今回からベネヴィエント邸編に突入します…つまりアレがああなってこうなって、です。
しかしドミトレスク城編と比べたら短く終わると思われますのでご了承下さいませ。
では、本編へどうぞ。
B.Y.達と別れた後イーサンと葵達はデュークの下へ向かう。
其処には矢張り柔かに待っていたと言わんばかりなその姿があった。
「如何です?
何かわかりましたか」
「羽の金細工を持っていた鍵と組み合わせて四翼の鍵になったり、ミランダの腰巾着共が1人ずつローズの結晶を持って行った事だ。
要するに、この鍵を使って連中の下へ向かえばローズの瓶を取り返せるんだろ?
その後は如何する?」
「まあ慌てず、先ずは瓶を集め切る事が先決です。
そして、四貴族のお話を少し致しましょう」
デュークはイーサン達に何が分かったかを問うとあの紙の内容や鍵を組み合わせた事。
此れにより行ける場所が増え、其処にミランダの配下が居てそれ等から瓶を取り返せば良いとイーサンが答え、更にその先の元に戻す方法を聞こうとした。
しかしデュークに慌てずフラスクを集め切る事を告げられ、更に配下の四貴族の話を始める。
「この村を統治する冷酷な教祖ミランダの下には、4人の貴族が仕えています。
1人は貴方方が倒したドミトレスク夫人。
2人目は村の奥深く、霧の谷に住む人形使いのドナ。
彼女の屋敷に入った者は2度と戻って来られません」
イーサンはミランダの腰巾着としか捉えていなかった四貴族の話を聞き始め、葵達も自身等が調べ上げた四貴族の情報に齟齬が無いかを確かめるべくきりたんの音声録画と共に聞き始める。
1人は既に死んだ吸血女のドミトレスク。
2人目はドナ・ベネヴィエント、人形使いで霧の谷に住むと言われ、その点は間違いでは無いとして首を縦に振る。
「そして3人目は、風車を抜けた先の湖に住む怪人モロー。
その湖には他にも恐ろしい怪物が棲むと言います。
最後にして最も危険なのがハイゼンベルク卿。
人里離れた工場に潜んでいます。
噂によれば、彼の工場には想像を絶する恐怖が待ち構えているのだとか」
3人目のサルヴァトーレ・モローはこの村の風車の先にある湖に住む、更に何らかの怪物が湖を偶に徘徊していたと言う報告がクリス達ハウンドウルフ隊やA.B.F.、デルタチームの監視から為されており正しかった。
そして現在クリスが単独潜入調査している村外れの工場に居るカール・ハイゼンベルク。
葵が直接対峙した事等やクリスが単独で乗り込んだ事から四貴族中最も危険だと言うのも正しかった。
するとデュークはイーサンが書いていた村の地図に何かを書き記し始める。
「重ね重ね言いますが娘さんを助けたくば4つの瓶を集める事です。
今回だけは特別にそれぞれの場所を地図に記して置きました。
また村には貴重な品が眠っています、何れもきっと貴方達の役に立つでしょう」
「…本当だ、私達の調べた四貴族の住処の情報と正確に一致してる。
情報もしっかり取り扱う商い、此処まで来ると凄い」
イヴが先ず地図を見るとドナ達が居を構えているとされる場所の情報と正確に一致する物が書き足され、更に貴重な品と言う物の場所まで書かれて情報の扱いまで商い精神が宿っている事に此処まで来ると感心すらしていた。
「それに貴重な品…それって多分お宝って事だよね?
換金とかそんな感じにして弾薬を買う様にって事?」
「ええはい。
ツルマキ様やアーク様、コトノハ様の補給路が確保されても接触タイミングはミランダの目を盗む関係上限られてしまうでしょう。
なら、この商いの商品やカスタマイズも利用しつつローズ様を取り返す算段を立てるのが最も最効率と私は思いますよ?」
そして貴重な品も換金等をして金策し、デュークの商品を買う事をマキが聞くと本人は肯定し、更に補給路確保もデュークの言う通り用意周到なミランダの目を盗みながらやらなければならない為慎重に接触タイミングを図らなければならない為彼の商品や銃のカスタマイズ等を利用する事こそがローズ奪還の1番の近道だと、葵達のみならずイーサンすら感じていた。
「何故此処まで…?」
「貴方は村の、ドミトレスクとも接点を持ってた商い。
それなのに何で村の外部、しかもミランダ打倒を目標の1つにしてる私達に?」
「いえあくまで顧客サービスの一環ですのでお気になさらず。
そしてもう1つ、商いは客を選ばす私の商品を求める者に商売をする、此れが私のモットーですよ。
それでは今後ともどうぞご贔屓に」
イーサン、そして葵は此処までの手助けをして来るのか理解出来ずデュークに問うが、此れは顧客サービスとされ気にせず、更に誰が相手でも商品を求める者に商売すると宣言しながら今後も利用する様にと言われイヴ、更にマキも感じた物凄い商い精神に感心し、ならばローズ奪還の為に最大限利用しようと4人は頷き合った。
「さて、最初にハイゼンベルクに捕まった時に居たあのビスクドールを操ってた奴の所に行く前に万全な準備をしよう。
デュークから記されたこの地図、ルイザの物も書かれてるが首飾りは売らないとして、首飾りの中にあった鍵は何処で使う?」
「そうですね、なら透視で周りを見て……あ、祭祀場への扉の先に廃墟がありましたよね?
其処に宝物の箱が見えます」
そうしてイーサンは先ずドナの下に行く前に準備をするとして金策をしてデュークの品を買ったりしようと言い始め、全員それに賛成した。
が、ルイザの遺品として地図に記してあった首飾りは売らず中の鍵を何処で使うかを透視持ちの葵に聞く。
すると祭祀場への扉の目の前にあった廃墟に宝箱があるのを葵は発見し4人で走り出した。
「さて、中身は…此れはゴブレット?
如何にも貴重品そうだな…ルイザ、使わせて貰うぞ。
後は村の井戸に使うこのハンドルを使ったりして、今行けて入手出来る物を片っ端から手にするぞ」
「あいよ、それでデュークにこのドミトレスクの結晶毎売り付けよう。
…村の皆、ミランダを殺してこの悪夢を終わらせる為にちょっと使わせて貰うよ」
イーサン達はゴブレットを手にした後、村を探索し金策出来る物を見つけたり弾薬等を発見してからデュークにドミトレスクの結晶毎売り付けて商品を買い準備万端にしてドナ・ベネヴィエントの討滅及びローズのフラスクを奪い返すことになった。
そうして集め切ったのだが幸いな事に葵の透視能力が此処でも活き本来見つけるのに掛かる時間等を短縮し物の15分程度で現時点で行ける村の探索を済ませ、デュークの下で現在組み合わせて完成する物以外の売れる物を売っていた。
ドミトレスクの結晶毎。
「おお、ドミトレスク夫人!
死してなお美しい、このくびれが…ふむ…。
おっと失礼、他の品々の売却、及び商品購入とウィンターズ様の銃のカスタマイズありがとうございます。
しかしこのハンドガン…サターンは短時間でカスタマイズされたとは思えぬ芸術品!
此方のカスタマイズもわたしの手で加えられるのは少々程度、それ以上はバランスが崩れましょう」
そのドミトレスクの結晶を最後に売った所、葵達がジト目するレビューを開始したがそれに気付いたデュークは失礼と一言言い、商品購入と銃カスタマイズに御礼を申し上げると同時にサターンは完成された芸術品だと言いデューク側からカスタマイズするのは少々と予め言われる。
「良いさ、こうやって俺達の準備を万端にしてくれるんだからな。
……さあ、行くぞ3人共、先ずはこの鍵で今開ける霧の谷側に行くぞ」
「はい、ドナ・ベネヴィエントも四貴族の1人ですから油断せず行きましょう」
「んじゃデューク、また何かあったら売り付けて商品買うからよろしく」
それをイーサンは準備を整えさせるだけで十分だと言い、まだまだ謎多き人物だが商い精神だけは本物と評価した後霧の谷、ドナの下に向かうと宣言する。
葵達も同意し油断せず行く為に銃を構えながら扉前まで進み、最後にマキがデュークによろしくと言うと彼は頭を下げ、4人が扉を潜るのを見送る。
「…じゃあ、相手が人形使いでもドミトレスクみたいな事になる可能性があるから、油断せず行こう」
「ああ。
さあ走るぞ」
最後にイヴがドナ・ベネヴィエントが人形使いと一見戦闘力が無いと思えても特異菌による変異でドミトレスク級の力を発揮するかもしれないと主にイーサンに忠告し、それを聞き終えると走り出した。
そうして周りは直ぐに霧に包まれて行き、その行き先の木には人形の首が吊るされた不気味な雰囲気が表れ始める。
「悪趣味だな。
気味が悪いしさっさと抜けるぞ」
「…了解」
「それにしても霧が深い、逸れない様に気をつけましょう」
イーサンはこの悪趣味な物と理由を付けて小走りで深い霧の中を走って行き、葵達は互いに逸れぬ様気を付けながらその後を付いて行く。
そんな霧深い道を真っ直ぐ進むと吊り橋があり、少しゆっくりになるが進んで行き余り木の足場を崩さずに渡り切る。
すると門が現れるが、その先で異変が起きる。
『イーサン…』
「何…?」
何とその門は1人でに開くとミアの声が響き渡り、更に直ぐ先にはローズを抱えたミアが立ち、イーサンや葵達を見つめていた。
「イーサン、クリスの友人の皆、付いて来て。
伝える事があるの」
「ミア?
おい、今ミアが…」
「はい、私達も見えましたし聞こえました。
ですがローズちゃんはフラスクに入れられて今もこうして…いきなり消えましたし、まさか幻覚?」
『?
あの、皆さん何をーーーザザァァァァッ、プツン‼︎』
そのミアはイーサン達に付いて来る様に言うと直ぐに消え、しかしローズの現在の状況からそれは幻覚ではと葵が予想を立て、マキ達もフラスクを確認して再びミアらしき人物が消えた先を見据える。
すると通信先のきりたんが何かを言おうとした瞬間通信機からノイズが走り、通信が切れてしまう。
「えっ、ちょっときりたん⁉︎
きりたん⁉︎
……通信が途絶えた、この通信機最新式で設備さえ整えたらこんな谷でも通信が届く様に作られてるのに…‼︎」
「…通信機遮断、更にミアの幻覚らしき物…ドナ・ベネヴィエントが私達を誘ってる?」
「なら乗ってやる、恐らく幻覚…の様な物はミランダの腰巾着の人形使いが態々見せてるんだろう、通信機遮断も奴の仕業なら乗ってやって本物のミアの居場所を吐かせてやる‼
態々ミアの幻覚をどんな方法か知らないが見せて来たんだからな‼︎︎」
マキは通信機の通信が遮断された事に焦り通信機を叩くが、うんともすんとも言わず最新式通信機なのにと焦る。
そんな中イヴが真っ先に冷静になって考えた結果、ドナが此方を誘い込んでいると考え葵もそれに頷いていた。
そしてイーサンは態々ミアの幻覚を見せた=本物のミアの居場所を知ると考え、怒りながらも冷徹にドナを確実に倒す機満々で進み始めた。
「ローズは…普通じゃない。
イーサン、何とかしないと」
「ミアはローズを愛していた、ならこんな事は言わない…‼︎」
「皆居なくなる…ローズでさえ…そんなの耐えられない…」
「ミアらしい事を言って騙そうとしやがって……幻覚ならあのベイカー邸で散々見たしこっちには専門家のイヴも居る、いい加減こんな幻覚を見せるのを止めろ…‼︎」
そうして歩を進める毎にミアが現れてはイーサン達にローズの事に絡めた話をしては消えると言うのにイーサンは怒り心頭になって行き口がどんどん汚くなるが、葵が背中をちょっと叩いて落ち着く様にジェスチャーすると、一旦深呼吸をしてイーサンは心を落ち着かせた。
「済まない葵、皆…ミアやローズの事になると」
「…誰だって愛する家族の幻覚を見せられたら怒るよ。
それで此れがドナ・ベネヴィエントの力なら、こんな幻覚でイーサンを惑わそうとしたり神経を逆撫させるのが目的なら、本性は相当な加虐的な物だと思う」
「あのビスクドールを操って話をしてたから間違いないかもね」
イーサンは冷静さを失い掛けた事を反省すると、イヴは最愛の家族の幻覚を見せられたらこうもなるとフォローを入れ、葵達も此れは仕方無いと思いながら、ドナの本質についてをイヴが考察すると、葵はあの四貴族集合時から話したビスクドールからもそれが本性だと断定し、危険度を引き上げる。
そうしていると1つの墓に辿り着く。
「この墓…名前が欠けてるね」
「『…ア・ベネヴィエント』、生年1987年、没年1996年。
9歳までしか生きられなかったのか」
「それにしても、アの部分から先を意図的に切り抜いたって事はミアさんが此れってミスリードを図りたかったのでしょうかね?
でも残念、ミアさんの経歴は私達も把握済み、だからミスリードにもならないよ」
その墓に刻まれた名前が欠けており、丁度アの部分からしか読み取れずイーサンのみであればミアの事とミスリードをさせられたかも知れない。
しかし此処に居るは対バイオテロ専門の人間3人、ミアの経歴も調べ尽くされて且つイーサンに襲撃の真相も何もかも話した為彼はこの程度では騙されない様になっていた。
「さて、この先に扉がありますね…『思い出を捧げよ』とか書いてあります」
「思い出?
皆それらしい物は持ってるか?」
そうして墓を後に先の扉に向かうと鍵が掛かっており、横には思い出を捧げよと書かれておりイーサンは3人を見やる。
すると葵が服のチャックを少し下げ、首から下げた青いハートの飾りのネックレスを取り出す。
マキはBSAA時代で初任務時のドックタグ、イヴはルナが買ってくれた髪留めを外し、イーサンは出したくは無いが家族写真を取り出す。
「で、捧げよだからポストに投函するのかな…」
「んじゃ入れよう」
『スッ、カチャ。
キィィ…』
「本当に開いた、しかも1人でに…」
そうして思い出に関係する物を投函した瞬間、1人でに扉が開いた事をイーサンは不気味がるとその先にエレベーターがあった為皆でそれに乗り上へと上って行く。
すると少し停電が起き、先程エレベーターの壁に何も書かれていなかった筈が、其処には『一緒に来て、皆』と書かれており明らかに何か不自然な事が続け様に起きていた。
「何が如何なってるんだ…」
「分からないです…兎に角先に進みましょう。
この先がベネヴィエント邸の筈です」
「全くホラー映画じゃあるまいし、怪奇現象風味を出して…んじゃ、ローズちゃん取り返しに行きますか!」
そうして4人は気にせず窮屈なエレベーターを抜けると、目の前に滝がある霧の谷の最奥地、四貴族の1人ドナが住まうベネヴィエント邸が見えて来る。
イーサン達はローズのフラスクを奪い返すべくその家の中に突入する。
そして玄関ホールの階段の壁には人形使いドナの素顔と思しき人物とあのビスクドールのが掛けられていた。
「全く立地条件最悪じゃん、目の前に滝があるとか、崩れそうで落ち落ち寝れないよ」
「ああ、全くだな。
それで葵、フラスクは見えるか?」
「えーと、家に地下があるらしく其処にあるみたいですね。
それとイーサン、最初にハイゼンベルクの『ショー』は覚えてますね?
あの時動いてたビスクドールがフラスクを…」
マキは家の立地条件の悪さを指摘し、イーサンもミアやローズともこんな場所には住まうまいと思っていた。
そうしてフラスクの場所を聴きながら玄関から移動してリビングを見てると、葵は下を見ながら地下にフラスクがあると言い、更に最初に捕まった際に見たビスクドールがフラスクを持っているとも告げる。
「…罠だね」
「だが目に見える罠でもローズの為だ、行くしか無い」
「ですね、それじゃあ行きましょう」
イヴは黄色い花の資料を見ながら罠と断言する。
だがイーサン達は目に見える罠でもローズ奪還の為に踏み抜くしか無いと考え、葵が合図を出すとリビングからエレベーターの通路へと行き、再び窮屈ながらも地下へと降りて行く。
「着いた、屋内戦用展開開始!」
そして何事も無く地下に着き、イーサン達はマキの合図でそれぞれのハンドガンを構えて周りを見渡し、葵が案内役となり奥へと進む。
すると音楽が流れる人形工房らしき場所に椅子が1つあり、其処にあのビスクドールとフラスクが置かれておりイーサンが手を伸ばす。
『プツン、ザザッ、ザー‼︎』
『アンジー、ずっと貴方達を待ってたの。
あたしローズより良い子だよ。
お願い、アンジーのパパやお姉ちゃん達になってよ…永遠に、んはははははは!』
すると電気や音楽が突然消え、イーサン達は背中合わせになると其処に葵とイーサンは聞き覚えがある声、ビスクドールが発してた声が部屋に響き渡り、部屋のドアを閉めたり鍵を掛ける音も鳴りながらその声はイーサン達に家族になる様に要求して来る。
「ふざけんな、俺の娘はローズ1人だけだこのクソ人形使いが‼︎
姿を見せろ‼︎」
『ププ、プツン』
「電気が点い…って、私達の装備が全部消えてる⁉︎」
イーサンはその声に憤りを示しながら姿を見せる様に要求する。
すると電気が点き周りを警戒しようとした…が、マキがいの1番に装備が全て消えている事を叫び、イーサン達も同じでやられたと感じていた。
更に後ろのドアにはナンバー錠の鍵が掛けられ閉じ込められたとイーサン達は直感する。
だがその中で葵、イヴは何やら更に深刻そうな表情を浮かべていた。
「クソが、あの停電中に全部やられたのかよ‼︎
葵、此れを仕掛けたクソ女が何処に居るか……葵、イヴ、如何したんだ?」
「可笑しい…あり得ない…私、サイコキネシスと透視が使えなくなってるんです‼︎
それに……身体能力も、T-Genesisの力抜きの物しか出せなく…‼︎」
「…こっちも、体内のE型特異菌を操れなくなってる!
カビの剣とかが作れない、何が如何なって…!」
イーサン達は葵、イヴの特殊能力すら使えなくなっていると聞き、本当の異常事態に直面したと感じ周りを拳を構えながら警戒していた。
すると先程布が掛けられていたテーブルには何処か見覚えのある造形の人形が置かれ、イーサン、葵達達はそれを囲む。
すると、其処にあの夜のミア…に化けたミランダの遺体の写真が置かれており、全員が嫌な想像を浮かべていた。
「おい、写真のはミアに化けたミランダの奴だが、この人形はまさかミアを模した…」
「…悪趣味にも程がある人形ですね全く。
…多分ですけど、この人形を弄って仕掛けを解けとかそんな感じでは無いでしょうか……全く、本当に何が如何なって特殊能力さえ使えなくなったのか……」
イーサンがいの1番にこの人形がミアを模した物かと発言すると、全員否定せず葵が人形を弄り仕掛けを解く様にと解釈して悪趣味全開な人形の左腕を調べ始めていた。
その間にも特殊能力が使えなくなった理由を頭の中でパーツを組み立てる様に整理して行く。
すると二の腕から銀の鍵が出て来てそれを手に取った…瞬間、部屋のラジオから音声が流れ始めた。
『お腹を蹴った!
信じられる?
この子、本当に元気だわ』
「今の音声、ミアさんの…イーサン、聞き覚えは?」
「…ミアがローズを妊娠していた時期のだ。
だが何故その音声が…?」
如何やらミアの音声が流れ、イーサンはそれがローズを妊娠していた時期の物だと判別する。
だがそんな音声が何故この部屋のラジオから流れたのか不思議がり、意味が分からず何が何だかさっぱりだと言った表情を浮かべていた。
「兎に角未だ調べられそうだからもう少し人形を調べてみようよ」
「…賛成、その間に私と葵が一例の現象を考えてみる。
………多分だけど当たりはつくけど、まさか此処まで…?」
「イヴ?」
だがまだ前に進むには何も分からない状態の為イーサンとマキは更に人形を弄り始め、葵とイヴは一連の物を考える組に分かれて考え出していた。
この中でイヴは当たりをつけたらしいが、何か信じられないと言った様子で思い耽り、葵はその当たりについて未だ分からずパズルのピースを手探りで嵌めて行く様に思考する。
「…取れたのは右腕に左足、それとこの血塗れの結婚指輪。
その内左足の中にはゼンマイ、動かせた左目には右腕の内側にあったみたいな模様に、口の中にはフィルムがあるが傷付けず取るにはピンセットみたいな物が必要…」
そしてイーサン達は現段階で人形を解体出来る部分を片っ端から調べ上げ、其処で血に塗れた結婚指輪に何処か見覚えがあるゼンマイを手に入れる。
更に右腕と左目には模様が刻まれ、口の中にはフィルムがある事を確認し終えていた。
「取り敢えず葵が取った鍵はその扉で使うみたい。
葵、イヴ、隣の部屋に行くよ」
「了解ですマキさん。
イヴ、行こう」
「…うん。
………それにしてもそうなら相当強力な………抜け出す為には…」
マキは最初に葵が取った鍵は隣の部屋に行く為の物だと判別し、葵達を呼び鍵を開けながら呼ぶ。
そして葵とイヴはそのままマキ達に追い付き、隣の部屋に入る。
その際にイヴがぶつぶつと何かを呟き、葵は彼女がかなり正解に近付いているのではないかと考え出し屋敷に入った際の起きた出来事、その前後を考え出して正解を導き出そうとした。
「で、血塗れの結婚指輪を洗って血を落としたんだけどさ…あのダイヤル錠、もしかしてこの指輪に彫ってある数字で開くんじゃ?」
「まさか、この数字は結婚記念日にミアに贈った……いや、まさか…」
そしてマキが丁寧に指輪を洗いイーサンに渡すと、その裏面に彫られた数字がダイヤル錠の解錠ナンバーではと言うと、イーサンは結婚記念日の贈り物をした日だと話してあり得ないと否定しようとした。
が、それ以外にナンバーは見当たらない為試しにナンバーを入れると本当にそのナンバーで解錠してしまう。
「…如何かしてやがる」
「全くですね…じゃあ、先に進みましょう」
「(………やっぱり此れは…でも途中から抜け出す方法が見当たらない………此れは、荒療治になるかも知れない…)」
イーサン達はこんな風に謎解きに自身とミアの物が関連する事にやや苛立ちを覚えて愚痴を溢すと、葵やマキも悪趣味だと改めて思い先に進み始める。
しかしその中でイヴはいち早くこの事態の真相に辿り着いたのか顎に指を当てながら考える仕草をし、そしてこの事態解決にも荒療治が必要になるかもと思い始めながらイーサン達の後に続くのであった。
「おい、嘘だろ…」
そうして少しだけ先に進み、ドアが勝手に開くと言う怪奇現象に見舞われたがイーサン達は無視し、物置部屋に押し入り其処でメモ書きに『イーサンとの思い出のオルゴール、でももう鳴る事は無い』と言う意味深めいた物があり、そして少しだけ奥に進みイーサンは驚きを隠せずにいた。
「何で、俺の家にある筈のオルゴールがこんな所にあるんだ…⁉︎」
何故なら其処にはウィンターズ邸に安置され、ローズもその音色を気に入っていた物……葵達がウィンターズ邸に突入した際にも見かけたイーサンの思い出の詰まったオルゴールが鎮座していたのだから。
此処までの閲覧ありがとうございます。
新装備入手からのいきなりボッシュート、そして怪奇現象による思考混乱をイーサン達は受けてしまいました。
しかし元々そっち方面に長けたE型被験体故にイヴが当たりを付け始めています。
此れが如何に影響を及ぼすか…そして次回はやっぱりアレが…。
次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘をお願い致します。