菌感染者の死体…菌に耐性やら適応したけど転化した末路、モールデッドしか見回りに徘徊していないね」
「そうね。
そして夜明け前だから警備が薄くなるのはダールトン一族が特異菌感染者で意識を保つ人間性がある為…但しE型被験体第2号、コードネーム『イヴ』が精神支配下に置いてあり、当主の『ルーツ・ダールトン』はコネクションより治療を受け、正気の可能性大」
「んで、目標は勿論地下に大事に守っとるか…ふん、下らん野望御苦労様やで」
更に月明かりがまだ照らす中で3人は簡易資料でモールデッドや、ある程度転化に融通が効き人間の姿を未だ保つ者達がダールトン一族であり、更に当主以外はE型被験体第2号のイヴにより精神支配を受けてる可能性や、イヴの力をコネクションと協力し世界に売り繁栄を取り戻す計画を当主ルーツ・ダールトンが企てている事を簡易資料で確認しつつ協力者達と到着を待っていた。
「んで、私達に渡されたのは葵達の分も含めた特異菌感染防止、通信や暗視機能にバイタル、ミッション表示する次世代マスクとそれに装着高性能除去フィルターに念の為酸素機、更に尋問で入手したE型被験体2号の詳細資料、ルイジアナで確認されたモールデッドの新型や特異菌感染者の再生阻害をするラムロット再生阻害弾とそれを撃つハンドガンのアルバート01が用意された訳。
但しラムロットは弾数に限りがある為注意」
其処に葵、茜、ヨナが良く知る女性の声が響き全員で後ろを振り返った。
其処に居たのはBSAAロゴのある黒迷彩服を着こなした弦巻マキであった。
「あ、この声…マキさん!
B.Y.さんにレオンさん、皆揃いましたね!」
「ああ、久し振りだなアオイ達。
綺麗になったな」
そして其処にまた黒迷彩服のB.Y.、そして更に渋くなり男に磨きが掛かったレオンが葵達用の装備をアタッシュケースで持って来ており4人の女子達はハイタッチをしていた。
更にB.Y.は懐からチョコレートを取り出して葵達A.B.F.3人組に手渡した。
「遅くなったがバレンタインのお返しだ、装備と一緒に受け取ってくれ」
「ええ、分かったわB,Y.。
はむ…此れ市販のじゃ無い、手作りね。
さて再生阻害弾は……えっ、5発ずつ?」
「そうなんだよね〜、お父さんのPMCアンブレラが寄越せたラムロット弾は物資の関係でコレだけなんだ。
ショットガンのアルバート02もレオンさんとバカ隊長の分しかないし。
だけど、特異菌感染防止マスクに付いたフィルターは新型だから汚染区域でも楽に進められるよ!」
マキは協力者達PMCアンブレラはアルバート01、サムライエッジとコードネームが付いたそれと感染防止新型フィルター付きマスクに更にラムロット弾を寄越してはいたが物資関係でアルバート02二丁含めこれだけしか用意出来なかった事がマキの口から語られた。
そして全員談笑を終えると各自武器装備を確認し、更に茜はオメガ小隊隊長としてE型被験体第2号の更なる詳細資料を読んでいた。
「E型被験体第2号『イヴ』、E型被験体の共通特徴として見た目は10代前半の姿をしている。
1号のエヴリンとの違いはイヴはやや特異菌ネットワーク形成に難があり精神干渉が弱く特異菌感染者を操る力はエヴリンに劣る」
茜は他2人に周知する為に音読を開始し、E型被験体第2号イヴの詳細を葵達はその声から頭に入れていく。
「しかし彼女は護身用として肉体の一部をカビで擬態変異させ、剣や盾と言った原始的武器を手から生やして潜入失敗時に此れで敵を抹殺出来る様にしている…しかし矢張りエヴリンと比べ当初の運用力が劣る為E型被験体としては商品価値がやや低め…か」
「成る程ね、他にも胚に特異菌を植え付けて生まれて来させられたとか色々書いてるね…まるで私達みたいだね、お姉ちゃん」
茜の音読を聴いた葵は詳細情報は現地の合流者から聞く様にとコードネームしか聞けなかったイヴの詳細な資料を手渡されながらヨナと共に見て、ルイジアナで暴れたエヴリンとの差異についてを知る。
「成る程、これが第1号のエヴリンとの差異ね」
そして特異菌感染力は変わらないが精神干渉がやや弱いとされ、更に現地での潜入失敗時の自衛手段を持ち合わせた見た目に騙されない方が良いB.O.W.であるとヨナや茜は感じていた。
「(…このイヴって子、やっぱり私達みたいだ)」
そんな中写真付きの詳細資料を見た葵は、エヴリンやイヴはT-Genesisとそれから練られた計画で誕生した自身達と似た生まれ方をした子だと知り少し同情が生まれていた。
「同情しない方が良いぞ葵。
犯罪組織で育てられてんだ、マトモな教育や倫理観なんか教えられてない筈だ。
エヴリンの方は予想通りルイジアナで大暴れしたんだ、此方も同様の危険性があると考えるべきだ。
なら同様の被害が出かねないと考え、始末するべきだ」
B.Y.は葵の表情からイヴに同情してると見てとり、先のルイジアナで大暴れした報告があったエヴリンの例を出し犯罪組織に育てられた故に常識や倫理が通じないと考え、無力化では無く処断する方に舵を切ってる事をハッキリと告げる。
「……うん、分かり、ました。
じゃあきりたん、全員の通信同期は完了出来た?」
『はい、出来ましたよ。
次いでにダールトン城のセキュリティを調べましたが、刑務所とかが可愛く見える厳重な物でした。
多分被験体2号イブの逃走を許さない為の物でしょうが…城の近くまで来たら無力化と誤魔化しをしますので皆さんよろしくです〜』
そのB.Y.の非情とも取れる、しかしB.O.W.である以上仕方無い事だと思いつつも、葵は未だ見ぬイヴに同情を未だしつつ通信兼ハッキング班リーダーとなったきりたんと全員の通信機能搭載マスクと同期出来たか確認を行う。
「んじゃきりたんよろしゅうな」
『はい、じゃあサクサク進みましょう』
全員のマスクから音声のみの通信で無気力な声が響くが、彼女の腕を知る全員はその無気力さに何も言わずに頼りにしていた。
何故ならヨナが作り出したファイアウォールを突破し衛星を自爆させ、更にこの3年で更に腕を上げたのだ。
最早この地上でハッキング対決で勝てる人間は限られているだろう。
「さて、談笑は終わりだ。
早速没落貴族を完全に終わらせる任務に行くぞ…」
「了解だよ、レオンさん!」
そうしてレオン達はA.B.F.制作手持ちワイヤーロープ射出機を茜達から自身等の分も受け取りながら使い丘から降下し、地上に無事着地すると森を進みながらダールトン城に向かって一直線に走り出した。
その中で葵はエヴリンに劣るとされたイヴに過去に忌まわしき父紅が茜と比べ自身を失敗作呼ばわりして来た事を重ね、もしも話し合いが通じるなら何とか出来ないかと思案しながら茜達の後に続くのだった。
そして城の正門前まで辿り着いた葵達だがそんな素直に正門を開けて侵入する訳が無く、城壁にワイヤーロープを仕掛け、其処から侵入する作戦になっていた。
「それでキリタン、セキュリティは如何なっている?」
『皆さんが到着した時点で城壁や庭園に設置されたセンサーや監視カメラを含むダールトン城全てのセキュリティを掌握しました。
更に目標のE型被験体第2号と母親係の居場所が分かりました。
地下牢にて幽閉されてる様です。
では皆さん、侵入開始を』
「了解やできりたん。
ほな行くで‼︎」
通信からセキュリティ全てを短時間で掌握したきりたんの指示により第1フェーズのダールトン城侵入が開始される。
レオン、葵達は茜の合図でワイヤーロープ射出機でワイヤーロープを城壁最上部に設置、其処から発射装置に引かれて城壁の上に立ち、更にワイヤーロープを使い庭園に降り立った。
「よし、次は中に侵入だな」
『では1階西側の適当な窓に穴を開けて侵入して下さい。
西側の方に地下への出入り口があります』
次にきりたんは西側の1階窓から中に侵入する様に指示し、今度はレオンが何処で用意したかガラスカッターを使い円形に窓ガラスをくり抜き、其処から手を入れて鍵を開け、窓から書斎らしき部屋に侵入した。
すると中に入った後に侵入に気付かれない様にヨナがくり抜いた窓ガラスを元の位置に戻し、低温でくっ付けて一見したら何も異変が無い窓に早変わりした。
『中に侵入しましたね。
では先ず息を潜めて下さい、直ぐ近くにモールデッドが居ます。
此れを倒すと特異菌ネットワークでその個体の信号が途絶するので絶対に見つからないで下さい』
「了解、じゃあ私が透視を使うから待ってて」
するときりたんは直ぐ近くにモールデッドが徘徊し、見つかるのは勿論倒すのもNGだと告げられ葵が透視を使い人間がカビの集合体と化したモールデッドの徘徊場所を把握し、どのタイミングで出るか葵に委ねられた。
「…よし、今!」
そして葵の合図を下に書斎から音を立てずに6人は飛び出し、且つ部屋のドアを閉め全員忍び歩きで中世の内装が色濃く残る城の廊下を迅速に行動した。
『では皆さん、そのだだっ広い西側の1階の現在地から500メートル先の階段まで見つからずに突っ走って下さい。
其処に地下に続く階段が電子ロック式で隠されています。
皆さんの到着直前に開けますからすぐ中に飛び込んで下さい』
葵達はきりたんの先導を受け西側500メートル先の階段まで一直線に忍び歩きで行くと、丁度モールデッドが葵達を視界から外すタイミングで抜けて行き、残り20メートルになった瞬間きりたんは地下階段の電子ロックを解除し、其処から階段上のモールデッドがそっぽを向いている内に全員階段内に侵入。
そしてそのまま地下階段の入り口は閉じ、葵やレオン達は息を整えてから地下へと進み始めた。
『皆さん、地下にはモールデッドは配置されてない上に誰も徘徊していないみたいなのでそのまま地下牢へと向かって下さい。
階段を降りたら左の方が地下牢で、右は酒造部屋みたいですね』
「ナビゲーションありがとうキリタン。
さて、左に行くわよ」
きりたんは正確なナビゲーションで全員を誘導しているのをヨナはありがとうと口にし、階段を降りて左の扉を開けた。
すると其処には松明に照らされた左右に牢屋が並び、視界の端には曲がり角とその先にも牢屋がある地下牢……なのだが。
「…何やこれ?」
其処には夥しい数の監視カメラがあり、中世と近代がごちゃ混ぜになった歪な空間になっており葵やレオン、B.Y.達はツッコミを放棄して近くに掛けられていた地下牢の鍵を手に取り先を進んだ。
『その先の角を曲がって右側の牢屋の真ん中に目標B.O.W.と重要参考人が居ます。
それから葵さん達も含めて全員特異菌感染には気を付けて下さい、藍さん曰く幾らT-Genesisに完全適応した身でもこの未知の菌類に感染、重症化しないとは限らないと言う事なのでマキさん達唯の人組は更に気を付けて下さい』
「了解」
きりたんのナビゲーション通りに奥に進んで行く中で、きりたんは葵達の母で医療班主任の藍からの言伝を注意喚起の映像を交え伝え、全員でイヴの出すE型特異菌に感染しかねない為細心の注意を払う事となった。
「(…うん、身体中カビだらけは嫌だよね)」
その中で葵は頭の中でカビ塗れになった自身を想像し、流石に嫌だと感じつつ歩を進めた。
そして全員で曲がり角を曲がり、更に広く監視カメラの数が増えたエリアに入り……そして、目標の牢屋に辿り着いた。
「見つけた、E型被験体第2号イヴと母親係の重要参考人、『ルナ・アーク』女史だ」
B.Y.の一言で全員が広めの牢屋を見ると其処には椅子に座った少女と女性、資料の写真から間違い無くB.O.W.E型被験体第2号イヴと、母親係でコネクション所属のルナ・アークその人でありB.Y.が牢を開け中に6人が侵入した。
「あ、貴方達は…?」
「BSAA極東支部デルタチームとA.B.F.オメガ小隊、そしてアメリカ大統領閣下直属のエージェントの6名だ。
コネクションの重要参考人ルナ・アーク、貴様を逮捕しに来た。
そしてE型被験体第2号イヴ、B.O.W.として処断する!」
ルナは中に入って来たB.Y.達に何者かを問うとその返答に顔を真っ青にしていた。
何故ならBSAAにA.B.F.、更にアメリカのエージェントがイヴを始末し、自身を逮捕しに来たと答えたからだ。
そしてこの返答の中で彼女が1番血の気が引いたのは『イヴの始末』であった。
「ラムロット再生阻害弾を装填完了。
…見た目が10代前半の少女だろうがB.O.W.はB.O.W.だ。
もしも呪うなら己がB.O.W.として生まれた事をーーー」
「ま、待って下さい‼︎
私は逮捕でも何でもされます‼︎
だからこの娘は、イヴは殺さないで下さい‼︎
お願いします‼︎」
B.Y.が特異菌の再生阻害弾を装填したアルバート01をイヴに向け、辞世の句すら許さぬ剣幕で引き鉄を引こうとした瞬間、ルナがイヴを庇い立てしB.Y.の射線から退こうとしなかった。
「ルナ・アーク、アンタは重要参考人だから必ず逮捕する様に上から指令が下っとるんや。
せやけどイヴは別や、無力化か処断の何方かって命令が降りとるけど、その力を資料で見とったら絶対生かして置けへんやで!」
すると茜もB.Y.に便乗してイヴを生かして置けないと話してルナを拘束し無理矢理射線から外させようとする。
しかしルナはその拘束に抵抗しイヴの前から退こうとしなかった。
「嫌、お願いですからイヴを、イヴを殺さないで下さい‼︎
コネクションの拠点を知る限り話しますからどうか、どうか‼︎」
「あーもう大人しくしててよ!
此れじゃあどっちが悪者か分かんなくなるじゃん‼︎」
そのルナの抵抗にマキも取り押さえに参加し、茜と2人で退かそうとするも、ルナは必死に抵抗し2人掛かりでも抵抗し切ろうとしたためヨナも拘束に参加しようと動き出そうとした。
「……貴方達、『良い人』、なの?」
「何?」
すると今まで黙っていたイヴが突如話し始め、その場の空気が凍り全員の視線がルナの後ろに居るイヴに向けられた。
「……貴方達、良い人達、なの?
『悪い子』の私を、殺しに、来て…くれたの…?」
そのか細くか弱そうな少女の口から綺麗な声が出て、たった今自身に銃を向けようとして来た6人全員に良い人か如何かを聞いて来ており、B.Y.はレオン達を見てその質問に応えるかジェスチャーをすると、取り敢えず応えろとなった。
「ああ、俺達はお前みたいな悪い子を退治しに来た者達だよ。
正義の味方か如何かはお前が勝手に想像しろ」
「……そう。
なら、私を…殺して」
「何…?」
B.Y.がイヴの質問に応えてどんな反応を示すかを見て、其処から問答無用で撃とうとした所突如イヴ立ったと思えばルナの前に躍り出て、B.Y.に自身を殺す様に頼み込み銃口の目の前に立って来る。
此れにはレオン達も意外な反応を示した為驚き、一瞬状況整理の為に頭を空にしようとした。
「イヴ、駄目‼︎
お願いだからお母さんの前に出ないで‼︎」
「…私、悪い子だから……お母さんに迷惑を、掛けたり悪い人を、喜ばせるの。
だから、私を……此処で、殺して。
その代わり…お母さんを、此処から逃がして、あげて」
そんな中でルナはイヴを静止させようと叫ぶが、イヴは自身の口で自身が如何なる立場に居るかを理解していると辿々しい口調で話し、銃を向けるB.Y.に自身を撃ち、ルナをこの場から逃す様に頼み込み込んで来ていた。
此れにはB.Y.もB.O.W.の方から殺されに来る事は想定外だった為判断が一瞬遅れた。
だが、その一瞬が命取りになった。
『やあ、初めまして侵入者諸君。
早速で悪いが其処から我々の実験場に落ちてくれたまえ』
突如牢屋内に男の声が響き、全員が周りを見ると牢屋の足場がいきなり真っ二つに割れ、落とし穴と化してルナやイヴを含めた全員が落ちてしまう。
「うおっ⁉︎」
「くそ…また落とし穴か‼︎」
「うわぁぁ⁉︎」
「きゃあぁぁぁぁぁ‼︎」
全員が古典的な罠に引っ掛かりそのまま重力に従い落ちて行き、その誰も居なくなった牢屋の中には先程の男の笑い声が響いていた。
『ふはははははは、ふぁーはっはっはっはっはっは‼︎』
B.O.W.の抹殺の為に来た葵達はいきなり罠に引っ掛かり、更に処断対象は自分達に自身を殺す様に要求し事態はいきなり混沌とし始めてしまう。
果たしてE型被験体第2号であるイヴの真意とは?
また葵達はこの任務を無事に成功させられるのか?
ーーーーこの物語は、とある組織に所属する『母』と生物兵器の『娘』が織りなすモノを葵達が目にする物語である。
BIOHAZARD【V+α】
Episode of resident evil Side story【Mother's affection】
此処までの閲覧ありがとうございました。
物語の主題は最後にある物を描きたいと思いました。
なお今回出て来たE型被験体第2号イヴは今作オリジナルの存在であり、本編での説明通りエヴリン程では無いですがE型被験体を名乗るだけの力を有しています。
そして敵であるダールトン一族の名前はとあるゲームから捩っています。
皆ジャック位にしぶといタイプとなってます。
後ラムロット再生阻害弾に関して。
バイオ7終盤のアルバート01に装填されていたのはあの弾丸であると筆者は想定し、壊死毒+此れでエヴリン撃破が出来たと思ってます。
よって特異菌感染者や被験体にもラムロット再生阻害弾は有効と言う設定を付け加えさせて頂きます。
後イヴの防衛能力は某漫画から来てます。
此処までの閲覧ありがとうございました、よろしければ感想、指摘をお願い致します。