さて、今回は前回の予告通り原作主人公のレオン・S・ケネディとマキの所属する部隊『デルタチーム』の隊長『デルタ1』が何故バイオテロ発生時に丁度居たかを明かします。
また、この第5話にも少しだけ見逃せない要素がありますのでお見逃しなき様お願い致します。
時は遡る事バイオテロ発生より4日前。
BSAA極東支部の隊長『B.Y.』(本名不明)はグレン・アリアスが引き起こしたバイオテロ事件の事後報告書を再度確認し、あの事件の際にアリアス一味の一員だった『マリア・ゴメス』の死体が確認されていない事に一抹の不安を覚え、アメリカの地で足取りを追っていた所であった。
そんな時に目の前にリムジンが停車し、中から見知った顔の男性が現れる。
それは1年前、アメリカ、中国での同時大規模バイオテロ事件でマキ共々駆り出された中国での初任務で共に戦い、更に此度のニューヨーク州でのバイオテロ事件でもまた共に戦った『レオン・S・ケネディ』その人であった。
「レオン、一体何用なんだ?
俺は今マリア・ゴメスの死体の是非の確認任務を帯びているんだが」
「そちらの方は北米支部の別隊員に引き継がせろ。
此方は大統領からの緊急依頼で腕の立つBSAA隊員が近くに居ないかと探していた所にお前を見つけたんだ。
悪いが一緒に来てもらうぞ」
「アメリカ大統領からの緊急オーダー?
…仕方ないか。
デルタ1よりHQ、DSOのレオン・S・ケネディがこちらと接触、アメリカ大統領からの緊急オーダーがあるとして同行依頼を受けた。
マリア・ゴメスの死体の確認任務は北米支部に一旦引き継がせて欲しい。『ザザッ』「HQよりデルタ1へ、此方も大統領からの緊急依頼の確認が取れた。
レオン・S・ケネディと共に行動する許可をする、HQオーバー」
これでOKだ。
じゃあ大統領の下へ向かいますか」
B.Y.はHQに確認と許可を取り、そのままレオンの隣に座り込むとリムジンは大統領の下へと走って行った。
そしてホワイトハウスの大統領の事務室にてアメリカ現大統領と対面し敬礼をして直立立ちをした。
「良く来てくれた、君が腕の立つBSAA隊員かね?」
「はい、中国でのバイオテロを初任務としてあの死地から生きて帰った程度には腕があると自負しております大統領閣下「あの事件を初任務で生きて帰るか…聞けばニューヨークでのバイオテロ鎮圧にも参加してた様だな、その節は我が国の国民を救ってくれてありがとう」いえ、あの事件での最大の功労者は此方のケネディ氏と北米支部のアルファチーム隊長クリス・レッドフィールド氏、そしてシルバーダガー隊の皆とレベッカ・チェンバース氏です。
自分はその事件の際はバックアップ担当でした。「ふふ、謙遜もそこそこと君の事を益々気に入ったよ、では今回の緊急オーダーの話をしよう」
はっ!」
大統領と中国でのバイオテロやニューヨークでの事件の話をし、其処で腕はそこそこあるアピールはしつつニューヨークでの事件ではバックアップでしたよとしつつレオンの顔を立てる会話運びをし、大統領にそれ等の点を気に入られ好印象のまま緊急オーダーの話に入る。
大統領は机にあるボタンを押すと、窓ガラスにシャッターが下ろされ、更に執務室に巨大なモニターが現れレオンとB.Y.はそちらに目を向けるととある映像が流れて来た。
『初めましてアメリカ現大統領殿。
我々はCLOWN、君達に分かり易く言えば旧アンブレラの意志を継ぐ者かな?
我々は来たる日に日本の埼玉、神奈川、千葉、そして東京の4ヶ所で我々が作り上げた最高傑作のウィルスをばら撒く。
このウィルスには未だワクチンは存在しない。
君達が我々を来たる日までに逮捕出来たのならバイオテロを止める事を約束しよう。
だが、来たる日までに逮捕が出来なければ我々は容赦無くウィルスをばら撒く。
そして次の様な光景と化すだろう』
『クソォォォォォ、この化け物共がァァァァァァァァァァ‼︎『ズダダダダダダダッ‼︎』『GISYAAAAAAAAA!!』
がァァァァァァァァァァ……‼︎』
映像中でCLOWNと名乗る複数人の集団はアンブレラの名を口にし、更に日本でバイオテロを画策していると言う事を暴露しレオンとB.Y.は映像の者達を睨み付けていた。
更にこの集団はまるでゲームの様に自身らの逮捕が出来ればバイオテロはしないと公言し、次の映像には新型ウィルスを使ったと思しきB.O.W.と何者か…B.Y.はギリギリ見えた肩のワッペンから戦闘しているのは自分のチームにも被害を与えているが大局的に見ればバイオテロを画策する者達の敵、A.B.F.の隊員である事を確認した。
そしてA.B.F.隊員は練度的に言えばBSAA一般隊員と比べて頭一つ飛び抜けており、間違い無くB.O.W.殲滅の専門家の一つであると言える組織である。
その隊員が新型B.O.W.により虐殺されるシーンが延々と流れ、更にB.O.W.に殺された者はゾンビ化する部分まで映っており、これを見た2人は拳を握り、CLOWNと名乗る集団に対し怒りの感情を露わにしていた。
『如何かな、我々が作り上げた最高傑作のデモンストレーション映像は?
これが日本でこれから起きる未来のヴィジョンでもある。
我々を止めたくば止めてみるが良い、最も、我々もそう簡単に捕まる気は無いがな。
なお来たる日の日時は敢えて伏せさせて貰おう。
その方が君達もやる気を出して我々を追ってくれるしこのゲームも盛り上がるだろう……では、君達の健闘を祈る』
そしてCLOWNの中央にいるリーダー格の人物はハッキリとゲームだと言い放ち、更にバイオテロの日時も伏せると言う完全に自分達に有利な条件での宣戦布告を行い、其処で映像は途切れモニターには世界地図が映し出されていた。
「ふん、完全にゲーム感覚か……アンブレラの意志を継ぐ者と名乗ったのも大方此方に本腰を入れて自分達が画策しているテロに挑戦しろと言ってるものだな…舐めた真似をしてくれるな」
「それにあの映像で戦っていた連中はA.B.F.だった。
連中の部隊が彼処まで一方的にやられるとは普通に考えてあり得ない、何か罠が仕掛けられてダシに使われてしまったと考えるべきか……大統領閣下、今の映像の逆探知は出来ていますか?」
レオンはCLOWN達のテロ宣言にはっきりとした嫌悪感を示し、アンブレラの意志を継ぐ者と名乗った為その感情が余計に表に出ている様で今のレオンは正に火に油を注がれた状態である。
対してB.Y.も嫌悪感はあれど極力冷静に事を考えるべきと心掛けている為か表面上は冷静に映像を分析し、A.B.F.が罠に嵌った可能性も考えだした上で大統領に映像の逆探知に成功しているかを聞くと次にボタンを押すとモニターにDSOをサポートする『FOS』の『イングリッド・ハニガン』が映し出され、リアルタイム会話が始まる。
『逆探知に関してだけど、残念ながら此方は南極のとある場所からこの映像が送られて来たのとその場所は既にA.B.F.が先に調査して、先程の映像通りの結果になったわ。
彼方の被害は調査に訪れていた3部隊の内ベータ小隊が小損害を負い、シータ小隊に至っては隊長含む数名以外は全員死亡、オメガ小隊に関しては被害はゼロだけれどベータやシータを守りきれなかった時点で任務失敗とオメガ1から直接言われたわ。
そしてこの件にA.B.F.は本腰を入れてCLOWNに対し報復行為に出ると訴えてるけど、日本政府はA.B.F.の入国を拒否して警察と自衛隊に何時でも総動員態勢をする程度にしてバイオテロ予告を受けている事を国民にすら伝えてないわ。
現在このバイオテロに対して動けるのは実質私達だけよ』
「何だよ日本政府、微温湯に浸かり過ぎて頭の中がお花畑になっているのか?
BSAAにすら伝えないとは嘆かわしい……いや、それとも連中に必要以上の情報を拡散したら即バイオテロを敢行すると脅されてるのか?」
『その予測は当たりよB.Y.。
日本政府は国民にバイオテロを予告された事の通告、及びBSAAや日本国のエージェントの必要以上の介入、具体的にはBSAA側は選んだ1人以外を送り出す事、日本国エージェント側は1人たりとも動かしてはならないとし、オマケとして我々アメリカ側も日本に行けるエージェントは1人だけとA.B.F.のバイオテロ発生前の介入に対して即バイオテロを行いその被害は日本全国に及ばせると脅迫されているわ。
だからこそ彼方は最低限の行動しか出来ないのよ、日本国民の生命を天秤にかけられた所為でね」
逆探知に関してはA.B.F.が調査していた場所からの発信、脅迫により予告以上のバイオテロを起こされる危険性がある事等をハニガンの口から聞いた為レオンとB.Y.は頭を抱え、BSAAも迂闊な手出しも出来ない状況下にあると理解し、2人はチェスで例えるならクイーンやナイトを取られた上にビショップやルークは死に駒になり、相手のポーンの幾つかはプロモーションでクイーンに昇格し何時でもチェックを掛けられてしまう最悪な盤面になっていると考えていた。
「最悪寸前の盤面だな……だがあっちは日本と場所を指定してバイオテロを宣告した。
なら日本の何処か、それも神奈川、千葉、埼玉、東京の何処かに潜伏している筈だ」
『その通りよレオン、CLOWNは4つの県、及び首都にマーキングを書いた地図を送って来ているわ。
けれど最速の飛行機をチャーターしたけど時間の都合上全てを回る事が不可能な数のマーキングよ。
しかも予告状に書いてある通りならダミーの隠れ家には足止め用のトラップが仕掛けられているそうよ。
それでも貴方は、いえ、貴方達は諦めていないわよね?』
「勿論さ…行くぞB.Y.、ゲーム感覚で人の生命を弄ぼうとするテロリストを捕らえるぞ」
「ああ……あぁそれとハニガン、ちょっと屁理屈臭い奇策を使うが構わないか?」
レオンはCLOWN達が態々日本の3県1都を指定した事から彼等がそれらの内何処かに潜伏していると考えその予測を口にするとハニガンはその言葉を待ってましたと言わんばかりにCLOWNから送られて来た潜伏場所がマーキングされている地図を表示し、レオンとB.Y.の通信タブレット端末にもそれが送られ2人はそれら一体全ての数を見た。
その潜伏場所は有に400を超えており、2人がバラバラに行動しても全て周り切れない程でCLOWNの自信の高さやダミーもあるだろうが400以上の潜伏場所を用意する周到さと強かさと慎重さに逆に関心を2人は覚えてしまっていた。
そしてレオンは早速日本に向かおうと一歩歩いた所でB.Y.がハニガンに対して奇策があると口にし大統領を含めた全員がB.Y.に注目する。
『奇策?
B.Y.、貴方先程の会話や映像から何か策を思い浮かべたの?
それに屁理屈って一体何なの?』
「何、彼方が用意したゲームに恐らく想定していないであろうイレギュラーを混じらせるだけさ。
ハニガン、直ぐに機密通信でA.B.F.に連絡を取ってくれ。
そしてオメガ小隊隊長のオメガ1を日本に送る様に要請して欲しい」
「なっ、君は今の話を聞いていたのかね⁉︎
A.B.F.を介入させれば全ての日本国民をバイオテロに晒させてしまうのだぞ⁉︎」
B.Y.の考えた奇策とは何とA.B.F.のオメガ1を日本に送り込むと言う先程の脅迫文に反する物であり、それの何処が奇策なのか全員困惑し何を考えているのかとB.Y.を見ていた。
が、B.Y.はそんな返答もお見通しと言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべレオン達にその奇策の詳細を話し始める。
「確かにA.B.F.の介入は許されない、それも恐らく日本のエージェントみたくただの1人であろうが無理でしょう、一見すれば「一見?」はい大統領閣下。
我々BSAAはオメガ小隊隊長のオメガ1と言う存在は知ってはいる、けれどその素顔、経歴、更にはDNA照合から指紋照合に至るまで全てのデータが存在しません。
だからこそ其処を突くんですよ、オメガ1を一観光客に扮して日本に送り込むのですよ、そう、素顔で。
恐らくCLOWNもオメガ1の正体が誰なのか分かってない、分かってるのは自分達と同じく恐らく16、7歳の少女の体格をしている程度、です。
体格からオメガ1を割り出そうとしても我々でも絞りきれなかったのです、なら彼方も同じ筈。
だからこそこの1手は有効打となり得る、自分はそう考えましたよ、たった今」
「し、しかしそれはCLOWN側がオメガ1を知らない前提の話だ!
それでもしも彼方がオメガ1の正体を知っていて脅迫通りに日本国民全てがバイオテロに巻き込まれてしまったら我々は「その時は自分に全ての責任を押し付けて下さい、我々の感知していない所でB.Y.と言う重罪人が脅迫文を無視した行動に出た、と」う、うむ……」
「兎に角今は時間が無いのです。
決断するのは今しかないですよ閣下。
この策を決行するか、否か」
B.Y.はBSAAや各国の情報網を駆使しても掴めなかったオメガ1の正体をCLOWN側も恐らく知らないと話し、それを逆手に取り観光客に紛れ込ませてオメガ1を日本に情報を共有させ潜伏場所の捜査を共に行わせるとし、これには確かにCLOWN達がオメガ1の正体を知りさえしなければ上手く行く策であった。
が、逆に知っていれば即日本全国でバイオテロと言う余りにもリターンに合わないハイリスクを伴っていた。
その為大統領もこの策を決行すべきか否かを悩み、しかしB.Y.は時間が無いとしてこの場での決断を促した。
そしてアメリカ現大統領が下した決断とは…。
「……分かった、君の策に賭けてみよう。
但し、この策が失敗し日本国民全てが犠牲になってしまうなら全ての罪を君が被って貰う事とする、良いかね?「元よりそのつもりです、大統領閣下」
うむ…ハニガン君、機密通信を使いA.B.F.にたった今話した策を伝え、そしてCLOWNの潜伏場所の情報を共有せよ。
事は一刻を争う、直ぐにBSAA極東支部デルタ1、B.Y.の策を決行せよ!」
『了解です大統領閣下。
機密通信の周波数をA.B.F.に合わせて策を…』
「じゃあ行こうかレオン。
…大丈夫さ、この策は上手く行く、そんな確信があるんだ」
「…これでバイオテロの被害が大きくなればお前1人に罪を被せても俺達の世界からの信用は失せるか、泣けるぜ」
B.Y.の策を決行すると決断し、ハニガンに対してA.B.F.に通信を送る様に命じその間にレオンは愚痴を零しながらB.Y.と共にチャーター機へと向かい、日本へと入国した。
結果としてB.Y.の策は上手く行った。
CLOWNもオメガ1の正体…それが琴葉茜だと知らずにまんまと日本に入国させ、茜は千葉から、レオンは神奈川、B.Y.は埼玉からしらみ潰しに潜伏場所を洗い出し、最後は東京に向かいこの間の4日後には3人で合わせて東京の潜伏場所を残り数ヵ所にまで絞り込む事に成功したのだ。
だが、無情にもバイオテロは実行され、3県1都はT-Genesisの脅威に晒される事となってしまった。
そして現在、7月27日PM:15:30。
レオンとB.Y.は合流して足立区のテレビ局の放送にあった降下して来たBSAA隊員達と共にゾンビやB.O.W.と交戦しその場の鎮圧に成功する。
因みに2人は新型ウィルス産のゾンビと言う事もあり警戒していた為かゾンビと初交戦した際に映像にあった新型B.O.W.に変異を許していたが単独でこれを鎮圧、そのまま足立区付近にて合流してBSAAヘリが降下する地点を通信で拾いこの場に来たのだ。
そして犠牲になった警官、自衛官にレオンとB.Y.は鎮魂の意を捧げ、CLOWN達への怒りを燃やしていた所だった。
「『ザザッ』HQよりデルタ1へ。
デルタ2が練馬区にあるROICE学園付近にて最終通信を行った。
A.B.F.のオメガ1も共に行動し、生存者の安全の確保に移っている。
デルタ1とケネディエージェントはそのままデルタ2達と合流、そして生存者の安全の確保を強固にせよ。
救助部隊、及び鎮圧部隊の編成は最長3日は掛かる、それまで保たせたし、HQオーバー」
「…と言う訳でHQからデルタ2と合流する様に命令が下った。
恐らく彼方は武器の弾薬不足になってる筈だし、チャーリーチームの皆、武器の弾薬、医療キットと車の融通をしてくれないか?」
「全く、司令部は何時も無理難題を押し付けてくるな。
ほら、そう言うと思って渡せるありったけの弾薬と武器に医療キット、後車を一台自衛隊と交渉して用意してやったぜ。
この任務が終わったら何か奢れよデルタ1‼︎」
「ああ、ありがとうチャーリーの皆。
良い店を知ってるから其処で奢ってやるよ、全員分な!」
HQからレオン、B.Y.はデルタ2、マキと合流して最長3日は保たせる様に命じられそれを実行に移そうとするが、恐らく、否、自分達の用意した武器(レオンはカスタムハンドガンのセンチネルナイン、デザートイーグル、ショットガン。
B.Y.はBSAA制式採用アサルトライフル@ロングマガジン+フラッシュライト+グレネード弾発射装置カスタマイズ、グロック18C@フラッシュライト+ロングマガジンカスタム、BSAA制式採用アサルトショットガン、手榴弾×2。
両者複数回の戦闘により残弾少な目)とマキ達の武器を合わせても3日も保たせられる訳が無いと考えこの場に居たBSAA極東支部のバイオハザード封じ込め作戦部隊のチャーリーチームより任務に支障が無く、且つありったけの予備の武器や弾丸、手榴弾を渡され更には自衛隊用車両をチャーリー1の交渉で一台拝借出来た事を伝えられ、後部荷台にそれらを上手く詰め込み2人は運転席、助手席にそれぞれ乗り込みB.Y.はチャーリーチームに敬礼をして車を走らせ、チャーリーチームや生き残った警官、自衛官達も走り去って行く車に敬礼をし見送った。
「結果的にオメガ1を潜伏させたのは上手く行ったな。
これで奴等の潜伏場所は残り僅か……バイオテロは止められず、大規模感染を許してしまったが必ずツケを払わせる用意が出来る筈だな」
「ああ……欲を言えばバイオテロを未然に防げればよかったんだが、後1手詰めきれなかった……たく、俺の見通しも甘過ぎたか「だが通信を拾った限りデルタ2やオメガ1が生存者を確保している。
なら俺達は今から3日は耐え忍ぶ時だ。
それからは……存分に反撃する時さ」……そうだな」
B.Y.はゾンビを避けながら運転しつつバイオテロを防げなかった事を悔いていたが、レオンの方は既に次を見据えておりCLOWN達への反撃の準備をし思う存分やられた分をやり返すとB.Y.にニュアンスで伝えていた。
それにB.Y.は静かに肯定し、更には此れが数多のバイオテロを生き抜いた戦士、レオン・S・ケネディなのだと改めて思い知りその頼もしさと佇まいにBSAA北米支部アルファチーム隊長であるクリス・レッドフィールドと同様の勇気を与えてくれていた。
そうしてROICE学園に向かっている途中でB.Y.はスーパーマーケットを見つけ其処に(食品コーナー側の自動ドアの少し前)駐車しエンジンを止めた。
「スーパーマーケットか。
成る程、彼女達の下に向かうついでに食料や飲料水をありったけ持って行こうって訳だな」
「そゆこと。
後洗剤とかボディソープとかな。
年頃の女の子は手見上げとかに五月蠅かったりするからな。
くれぐれも連中に噛まれて感染しちゃいました〜は無しだぞ「お前もな」ふふ、じゃあ行こうかレオン」
レオンとB.Y.は軽口を言い合いながら開かなくなった自動ドアをこじ開け、ハンドガンを構えながらスーパーマーケットの中に入ると其処は矢張り床が血塗れであり、人が居る気配がしなかった。
代わりにゾンビの気配だけは一丁前にあり、2人は辟易しながら食品コーナーへと来た。
そしてカートに籠を乗せ、血が付いて無く無事な食料品と飲料水、更には恐らく趣向品も必要と考えた2人は菓子類や酒類もありったけ籠へと詰め、それが終わったら更にカートと籠を用意して同じ様に詰め込みそれを6往復分やりカートを自動ドアの検問機前まで走らせて置き、次に女性用コーディネートコーナーに行きまたありったけのシャンプーにボディソープ、洗剤、更にマニキュアやリップクリーム、更に男性用コーディネートコーナーで男性用シャンプーや髭剃り等まで籠に入れ、そしてB.Y.は何を思ったのかドッグフードまで籠に入れて何から何まで至れり尽くせりな状態にしてゾンビに見つかる事無く入って来たドア前まで来た。
「…で、代金は?」
「……ハハッ、この状況で代金ねぇ」
するとレオンは冗談混じりに代金の事をB.Y.に聞き、B.Y.は笑いながらレオンを見やり、するとレジが動いてない為財布から足元に代金、その額何と25万円を置きそのまま店の奥を見やりながらB.Y.はこう呟いた。
「釣りは要らないよ」
実際B.Y.は代金の計算を行い、それら全てを含めてギリギリ20万円の範囲で収まる買い物をしており、こんな状況故に釣りの差額すら店に置いて行くと言う気前の良さとこの店で買い物中に犠牲になった客と店員に哀悼の意を込めてお金を置いたのだ。
そしてその一言を合図にレオンとB.Y.はカートを走らせ入り口を潜り抜けさせると案の定万引き防止用の警報機だけは作動しており五月蝿い音が鳴り響きゾンビ達が一斉にレオン達に気付き向かって来るがレオンとB.Y.はそれよりも早く後部座席に籠を置きまくり、ゾンビ達が入り口に辿り着くよりも早く荷物を全て詰め込みそのままドアを閉め、ロックを掛けた上でエンジンを蒸しそのまま早いギアスロットルでスーパーマーケットから去りそのまま車に付いていたカーナビからROICE学園へと走り出し、しかしスーパーマーケットから抜けてからは余りゾンビに気付かれず追い付かれずのスピードで車を走らせ足立区を出て北区に入った。
幸い大通りは事故車だらけだったがレオン達の車が通れる分のスペースは運良くありこのまま行けば1時間以内には練馬区のROICE学園へと辿り着けると2人は考えていた。
「…よし、ゾンビ達は車に追い付けず諦めて別の奴を追い求めてるな。
それと事故車の中の死体に夢中なってこっちを見向きもしない間抜けばかり。
コレなら上手く行けば…」
「ああ、1時間以内にはカーナビの指定場所に辿り着けるな『pipipi、pipipi‼︎』何だ、ハニガンからか?「『ザザァー』こっちも通信が……」
……まさか。
『pi!』ハニガンか?
それとも……道化の団体様か?」
「HQ?
それとも間抜け共か?」
その時同時に互いの通信機器に連絡が入り込みタイミングが合い過ぎていた為偶然ハニガンとBSAAのHQの通信がかち合ったか、それともCLOWNが通信機の周波数を合わせて此方に通信ジャックを仕掛けて来たのか互いに見やりながら通信機器に皮肉混じりでCLOWNか否かを聞くと、レオンの通信タブレットに映像が映り其処にはハニガンでは無くCLOWNのリーダー格が映っていた。
『君達、良くルール違反を犯してのうのうと買い物に洒落込んでいられるな?
我々は言った筈だぞ、A.B.F.の介入は許さないと』
「ああ確かに言ってたな。
だからお前達がこんな馬鹿げたバイオテロを起こした時点でオメガ1が動き事態の鎮圧に当たった筈だが?」
『その点では無い、我々は『バイオテロ前にA.B.F.の介入を許さない』と告知した筈だ。
にも関わらずお前達はA.B.F.のオメガ1をこの国に予め潜伏させていた、このルール違反には罰を負って貰う「罰ねぇ、オメガ1の潜伏に気付かなかったお前達がそんなゲームマスター気取りをまだ続けるのか?」…何?』
CLOWNのリーダー格は脅迫文に叛いたレオン達に対し強い口調でそれを追求し、レオンはオメガ1が動いたのはバイオテロ後である為問題は無かったと言うが、CLOWNは矢張りバイオテロ前にオメガ1が日本に来ていたのが気に入らなかったらしく罰を受けさせると言い放つもB.Y.がゲームマスター気取りと貶してその先の言葉を遮る。
「本当にお前等は唯の道化師、しかもド3流で観客に見向きもされない哀れな哀れなピエロだ。
罰を負って貰うって言うならオメガ1が観光客に扮して日本に入国した時点であの脅迫文通りに日本全国をバイオハザード塗れにするべきだったんだよ。
だが、お前達は誰1人として『素顔も素性も分からないオメガ1が日本に来ている事に一切合切気付かずゲームと称したバイオテロ計画をルール通りに続行』していたんだ。
つまりだな」
「お前達はゲームマスターとしても道化としても脚本もルールも何もかも抜け穴だらけに気付かず続けた間抜けな三流の犯罪者って訳だ。
B.Y.の言う通り、オメガ1が日本に来た時点でバイオテロを引き起こしておけばまだお前達が全てを出し抜いた一流の役者だったんだよ。
だが結局それに気付かないままお前達はこの状況を作り上げた。
それからオメガ1の協力もあってお前達が潜伏している場所は残り数ヵ所にまで絞り込めた。
このまま俺達に反撃されて逮捕されるか、それとも死んであの世に行くのか震えて待っているが良いさ。
幸いにしてお前達の生死は問わない事になってるんでな、安心して引き鉄を引けるぞ、こっちはな」
B.Y.とレオンはCLOWNのリーダー格に自らが課したルールの穴…『一切の情報の無いオメガ1の素顔』と言う一点物の抜け穴について指摘し、更にオメガ1、琴葉茜が日本に居る時点でもう既にルール違反だったにも関わらずそれに気付かないままバイオテロを計画通り実行した為結局オメガ1が日本に居た事によるルール違反の罰則を与えるタイミングを完全に失いCLOWN達の言い分は既に理論が破綻している状態になっていた。
それらを2人はCLOWNのリーダー格に伝え、更に茜の協力により潜伏場所は残り僅かに絞り込んだ事まで伝え、逮捕されて詰むか死んで詰むか何方にせよスペンサーの理念と言う馬鹿げた妄信が叶えられない状況になりつつある事を告げ、2人は眉を顰めて怒りを静かに露わにしながら三流の道化師に震えて待っている様に処刑宣告をした。
それに対してCLOWNのリーダー格の態度と言えば…。
『……ふむ、確かに我々はオメガ1が日本に居た事に気付かず計画通りに事を進めてしまった。
更にそんな抜け穴を指摘されるまで頭の中で考えず一方的に罰を与えようとした事は詫びよう。
そして認めよう、君達は確かにバイオテロを止められなかった、だがその代わり我々の首元にまでその牙を静かに近付けさせていた、我々に悟られる事無く。
試合には勝ったが勝負には負けた、こんな状態であると認めよう。
そして讃えよう、我々にその猟犬の牙を突き立てた事を。
その称賛に対して我々は潜伏場所は変えないと約束しよう。
だが、あくまで試合に勝ったのは我々だ。
未だワクチンの無いこのT-Genesisの脅威に対し君達もまた震えて待っていると良い。
何せ此方のカードは君達が新型B.O.W.と呼ぶ『ネフィリム』のみでは無いのだからね。
では楽しみに待ってるとするよ、君達が我々の下へと辿り着くその時をね…ふふふふ『プツンッ!』』
怒りでも焦りでも無く、ただこの状況を楽しむかの様な、未だ余裕がある態度であった。
更にCLOWNのリーダー格は新型B.O.W.……『ネフィリム』と呼んだあの化け物以外にカードを残していると言い、更に根本的な事としてワクチンが未だ存在しないこのT-Genesisの齎す脅威にレオン達側も震えて待つ様に笑いながら言い放つと通信が同時に切れ、レオン達は道化との会話に少し疲れが出てしまったのか座席に肩深くまで腰を下ろし、B.Y.も運転を止めてゾンビが居ない場所で一時停止をしていた。
「ふう……T-Genesis…創世記にネフィリム……神の子が堕天して人との間に成された子の名を冠するか。
本格的に連中は世界の有り様を塗り替えるつもりらしいな」
「ああ、だがその脅威にも此方も対処が無い訳じゃない。
俺達が伝えなかった更なるルールの穴、それを最大限活用してこのバイオテロを早々に鎮圧させて守るべき生命を守ってやるさ」
B.Y.は『Genesis』、創世記と『ネフィリム』、堕天した神の子と人が婚姻を成し産み落とした巨人の名を冠する事にCLOWN達の妄信的な理念だけは本物だと確信し、スーパーマーケットで買った自分用のグレープスカッシュを開けて飲み、窓の外を見やりながら道化達のスペンサーに対しての忠誠心にだけはある意味では凄いと感じ、またある意味では馬鹿らしいと思い耽っていた。
だがレオンはそんな恐るべき存在に対して無策では無いとして彼方側が見落とし、更に此方側も全く指摘しなかった『もう一つの抜け穴』に対して希望を託し、自分達はそちらに目が向かない様に盛大に暴れてやろうと言う気で満々であり、そして守るべき生命を救う最大の1手をレオン達は彼方に先の会話で気付かせずに会話を運んでいたのだ。
その最大の1手とは……。
「(頼むぞ『シェリー』、『ジェイク』を見つけてこのバイオテロを鎮圧させる最大の1手…T-Genesisのワクチン生成に漕ぎ着けてくれよ)」
『アメリカ側は日本にエージェントを1人しか送り込めない』、それを逆手に取りB.Y.の奇策の後に出発直前に打った1手。
DSOのエージェントの『シェリー・バーキン』が嘗て世界を滅ぼそうとした男、『アルバート・ウェスカー』の実子であり彼の凡ゆるウィルスに耐性、適応能力を継いだ青年『ジェイク・ミューラー』を見つけ出し、T-Genesisのワクチンを作り上げると言うこの世界にある希望の1手である。
そうして休憩が済んだ2人は車を走らせ、遂にROICE学園の校門前へと辿り着くのであった…。
此処までの閲覧ありがとうございました。
日本は何やってたんだ>>>迂闊に動くと日本全土にT-Genesisをばら撒かれてしまう所だった。
オメガ1が居た理由>>>屁理屈ではあるがもしかしたら通るかもしれない1手の為に居た(因みに茜側もレオンとB.Y.がいる事を初めから知ってました)。
こんな感じでした。
そしてCLOWN側が気付かない抜け穴が光明となるか、暗黒を齎すかはこの先の物語に…。
そして此処でオリ主枠デルタ1『B.Y.』とデルタチームの説明に入ります。
B.Y.、及びデルタチーム:マキと同じ日にBSAA極東支部に入隊しに来たマキと同年代の青年。
BSAA入隊の切っ掛けはこの世界の裏側について見聞を広め、また世界に不要な存在であるウィルスやB.O.W.の根絶やしの為である。
初任務はマキと同じく中国での大規模バイオテロでありその時B.Y.はチャーリー22、マキはチャーリー23のコールネームであり、その事件から初任務で帰還した者達は極東支部より精鋭部隊、対B.O.W.殲滅用攻撃部隊『デルタチーム』の結成及び編入を命じられB.Y.とマキがメンバー内で1番若いのに生き残った事から隊長副隊長にさせられた。
その後は成績優秀な者がデルタチームに入るが良くロッカーの中身が変わる部隊であり、本当の初期メンバーしかロッカーが変わる事が無いある意味悪運と実力の両者が揃った部隊である。
以上がB.Y.と彼とマキの所属するデルタチームのざっくりとした説明になります。
このB.Y.と装備の整ったマキの戦闘能力が発揮されるのはもう少し先になります(但し大体レオン無双になるかも)。
次回もよろしくお願い致します