またお気に入り登録が33、UAが7000を突破致しました。
今作を閲覧して下さる皆様本当にありがとうございます!
今作は葵達の存在から多少本来のシナリオから外れたオリジナル展開ありの物語になりますが、それでも大丈夫ならご覧下さいませ。
では、本編へどうぞ。
EP I『巻き込まれたウィンターズ家と巻き込んだ葵達』
2020年、A.B.F.に1通の手紙が送付された。
其処にはきりたん達が調べ上げたBSAAの極秘データの数々に加えもう1通、中に隠された書類が添付されておりそれを葵達は目を通していた。
『ーー警告文ーー
BSAA極東支部デルタチーム隊長B.Y.、及び副隊長マキ・ツルマキへ。
君達がクリス・レッドフィールド同様ダルウェイに関する機密情報に無断アクセスを繰り返し、そしてその情報を第3者に漏らしている事は我々査察部は知っている。
此れはBSAA内でも特に重罪であり、君達は我々の信頼を裏切っている』
その文字羅列は正に調べ上げた今のBSAAその物であり、信頼を裏切ったのは寧ろBSAA側だと葵達は憤っていたが、その続きを更に読み何が書かれて居るかをじっくりと見た。
『よってCLOWN事件解決の功労者ではあるが、BSAA査察部は君達に半年の謹慎処分、更にデルタチームの解散、そして何処に情報を横流しにしたのか、更に東ヨーロッパで何をしようとしてるか告白して貰う。
さもなければBSAAからの除名と更なる重罪を課す事になる。
もう一度言う、何処の第3者に機密情報を漏らした?
君達が言う『ミランダ』とは誰だ?
3ヶ月以内の回答が無い場合上記の重罪を課す事となる、それを肝に銘じ良く考えて行動する様に。
BSAA査察部よりー』
「………巫山戯てる‼︎
BSAA側もダルウェイの事件が自分達のミスで起きた事を隠蔽工作した癖にクリスさんやB.Y.さん達に……‼︎」
「葵さん落ち着いて、私達も同じ気持ちですが、恐らく此れにも…」
葵は2017年のダルウェイで起きたベイカー邸事件の真相がBSAAがE型被験体第1号『エヴリン』を取り逃がした事から端を発している事を隠蔽し、硫化水素ガス噴出事故に挿げ替え『イーサン・ウィンターズ』夫妻軟禁や唯一の生存者『ゾイ・ベイカー』を死亡したものとした資料がクリス達から送られて来ていた。
そしてB.Y.達の様な警告文をクリスは受け取り、裏面に一文を添えていた為ゆかりが宥めた後葵達もその裏を見た。
『………』
そして食堂に集まった葵、茜、ゆかり、あかり、ヨナ、更に東北三姉妹やカルロスやビリー、イヴ達は皆その裏面を見て矢張りかと思いながらその文面を見ていた。
其処にはこう書かれていた。
『BSAAは最早信用出来ない、俺達デルタチーム初期メンバーはHWに合流する』
「B.Y.、マキ……」
「…まさかお義父さんが言っていた事が現実になるなんて……」
「クリスさんもHW、『ハウンドウルフ隊』を伴ってBSAAを離脱してもうてる。
なら、ウチ等も腹ぁ括って行くしか無いんちゃうか、大隊長?」
ヨナはB.Y.やマキの心配をし、あかりはマグナが6年前に忠告した事が現実になった事に様々な感情を抱き、そして茜はA.B.F.は腹を括る必要があると話し『アルファ』を見ながら指示を待っていた。
「…クリス、そしてデルタチーム初期メンバーと言う信頼と信用の置ける同志がBSAAから離反した、此れは最早看過出来ない事態である。
よって我々A.B.F.はBSAAと一旦距離を置きつつ、彼等の動向を探る必要がある。
そして、クリス達への支援を秘密裏に行いつつ我々の使命を果たそう。
各員配置に付け、此れより24時間体制で行動をする‼︎」
『了解‼︎』
大隊長『アルファ』は各員に24時間体制で配置に付き、A.B.F.の使命であるバイオテロ根絶をしつつBSAAの動向を探り、そしてクリス達への支援を極秘に行う事が決定し、食堂に集まった全員は食事を摂った後直ぐ様動き出し始めた。
その中には無論ハッキングのプロにして未だBSAAに機密を抜いた事がバレていないきりたんにオメガ小隊全員の姿もあった。
「…アオイ……」
「大丈夫だよイヴちゃん…そう、大丈夫……」
そして3年間で相応の成長をして葵を心配するイヴに、すっかり大人の女性になるが、まるで自分に言い聞かせる様に大丈夫と言う葵はマキ達の支援が無事通る事を祈りながら任務に赴きつつBSAAに対する不信感を募らせて行くのだった。
そして2021年2月、クリスやB.Y.達の調査により特異菌事件の裏に居た東ヨーロッパのある村とその教祖にして特異菌を操り、エヴリンを遥かに上回る生体兵器と化した女『マザー・ミランダ』の狙いはウィンターズ夫妻から生まれ、BSAAが隠していた極秘情報であるエヴリンの力を継ぎ、それを上回る生後半年の女の子、『ローズマリー・ウィンターズ』の誘拐であることを突き止めた。
「クリスさん、マキさん、B.Y.さん、今行きます…!」
更にミランダは特異菌の力から得た擬態能力で『ミア・ウィンターズ』に化け侵入しようとしている言う報告があり、A.B.F.も一刻も猶予が無いと判断してベーダ、イプシロン小隊、更にクリス達の強い要請によりオメガ小隊がミランダの処断作戦に参加する事になった。
だが間の悪い事にオメガ小隊は葵、イヴを念の為待機させて残りは別任務に向かった後であった。
しかしそれでもクリス達の要請、そして未だ見ぬウィンターズ家を救うべくオメガ16、オメガ18はベータ、イプシロンに随伴し、現地に赴くのであった。
そして現地の日が沈んだ夜、闇夜に紛れてウィンターズ邸を囲んだハウンドウルフ隊、デルタチーム、そしてA.B.F.3小隊は息を潜めながら合流する。
「クリスさん、マキさん、B.Y.さん、久し振り。
……出来ればもっと良い形で会いたかったよ」
「それは俺達も同じ気持ちだアオイ。
しかしオメガ小隊が君や…元E型被験体のイヴ、いや、オメガ18しか居ないのが懸念材料だが……兎に角作戦概要を伝える。
全員通信を開け」
そして葵とイヴは険しい表情になっていたが、かつて共に戦った面影があるクリスや、成長したB.Y.やマキ達と再会や初対面を果たし、そして通信機を開き全隊員に作戦概要を伝え始めた。
「作戦は迅速的襲撃作戦だ。
保護対象のイーサン・ウィンターズが同じく保護対象のローズマリー・ウィンターズを2階に寝かし付けた後、ミアに化けたミランダを銃撃。
そのまま奴を殺し、イーサンとローズが感染してないかサイトCに移送し検査を行う」
葵とイヴは作戦概要を聞き、ふとこの作戦にイーサン側に何か裏打ちで伝えていないのだろうかと言う事を懸念し、マキ達を見るとお手上げをし、葵が敢えてA.B.F.を代表してハウンドウルフ隊隊長アルファのクリスに質問をする。
「クリスさん、それはイーサンさんにお伝えしてますか?」
「いや、していない。
時間が無さ過ぎた、ミランダが此処まで早く動き出し、そしてウィンターズ家に侵入するとは思わなかった。
更にミランダが特異菌を感染させた疑いがある上に、迂闊にイーサンに伝えればミランダにバレて強行策を取られ兼ねない。
よって俺達からは『現時点』でイーサンには何も伝えていない」
葵のイーサンに伝えたか否かと言う質問に対してクリスは時間の猶予の無さ、感染の疑い、更には迂闊に伝えた場合に発生し得る強行策等の危険性等を伝え、葵はそれ等を聞きあのCLOWN事件で勇敢さを見せた葵達の『英雄』であるクリスが此処まで焦る事態になっている事を察し、何も言えなくなり目を伏せていた。
「……だが、B.Y.達との話し合いで移送開始直前、つまり襲撃で奴を仕留めた後に伝えられる限りの事…今のウィンターズ家内部が危険な事、彼等が特異菌に感染させられた疑いがあり移送しなければならない事を伝える事にしてある」
「!
それ本当ですか!」
「うん、クリスさん折らせるのに一悶着があったけどね。
見なよバカ隊長の頬、クリスさんに思いっきり殴られた痕だから」
するとクリスは移送開始直前にイーサンにある程度の説明を行いつつ移送を行うと口にし、葵はバッと顔を上げて何時ものクリス『らしさ』がこの猶予が無い事態でもまだ出ている事に明るさを取り戻す。
すると補足としてマキがB.Y.とクリスが喧嘩になった事を伝えてその頬に絆創膏、更に唇が切れた痕を見せB.Y.本人は殴られ損な顔をしていた。
『隊長、イーサンがローズを抱えて2階に上がり始めたぞ。
作戦開始だ』
「!
此方も了解した『ケイナイン』!
……B.Y.、止めの為に俺に付いて来てくれ。
俺は口下手だからな」
「ちっ、しゃあねえ。
憎まれ役を買ってやるよ」
すると通信からハウンドウルフ隊の通信兵ケイナインの報告が上がり、作戦開始を全員に伝える。
それを聞いたクリスは止めに説明役でもあるB.Y.を伴う事を告げ、そのB.Y.もBSAAからの退職金代わりに頂いて来た愛用カスタムガバメントのスライドを引き、憎まれ役を買う事になった。
「オメガ16、オメガ18、私達も狙撃後は中に突入。
ローズちゃんの確保を最優先にするよ」
「了解しました、デルタ2。
オメガ18、配置に着くよ」
「…了解」
そして葵達も互いにコールネームで呼び合い、気を引き締めて葵達はA.B.F.制作に暗視兼サーマルゴーグルを取り付け、マキはハウンドウルフ隊と同じゴーグルを付け狙撃態勢に映った。
『よし、目標がイーサンから良い位置に離れてる……3、2、1、Fire‼︎』
『ピシュンッ‼︎
ピピピピピピピピピピシュンッ‼︎』
ハウンドウルフ隊の『アンバーアイズ』からの狙撃タイミング指示により取り囲んだそれぞれの隊、葵やイヴ、マキはミランダに銃弾を撃ち込み続け、彼女が倒れる様をまじまじと見ていた。
しかしその中で葵達は気付いていた、『ミランダは最初の狙撃を意に介していなかった』と言う化物特有の耐久力を見せた事を。
『クリス、何でお前が⁉︎』
『悪いな、イーサン』
『目標確認、始末する』
『止めろ‼︎
……そんな、どうして……‼︎』
そして通信先でクリス、B.Y.がミランダに止めを入れた事を音声、銃声込みで察知し、マキと葵達は急ぎ2階に駆け込みローズを確保する。
「おぎゃぁ、えぁぁん‼︎」
「ごめんねローズちゃん、少しの辛抱だから我慢してね……」
葵は泣き始めたローズに頭を優しく撫でながら声を掛け、階段をマキとイヴ、クリス達の部隊員達と共に降りて行き、其処で暴れない様に囲まれながら立たされたイーサン・ウィンターズを初めて目撃する。
その男は見た目は本当にごく一般のアメリカ人であり、しかしイケメンかと言えばイケメンな36歳の男であった。
「異常無し」
「ローズ…おい娘に何をする‼︎」
ハウンドウルフの1人の隊員がクリス、B.Y.に報告を入れ、再びローズが泣き出すとイーサンは激昂しながら2人や葵達に駆け寄り今にも殴り掛かりそうな剣幕を張っていた。
「(……?
あれ、この人……)」
そんなイーサンを見てイヴは何かを感じ取りながらイーサンをじっと見つめ、この『感覚』がもし本当にそうなら何故ローズがエヴリンを上回る力を持ちながら生まれたのかを自然と察していた
「確保しました、どうぞ」
「ローズちゃんにも今の所異常は見当たりません、アルファ」
隊員がクリスにローズを引き渡すと葵はローズに異常は今の所は見当たらないと報告し、しかし相手は特異菌を操るミランダの為、彼女が死のうとも予断は許されない状況下にありクリスは移送準備、B.Y.は何とか話をしようとしていた。
「おいローズに触るな‼︎」
「待てイーサン・ウィンターズ、今ウィンターズ家内部は危険なんだ!
頼むから黙って付いて来てくれ!」
「危険だと、ミアを殺したクソ野郎共が‼︎
お前等が居る方がずっとローズが危険だ‼︎
さっさとローズを離せ‼︎」
イーサンは案の定ローズを抱き抱えたクリスに激昂して飛び掛かろうとしたが、B.Y.が間に入り此処は危険と話して宥めようとしたがイーサンには意味が無く握り拳を作りB.Y.を殴ろうとしていた。
「危険なのはローズだけじゃ無くてアンタもだよイーサン!
アンタに何も知らせなかったのは悪かった!
けど時間が無さ過ぎたしアンタも、ローズも特異菌に感染してるかも知れないんだ‼︎
頼むから付いて来てくれ‼︎」
「特異菌…感染…何の事だよ、そんな事を言って誤魔化そうったってそうは」
「イーサン、止めとけ」
B.Y.はそんなイーサンを見て危険なのは2人共、特異菌に再び感染した可能性がある事を伝えて付いて来る様に懇願する。
するとイーサンの脳裏に3年前の『ベイカー邸事件』、エヴリンの悪夢が蘇るが、それを振り払いこの2人は誤魔化そうとしてると決め付けローズを取り返そうとした瞬間、クリスから一言止めとけと言う言葉が飛んだ。
『ガッ‼︎』
「ぐぁっ……ローズ………‼︎」
「……運び出せ」
すると背後からハウンドウルフ隊員が近付き、銃で殴り付けてイーサンを気絶させてクリスはそのイーサンを運び出す様に指示した。
此れには葵も一刻を争う任務だから仕方ないが半分、もう少し良くならなかったと言うのが半分な感情を抱き、葵は自身が嫌な大人になったものだと内心自己嫌悪しながらイーサンとローズが護送車に入れられる姿を見ていた。
「……デルタ2、オメガ16、オメガ18、車を一台貸すからイーサン達の車の後ろを付いて行ってくれ。
サイトCでもっと上手く説明するならお前達が適任の筈だ」
「すまんクリス、マキ、皆。
もっと上手く説明出来れば良かったんだが……思ったより口下手だったわ、俺」
クリスは念の為葵達に護送車の後を付いて行く様に指示し、サイトC到着後に更に上手く説明する様に頼み込み、B.Y.は全員に思ったより口下手だったと自己嫌悪に陥り頭を掻いていた。
「……でも、化けてる偽物とは言え奥さんと同じ姿の人を殺されたら、ああなるから仕方無いと思う」
だが、あの様子ではまたB.Y.の説明不足では無くイーサンが上手く聞いてくれる状態では無かったとフォローに回ったイヴは、ある事を確かめたいと思っていた所だった為渡りに船となり随伴車に自身等の武器弾薬を後部貨物に入れ助手席に乗り始めた。
「はぁ、嫌な大人になったな、私」
「それめっちゃ私にもぶっ刺さってるよ葵」
更に葵は自身を嫌な大人になったと思いながら運転席に乗り込むと、後部座席に乗り込み出したマキは自身も嫌な大人になったと思いながらシートベルトを締め、そして護送車が発進し始めた瞬間アクセルを踏み後ろにピッタリと付いて行くのだった。
そして雪道を進む事数時間、イーサン達の安全、且つ迅速な移動の為に夜明け前の暗闇に包まれた森を2台の車のライトで照らしながらスリップを起こさない程度のスピードで走っていた。
「目的地まで後数十分位かな。
…それにしても、ミランダがミアさんに化けたなら、本物のミアさんは何処に?」
「………多分、生かして置く必要なんか無いだろうから……」
「……」
運転しながら葵はミランダが化けていた対象である本物のミア・ウィンターズは何処に行ったと疑問符を浮かべるが、マキは葵達も何処かで考えている事を口にし、ミアの生存は絶望視しか無いと嫌でも思わせられ、既に死んだミランダに対する怒りが沸々と湧き始めハンドルに力が入って行く。
だが…………此処で予想だにしない事態が発生する。
『ギュァァァァ、ズガァァンッ‼︎』
「っ、きゃあっ‼︎」
『ギュルルルルルル、ズガァァァァァンッ‼︎』
何と前を走っていた護送車が横転し、添乗していた武装兵やイーサンが外に投げ出され、更にその後ろを走っていた葵達もまた巻き込まれない為に急ハンドルを切った為横転。
同席していたマキ、イヴは頭を打ち気絶してしまい葵もウィルス完全適応者の耐久力で気絶まではしなかったが、ダメージが思ったよりも受けてしまい動けなくなってしまう。
「(うう……一体何が……)」
「はははは、予定外な事が起きたが……遂にローズを手にしたぞ……」
「おぎゃあ、えぁぁん、うぁぁぁん‼︎」
すると葵の目には護送車の中から資料にあった黒装束の女……確かに殺した筈の、ミアに化けたミランダが蘇生し、擬態を解きローズに手を伸ばしていた。
「(ま、拙いローズちゃんが……でもまだ生きてるかも知れないイーサンさん達にマキさん達の事を考えたら、迂闊に動けない……‼︎)」
葵は目の前で起きた凶行をマキ達や車から投げ出された隊員やイーサンを見過ごす事が出来ずにローズかマキやイーサン達の命を天秤に掛け、迂闊に動けば助けられる命が逆に救えない事を考えてしまい動こうにも動けずにいた。
「…………ふん、失敗作如きめ」
するとミランダは葵……と言うより、助手席のイヴを見ながら失敗作と謗るとローズを抱き抱えてそのまま奥の森へと姿を消して行った。
それから念を入れてミランダが完全に去ったと思う10分以上経過した後にイーサン達の安否をしようとシートベルトを外し、マキやイヴも横転した車に上手く寝かせながらイーサン達の安否確認へと動いた。
「……痛ぅ、駄目、クリスさんの添乗した部下の人達は皆死んでる……。
夜明けまで後1時間、まさか夜明け前が油断し易いを実行させられるなんて……‼︎
兎に角、生きている3人を温めないと。
持ってて良かった緊急用テント……」
葵は1人、イーサン達の安否確認をしてイーサンのみが生きている事を確認した後、横転した車の後部貨物から緊急用テントを武器弾薬をガラガラと落としながら取り出し、そのまま広げてイーサン、マキ、イヴの3人を手当てしながらテント内で寝かせて自身は武器と通信タブレットの確認をしていた。
「…良かった、私達の武器もタブレットも無事だ。
夜明けまで残り40分、クリスさん達に連絡しないと」
葵は全てが無事な事を確認した後武器弾薬も雪の上では無く護送車内に詰め込み、次にテント内に入り込みクリスに連絡を取るべくタブレット端末を取り出し、通話をタップした後予め教えて貰った通話先である『Alpha』をスライドし、緊急通話を掛けた。
なお向こうには葵の通話名は『Ω16』となっている。
『アオイか、そろそろサイトCに到着する予定時刻だが、何かあったのか?』
「はい、クリスさん……申し訳ありません。
護送車が、収容していた殺害対象のミランダが蘇生して、襲われ横転しました…」
『何だと⁉︎』
クリスは葵からの連絡に何か不安を感じ取ったのか連絡に直ぐに出て何があったのかを問い質して来ると、葵は始末した筈のミランダが蘇生し、護送車襲撃を話しこれを聞いたクリスには寝耳に水であった。
まさかあれだけ全身に狙撃した上にB.Y.のフルオートガバメントと合わせて頭部に10発を超える弾丸を止めに入れたのに生きていた為である。
「更に、ミランダは目的通りにローズマリー・ウィンターズを誘拐、恐らくこの地点から察するに……クリスさん達が監視していた『村』へ戻ってしまってます」
『アオイ、お前はそれを見ていたのか?
なら何故止めなかった⁉︎』
「現場には気絶したマキさん達以外に貴方の部下やイーサンさんの安否確認をする必要があったんです、それで気絶ないし死んだフリをするしか…」
更にミランダが当初の予定通りにローズを誘拐した事を報告し、クリスは何故止めなかったと返して来るが葵もマキ達の命以外にイーサン達の安否確認をする為に自身も気絶したフリをしてやり過ごすしか無かったと話し、クリスは通話先で壁を叩いていた事が音で分かる。
『落ち着けアルファ。
オメガ16、此方デルタ1だ。
デルタ2にオメガ18は気絶中なんだよな?
ならアルファの部下は、イーサン・ウィンターズは無事なのか?』
「B.Y.さ……いえデルタ1。
アルファの部下は運転手、添乗した武装兵2名の死亡を確認。
ですが、保護対象のイーサン・ウィンターズはデルタ2達と同じく幸いな事に気絶で済んでいます」
通話先でB.Y.がクリスを宥めながら通話を代わり、淡々と添乗したクリスの部下やイーサンの安否確認をすると、葵もコールネームを使いイーサンのみが無事だった事を伝え、通話先では落胆と安堵が入り乱れた溜め息が2つ吐かれていた。
「う、うぅ……葵、此処は…?」
「デルタ2、目が覚めたんですね‼︎
先程車が横転したのは覚えてますか⁉︎」
「…うん、派手に横転して頭ぶつけたよ…って、ウィンターズさんにイヴ?
ちょっと葵、私が気絶した間に何が⁉︎」
其処にマキも目覚め、横転した事を覚えているのも確認した後イーサンとイヴが横になっている事を見る。
その瞬間マキは慌てて状況確認をして来た為、葵はクリス達に説明した内容と同じ事を伝える。
「…そんな、あの女、まさか死体に擬態を?
そして素でタイラントクラスかそれ以上の耐久力と生命力があった訳なの……いや、悔やんでも仕方無いか。
隊長、アルファ、此方デルタ2、状況確認終了しました」
『デルタ2、通話で確認した。
なら俺達は今からそちらに向かいローズ奪還とイーサンの保護をする。
デルタ2はオメガ16、オメガ18と共にその場で待機を』
マキはミランダの死体への擬態と言う予測、更に本当の化物クラスの生命力を有した事に少し悔やんだが、頬を叩きクリスに葵の通信タブレットから連絡を入れる。
そのクリスは今から部隊を伴いイーサンの保護とローズ奪還をする作戦を立て、マキもそれに一瞬従おうとした瞬間、葵がタブレットを自身の側に寄せ反論を行ない始めた。
「そんな悠長な時間は残されていませんよアルファ。
私達は此れからミランダからローズマリーを奪還する先行隊として『村』に行きます。
貴方方は私達に合流する様に行動して下さい!」
『何だと⁉︎
お前達だけでローズ奪還は無茶だ‼︎
そもそもイーサンは如何する気なんだ‼︎』
葵は最早先程以上に猶予が無い事を口にし、この場に居る自分達が先行隊となりローズ奪還を図り、クリス達はそれに合流する様に反論をする。
するとクリスは無茶だと言い放ち、更に保護対象のイーサンは如何するかとクリス側の反論をし、その場に置いてけぼりに葵がする訳無い為彼の扱いを問い質したのだ
それに葵は一呼吸入れ、応え始めた。
「…イーサン・ウィンターズの扱いですが、彼を1人にする訳には行かない為我々に随伴させ、共にローズマリー・ウィンターズ奪還を図ります」
『何だと⁉︎
アオイ、お前は民間人を巻き込む気なのか⁉︎』
葵はクリスがもしかしたらと懸念した事…イーサンを共に連れて行き、そのままローズ奪還を狙うと言う民間人を巻き込む事をやらかすと言う不祥事驀地な事をやらかす事を告げる。
それを聞いたクリスは当然それに対して激情するが、葵は何時もの屁理屈込みの理論武装で反論を仕掛ける。
「彼をこの場に置いて行く訳にはならず、更に先程以上の猶予が無い事態になりました!
それに、ミランダが誘拐したローズちゃんはイーサンさんの娘です!
最早彼は赤の他人じゃない、当事者なんです‼︎
彼には何が起きたか知る権利と、娘さんを取り返す権利があります‼︎
だからクリスさん、私は貴方達の反対を押し切ってでもこの判断を貫かせて貰いますよ‼︎」
葵は猶予無し、イーサンの置いてけぼりは論外としつつミランダが誰を誘拐したのか改めて言い放ち、7年前の自身と同じく真実を知る権利やローズと言う掛け替えの無い娘を取り戻す権利を主張して真っ向からクリスと対立していた。
「(…此れは民間人を巻き込みたく無い、自分達だけで決着をつけたいクリスさんに昔の葵みたいな状況を案じた葵の意見の正しさはイーブン。
けどウィンターズさんを巻き込むリスクがあるけど、クリスさん達は如何するかな…?)」
これをカスタムショットガン等を手入れし始めながら黙って聞いていたマキは、流石にこの場面ではクリスの言い分も葵の言い分も正しくあり、同時に葵のはイーサンを最悪死なせるハイリスクがあると思いクリス達がどんな判断を下すか分からずに居た。
そして彼等の判断1つで自身の立ち位置を決めようとしていた。
『…だが、イーサンを巻き込むのは…』
『アルファ、残念だがローズマリー誘拐の時点でもうイーサン・ウィンターズは巻き込まれた、巻き込んじまったんだ。
此処は葵の言う通り猶予が無いんだからその通りにさせるべきだ、但しイーサンを必ず守る様に言い付けながらな』
そんな中でもクリスはイーサンの身を案じる余り答えを出し切れずに居たが、其処にB.Y.のアシストが入りイーサンは既に巻き込まれた立場にあり、最早巻き込む云々の議論が無駄な事を彼に察する様にする。
そして葵の言う通り議論している猶予も無い為葵の案を飲み、しかしイーサンを必ず守る様に言い付けると言いながらそれを第2目標に指定したのを葵は察せた。
『……分かった、ならオメガ16はデルタ2達と共にイーサンを伴いローズ奪還を図れ。
だがミランダはお前達だけでは勝てない、だから俺達が来るまでは奴との戦いは避けるんだ、良いな?』
「了解ですアルファ、では此れよりオメガ18とイーサンの意識が回復次第行動をーーー」
「う、うぅ……如何なってる……?」
そうしてクリスは、この場と通話先に居るCLOWN事件を解決した仲間達や元E型被験体だったイヴを信じ、漸く葵の案に首を縦に振りつつ、ミランダとの戦いだけは絶対に避ける様に言付けし葵もそれに了承、イヴとイーサンの目が覚め次第行動開始と言おうとした所でイーサンが目を覚まし始め、更にイヴも静かに同時に目を覚ました。
「イーサンとオメガ18の意識回復を確認しました。
此れより彼に状況説明しながら行動します。
……イーサン・ウィンターズさん、意識はハッキリしてますか?」
「お前達は……ああ、ミアを殺して、ローズを攫ったクソ野郎達の仲間だ‼︎
おいお前等、よくもミアを殺したな‼︎
それにローズは、俺の娘は何処にやった‼︎」
葵はイーサンとイヴの意識が回復した為通話を切り、彼に意識がハッキリしてるかと問うと数時間前の事を思い返しミアに化けたミランダの殺害、及びローズを連れ去ったクリス達の仲間だと認識し、ローズを何処に連れて行ったかと騒ぎ始め女だろうと容赦無く殴る剣幕で葵の首根っこを掴んでいた。
「ちょっと待ちなってウィンターズさん、私達の話を」
「黙れ、誰が妻を殺した連中の話を聞くか‼︎
さっさとローズの居場所を吐け‼︎」
「…イーサンさん、その事についてお伝えしたい事が幾つもありますので先ずは落ち着いて下さい。
私を殴るならその後で」
マキは興奮し過ぎたイーサンを葵から引き剥がそうと間には入ろうとし、イヴはそれ等の様子を見ながら武器の手入れを始める。
そしてイーサンはマキ達の話を聞く気が0で葵にローズの居場所を吐く様に迫り、正に娘を取り返そうとする父の姿を見せていた。
そんなイーサンに葵は伝えるべき事が幾つもあると話しながらその手を包み、冷静且つ相手を刺激しない様に話し掛けていた。
「伝えたい事だと?
一体どんな言い訳がしたいんだクソ女共‼︎」
対してイーサンは葵達を罵りながら葵の『言い訳』を取り敢えず聞いてから殴る気になり、葵にそれを言わせようと片手を離し握り拳を作っていた。
「先ず状況が切迫詰まってしまっているので端的に言います。
貴方の娘のローズちゃんは……『敵』に攫われました」
「……何……⁉︎」
そして葵は猶予が無い事態に陥っている為、初めに言うべき事であるローズの今現在の状況を端的に、『敵』に攫われたと口にする。
それを聞いたイーサンは殴ろうと言う気が吹き飛び何が起きているのか頭の理解が追い付かず、驚きの余り作っていた拳が緩んでしまった。
そして葵は其処から状況を開示して行き、ローズを奪還する話の道筋を頭の中で作るのであった。
ーーーこの物語は、やや本筋から外れてしまった、然しただ1人の娘と妻を救い出そうとする偉大な父の姿を、葵達がその目に焼き付ける物語である。
BIOHAZARD【V+α】
EPISODE OF VILLAGE【The story of a great father】
此処までの閲覧ありがとうございました。
クリスはマキやB.Y.達のお陰でミランダ襲撃後にイーサンに話をする様にしました…が、ミランダがミアに化けてる以上イーサンは奥さんを殺され、娘を誘拐されそうとすると思う夫、父の至極当選の感覚がある為話は聞き入れない感じになりました。
そして雪道云々も接合性を取る為に加えた部分であり、また葵は過去の自分の事を考えてイーサンをローズ奪還作戦先行隊に加える選択をしつつ話をする展開になりました。
それからきりたんのナビゲーションは通信確保出来てない為未だ先になります。
彼女達の存在が如何に物語に影響を与えて行くかゆっくりご覧下さいませ。
因みにクリスやB.Y.達が機密を漏らしていた第3者はA.B.F.です。
次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘をお願い致します。