BIOHAZARD【V+α】   作:”蒼龍”

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皆様こんにちはです、第10話目更新でございます。
今回も前回同様B.Y.が絡む会話回になります(但し戦闘0てはありません)。
そして気付けば9000UAを突破していました。
閲覧してくださる皆様、そして新たにお気に入り登録をして下さったり評価ポイントを付けてくれた皆々様本当にありがとうございます。
此れからも全盛期と比べてマッタリ気味ですが更新して行きます。
では、本編へどうぞ。


EP X『新たな銃とそれぞれの戦いの始まり』

ジャッキグリップを手にしたイーサン達はその後直ぐ現れたライカンの群れを撃破し、それでジャッキを上げてトラクターを持ち上げる。

葵でもトラクターは力で持ち上がらない&今の精神状態では上手くサイコキネシスを使えない為に。

B.Y.はそれ等も察して敢えてジャッキグリップを探すのに固執し更にはジャッキグリップを探す前に彼女達の為に、此れ以上遺体を傷付けぬ様にトラクターが倒れ込んでも巻き込まない位置に安置させたのだ。

 

「…すまない名を知らない村人さん、何も知らずに死んだ無念は、全てミランダにぶつけてやる。

さて、トラクターを持ち上げた訳だがこの下を通るか、それともワイヤーロープで何処かの屋根に上がり西側に行くかだが」

 

B.Y.は遺体に無念を晴らすと約束し、矢張り自身達と同じくミランダへの怒りは同じであり、そして葵達の言う様なお人好しで、且つクリスと同じくB.O.W.やそれを利用する者を許さない正義を持った青年だとイーサンは感じ始めていた。

そうしてトラクターの下を通るか屋根から行くかを皆に問いた瞬間、イヴ、葵の順でトラクターの下をスルスル抜けて行った。

 

「…まぁ近場の屋根はトラクターの所為で崩れてるし、さっさと行きたいならこうだな。

マキ、先に行ってくれ。

俺とこの…B.Y.は後から行く」

 

「あいよ」

 

イーサンは葵とイヴの即決に周りの家の屋根は使えないと自身を納得させてマキを先に行かせる。

その後イーサンかB.Y.、何方が先に行くかになったがB.Y.は銃を構えて周りを警戒し始めていた為、イーサンが葵達より遅いスピードでトラクターの下を這いずって行く…その時であった。

 

『ドガァァァァァァッ‼︎』

 

「あ、畜生め‼︎」

 

『ズダダダダダダダダダダダダダッ‼︎』

 

イーサンの上のトラクターが大きく揺れ、葵が怪力で、イヴがカビの支え棒でトラクターを支えマキがドラグーンを乱射していた。

イーサンは急ぎトラクターから出てハンドガン2丁を構え、B.Y.もトラクターから這いずりイーサン達の側に行き周りを警戒していた。

 

「アオイ達、今何が⁉︎」

 

「ライカン…だけど少し大型で手に串刺す刃物を複数巻きつけて頭も兜を被った個体がトラクターの上に飛び乗って、そのまま何処かに……ふう、ジャッキのお陰で支えは要らないみたい」

 

如何やらイーサンが通った瞬間に特殊なライカンが通過したらしく、マキの射撃も掻い潜り何処かに去ったと言う。

そうしてトラクターの支えを葵達は取ると、トラクターはジャッキの支えのみでまだ浮き立っていた為此れ以降も通れると判断しそのまま周りを警戒する。

すると道の先にライカンが複数また現れる。

 

「チッ、雑魚が…葵達、『銃撃は』行けるか?」

 

「はい、まだサイコキネシスは安定して使えないですが…戦闘開始します‼︎」

 

「なら俺もやらせろ!」

 

B.Y.はライカン達に少し苛立ち、葵達に労わる形で銃での戦闘は可能か聞き、葵はサイコキネシスがまだ使えず、イヴは泣き切った為改めて感情が落ち着いてきたのかカビを集約出来、マキは言わずもがなであった。

そしてイーサンも2丁ハンドガンで戦闘参加してライカンを蹴散らし先に進み始めた。

すると、先程葵が答えた特殊なライカンが、イーサン達が村に来た時に通った道の先に現れる。

 

「コイツがその特殊個体か、確かに他のライカンより歯応えがありそうな見た目の化物だな‼︎」

 

「よし、戦闘開始‼︎」

 

イーサンはその大型ライカンを歯応えある化物と叫び銃を構えた後、B.Y.の合図で戦闘を開始する。

イーサン、葵、イヴの3人は頭の兜にハンドガンを集中砲火し、兜を引き剥がすとマキ、B.Y.がドラグーンで弾丸節約しつつ身体中を撃ち抜き隙を作った。

 

「今だマキ、合わせろ‼︎」

 

「モチ、おりゃあ‼︎」

 

『バキッ、ドガッ‼︎』

 

『グルァァァァ……‼︎』

 

その瞬間マキはB.Y.の合図で大型ライカンに突撃し、合わせてパンチで吹き飛ばした後踵落としで大型ライカンを絶命させその格闘戦能力の高さをイーサンにマジマジと見せ付けていた。

イーサンはドミトレスク城でマキが木の板張りをパンチ1発で破壊した事を思い出し、改めて普通の人間勢で最高峰の実力者だと、B.Y.もそれに並べて見ていた。

 

「凄いなマキは。

スーパーガールのアオイ達とはまた違った『強さ』があるんだな……其処のB.Y.も」

 

「此れ位ならクリスや葵の仲間達も出来る……だがこの作戦に葵のオメガ小隊全員が今参加出来なく『させられた』のは痛手になってるな…」

 

「えっ、出来なく…させられた?

如何言う事ですか、B.Y.さん⁉︎」

 

そうしてイーサンはマキ、ついでにB.Y.の実力を賞賛すると、B.Y.がクリスや他の仲間達も同じ事が可能だと口にしマキも笑みを浮かべながら頷いていた。

が、次マキが鉄格子の鍵を開けながらその隣に居たB.Y.の口から衝撃的な事が語られた。

それはオメガ小隊、葵とイヴの部隊が意図的に参加出来なくさせられたと言う物で葵達は驚愕し、イーサンも耳を傾けた。

 

「実は俺が一旦お前達に合流したかったのはそれを知らせる為だ。

葵達、茜達は嵌められたんだ…ミランダに」

 

『ミランダ⁉︎』

 

その場で留まり家の中で井戸に使えそうなハンドルをイーサン達に渡しながらB.Y.は茜達がミランダに嵌められたと語り、イーサンを含めた全員が其処でミランダの名前が出て更に驚愕する。

そしてその内容を語り出す。

 

「奴はオメガ小隊の戦闘能力に驚異を抱いていた、特に葵の双子の姉にして葵と同じT-Genesis完全適応者、オメガ1の茜と茜達と同じウィルスに完全適応しているヨナ・レティシア。

そして葵やオメガ小隊全員が俺達と揃って奴の殺害に乗り出されたら遂行されると危惧したミランダはコネクションを通じて偽のバイオテロ事件を引き起こしていたんだ。

その場に居たB.O.W.も、生存者も、テロリストさえもコネクションの捨て駒で構成された足止め要員だったんだ」

 

B.Y.は自身等やクリス達とオメガ小隊全員、特に茜やイーサンも名前や容姿をCLOWN事件の報道やレティシア家当主として知り、今は対バイオテロ部隊に所属してると言うヨナが揃うのを恐れたミランダが犯罪組織コネクションを通じて彼女達を足止めしたと語り、その周到さに固唾を飲んでいた。

何故ならあの襲撃前に既にミランダに1手2手も先に打たれていたのだから。

此れにはイーサンも深刻さを頭で理解し、その後の会話を聞き始める。

 

「そ、それはお姉ちゃん達が現地で知ったんですか⁉︎」

 

「ああ、それもエイダ・ウォンと京町セイカの現地でのタレコミでな。

アイツ等曰く『早くこの場を後続に任せて葵達の所に行かないと、全てが手遅れになるわよ?』と。

だから今茜達は後続にその場を任せ急ぎA.B.F.本部に帰還、補給を済ませて此方に向かおうとしているが…最悪合流は夜中になるかも知れないとの事だ」

 

『B.Y.さんの言う通りですよ皆さん、ナビゲートよりお伝えしました』

 

その中で葵は茜達がそれを知ったのは現地でかと問うと、B.Y.はエイダ達の入れ知恵があった事を話し、合流は最悪夜中になるとも付け加えきりたんも既に持ち直したのかそれが事実だと通信機から伝える。

イーサンや葵達はミランダの周到、徹底した対策振りに戦慄しある種の恐怖心に似た感情をイーサン達全員が抱いてしまっていた。

 

「此れで分かっただろ?

お前達だけではミランダに絶対に勝てない、今居る俺達やクリス達の力を合わせても勝率が怪しい今までに無い冷酷にして真に此方を掌で踊らせる生体兵器だと。

だからお前達はミランダとは自分達だけで戦うな、会ったら一旦逃げるんだ。

それが奴に勝つ為の道にも繋がる」

 

そうしてB.Y.は結論として葵がクリスからも聞いたミランダには自分達だけでは絶対敵わないと締め、イーサンや葵達に逃げる様にも伝えながら梯子を登り始める。

それを聞き終えたイーサンや葵、マキやイヴはB.Y.の冷静且つ怯えてる訳でも無いのにミランダに勝てないと口にした事で改めてあの化物に自分達だけで挑むと言う気持ちが失せるのであった。

とてもこの4人でも敵う相手では無い為である。

 

「さて赤い煙突の家に着く、中に入るのは?」

 

「…私達4人で、B.Y.さんは見張りをお願いします」

 

そうして屋根伝いに赤い煙突の家に辿り着き、B.Y.が中に入るメンバーは誰かと告げると葵は4人で、B.Y.が見張り役をする様に伝えると彼は頷く。

そして更に梯子を登って赤い煙突の家の崩れた屋根から中に飛び降りると、イーサンと葵達はライカンの唸り声が響いている事を察知し、イヴがカビ剣で不意打ちし首を切断する。

 

「チッ、デュークめ…此処にはライカンしか居ないじゃないか…で、アイツは何でこんな家に?」

 

「机の上に箱と書き置きがあります。

先ず箱を調べて…『双翼の鍵は3つの部品を真の姿を取り戻す』、そして鍵の部品…この鍵未完成だったのか…。

そう言えば礼拝塔を出た直ぐの小屋に例の細工が出来上がったとか何とかの書き置きがありましたからこれかもですね」

 

イーサンは悪態を吐きながら周りを見渡し、4人で棚や机の箱を調べると、箱の中から双翼の鍵と合わせると言う部品とそれを記した紙があり、早速葵はそれを組み合わせて『四翼の鍵』とし、更にその横の読み物を読み始めた。

それは…この家の家主の書き置きであり、そして2月1日から9日、今日までの記録が綴られた物だった。

 

「『2月1日、ミランダ様に山羊2頭を献上。

2月3日、ミランダ様に毛織物を献上。

指定された薬品と器具を数日内に用意する様言われる。

何に使われるのだろうか?

2月8日、ミランダ様からの連絡無し。

やけに家畜共が騒がしい。

2月9日、夜明け前、件の品を岩の教会まで届ける様言われる。

其処で私は…恐ろしい物を見た』」

 

葵がその内容を音読し、イーサン達もテーブルを囲う様にそれを見つめていた。

其処で葵は未だ予備のカラコンが無い為ウィルス完全適応者の瞳がギラギラと輝き始め、腕もプルプルと震え始め、横で見ていたイーサン達もその内容を見て怒りの感情が再び湧き始めていた。

 

「『其処には四人の貴族様と、見知らぬ赤子を抱くミランダ様が居た。

ミランダ様が何かを呟き、そっと…その子の顔に触れた。

すると…何と言う事だ…見る間に赤子の身体が…白く…結晶の様に変わって行くではないか。

そして…その結晶を…ああ!

私は思わず尋ねた。

一体何故、こんな事を?

ミランダ様は微笑み、言った。

この子は選ばれし子、如何なる姿になろうと、やがて元に戻る、と。

そして…貴族様達が結晶を1人ずつ授かり、去って行った。

私はミランダ様への礼儀も忘れその場を逃げ出した。

恐ろしい。

一体あの子は…何なのだ』」

 

それはローズが結晶化させられバラバラにされた事、薬品や器具はフラスクと中に入った黄色い液体、それ等を理解するに至る物であった。イーサンはその書き置きをクシャクシャにして投げ捨て、葵達が離れた瞬間テーブルを蹴り飛ばしていた。

 

「クソ、ミランダに腰巾着共が‼︎」

 

「…確かにその怒りは御最もですよイーサン。

ああ、またキレてしまいましたよ………頭の血管が切れそうです」

 

「右に同じく」

 

葵は漸く精神の揺り幅がマイナスからプラスに変わって来た事でサイコキネシスを使える様になり、そのクシャクシャになった書き置きを手元に引き寄せる。

そしてイーサンの怒りに対し葵は当然だと呟き、そして他3人もまた怒りを露わにしてミランダ達を絶対に許さない理由がまた1つ増えたのだった。

そして外に出るとB.Y.が佇んでいた。

 

「…如何やら中でミランダ達に怒る物を見たらしいな。

見せてくれないか?」

 

「どうぞ」

 

中での騒音やイーサンの叫び声からB.Y.は怒るに値する何かを見たのだと確信し、それを見せる様に言うと葵がサイコキネシスでB.Y.に書き置きを飛ばし、それを受け取ると彼はタブレットに撮りながら黙読し、そしてそれ等が終わるとイーサンと同じくクシャリと紙を握り潰し、そして家の中に入りテーブル付近に捨て去る。

その目にイーサン達と同じ怒りを宿しながら。

 

「…もう用は済んだ、後は小教会に向かおう」

 

「イヴの言う通りですよイーサン、突っ走らない様気を付けて下さい」

 

「お前等もな」

 

そうしてイヴから用が済んだと言葉が飛び、葵はイーサンに突っ走らない様に言いつつ小教会に向かい始める。

するとイーサンは他3人にも同じ事を呟き、その声色は怒りに染まった物で、しかし未だミランダに勝てない事の無力さへの怒りも混じらせながらも彼女に突撃せぬ様に自制しながら小教会へと辿り着いた。

 

「待ってろ、開ける様に合図を送る」

 

『コン、コンコンコン、ドンドン、ドン、ドンドンコン。

カチッ』

 

「ウィンターズやアオイ達と合流したか、デルタ1」

 

小教会到着後にドアのノック音の強さを調節しながら叩くと、中から葵とイヴが知る補給路、通信設備確保部隊イータ小隊隊長、サジタリウスやデュランダルを作り上げたガンスミスイータ1が他隊員達とパソコンを囲みながら居た。

 

「イータ小隊の皆さん、補給路と通信設備確保御苦労様でした!」

 

「アオイの嬢ちゃん達も、ドミトレスクをぶっ倒したんだろ?

お陰でライカン共とはハウンドウルフ隊と共に数体しか戦わず奴等の目を盗んで侵入出来たんだからな。

ほら、補給弾薬に…あ、カラコン失くしてるじゃねえか。

ほれ、予備カラコン」

 

葵とイヴは早速イータ1やイータの隊員達に敬礼し、その任務達成を労う。

対するイータ達はデュークのみでは少し限界がある弾薬や回復アンプルやイヴやイーサン用回復薬、更にイータ1が葵がカラコンを無くした事に気付き丁度持ってた予備カラコンまで渡してデューク並の至れり尽くせりとなった。

 

「でだイーサン・ウィンターズ」

 

「イーサンで良い」

 

「じゃあイーサン、クリス達は葵達の連絡を受けて迅速な準備をして大体葵達が村に侵入してから3時間辺りで俺達と共に村に来た。

それからは俺達デルタとイータ小隊達は共同で通信や補給路確保をし、クリス達ハウンドウルフ隊はこの村の何処かにある研究室の捜索、菌糸の採取と分析を6名中5名が3:2で別れ、クリスが村外れの工場に単独潜入調査中だ。

クリスに会うのはもう少し掛かるが…お前の事を気にしていた、とだけ言って置く」

 

イーサンはB.Y.に呼び捨てを要求して話を進めて行くとB.Y.達は通信や補給路の確保をして葵達やクリス達の両面支援をし、クリス達はそれぞれ動き別々の調査を行っていると口にし、パソコンにも同じ内容が書かれていた。

そしてデルタチーム、イータ小隊はその後は囮になりミランダの注目を引く作戦となっており、更に『Ω16達にEWを任せ、もし会ったら全員がRW奪還の支援を惜しまない様に』と書かれクリスの不器用な優しさが垣間見えていた。

 

「クリス…あの野郎、なら直接言って来いよ」

 

「クリスも負い目があるんだ、ちょっとだけ許してやって欲しい。

それとイータ1、イーサンのハンドガンの専用カスタマイズを依頼したい。

基銃はこの銃にしつつ、原型を崩さずにこのガバメント等のパーツを使って最高の銃を仕立ててくれないか?」

 

「ふむ、じゃあ握力と腕の筋肉、手のサイズの採寸をするからちょいと来い」

 

イーサンはクリスにやや険しくもB.Y.に諭されてか余り悪態は吐かず、しかしB.Y.にもう少し許して欲しいと頼まれ手を挙げる。

そしてそのB.Y.はイータ1にイーサンが使うグリゴリの形見たるハンドガンを原型を崩さず最高の銃に仕上げる様にとオーダーする。

それを聞くとイータ1はイーサンの握力等を測り、更にその銃を見て首を縦に振りながら口を開いた。

 

「OK、此れなら直ぐにオーダー通りに完成させられる。

ウィンターズ、少しの間ハンドガンを預かる。

なぁに、直ぐに出来上がるから何か村でやって来な」

 

「…マジで原型崩すなよ?

コイツは、この村に来た時に助けた爺さんの形見の銃なんだからな。

じゃあアオイ、少しの間何処に行く?」

 

「……ならルイザさんの屋敷へ。

あの人達としっかりと別れの挨拶が出来てませんでしたから」

 

イータ1はオーダー通りに完成させられると豪語しながらイーサンから銃を預かり、直ぐにメイキングを開始する。

そうしてイーサンは銃を預けると、葵に何かやる事を聞くとルイザ達に別れを告げてない事を口にされイーサン達4人は沈んだ顔を浮かべる。

 

「ならそのルイザの屋敷へ案内してくれ。

銃が完成するまでの間護衛する」

 

「…分かった、行こうアオイ、マキ、イヴ。

ルイザ達に、別れを言いに………B.Y.、道はこっちだ」

 

するとB.Y.がイーサンの銃が完成するまで護衛するとして付いて来る気でおり、それを聞いたイーサンは葵達3人に加えて彼を伴い、小教会から出てルイザの屋敷に向かった。

その目の前の畑にあったユリアンの遺体は血の跡を残して消えており、ライカンに運ばれてしまったと思い苦い表情を浮かべていた。

そして門を開け、完全に崩壊したルイザの屋敷に辿り着く。

 

「…また来たよルイザ、グリゴリの爺さん、エレナ、レオナルド、アントン、ロクサーナ、そして…ああ、最後の1人の名前を聞きそびれてた。

此れじゃあ、ちゃんとした別れは出来ないな…」

 

イーサンは屋敷の前で犠牲になった皆の名を口にして行く。

しかし、セバスチャンの名前のみは聞いていなかった為言葉を交わしたのに不完全な別れにしかならないと思い更に苦い表情を浮かべ、葵達も同じ表情を浮かべていた。

するとイヴが前に出て、屋敷と接する地面に触れて目を閉じ始めていた。

 

「イヴ、まさか意識ネットワークを?

ダメよ、この村自体が実験場だから頭の中が焼き切れるよ!」

 

「…大丈夫、屋敷とその周囲に範囲を何とか絞れれば…」

 

葵はイヴが特異菌の意識ネットワークにアクセスしようとしてると気付き、この村でやれば来た当初の様な情報処理し切れず頭が焼き切れると断言して止めさせようとしたが、イヴはルイザの屋敷とその周囲に絞り込めればと言い意識ネットワークのアクセスを開始する。

するとイヴから脂汗が流れ始め、明らかに苦痛に満ちた表情を浮かべるがそれでも止めようとせず、意地で続ける。

 

「………ッ‼︎

ゲホッ、ゲホッ‼︎」

 

「イヴ、おい大丈夫か⁉︎」

 

「大丈夫、イーサン………分かったよ、あの怪我してた人の名前。

セバスチャン、それが怪我してた人の名前………」

 

そして案の定イヴは頭がオーバーフローを起こし、目から血涙が如き血が流れて咳き込みイーサン達が抱き抱えると、イヴはセバスチャンの名を口にして調べ切ったと言った表情を浮かべていた。

それを聞いたイーサンや葵とマキは、無茶したイヴの頑張りに報いる為に彼女を支えて立たせ、そして改めて名前を告げ始めた。

 

「…そして最後にセバスチャン、救えなくて済まなかった…命を賭けて俺達を逃してくれてありがとう。

ユリアンと一緒に安らかに眠ってくれ…」

 

「…ルイザ、グリゴリ、最後まで私達に祝福があらん事を祈ってくれてありがとう…アントン、余り酒を飲んで皆を困らせないでね………さよなら………」

 

「エレナさん、レオナルドさんと一緒に浄土で村の皆さんと幸せに……さようなら」

 

「貴女達の無念は、ミランダにぶつけてやるからどうかその眠りを妨げられる事が無い様に…」

 

イーサン、イヴ、葵、マキの順でルイザ達に別れを告げるとそれぞれが十字を切ったり、手を合わせて別れの礼を尽くし、此処で何があったか分からないB.Y.も無辜の村人が死んだのだと流石に理解し、鎮魂の念を捧げていた。

そうしてイーサン達は改めて周りを見ると、グレネードランチャーの弾丸や宝箱が散乱しておりそれを手に取って静かに呟き始める。

 

「…此れはルイザ達が俺達に託した物なんだ、俺はそう思う」

 

「ですね、なら大事に使いましょう。

此方の宝箱は…ルイザさんの名が入った首飾り、中には鍵があって宝石が取り外し可能。

……ルイザさん、鍵の方だけ使わせて頂きます」

 

イーサンはそれ等がルイザ達が託した物だと口にすると、葵もそれに同意しながら宝箱を開く。

すると其処にはルイザの首飾りがあり、中に鍵があると透視で目撃して宝石を一旦外し、鍵のみを取り外して首飾りはイングリドの物と同様売らずに手元に残す選択を取る。

この首飾りは遺品で、使い道は残されたイーサン達に委ねられる為誰1人として鍵を使う事は咎めずに居た。

 

「…さあ行こう、別れは此れで終わりだ。

後は…残りの貴族と、最後にミランダを殺してローズを必ず取り戻す」

 

「はい……ああB.Y.さん、少しだけ頼みたい事があります。

此れは多分マキさんやイヴも一緒の事を思ってます」

 

「何だ葵改まって。

CLOWN事件からの付き合いだ、気軽に頼んでくれ」

 

イーサンは別れを済ませた後1歩力強く踏み出し、最終的な目標を四貴族とミランダの打倒、そしてフラスクになりバラバラになったローズを元に戻して取り返す事を告げ、葵達も頷く。

すると葵はB.Y.に頼み事をし始め、彼はCLOWN事件からの付き合いとして気軽に口にする様に言って来た為葵はそれを口にする。

 

「ミア・ウィンターズさん、本物のミアさんの捜索をお願いします。

例えミランダが成り代わって行方知れずになっていてもあくまで行方が分からないだけ、この村の何処かに居るかも知れません!

だから、僅かな可能性でも生きている可能性に賭けたいんです…お願いします!」

 

「…そうか、葵は、いや、イーサン達はミアも諦めてないのか…なら相分かった、デルタチームがミア捜索も請け負う。

だからお前達は先ずローズのフラスクを取り返すんだ」

 

葵はミア生存を諦めていない事をB.Y.に告げ、マキやイヴ、イーサンも同じ目で彼を見ていた為その思いを受け取り、デルタチームがそれを引き受けると公言しイーサンはB.Y.も大局より僅かな可能性に賭けてくれた、そう感じ取りB.Y.に礼を述べようとした。

 

「B.Y.、その、ミアが生きてるかもって思ってくれて」

 

「礼なら未だ良い、ミアを見つけてからだ。

それに俺達はどうせ囮になるんだ、そのついでに人探しが追加されただけの話だ」

 

しかしそれをB.Y.自身がストップを掛け、囮になるついで+本人を見つけてからと理由を付けて礼は未だ敢えて受け取らなかった。

イーサンは此れを少し捻くれてるが、受けた物をやり切るまでは礼とかを受け取れない責任感の強い質なのだと理解しそれ以上は言わずに小教会へ戻る。

 

「おう、丁度良く戻って来たな。

カスタマイズが丁度完了した、後は銘柄を彫るだけになったぞ」

 

「早いな。

………銘柄、なら『Sătean(サターン)』って彫ってくれないか?

村人の無念をぶつける、此れ以上に無い名前だと思う」

 

Sătean(サターン)…まんま村人、ね。

了解だ、彫ってやる」

 

するとイータ1が既にカスタマイズを終えて後は銘柄を彫る作業となり、イーサンはSătean(サターン)と彫る様に要求し、イータ1はそれに理解を示してそれを彫り、そしてイーサンの手元にグリゴリの形見はサターンと言う名の銃となり戻って来る事となった。

 

「凄い、まるで自分の身体みたいにグリップが綺麗に馴染む……それでいて爺さんの銃の形が崩れてない」

 

「1から作る訳じゃ無かったし、カスタマイズは簡単だった。

威力は勿論だが何よりデュランダルとは逆に連射に重きを置いたカスタマイズにしといたぞ。

まぁ、未だ試運転して無いがな」

 

イーサンはグリゴリの形見の銃がニュートラルの時よりも手に馴染むと感じ、軽く手をスナップさせたりしてその馴染み様と基銃の原型がしっかり残ってる事に素直に感心していた。

イータ1は連射を重視したカスタマイズにしたと説明するが未だ試運転=発砲して無い為性能が未だ未知数であった。

イーサンは適当にライカンが居ないか外を見ると、丁度4体のライカンが小教会を睨んでいた。

 

『グルルルル…!』

 

「試運転相手なら見つかったぞ。

さあ来やがれ元村人の化物共、完全に人間を止めさせられたお前等を寝かせてやる‼︎」

 

『ズダダダダダダダダダダッ、ズダンッズダンッズダンッズダンッズダンッズダン‼︎』

 

そうしてイーサンは4体のライカン相手に右手にサターン、左手にデュランダルのカスタマイズハンドガン2丁による発砲を行いライカンを4体一気に沈める。

サターンはイーサンの連射速度にピッタリと合い、それによりライカンは蜂の巣になりデュランダルの単発威力もライカンの頭を飛ばし正に2丁拳銃のスタイルに合った仕上がりとなっていた。

 

「…良し、此れならもう怖い物なんか無い、寧ろルイザ達が付いて来てる感じすらする……イータ1、最高の銃をありがとう。

じゃあアオイ、マキ、イヴ、デュークの所に向かおう」

 

「ですね…B.Y.さん、イータ小隊の皆さん本当にありがとうございました、また生きて会いましょう‼︎」

 

「隊長死ぬなよな!」

 

「…グッドラック」

 

イーサンは最高の仕上がりとなったグリゴリの形見…サターンにルイザやグリゴリ、エレナ達村人の意志が宿った様に感じ取り、例えミランダでも恐れる事は無くなったとして葵達を連れてデュークの下へ走って向かう。

葵達もイータ小隊やB.Y.に次も生きて会う事を誓いながら後に続き走り出そうとした。

 

「待ったマキ、選別だ‼︎」

 

「っと…此れ、レールガン⁉︎

でもこの村じゃ使えないよ、未だ生き残りが居るかもだし」

 

「分かってる、だからそれはミランダとの決戦用、後は四貴族の中でクリスの勘が危険と感じたハイゼンベルクとの戦い用だ‼︎

だが必要と思えば使うのを躊躇わず使え‼︎」

 

その前にB.Y.はマキを呼び止め、規格外兵器のレールガンを予備弾頭毎投げ渡し、ハイゼンベルクやミランダとの決戦用、後は使う時と思った際に使えと命じる。

マキはそれ等を聞き無言で頷いた後走り出し葵達に追い付きデュークの下へと行くのであった。

 

「さて…デルタチーム、イータ小隊と共に本命のHWの存在を気取られ無い様に、またイーサンや葵、マキ、イヴのローズ奪還組も動き易くする為に囮作戦を決行する…が、葵達の頼みだ、恐らくは村に居るであろうミア・ウィンターズ本人の捜索もデルタチームが請け負うことになった、良いなお前達‼︎」

 

『了解‼︎』

 

そしてそれを見守ったB.Y.もまたイーサン達の頼みであるミア捜索も目的に入れてイータ小隊の面々と共に危険な囮作戦を決行する。

もしミランダが本気で潰しに来れば全滅すらあり得るこの作戦、しかし本命のイーサン達とクリス達が水面下で同時に動ける様になるのに必要な作戦を決行し、デルタチーム他6名もまたそれに二つ返事で了解と答え、覚悟を決めて動き出した。

こうして邪悪と狂気が満ちる村でそれぞれの戦いが始まる。

その戦いの行く末を知る者は未だ誰も居なかった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
イーサンは本作オリジナル銃『サターン』を手にし、某悪魔狩りの人みたいな2丁拳銃スタイルが完成致しました。
またミランダが本編開始前から裏でアレコレ動いた事をタレコミで知ったり、ルイザの遺品は首飾りの中の鍵のみを使うと言う方向に行きました。
そしてB.Y.達が本物のミア捜索を二つ返事で受けましたが、彼等はあくまでも裏方。
表に出張る人達と違い少ししか語られない立ち位置になります。
後種類の違う特異菌ネットワークにアクセス出来るのは、パソコンの機種、OSが違おうともインターネット接続は機能さえあれば出来る理論でイヴも接続と読み込み『だけ』は可能です。

此処までの閲覧ありがとうございました、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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