BIOHAZARD【V+α】   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、連日投稿且つ第9話目更新でございます。
嬉しい事に今作に評価バーが付き気分が高揚しております。
評価して下さった皆様、そして閲覧して下さる皆々様、本当にありがとうございます!
さて、今回はいよいよあのイベント回となります…。
では、本編へどうぞ。


EP IX『絶望と苛立ちと他が為の涙』

イヴを支えながら歩いていたイーサンや葵達は、近くの小屋で例の細工が出来た、赤い煙突の家に運んでくれと言う読み物を読み、その過程でイヴが支えを自ら解きながら俯いて後に続く。

そして一行は鎖で塞がれた門を開けて洞窟内部へと足を踏み入れていた。

 

「イヴ、さっきから如何したの?

何があったの?」

 

「……何で……そんな……」

 

「…イヴ?」

 

洞窟を進む中でマキはイヴの様子を気に掛けるが、肝心のイヴは心此処に在らずと言った様子で葵やイーサンも心配し始めていた。

それも先程フラスクを取った辺りからこうなってる為フラスクに関係があるのかと感じるが、イーサン達はイヴの様子からか、本能的からかそれの確認をする事が出来なかった。

 

「………大いなる者よ聞き入れ給え」

 

「あ、この声あの老婆だ」

 

そうして洞窟を奥に奥に進むと、あの狂った老婆の声が響き渡り、その先には小さな扉がありそれを開けると矢張りあの嫌悪感しか無い狂った老婆が其処に居た。

 

「深夜の月が黒き翼で舞い上がり、最後の灯りを待つのみ。

生にも、死にも、マザー・ミランダに栄光を捧ぐ」

 

「おい覚えているか?

あの城で俺達は危うく死に掛けたぞ!」

 

村に伝わる祈りの言葉…如何聞いても生贄の呪詛を唱える老婆にイーサンは食って掛かり葵達も周りを囲む。

イーサンは死に掛けたと大袈裟に言っている様に見えるが実際ドミトレスクに葵もイーサンも皆殺され掛けた場面がある為間違いでは無い。

 

「………」

 

「(…イヴ?)」

 

しかしイヴは葵の後ろに隠れてしまっている矢張り普通では無い状態であった。

何時ものイヴならこの老婆の正体に勘付いていても囲む様に配置を取る筈であったのに此れである、葵とマキは異常な何かを感じざるを得なかった。

 

「死に掛けたと言う事は生きていると言う事。

賢者と交わす問答じゃ」

 

その件の老婆は鍵を箱に仕舞いながら煙に巻くかの如き返答を行い、そんな問答はマキも聞いていない為少し苛立ち、葵は老婆の正体に行き付いている為姑息な問答をしてると思う。

そうして村人が全滅したかも知れない時の反応もありイーサンも苛立ちながら老婆を更に問い詰める。

 

「惚けるなよ、未だローズが見つからない。

あの子は何処に連れて行かれた?

何か知ってるなら答えろよ!」

 

「ふははははは、もう手遅れじゃ!

いや正しくは手遅れに『なり掛けている』か?

あの子は生贄となる、命に捧ぐ為に」

 

すると老婆はローズが手遅れ、生贄と言う言葉を発し常軌を逸した返答を行い、矢張りミランダはローズを何かに利用しようとしている、それも生贄と命に捧ぐと言うワードからローズの力で何かの蘇生を狙っていると、葵とマキは筋道を立てて解答を導き出す。

 

「中世の話じゃあるまいし、あの子は唯の赤ん坊だ!

生贄だとかそんなのとは無縁な、現代に生きる俺の娘なんだ!」

 

「4つの家紋を探せば、道は開けるかも知れぬぞ?」

 

イーサンはそんな老婆に更に苛立ち、ローズはどんな力を持とうとも自身にとっては唯の生後半年の娘、その答えに変わりは無かった。

すると老婆は壁に描かれた壁画の隅にある家紋、1つは間違い無くドミトレスクの家紋でそれを探せばと杖で示しながら話し掛けて来る。

 

「謎掛けしてる場合じゃない、探してるのは娘だ!」

 

「謎が解けた時、謎掛けでは無くなる。

ふふふふ、あははははははは…!」

 

「イカれババアが……ん?

待てよ、この模様見覚えが………あ、おい待て‼︎」

 

イーサンはその問答を謎掛けと断じてローズの居場所を知るこの老婆から答えを引き出そうとするが、矢張り煙に巻き老婆は扉の方に去って行く。

更にイーサンは壁画の真ん中の模様に見覚えがあった為それに気を取られ老婆を扉の先に行かせてしまった。

 

「…この模様、マキさん、家紋はドミトレスクの物もあるから四貴族として真ん中のは…」

 

「…うん間違い無い、アンブレラ社のロゴマークだ」

 

アンブレラ?

何であのイカれ企業で、今はPMCになったアレのロゴマークなんかがこんな村に?」

 

だが葵、マキは四貴族の家紋を無視して中央の模様がアンブレラの物だと、関わりがある2人が看破してイーサンもラクーン事件や様々な生物兵器の発端となった企業のマークが何故あるか葵達に問うが、2人もお手上げであった。

 

「…チッ、あのババアの言う通り此れを回るしか今は道が無いか…」

 

「みたいですね、そしてアンブレラ社が如何関わるかも……もしかしたらこの村、想像以上に私達にも因縁があるかも知れませんね。

兎に角イーサンやマキさんはイヴを連れて先に行って下さい。

少しだけ写真を撮ったりしますので…後イヴは何か様子が可笑しいから、マキさんお願い」

 

そうして葵は箱を開けて中にある双翼が付いた鍵をイーサン達に渡し、マキにイヴを任せると理由を付けてそれと無く3人を先に行かせて、タブレットを取り出し壁画や周りの写真立てが置かれた…恐らく献花台や中央の大きな写真を撮り、CLOUD共有に保存してクリスやB.Y.達が確認出来る様にしつつ後ろを向き、閉じた扉に向かって小声で話し始めた。

 

「…マキさん達の手間、迂闊な事は言えなかったけど貴女の正体は分かってる、だからローズちゃんを攫って村をあんな風にした罪を必ず支払わせますから覚悟して下さいね。

………ミランダ」

 

「………やれる物ならやってみるが良い、小娘」

 

葵は透視で其処に未だ老婆が息を潜めている事を見抜いており、そして自身が村で行き着いた答えを示し、扉越しに全ての罪を断罪させると老婆……ミランダに宣告する。

すると透視越しに老婆はミランダの姿になり、此方も小声で挑戦を受けるものとして答えると次に蛇に擬態し、壁の間を擦り抜けて行った。

 

「……さてと、イーサン達が多分直ぐ其処で待ってるから行かないと」

 

そうして葵は透視を解きCLOUDの写真に撮った物に『アンブレラ?』や大きな写真に掛けられた白い布を少し持ち上げ撮った物や小さな同じ写真に『同じ写真が幾つもある、献花台もある、此れがヒント?』とメモ書きを加え、直ぐ先に居たイーサン達に追い付く。

 

「お待たせしました。

調べ物は直ぐ終わったので行きましょう」

 

「ああ…ふん!」

 

そうして階段を上がった先に居たイーサン達に葵は追い付くと、マキはCLOUD共有で自身の頭で分かってたアンブレラに、葵が気付いた同じ様な写真が幾つも存在すると細かな部分も見つけた事にグッドサインを出していた。

そうしてイーサンがレバーを上げると外に出て、謎の広い空間に出る。

 

「何だ此処は?」

 

「分かりません…こう言う時にナビゲートが…」

 

『ーーさん、葵さん、マキさん、イヴ、応答願います、此方東北きりたんです』

 

そうして謎の広場で周りを見て、中央にまたアンブレラのマークがある事を確認しながらこんな時こそナビゲートが必要だと思いながら呟くと、葵、マキ、イヴの通信機からたった半日以上しか経過していないのに懐かしく感じる声が鳴り、葵は急いで通信機を取る。

 

「此方オメガ16、琴葉葵です‼︎

通信班、応答を‼︎」

 

『ああ良かった、やっと繋がりました…!

皆さんお待たせしました、クリスさん達のお陰で補給路確保に加えて通信設備を村の各所に仕掛けられました。

それと皆さんが撮ってくれた物も全体共有出来ました。

後は皆さん新装備のアレは壊れてないですね?』

 

「勿論、早速同期するよ!」

 

すると葵は通信先の主、きりたんの声から補給路や通信班が隊員と中継する機材を村に仕掛けた事を聞き、葵とミランダ襲撃作戦前に渡されたマキ、そして相変わらず様子が変なイヴは左耳に付ける片耳イヤホンに小型カメラが付いた物…A.B.F.制作新型通信、映像共有機を装備し通信機にコードを取り付け同期を開始する。

 

「なあ、それは何なんだ?

それと、今の声は?」

 

「此れはA.B.F.が開発した通信、映像共有機で通信班が状況把握して的確なナビゲートをする事を目的に作られた新装備です。

難点はこう言ったクローズドサークルな場所には通信機材を仕掛けないとならないんですよね、代替え電波とか無いので。

それと今の声の子は東北きりたん、私の頼れる友人でA.B.F.通信兼ハッキング班のエリートです!」

 

イーサンは葵達が装備し始めたそれやきりたんの事を聞くと、葵は自信満々な表情で新装備である事やきりたんを褒めつつその立場を明かす。

此れに対しイーサンは通信が生きたと言う事はきりたんの言う通りクリス達が村に侵入したと理解し、後で何も教えなかった事に対して殴ろうと決めていた。

 

「はい同期したよ、見えるきりたん?」

 

『はい、3人分の映像も音声もはっきりと。

それとイーサン・ウィンターズさん初めまして、ナビゲートの東北きりたんです。

気軽にきりたんと呼んで下さい』

 

「ああ、そうか…後呼び捨てで良いぞキリタン」

 

そうして通信機越しにイーサンはきりたんと言葉を交わし、声色からは悪気が無さそうな少女の声と判別し、葵達の様に呼び捨てさせる様にする。

イーサン的には葵達の仲間ならと思いそうさせたのだ。

此れも全ては彼と葵達の間に明確な信頼関係が構築された為だ。

 

『それで状況確認なのですが、現在ローズマリー・ウィンターズの奪還の目処は立ちましたか?』

 

「ううん、村や怪しそうなドミトレスク城を当たったけれどローズちゃんは居なかった。

代わりに何かを知ってそうな商いと、村で出会った狂った老婆から四貴族を回れば道が開かれるとか言われたよ。

後、ドミトレスクの処断に成功したわ。

ただその後からイヴの様子が変なのだけど…」

 

そうしてきりたんは談笑は終わりとして状況確認を葵に状況確認を始め、対する葵は簡潔に説明を行いドミトレスクを倒した事を話した。

だが、その後からイヴが様子が可笑しい事も話しながら彼女を見て、未だ俯いた状態である事を示した。

 

『そうですか…イヴの様子が変なのは気になりますが先ずは村の小教会で補給隊のイータ小隊、それから護衛のデルタチームのB.Y.さんと合流して下さい。

其処は恐らく『祭祀場』ですので、橋を渡り『聖杯の祭壇』経由で村へ戻って下さい。

そうすれば共同墓地まで行けます』

 

「隊長が来てるのか。

了解、じゃあ皆行こう。

…イヴ、行くよ?」

 

きりたんはその場が祭祀場と呼ばれる場所であり、近くの橋を渡り聖杯の祭壇と呼ばれる場所から村の共同墓地まで戻れる事をナビゲートし、葵達は未だ何らかの理由で可笑しくなってるイヴを伴い小走りで進み始める。

すると橋付近には矢張り死体が散乱し、そして橋の上等にはライカンが存在し此方を見ていた。

 

「チッ、お前等何かに構ってる暇は無いんだよ!

ローズを急いで探し出さなきゃならないんだよこっちは‼︎」

 

「イーサン落ち着いて、イヴも気を入れて。

B.O.W.、ライカンと戦闘を開始する‼︎」

 

イーサンはライカンを見てルイザの屋敷の事を思い出しつつ、更にローズの行方を探る為に構ってる暇は無いと悪態を吐く。

それをマキが落ち着く様に言いつつイヴの背中をポンと叩き気を入れさせライカンと戦闘に入った。

しかし、イーサンのライフルに加えやや可笑しなイヴが居てもこの面子にはライカン数体等敵では無かった。

 

「忌々しい化物が…お前等が元村人であろうが、ルイザやエレナ、グリゴリの爺さん達にした所業を許さないからな…‼︎」

 

「………」

 

そうこうしてあっと言う間にライカンを撃破し石橋を渡り歩くとイーサンは改めてルイザ達の事を口にし、それを聞いた葵達も同じ気持ちでいた。

しかし、戦闘が終わるとまたイヴの様子が落ち気味になり、いい加減何があったのか葵は心配になり始めていた。

 

「ねぇイヴ如何したの?

ドミトレスクを処断した辺りから変だよ?

何があったの、出来れば教えてよ?

力になれるなら私達は支えてあげるから」

 

「………ごめんなさい」

 

『えっ?』

 

葵はイヴがドミトレスクを殺した辺りから可笑しくなった事を問い質し、それにはイーサンやマキもあんなに寡黙だが冷静、しかし人間らしく喜怒哀楽を持ったイヴが今は哀の状態になる事を気にしておりイヴを見ていた。

するとイヴが口にした事は、謝罪の言葉だった。

それもイーサンを見ながら。

 

「ごめんなさいイーサン、私が、私達が力不足なばかりに…」

 

「イヴ、まさかローズやミアの行方が未だ分からない事やこの事態を気にしてるのか?

だったら気にするなよ、俺は十分お前やアオイ、マキ達に助けられてるんだから」

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」

 

イーサンはイヴがミアやローズの行方が分からない事や村の惨状、特にルイザ達の事を気にして悲しみに暮れていたと思い、彼女を励ます言葉を掛けるがイヴは壊れたラジカセの様に只々謝罪の言葉を口にしていた。

 

『本当に可笑しいですね、イヴはちょっとやそっとの事じゃ動じないしホラー映画も涼しい顔で見たりするのにこんな…』

 

「…でも今は作戦中、足を止める訳には行かないよ。

ほらイヴ、背中を押してあげるから行こう」

 

それをイーサン、葵、マキ、通信越しのきりたんは本当に様子が変だと思うが、今は足を止める訳には行かずマキがイヴの背中を押しながら歩を進める。

だが葵はこのイヴの様子から何か途轍も無い嫌な予感…今までに無い事態に直面しているのではと考え始め、しかしそれが何なのか分からずに橋を渡り、聖杯の祭壇へ続く門を開ける。

すると其処には何故かまた先回りしたデュークが居た。

 

「来ましたね、此処なら会えると思っていました」

 

『ああ、あれが謎の商いデュークですか。

確かに怪しさプンプンですね』

 

「きりたんちょっと静かに」

 

デュークがイーサン達に挨拶の言葉を口にすると通信機からきりたんの遠慮の無い失礼な言葉が飛び出して話が脱線し掛けた為、葵が静かにと言った。

しかしその内心は嫌な予感が何故か大きくなり出してはいた。

 

「はぁ、無駄骨だった」

 

「そうですか?

でも何か手に入れられたのでは?」

 

「ああ、何かは分からないが…」

 

イーサンは前に出始めデュークと言葉を交わしローズの行方も掴めない無駄骨だった事を告げた。

するとデュークは何か良く分からないフラスクを手にした事を知っており、イーサンは反応して懐からフラスクを取り出して彼に見せた。

 

「おや、娘さんがその中に居るじゃないですか?」

 

『……えっ⁉︎』

 

「何を言ってる?

冗談は休み休み…」

 

「良く見てご覧なさい」

 

するとデュークはそのフラスクを見てローズがその中に居ると言い始め、葵、マキ、きりたんは突然のその言葉に驚きマキはイーサンの隣に行き、葵は今まで何故かしなかった、したく無かったフラスクへの透視を開始する。

そうしてイーサンも冗談と断じたがデュークの雰囲気からフラスクの汚れを手で払い始めた。

すると汚れたフラスクの側面には……『HEAD』と書かれていた。

 

「……ッッ‼︎」

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…‼︎」

 

「はぁ、はぁ、はぁ‼︎」

 

そうして葵はその中身を直接見て口を押さえ、イヴはひたすらイーサンに謝り続け、そのイーサンは焦燥感に満ちながら更にフラスクの汚れを払っていく。

そして一同は絶望する、其処には『ローズマリー・ウィンターズ:‘‘頭部’’』と書かれていたのだから。

そしてイーサンは老婆の言った事を理解してしまい思わずフラスクを地面に落としてしまう。

 

『うっ、おぇぇぇ…』

 

「その瓶には頭部が入っている様ですね」

 

マキ、更に通信機からスキャンしたのかきりたんは同時にその場で嘔吐し、葵は言葉を失いながらフラスクから視線を離せず、イヴは遂に涙を流しながら謝り続けていた。

そしてこの中で最も絶望に直面したのは父親たるイーサンである。

この残酷な現実を受け入れられず、しかし此れの中身がローズ『だった』物だと知り膝を崩してフラスクに手を伸ばしていた。

 

「いや…そんな、何で……!」

 

「ローズ様はー」

 

「ちょっと黙っててくれ‼︎

いや…こんなのあり得ない、嘘だと言ってくれ‼︎」

 

「娘さんは未だ死んではおりませんよ。

特別な力をお持ちなのです」

 

イーサンは絶望に打ち拉がれながらフラスクを手に持ち、それを見るしか出来なかった。

デュークが何故ローズの力を知ってるのか、死んでいない等そんな事は最早イーサンの中では如何でも良かった、ローズをこんな目に遭わせた者達…マザー・ミランダ達への怒りがドミトレスク城で感じた物を遥かに上回る、憎悪と呼べる物が彼の中で渦巻いていた。

 

「ミランダ……あのクソ女共、よくもローズをッ…‼︎」

 

「助ける方法ならあります。

村の西側に赤い煙突の家があります、其処に居る男を訪ねなさい。

この話の続きは、その後で」

 

「勿体振るなよ、何なのかさっさと答えろよ‼︎」

 

「私を信じなくても結構、ですが娘さんの為です。

どうぞお好きに、全てはお客様次第。

そうでしょう?」

 

更にデュークは助ける方法があると言いつつ、先ず村の赤い煙突の家を目指せと要求しイーサンは怒りのままデュークに当たり散らしていた。

しかしデュークは只静かに、商いとしてローズの為だと口にしイーサンにそれを信じるか否かを選択させていた。

マキは嘔吐から復帰し、葵はイヴの背中を押してイーサンの近くへと寄る。

彼が如何なる選択を下すのか聞く為に。

そして、フラスクを見つめながらイーサンが下した決断は…。

 

「……騙したら、タダじゃ置かないからな」

 

「ぶははははははは!」

 

「クソッタレが…‼︎」

 

イーサンが下した決断は一旦はデュークの話に乗り、彼が騙したらその報いを受けさせるであった。

対するデュークは笑い声を上げ、好きな様にすると良いと態度で示しそれをイーサンは悪態を吐き睨み付けていた。

そうして葵達の方を向き、無言のまま先に行くと言う姿勢を見せ、葵達はそれに続いて行き共同墓地に続く階段に出た。

 

「クソ、ミランダッ…‼︎

絶対に、絶対にぶっ殺してやる、あのクソ女も、腰巾着共も全員‼︎」

 

「イーサン…」

 

「…ぶっ殺すのは良いが、方法は如何する?

闇雲に真っ正面からミランダにぶつかれば殺されるだけ。

だから俺達は迅速的な襲撃作戦を取ったんだがな?」

 

イーサンは一度立ち止まり、ミランダへの憎悪を露わにして側の石ころを蹴り上げて何かに当たらなければこの怒りが収まる事が無かった。

そんなイーサンに葵、マキ、イヴは何と声をかけたら良いか分からずに居たが、そのイーサンに声を掛け如何やってミランダを殺すのか問う者が共同墓地の側に居た。

それはミアに化けたミランダに止めの銃撃を入れた者の1人、B.Y.だった。

 

「B.Y.さん…!」

 

「…お前がB.Y.、マキの隊長………お前がミランダを殺していればこんな、そもそも俺に話していたらローズはこんな目に遭わずに済んだんだぞ、このクソ野郎‼︎」

 

「ああ、そうだ。

通信で聞いていた、全ては俺達のミスでローズはそんな風になり、お前は絶望のどん底に堕ちてしまった。

殴るなら好きにしてくれ、但し全てが終わってからな。

…先ずは商いが口にした場所に向かうぞ、俺も話しながら付いて行く」

 

するとイーサンはあの夜の事を思い出し、そしてこの状況になったそもそもの原因はこのB.Y.やクリスがミランダを殺し切らず、更に自身に何も伝えなかった事に起因して居るとフラスクを見せながら当たり散らす。

それをB.Y.はマキ達と同世代とは思えない程落ち着き、更に自身達のミスだとハッキリと告げながらイーサン達の後を付いて来始めていた。

 

「イーサン・ウィンターズ、今のお前にあの夜の事で何かを言えば言い訳に過ぎないから端的に言う。

ミランダをあの銃撃で殺し切れなかった事でお前やローズマリー・ウィンターズにこんな目に遭わせてしまった。

だから俺達はお前への支援を惜しまない。

ミランダを今度こそ殺す為にな」

 

「…仕留め損なった野朗がそれを口にするのかよ」

 

イーサン達は民家…それも書き置きからレオナルド、エレナの家だと判別し、更に心を痛めながらその中でB.Y.が支援を惜しまないと口にするが、イーサンはミランダを仕損じたB.Y.への信用はクリス並に下であり、この場に居る葵やマキ達の方が信用出来るとさえ思っていた。

そして書き置きから穴の空いた馬小屋から先に行くと思いながら反対側の出入り口に顔を向ける。

 

「ああ、仕損じたさ。

そしてローズマリーは生きているながらもそんな目に遭っている、全ては俺達の責任さ。

だからそのミスした分を取り返す、商いの話が本当ならローズマリーは生きているのだから未だリターンが効く。

お前も娘が助けられると思って商いが示した道を歩いている、違うかイーサン・ウィンターズ」

 

そしてB.Y.はイーサンの言葉を淡々と返し、開き直りでは無い純粋にミスした分を帳消しにすると話しながら穴の空いた馬小屋に辿り着き、其処に居たライカンをB.Y.が殺しながら先に進むが、トラクターが邪魔で先に進めない+近くにある遺体をトラクターに巻き込まない場所に安置させたいと葵達は思いB.Y.を見ると、彼は頷き死体を動かしてトラクター下のジャッキを持ち上げるグリップを探しに迂回を始める。

 

「…大体、何で俺に何も言わなかった!

何か1つでも伝えてくれたらこんな」

 

「それはクリスとも話したさ。

だが民間人を関わらせる訳には行かないってのと、お前に何か伝えてミランダが潜入失敗を悟って強硬策を取ったり特異菌感染の疑いがあった上に時間が無かった為無理だった。

だから全部を終えた直後に何とか伝えるって俺がクリスを折らせたんだ、何も知らせず連れていくのは違うってな。

それに…」

 

そうして周り道をしながらイーサンはB.Y.に何も伝えなかった事を非難するが、此れをB.Y.は自分から言えば言い訳になる為彼からこの話が振られたら話す様にしてた為理由を口にし、更にクリスは何も伝えず慌てて連れて行く気だったのに対し自身はミランダ殺害直後に状況を説明してから連れて行こうと対立し、クリスを折らせたと告げながらある事を付け加え始める。

 

「それにお前、隣に居る妻の姿をした奴は本人を殺して成り代わったかも知れない下衆女だって知ってたらその感情を抑えて演技出来たか?

…出来ないだろ、だって最愛の娘の事でこんなに当たり散らすんだ。

同じく最愛の妻の事になればその場でミランダを殺しに掛かって返り討ちにされてローズマリーを攫われただろうな」

 

「…っ‼︎」

 

B.Y.は淡々とローズでこんなになる家族想いなイーサンがミアに化けたミランダに対し演技は不可能だと告げ、更にミアに化けたミランダに対しイーサンが取るであろう行動を予測して話し強行策…イーサンを殺してローズを奪い去ると言う最悪の展開を告げ、イーサンはそれを否定出来なかった。

葵達もイーサンの人となりは見て来た為黙ってB.Y.の言葉を聞いていた。

 

「…さて、民家を探ってもジャッキグリップが無かったからこの立ち入り禁止って場所しか無いな」

 

そうしてB.Y.が先頭を歩き、入れる民家を探り尽くしたがジャッキグリップが見つからなかった為立ち入り禁止と書かれた門の鎖を破壊し中へと入る。

そうして周りを見る中で一つの家屋に写真がありイヴが裏を見て『外を見ろ』と書かれていた為そうすると、窓からいきなりライカンが現れ襲い掛かって来る。

 

「クソが‼︎

今は」

 

「待てイーサン・ウィンターズ、お前は今少し荒れてる。

だから頭を冷やす為に俺に任せて置け」

 

イーサンはローズの事や反論出来なかった事で荒れに荒れていた為銃を構えてさっさとライカンを殺そうとしたが、B.Y.がそんな状態のイーサンを止めて外に出てライカンと戦い始めた。

それも素手で圧倒し、最後は踵落としてライカンの頭を粉砕しそのまま中に戻って来る。

 

「弾が勿体無いからな。

それでイヴ、何か分かったか?」

 

「………多分、こう」

 

するとB.Y.はイヴに写真の意味が分かったかと聞くと、目の前の戸棚に外に書かれたナンバーを入れてロックを外す。

すると中からジャッキグリップ、更にM1911、所謂ガバメントがありイーサンがそれらを手に取っていた。

 

「ふむ、グリップは良いとしてイーサン・ウィンターズ、その大事そうにカスタマイズしたハンドガンとそのガバメント、如何するつもりだ?

まさかハンドガン三丁で戦うなんて言わないよな?」

 

「…このハンドガンは、グリゴリって爺さんがくれた形見なんだ、手放したく無い。

それにアオイから貰ったデュランダルも…」

 

「なら良かったな、イータ小隊にガンスミスが居るからその銃を基にガバメントのパーツや色々を組み合わせてお前専用銃を作ってくれるぞ」

 

するとB.Y.はイーサンにハンドガンの事で話し始めると、イーサンはグリゴリから渡されたハンドガンを大事そうに撫でて手放したくない旨を話す。

更にデュランダルも葵がくれた最初の銃の為手放せないと信頼関係の証になっていた。

それを聞きB.Y.はA.B.F.イータ小隊にガンスミスが居ると告げて、グリゴリの銃を基に専用ハンドガンを作り上げると話し出しながらグリップをイーサンの手から取りトラクターまで戻って行く。

 

「……ガンスミスか…あの野郎の言う奴の腕は大丈夫なのか…?」

 

「イーサン、イータ小隊は葵やイヴが居る組織、A.B.F.の小隊だよ。

腕はかなり信用出来るよ。

……後バカ隊長の事を余り責めないであげて。

あいつ本当にイーサンに何も伝えない何て可笑しい、ミランダを殺してからでも伝えるのは遅くないだろってクリスさんに真っ向から対立して殴り合いになった位クリスさん並にイーサンやローズちゃんの事を気にしてたから…初めて会う人なのにね」

 

イーサンはB.Y.の言うガンスミスが信用に足るか判断出来ずにいたが、マキがそのガンスミスは葵達の組織の人間と話して信用に足る事を告げる。

更にB.Y.、そしてサラッとクリスにもフォローを入れて両者は意見は違えどイーサン・ウィンターズやローズマリー・ウィンターズを気にしてたと話す。

それを聞きイーサンはクリスやB.Y.がウィンターズ家を気にしたのは理解したが、未だ余計なお節介だと思い気を許す事が出来ずに居た。

 

「…イーサン、私からもやクリスさんやB.Y.さんの事は…」

 

「アオイまで…はぁ、善処する。

それからイヴ……ローズの為に泣いてくれて、そして俺を気に掛けてくれてありがとうな………やっぱりお前はエヴリン何かとは違う、立派な人間だよ…」

 

「イーサン…」

 

そして葵もマキに続きクリスやB.Y.の事を責めないで欲しいと話し掛け、イーサンはその意図を理解して少しだけ頭を冷やそうとしたのか善処すると告げる。

そしてイヴに対しローズの為に泣いた事や自身を絶望させたく無い為にただ謝るしか出来なかった事をエヴリンと違うと言いながらありがとうと口にした。

それを聞きイヴは今まで心に残った痼りが僅かに緩み、そしてその言葉で様々な感情が噴出し再び涙を流すのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
きりたんナビ復活と原作の絶望イベントが来ました。
今作では犯人をイーサンは知ってる為ミランダ達にブチギレでした。
葵がフラスクに透視を使わなかったのは本能的な恐れからです。
更にイーサンに何も知らせられなかった理由に更に1つ、ミアを殺して彼女に成り代わったかも知れないミランダ相手にイーサンは演技出来ずその場で返り討ちと言う描写を追加致しました。
イーサンの性格ならばそんな事になると判断した為です。
後トラクターにサイコキネシス使えは次回ちょっと説明があります。

次回もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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