BIOHAZARD【V+α】   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第7話目更新でございます。
今回はB.Y.の活躍になり、彼もマキ同様強くなった事を示せたら良いなと思います。
では、本編へどうぞ。


EP VII『B.Y.ルート:『人間』と『責任』

葵達はゆっくりとした足取りでエレベーターに乗り、そしてレオン達の下にカトルとセイカを伴い戻って来る。

 

「カトリ‼︎」

 

「兄様‼︎」

 

双子の兄妹は施設からの幽閉から解放され、地獄の様な時間の中で漸く再会し一安心していた。

しかし、レオン達は一安心が出来ない事が起きていた。

それはセイカ、そして先程エイダが到着し事態は3年前の様な呉越同舟の様相を呈していた。

 

「ふふ、久し振りねレオン。

更に男らしくなって良い雰囲気になったわね」

 

「エイダ……まさかH.C.F.もこの研究所に関わってたとはな」

 

「だっけどついさっき尻尾切りしましたのでもう関係ないですよ〜♪」

 

レオンとエイダは相変わらず大人の複雑な雰囲気を醸し出し、それを見たルナはイヴが見るのはまだ早いと思いの目を塞ぎ、そしてセイカが相変わらず茶々を入れてと言う正に3年前の同窓会の形になっていた。

 

「コホン‼︎

さて、この『正門』を開けるカードキーは残り3枚、更にこの先にもダールトン一族が居るだろうから奴等の抹殺を図りつつカードキーを集める。

カトル、残りのダールトン一族の人数は分かるか?」

 

「あ、はい。

先ず父ルーツ、その双子の弟の『グラン・ダールトン』、更にその下の弟の『バルカン・ダールトン』、更に父の末弟で傭兵だった『アルバ・ダールトン』、そして監視役の三男シャル・ダールトンの5人です。

先程はイヴの力を使わずに母ミラを殺せましたが、シャル以外の4人が化物で、特に父や叔父のグランは何か秘密がある様です…」

 

するとB.Y.が場を取り持つとカトルに残りのダールトン一族を聞くと残りは5名、監視役を除けば4名になった事を知り後は茜、B.Y.、レオンの3人の内誰かが何処に向かうかを決めようとし、少し3人で集まり話し合い、その結果が直ぐに出た。

 

「よし、決まったぞ。

レオンが暗闇『ゲーム』、俺が密室『ゲーム』、茜が『耐久』ゲームをする事になり、俺から行く事になった。

…皆、セイカやエイダが変な事をしない様に見張って欲しい」

 

「あらら、信用無いわね」

 

先ずB.Y.が密室『ゲーム』を攻略する事となり、マキ達にセイカとエイダを監視する様に伝えると休ませたルナとイヴを伴いエレベーター前まで来ていた。

 

「…そう言えばまだ言ってなかったな。

最初に銃を向けた事は済まなかったな、イヴ」

 

「……ううん、私も…あの時は、撃たれる理由が、沢山あったから…気にしないで……」

 

するとB.Y.はエレベーターに乗る前にイヴにアルバート01を抜き撃とうとした事を謝罪し、代わりにイヴは理由は沢山あった為気にしない様にとB.Y.を気遣う様な素振りを見せ、何処まで行っても『人の心』を持つとB.Y.は改めて感じ取り、それらを見たルナは蟠りが無くなりホッとしていた様子を見せていた。

 

「……よし、エリアに着いたな、ミッションスタートだ」

 

B.Y.はアルバート02を引き抜き、エレベーターを抜けると周りにレーザー感知器が壁と床一面に敷き詰められた狭い部屋に辿り着く。

そして3人がエレベーターから出た直後にエレベーターロックがなされ、それと同時に赤いレーザー光が点灯し、奥の赤い丸ボタンの上の蛍光灯も点灯し、相変わらずな放送が入る。

 

『貴様ら、我が妻ミラをよくも殺してくれたな‼︎

しかもエイダ殿にセイカ殿が何故そちらに居るのだ‼︎

我々コネクションをH.C.F.は裏切るのか‼︎』

 

『ふふ、H.C.F.が手を切るのはそっちじゃなくて貴方達ダールトン一族よ。

何せ足が付いて此処に集まったのはCLOWN事件を解決に導いた英雄に、この施設は無駄な出費が多過ぎるわ。

だからH.C.F.は貴方達のE型菌サンプルとデータを回収してさよならさせて貰うわ』

 

するとB.Y.達をそっちのけでルーツはエイダと口論になるが、エイダは主に2つの理由を挙げてダールトン一族と手を切る事を宣言してしまう。

すると直ぐに放送機の向こうから銃声が響き、何かが向こうで起きたとB.Y.達は察した。

 

『いやぁすまねえな、H.C.F.が手を切る事を聞いた途端にコネクションの連中が逃げようとしたから殺しちまったわ。

研究所の連中も毒ガスでポックリだぜ。

あ、俺シャル・ダールトンな』

 

すると放送機からシャル・ダールトンが何が起きたのかを説明し、B.Y.達は内ゲバでコネクション構成員が皆殺しに遭ったと悟り、例え犯罪者とはいえ人の命をあっさり奪う残ったダールトン一族は最早B.O.W.であると良く理解し、B.Y.達は静かに怒りを燃やし始めていた。

 

『…ふう、さて…ルール説明と行こうか。

先ずルールは簡単、モールデッドは出ないからその感知レーザーを避けて赤い丸ボタンを押せ。

それだけだ……但し、今回はルナ女史も1回は参加させて貰うがな‼︎』

 

「…何、素人にコレをやらせんのかお前達は‼︎」

 

そしてルール説明を聞くとモールデッドは出ないと聞きB.Y.はルールが簡単だと思うが、ルナまで参加させると話され、レーザー光の密集度から自分やレオン達訓練を受けた者しか抜けられないと判断し、ルナ参加にB.Y.は反発していた。

 

『ふははははははは卑怯か?

狡猾か?

なんとでも言え、我々がルールなのだからなぁ、あははははははははははははは‼︎』

 

それに対してルーツはゲームマスター気取りとして笑い上げ、それを聞いたB.Y.は怒りの余り放送機に向かってアルバート02を八つ当たりで撃とうとしてしまう。

 

「待って下さいB.Y.さん、私も頑張りますから大丈夫ですよ‼︎」

 

「ルナ…しかしコレは君では突破不可能だ。

無茶じゃなくて無理なんだ、絶対何処かのレーザーに触れてしまう。

そうなれば俺達は死に、奴等の思う壺だ」

 

するとルナはB.Y.に頑張ると言って参加する気でいたが、レーザーの密集度からルナでは突破不可能だと素人に見せても分かるレベルでダメであった。

それ等の会話を聞きルーツは嘲笑い、そして放送を続けた。

 

『ふはははははははは、ルナ女史も参加する気満々なのだからやらせれば良かろう‼︎

だがレーザーに1つでも触れたらその時点でゲームオーバーだがなぁ‼︎

では心逝くまでーーー』

 

『待てぇいルーツよ、そのルールに変更を物申す‼︎』

 

そしてルーツが嘲笑ったまま放送を切りゲームがスタートしようとした…その瞬間、その放送に別の放送が割り込みシャルとはまた別の男の声が響いた。

 

『アルバ、物申すとは一体何だ‼︎』

 

『そのレーザー探知は従来通りチャレンジャー、今回はBSAAデルタチームの男のみにやらせろ‼︎

その男、B.Y.には因縁がある‼︎

それに余計な物を挟むな‼︎』

 

するとその割り込みを入れた男は如何やらアルバ・ダールトンであり、B.Y.に因縁があるとして従来通りにやらせる様に交渉を始め、ルーツは自身の思惑が上手く行かない事に逆上し始める。

 

『何が因縁だ‼︎

ワシはもう妻と息子を失ったんだぞ‼︎

貴様の我儘は今回ばかりはーー』

 

『ええいならば良い、此方の権限で全てのレーザー光をOFFにさせて貰うぞ‼︎』

 

『な、アルバまー』

 

『プツン、ブーン…』

 

ルーツはラオにミラが殺された自業自得をアルバに押し付けゲームのルールの勝手な変更をしようとした瞬間、アルバ側が勝手にレーザー光をOFFにした上に放送器具を全てOFFにし、B.Y.に奥に来いと言わんばかりに赤い丸ボタンの電灯だけが強調されていた。

 

「あの、今のは?」

 

「内ゲバだろう。

さ、奥に楽に進める様になったから行くぞ。

……それにしてもあのアルバ・ダールトンとかいう奴の声、何処かで……」

 

ルナは先程のやり取りが何だったのかとB.Y.に問うが、当の本人は唯の内ゲバとして気にせずボタンを押しドアを開け、更に奥に進み始めた。

しかしその中で、アルバ・ダールトンの声に何処か聞き覚えがあると思いつつ更に進み、そのまま何事も無く決戦場に辿り着いた。

 

「待っていたぞBSAAデルタチーム隊長、再び相見えるこの時を待っていたぞ‼︎」

 

「…お前は、確か…半年前のバイオテロ現場でテロリストに雇われていた傭兵‼︎」

 

すると決戦場の真ん中にその男、アルバ・ダールトンが仁王立ちで待ち構えていた。

それを見たB.Y.は半年前の戦場の記憶が呼び起こされ、其処でテロリストに傭兵として雇われた男を思い出し始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半年前の1月21日、アフリカの都市でバイオテロが発生し、BSAA西部アフリカ支部の要請により極東支部デルタチームが鎮圧作戦に参加し、其処でB.Y.はB.O.W.を始末し敵の中枢部に襲撃を仕掛けていた。

 

「BSAAデルタチームだ、今直ぐ投降しろ‼︎」

 

「ひっ、も、もう来やがった‼︎

先生、何とかしてくれー‼︎」

 

B.Y.は中枢部になった銀行のロビーに突入し、テロリストを発見して投降する様に警告すると、テロリストは先生と呼ぶ傭兵を呼び出し、逃げ出してしまう。

 

「チッ、奴を逃がす訳には行かないが……名の知らない傭兵さんは行かせてくれそうに無いな」

 

「当然だ、此れも依頼、金の為だBSAA。

此処を通りたければワシを倒してからにするのだな」

 

B.Y.は今直ぐにテロリストを追いたかったが、傭兵が依頼だからとアサルトライフルを構えて互いに全く動けない拮抗状態となり、両者はじっと隙を伺っていた。

 

『ドォォォン‼︎』

 

『ズダダダダダダダダダダッ‼︎×2』

 

そうして短い時間静止していた瞬間外で爆発が起き、B.Y.と傭兵は互いに物陰に潜り込みアサルトライフルを乱射し始める。

 

「チィ、埒が明かない‼︎」

 

しかし木のテーブルに隠れたB.Y.は少しずつ弾丸の穴が開くテーブルから離れ始め、傭兵が隠れた柱と別の射線が切れている柱に隠れリロードする。

 

「…よし‼︎」

 

するとB.Y.はアサルトライフルを構えて柱から飛び出し、傭兵も同じ事を思ったのか互いに円を描きながら銃を放ちながら避け、そして先ずB.Y.が傭兵のアサルトライフルを弾き飛ばすと傭兵もB.Y.のアサルトライフルを弾く。

 

「シッ‼︎」

 

「フッ‼︎」

 

そして互いにハンドガンを構えようとしてそれすら弾かれると、互いにCQCに移り己の拳と足で相手を捩じ伏せようとする。

最初は互いに拮抗し中々攻撃が当たらなかったが、B.Y.は此れまで培った経験や血反吐を吐く訓練の成果を発揮する事で状況は一変する。

 

「ぬっ、ぐおっ⁉︎」

 

本来なら年季の違いにより傭兵はB.Y.に勝つ事もあり得ただろう。

しかし此処に居るはCLOWN事件を機にウィルス完全適応者と戦う為に血反吐を吐きながら鍛錬をした人間。

人間相手に戦う唯の傭兵とはその土壌が違う為に鎮圧され始め、最後は拳を顔面にクリーンヒット寸前まで追い込まれる。

 

『此方デルタ2、テロリストを確保‼︎

任務完了を全隊員に伝えるわ‼︎』

 

そしてその拳がマキの声を以って傭兵の鼻先で止まり、勝敗が何方でも決した事をB.Y.は理解し、ハンドガンを拾いながら傭兵に銃を構え彼もついでに確保しようと考えていた。

 

「貴様、名前は何と言う?」

 

「BSAAデルタチーム隊長、デルタ1のB.Y.だ」

 

「そうかB.Y.か…その名前、しかと覚えたぞ‼︎」

 

『キーン‼︎』

 

すると傭兵はB.Y.の名を問いただすと、それを律儀に答えた瞬間閃光手榴弾でB.Y.の目と耳が眩まされ、一瞬の油断から傭兵を逃してしまう。

 

「…チ、武器まで拾って行ったか。

あの傭兵……また何時か出逢いそうだな…」

 

B.Y.は傭兵の引く際の手際の良さに感心し、先の名を知らない傭兵はまた何時か戦場で出逢う予感がし、その際こそは逮捕する事を視野に入れて置くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それが半年前の戦いの記憶であり、現在B.Y.は再び傭兵、アルバ・ダールトンとテロリストとBSAAの対立構図で再び相見えていた。

しかも相手は特異菌感染者と言う形、である。

 

「まさか半年前の傭兵が完全なテロリストで、特異菌感染者になるとはな」

 

「此れも全ては貴様に勝つ為よ。

あの日以来、あの敗北から酒も不味くなった物よ…故に、勝利の美酒を手にする為、貴様と戦わせて貰う‼︎

あの日と同じ格闘戦でだ‼︎」

 

アルバ・ダールトンは如何やらB.Y.に勝つ事に執着し、半年前に負けた格闘戦で今度こそ勝つと叫び構えを取る。

するとB.Y.はマスクを敢えて外し、そして武器を捨て同じく格闘戦…但し今度は葵達から習ったA.B.F.式格闘戦技の構えをし、アルバの要求に応えていた。

 

「あ、あの、B.Y.さん」

 

「奴が此れでケリをつけるって言ってるんだ。

なら俺は、それに対して責任を取らなきゃならないのさ。

半年前奴に勝ってしまった俺が、な」

 

そんなB.Y.にルナは心配するが、B.Y.は半年前のバイオテロ事件での出来事が尾を引いてる為自身でケリをつける気でおり、2人を後ろに下げて戦闘態勢に入る。

ジリジリと距離を詰め、互いの拳が届く距離まで接近する。

 

「フッ‼︎」

 

「シッ‼︎」

 

そしてアルバのパンチを皮切りに戦闘が始まる。

そのパンチをB.Y.が紙一重で躱すとアルバの首や心臓、腹や耳側の頭等をB.Y.は素早く叩き込む。

が、途中でアルバは上がった耐久力に任せて拳を受け止め、代わりにB.Y.の顔面に強烈なパンチを浴びせる。

 

「如何だ、此れが、貴様に敗北してから直ぐに得た、E型特異菌の力だ‼︎」

 

アルバはB.Y.によって味わった敗北に対する怒り、或いは屈辱を全て浴びせる様に連続パンチに加え頭突き、そしてキックを浴びせて彼の体を宙に浮かせる。

そのキックを最後に浴びたB.Y.は頭から落ちるのを避けて左肩から床に落ち、其処で身体が1回転した際に右手を床に付けて受け身を取った。

 

「B.Y.さん‼︎」

 

「大丈夫だ、問題無い…ペッ」

 

今回はガラス張りで互いが寸断されていないルナとイヴは明確にダメージを受けたB.Y.に駆け寄ろうとしたが、それを彼は静止し、血を含んだ唾を吐きながら左肩から落ちた際に外れた肩の関節を無理矢理押し込み。左手を握りしめて関節が入った事を示した。

 

「如何だ、貴様に敗北して以来貴様との戦いのみを想定して費やした感染後も鍛えたワシの力は‼︎

だがまだまだ敗北の味を貴様に思い知らせ切っとらん、簡単に死ぬなよ小僧‼︎」

 

するとアルバは首を鳴らしてB.Y.に更に現在の力の差を思い知らせるべく態勢を立て直した彼に接近し、更にパンチを浴びせようとしたが代わりにカウンターアッパーを受け少しよろけるが、直ぐに片手を掴み合った取っ組み合いになり相手を捩じ伏せようと2人は力を加え始めた。

 

「成る程、俺だけがターゲットか。

なら良かったよ」

 

「良かった?

何がだ‼︎」

 

「俺以外がお前に狙われなかったから良かったんだよ…‼︎」

 

するとB.Y.はアルバが自身のみをターゲットに選んだ事を良かったと呼称し、更に理由も自身のみしかアルバに狙われていなかったと叫ぶと不意に足払いをしてアルバを転ばせようとしたと思いきや彼の首根っこを掴むとそのまま背負い投げをし、アルバを先程のお返しに首から投げ落とす。

 

「ぐ、貴様ぁ‼︎」

 

「それにな、如何にも俺の所為でアンタは人間の道を踏み外したっぽい訳だからな!

負ける訳には行かねえよ、アンタに『人間』を辞めさせちまった責任としてな‼︎」

 

そしてB.Y.はアルバ・ダールトンが『人間を辞めてしまった』責任は自身にあるとして、投げ飛ばしたアルバが態勢を立て直さない内に顔面に膝蹴りを喰らわせ、馬乗りになり何度も顔面パンチを行いダメージを蓄積させる。

 

「ぐ、ぐお‼︎」

 

「人間を辞めるべきじゃなかった、何て俺がアンタに言う資格は無い‼︎

だが今後ダールトン一族が起こすであろうバイオテロにアンタが関わろうって言うなら、俺は今この場で、アンタの命を奪ってでも、それを止めてやる‼︎」

 

B.Y.はアルバが人間を捨てた事に関しては何も言えないが、バイオテロに加担するなら命を奪う事をしてでも止めると言い放ち、半年前に『人間同士』のままで戦い、勝って今がある者の責任を果たそうと顔面パンチの勢いを強め、最後に痛烈な一撃を叩き込む。

 

「ぐ、ぐおあ‼︎」

 

その一撃を受け後頭部を床に叩きつけられたアルバの頭から血が口や後頭部から飛び散りその1撃の重さを思い知らせる。

そしてB.Y.はそれを浴びせた後少し離れ直ぐ様首に向かって踵落としを叩き込み首の骨を折る。

 

「ぐ、何故だ、何故特異菌の力を得て、更に貴様に対する特化した戦闘訓練を行ったワシが何故貴様に劣勢になる⁉︎」

 

「…自分で考えろ‼︎」

 

アルバはこの4分間の格闘戦で初めは自分が有利だった筈なのに何時の間にかB.Y.が有利になってしまっている現状に困惑し、それをB.Y.に問うが返ってきた返答は自身で考えろと言う問い掛けの否定であった。

 

「この、若輩者の小僧が‼︎」

 

「はぁ‼︎」

 

アルバはB.Y.を若輩者と呼び今度は戦いに対する年季の差を見せようとしたが、B.Y.はそれすら上回り明らかに年齢と合わない戦闘能力を発揮していた。

何故そうなるかは明白である。

B.Y.は蘭祥(ランシャン)の地獄をマキ達と生き延び、そしてCLOWN事件も生き延び、其処からデルタチーム隊長として先頭に立つ者の意地としてマキ並に鍛錬を重ねたのだ。

 

「せいやぁ‼︎」

 

「うっ、ぐおあ⁉︎」

 

その結果、鍛錬後に1回だけ極東支部を訪れたクリスとその際に戦闘訓練をし、其処で紙一重の際で負けたが彼に比類する実力を得た事を彼等に見せたのだ。

よってバイオテロを鎮圧する者としてB.Y.はマキと共に真に極東支部が有する最強の戦力となりB.O.W.を葬り去って来たのだ。

それが顕著に表れ、パンチやキックを一方的に浴びせ始めたのだ。

 

「此れで如何だ、アルバ・ダールトン‼︎」

 

「ぐぉぉぉ‼︎」

 

その為特異菌の力を得て更にB.Y.にのみ狙いを絞り訓練を重ねたアルバすらも、今なお同じ鍛錬を重ねるB.Y.と実力に少々、ほんの少しのみだが差があり攻撃を浴びせられている。

そしてバイオテロに関わった年季がそもそもアルバはあのテロリスト護衛が3回目だった為其方の年季の差はB.Y.やマキが大きく上回るのだ。

 

「はっ、ふっ、せぃ‼︎」

 

「ガフッ⁉︎」

 

結果、例え相手がE型特異菌の力を得ていたとしてもB.Y.はそれに負けぬ実力を持ってしまっているのだ。

そして更にその拳を、脚を連続で叩き込みダメージを与えて行く。

その為、途中から床に膝をつけるのはB.Y.では無くアルバとなり格闘戦開始12分経過でE型特異菌感染者の鎮圧に天秤が傾き始めていた。

 

「凄い……此れが、マキさんの隊長さんの力…‼︎」

 

それをアルバは此方を狙う気が全く無いが、それでも念の為イヴを庇っていたルナは此れがBSAA極東支部デルタチーム隊長の実力だと肌で感じ、マキと同等かそれ以上だと思いながらその戦いを途中から黙って見守っていた。

 

「はぁ‼︎」

 

「ぐ、ぐお…‼︎」

 

そうして格闘戦開始から15分、B.Y.は回し蹴りをアルバの首に叩き込み、彼の首の骨を折りながら錐揉み回転させながら床に叩き伏せて更に追撃の心臓部への踵落としを決めて勝敗をほぼ決しさせた。

此れも全ては蘭祥(ランシャン)から始まったバイオテロを憎む彼の血反吐を吐く鍛錬とバイオテロ鎮圧の功績が生み出した結果であった。

 

「ガフッ、人間を辞めても……未だ勝てないとは……貴様はどれ程の高みに上り詰めたのだ…!」

 

「…俺なんかまだまだだよ。

俺より強い奴は未だ沢山居るし、何ならその内の1人がアメリカ大統領直轄エージェントとして一緒に来ているさ」

 

アルバは首の骨が再生したが吐血し、E型特異菌の力を得てなお勝てないB.Y.の強さに驚愕する。

対するB.Y.本人は脳裏にクリスやジェイク、『アルファ』にカルロス達、更には才能の差で3年の間に遂に抜かれてしまった元民間人だった葵にその姉の茜を思い浮かべ、そしてその中で2トップに入るレオンが共に来ていると口にし、彼に自分に勝てない様では更に上に居る者に勝てない事を悟らせた。

 

「…そうか、貴様よりも強き者が未だ居るのか……ははは、世界は広く、そしてワシは井の中の蛙とやらだったのか……おい小僧、いやB.Y.、銃を取れ」

 

アルバは自身は井の中の蛙であった事を知り、何処か満足気に笑いを溢すとB.Y.に銃を取らせる様に要求した。

それを聞きB.Y.は外したマスクを着用し、更にその場に捨てた銃を全て取り、その中でアルバート02を装備してアルバに歩み寄った。

 

『こらバカ隊長、何戦闘開始直前にマスク外してんのよ‼︎

此処は特異菌が其処ら中に漂う研究者なんだよ、感染したら如何する気だったのさ‼︎』

 

するとマスクのバイタル表示から自身の特異菌感染はギリギリ無かった事を理解したB.Y.だったが、其処にマキの怒声が響き渡り耳を押さえたかったがマスクの関係で出来ない為アルバを見遣り気を逸らしていた。

 

『そうよB.Y.、貴方はマキ同様に唯の人間なのよ‼︎

私達ウィルス完全適応者と違って感染リスクが高過ぎるのよ⁉︎

軽率な行動は控えなさい、貴方を心配する者は此処に沢山居るのよ‼︎』

 

更にヨナもマキに便乗してB.Y.に怒り、当のB.Y.は2人以外に葵や茜も怒ってる姿が想像出来た為画面共有でアルバ・ダールトンを地に伏せさせた事を見せながら少しだけ口を開いた。

 

「…ちょっとした半年前の責任果たしと男同士の戦いだったんだ、見逃して欲しい。

それでアルバ・ダールトン、俺に銃を取らせて何をさせる?」

 

「簡単だ、ワシの心臓部付近にある特異菌コントロール装置を破壊しろ。

そしてイヴにワシが変異する前に『人間』のまま死なせる様にしてくれ」

 

マキ達の怒声に少しだけ答えたB.Y.はアルバの口から特異菌コントロール装置を破壊する様に聞き、更にイヴに『人間』のまま死なせる様に頼み込んで来る。

此れには音声共有等で聞いていたマキや葵達もまさかテロリストが潔く自死を求める事に驚いていた。

 

「ダメだ、イヴに『人間』は殺させない。

代わりに俺が変異仕切る前に完全に殺し切ってやる、だからそれで妥協しろ」

 

するとB.Y.はイヴを気遣っての事か、『人間』としてのアルバ・ダールトンを殺させず、代わりに自身が変異し切る前に殺すと宣告してアルバを驚かせ、先ずアルバート01を片手で構えて頭に狙いを定めていた。

 

「…はっ、イヴを気遣ってか。

優しいな、必要以上に……なら、しっかりと殺し切れよ?

さもなければ貴様を更に付け狙うぞ」

 

「なら安心しろ、必ず殺し切るからな。

そして『人間』のアンタの命を背負ってやる。

それがアンタの道を踏み外させ、人殺しをする俺が負うべき『責任』だ」

 

『ズダァァンッ、ズダァァンッ、ズダァァンッ‼︎』

 

アルバはB.Y.を優しいと評し、そして妥協案を殺し切る事を前提で飲み、更に殺し切れなければ付け狙うと宣言しながら笑みを浮かべる。

そうしてB.Y.は殺し切ると発言してからラムロット弾を頭に2発、更に心臓に1発撃ち込むと今度はアルバート02を頭や全身に連射し、リロードも手早く行いながら再生や変異を始める前に過剰ダメージを与え、そしてアルバート02のマガジンを4個撃ち切った所でアルバの肉体は石灰化し、『人間』のまま絶命する。

 

「……絶命確認。

きりたん、カードキーをハッキングで出してくれ」

 

『了解です〜』

 

そして絶命を確認したB.Y.は本来の決戦場の設備作動が成されなかった為もしかしたらカードキーが出ないと判断し、きりたんにハッキングでカードキーを出させるとそれを手に取りながらルナ達の護衛をしながら部屋を出ようとした。

 

「あの、アルバ・ダールトンの要求を蹴ったのはやっぱりイヴを気遣って、なんですよね?」

 

するとルナは先程のやり取りをイヴを気遣って妥協案を出した事を敢えて確認し、それを聞いたB.Y.は周りにモールデッドが居ないか確認しながらエレベーターまで一直線に向かいつつ口を開いた。

 

「年端も行かない娘さんに人殺しをもうさせたくないだろ。

それにイヴも『人間』は殺したくなかっただろう?」

 

「…やっぱりそうだったんですね。

私、第一印象で貴方は凄く非情な人と思ってましたけど…違いましたね」

 

B.Y.はルナが娘が人を殺す場面を見る事や、イヴ自身に人を殺す事をしたくなかったと気遣う発言をし、2人は胸中でそれを肯定し、そのルナはB.Y.が初めイヴを問答無用で撃とうとした第一印象を改め、本当は優しい人物でただB.O.W.やバイオテロを憎むだけだったと思う事にした。

 

「……」

 

そしてルナに引き連れられたイヴはB.Y.を元から『強い良い人』だと思っていたが、其処に優しく『責任感』が強いと言う事を追加し、無表情ながらも自分に『人間』のまま死ぬ気だったアルバを殺させず、そして母にも気遣った事に『ありがとう』と心で思いながら後ろを着いて行き、そうしてロックを解除したエレベーターに乗り皆の下に3人は戻るのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
今回はバイオのQ.T.E.対決を意識した話になりました。
B.Yは今までイヴに対して謝って無かった為謝罪したり、自身のバイオテロ鎮圧が結果的に1人の男を狂わせた為その『責任』を果たし、そしてアルバの死すら『人間』として死ぬならイヴには殺させず、自身の手で葬る道を取りました。
そしてそれ等を見て、またイヴの中で此れ等が糧になって行くかも知れません。

次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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