BIOHAZARD【V+α】   作:”蒼龍”

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今回も連続投稿で第9話目を更新いたしました。
さて、今回はあのキャラだったり意外なキャラだったりが出て来ますがあるキャラ達は今作オリジナル設定を追加した原作キャラになってます。
一体誰がどうなのかはお楽しみに。
では、本編へどうぞ。


EP IX『集結し始める者達』

AM9:15(日本時間PM15:15)、イラク某所の廃墟の街、否、バイオテロが発生し住民達が一斉避難して廃墟と化した街にて。

穴が空いてしまった民家の屋根から中にいる1人の男に向かって現在日本で起きている大規模バイオテロ事件において確認されたリッカーGの原種、リッカーが飛び掛かり首を切り裂こうとする。

しかし、その男はリッカーの行動を完全に予測していた為最小限の動きで避けた後その筋肉隆々の足で地面に着地寸前のリッカーの背中を踏み付けて地面に叩き付け、更に手に持ったBSAA制式採用アサルトライフルを脳が剥き出しになった頭に向かってフルオートで発砲、頭を風穴だらけにした挙句吹き飛ばして完全にリッカーを沈黙させる。

更にリッカーがもう1体やって来て再び飛び掛かってきたが今度はその丸太の様に太く、鍛え抜かれた筋肉の塊である右腕でカウンター気味にアッパーを喰らわせ、リッカーは余りのパワーに地面に仰向けに倒れた後ビクビクと震えて動けなくなり、そして男はその隙は逃さずリッカーに対し止めのフルオートで放たれる5.56×45mm NATO弾を叩き込み短時間でリッカー2体の活動を完全に沈黙させてしまった。

この鍛え抜かれた筋肉隆々の男こそ、始まりのバイオハザード事件たるラクーンシティのアークレイ山脈の洋館事件、アンブレラ私有の監獄島ロックフォード島や南極基地に於けるバイオハザード、及び『T-Veronica』の脅威からレオンの友人にしてこの男の妹『クレア・レッドフィールド』を救い出し、更にラクーン警察のエリート部隊『S.T.A.R.S.』の同僚にして現在もBSAAに同じく所属し、共に創立メンバー『オリジナル・イレヴン』の称号を持った『ジル・バレンタイン』と共に『テラ・グリジアパニック』と言う大規模バイオテロ事件の真相を『クイーン・ゼノビア事件』で暴き、そしてアフリカのプラーガ、『ウロボロス・ウィルス』を使ったバイオテロから世界を救うと同時にウィルスの力で超人化した因縁の敵であり首謀者のアルバート・ウェスカーに引導を渡し、1年前の中国での大規模バイオテロ事件でも活躍し、2週間前のアリアス事件をレオンと共に解決に導いたBSAA北米支部が誇る英雄『クリス・レッドフィールド』その人である。

その歴戦の勇士たる彼に憧れBSAAに入隊する者は少なくなく、彼自身も多くの物を背負い、自らが率いているアルファチームは家族であり友人である、必ず生きてバイオテロ事件から帰投せよと部下に命令を下し、2014現在はオリジナル・イレヴンの地位は既に捨て去り41歳を迎えてもなお鍛え抜かれた筋肉は衰えず部下達も生き残る様に鍛え上げ、全てのB.O.W.やウィルスをレオンとはまた違う形ではあるがこの世から消し去るべく日夜戦い抜く為である。

そして今日この日もリッカーを使い、更にプラーガで従えてバイオテロを引き起こした者に引導を渡し、残ったリッカーを追い込み猟の如く掃討する作戦を展開中であり、そしてそれがたった今終わった瞬間であった。

 

『『ザザッ』隊長、此方B地区です。

残ったB.O.W.の掃討を完了しました、此方の人的被害は0です』

 

「此方アルファ1、D地区のB.O.W.も殲滅完了した、全員無事だな!『『ザザッ』はっ‼︎』

良し、現時刻を以て作戦は終了する!

残りはバイオハザード沈静化確認部隊に引き継ぎ帰投するぞ‼︎『了解‼︎』

……ふう、確か日本ではマキ・ツルマキやB.Y.、レオン達がバイオテロに巻き込まれたと聞いた。

彼等は無事だろうか?

…いや、レオンやあの蘭祥(ランシャン)でのバイオテロ事件を初任務で生き延び、ニューヨークでのバイオテロでも協力してくれた彼等なら無事な筈だ、ならば何時でも救助に動ける様に準備は怠るべきでは無いな」

 

通信機から部下全員の無事を確認した所で作戦終了の命を下し、全員に帰投命令を出してクリスもその場から去り始める。

が、この任務直前にHQから日本で大規模バイオテロが発生し、マキやとある組織を捜査していたと言うレオンとB.Y.がそれに巻き込まれたと言う報告を聞いていた。

が、彼等なら無事であると信じこの任務を焦らず、しかし着実に1秒でも早く解決する様に行動と命令を下した結果、想定された作戦終了時間よりも40分程時間短縮に成功していた。

そして部下を全員確認し、引き継ぎ部隊に後を任せた後最後にヘリに乗り込み、隊長席に座りアルファチームを乗せたオスプレイが2機イラクの地を飛び去って行った。

 

「此方アルファ1、バイオテロ鎮圧作戦を終了させた。

此れより出向地であるBSAA極東支部へと帰投中である物とする、アルファ1オーバー」

 

「『ザザッ』此方HQ、北米支部アルファチームの作戦終了を確認した。

流石はクリス・レッドフィールドと言った所だ、想定よりも大分早くバイオテロを沈黙させたな。

ではアルファチームは極東支部に帰投後、そのまま装備を整えて次の任務に当たって欲しい」

 

クリスはコールネームアルファ1としてHQに連絡を入れ、作戦終了を報告して出向中であるBSAA極東支部に帰投中である事を伝え、それを聞いたHQはクリスと彼が率いるアルファチームの目ざましい活躍に舌を巻き流石歴戦の勇士とすら感じていた。

しかしHQは帰投後に装備を整えて直ぐ様次の任務に当たる様に命令を下し、アルファチームの部下達は何事かとクリスの方を見やり、クリスは矢張り来たかと想定していた事を直視し、HQに任務の詳細を尋ね始めた。

 

「了解、BSAA極東支部に帰投後に装備を整えて次の任務に当たる。

その詳細を報告されたし」

 

「『ザザッ』HQよりアルファチームへ、現在作戦地点である日本では首都東京を含めた3県1都に於いて大規模なバイオテロが発生している。

アルファチームは始めに民間人達の救出、次にこの事件の首謀組織CLOWNとB.O.Wの鎮圧を任せたい。

詳細はこのまま通信を開きながらアルファチーム全隊員の情報共有タブレットに日本でバイオテロに巻き込まれながらもデータを送り続けている極東支部デルタチームのデルタ1、及びデルタ2とアメリカ諜報機関DSOのレオン・S・ケネディエージェント、そして現地協力者、更に日本に先行していたA.B.F.のオメガ小隊隊長オメガ1が得た全てのデータを共有する」

 

クリス達アルファチームはレオン、マキ達の救出の救出と首謀組織CLOWNと言う者達とB.O.W.鎮圧作戦を受理し、全員一斉に(パイロットは運転席前に付けてある)情報共有タブレットから情報を共有し始める。

其処には5日前に首謀組織CLOWNがアメリカ政府に宣戦布告、日本政府には脅迫声明を出した事、南極のとある基地に於いてA.B.F.が新型ウィルスT-Genesisによる性能実験により複数の小隊に被害を負った事、レオンとB.Y.が代表してCLOWNのアジトを、CLOWNが設けたルールの抜け穴を使いA.B.F.オメガ1を観光客に紛れ込ませ、3人で潜伏先を洗い残りは東京の数ヵ所になったがバイオテロ阻止に失敗した事、別任務中だったデルタ2、マキがバイオテロに巻き込まれ現地協力者やオメガ1、合流したレオン達と共に東京都練馬区にあるROICE学園に生存者(自分達4名は含まない)41名と籠城中である事、T-GenesisはTウィルスやGウィルスを融合させ、プラーガ遺伝子も混ぜ込んだ上に前例のウィルスと比べても比較にならない進化を遂げた代物で、今なおも進化、変異を繰り返し後5日もすればこのウィルスの封じ込めは不可能となり地球全体が一気にT-Genesisに汚染される事、T-Genesis由来のゾンビの適切な処理法とネフィリム、グリゴリ含む複数の新型B.O.W.のデータ、そしてCLOWNはウェスカーの様にT-Genesisに完全適応した旧アンブレラ、特に総帥だったオズウェル・E・スペンサーの理想である人類の高次への進化を遂行の為にこのバイオテロを引き起こした旧アンブレラの意志を継ぐ者等々、クリスを含めたアルファチーム全員を驚愕させる内容が其処にはあった。

 

「アンブレラ…スペンサーの意志を継ぐ者?

人類の高次への進化と現人類への宣戦布告、そしてT-Genesisによるバイオテロでそれの実現だと……巫山戯てる‼︎」

 

「『ザザッ』ああ、アルファ1、奴等は狂ってる。

そしてこれを阻止するには極東支部のみならず他の支部や欧州本部からも救助隊や鎮圧隊が編成され日本に向かっている。

更にBSAA欧州本部や日本政府、アメリカ政府の3者は事態を重く見た為A.B.F.にもバイオテロ鎮圧依頼をオーダーした。

BSAAはあの凖テロリスト達と因縁があるが、矢張りバイオテロ根絶と言う根底にある思想は共通している為この際は遺恨を捨てて本格的な共同作戦を行う事が決定された。

そしてアルファチームには敵の親玉を潰す役割を担って欲しい……………白状すれば、我々極東支部のみではこの事態、そして仲間であり我々の中心であるマキ・ツルマキやB.Y.を救う事が出来ない。

だからクリス・レッドフィールド、数多くの事件を解決し、あのアルバート・ウェスカーを倒した英雄である貴方と、その部下達に力を貸して欲しい…‼︎

現在デルタチームも全員貴方達が来るのを待っている、だから……‼︎」

 

クリスはスペンサーの理想を叶えると言う狂信者達に怒りを露わにして膝を叩き、極東支部HQもまたCLOWNが狂ってる事をハッキリと言い他の支部や欧州本部もこの事態解決に乗り出している事を伝え、その上でクリス達にウィルスに完全適応したこの狂った者達を潰す役割を担わせようと告げていた。

更に事態の重さから日本政府、アメリカ政府、BSAA欧州本部はA.B.F.に協力依頼をオーダーし、初の本格的共同作戦を行う事も告げていた。

しかしクリス以外のアルファチームの部下達は新型B.O.W.の戦闘力に加えてあのウェスカーの様な存在が複数人居ると言う事、更にウィルスの脅威的な変異スピードに恐怖すら感じ幾ら自分達やA.B.F.が頑張ってもこれは無理なのではと不安からざわつき始めていた。

が、極東支部HQはマキ達の通信では表に出さなかった自身らのみではマキ達を救う事の出来ない無力さに対する怒りと極東支部の現在のツートップであり心の拠り所となっているマキ達を失ってしまうかもしれないと言う絶望感に啜り泣きながらクリス達アルファチームの助力を乞い願っていた。

それを聞いたクリスの部下達は不安からのざわつきを次第に止め、戦士の顔付きで互いを見やりながらクリスに視線を再び向け『自分達は何時でも行ける、命令を』と言う無言の肯定をクリスの背中に感じさせていた。

当然ながらクリスはレオンやマキ達見捨てる選択など最初から無く、またHQが漏らした本心を聞き彼等の為にも、そしてアンブレラの意志を継ぐ者によって無意味に流される血と涙をこれ以上落とさせない為、『英雄』であるクリス・レッドフィールドは決断を下す。

 

「…ああ、俺達に任せろ。

必ず民間人やマキ達を救い出した上でこの巫山戯たバイオテロを鎮圧してやる。

だからHQ、その啜り泣きはもうしなくて良い、俺達は必ずやり遂げて見せる!」

 

「『ザザッ』……ありがとうクリス……情け無い姿を見せて悪かった。

先程も言った通り此方ではデルタチームの全員がアルファチームの到着を待っている。

そちらのドレスが仕立て上がったら直ぐ様デルタチームと共に東京都練馬区のROICE学園に降下、そのまま輸送機は民間人を救助し搭乗させ次第離脱、そのままA.B.F.のオメガ小隊やレオン・S・ケネディ、現地の日本国エージェントと共に更なる民間人の救助とCLOWN達とB.O.W.の鎮圧に乗り出してくれ。

因みに欧州本部はCLOWN達の逮捕は不可能だと判断し、彼等自身もまたB.O.W.の1体だと定め殺害許可が降りている。

残りの作戦の順は極東支部に帰投し日本へ向かい次第に伝える、HQオーバー!」

 

「以上だ、俺達は此れより極東支部で装備を整え次第日本へと向かう!

この任務はこれまで以上に危険な任務だ、だが俺達全員が力を合わせれば仲間を、家族を守れる!

だからこそアルファチーム隊長として全員に命じる、作戦を無事成功させ生きて俺達を待つ者達の下に戻るぞ‼︎『了解‼︎』

うむ、気合は十分だな。

なら後は言う事は無い、このまま任務を受理するぞ!

……レオン、マキ、B.Y.、待っていろ、必ず助け出してやるからな……!」

 

クリスはアルファチームとして任務を受ける事、HQにもう泣かないで良い事を告げた。

それに伴い極東支部HQも元の精神状態に戻り、作戦の大雑把な概要を伝え、詳細な部分は帰投後に極東支部の精鋭部隊デルタチームと共に向かう際に知らせる事を伝え通信を切る。

そしてクリスはアルファチーム隊長として部下達全員に鼓舞し、部下達全員は通信機越しからも期待通りの返答をして覚悟を決め極東支部に帰投するのを待つだけになった。

こうしてクリス達アルファチームは日本へ向かう事が決まり、クリス個人もレオン達を必ず助け出すと独白しBSAA極東支部に向かう機体に揺られながら決意を胸に日本に向かう時を待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランス、AM8:15(日本時間PM15:15)、クリス達がBSAA極東支部に帰投してる時と同時刻、評判の良いカフェテリアでB.O.W.の討伐等の依頼を引き受ける傭兵である青年『ジェイク・ミューラー』はフレンチトーストとコーヒーを食べ優雅なブレックファーストを楽しんでいた。

が、その足元にはフランスの新聞紙が発行した『日本での大規模バイオテロ発生、政府は緊急事態宣言発令』及び『BSAA極東支部の初動部隊現地に着任』と言う記事があり、その記事の写真の中には自身が1年前、中国蘭祥(ランシャン)で出会ったあのラクーンシティから生きて帰り、自分やその時同行したパートナーに協力、救出をクリスに依頼した男であるレオンが映っており、関係の無い他人では無い為その動向を知るべくインターネットで日本のスレッド板(英語翻訳)を読み漁り少しでも情報を集めようとしており、その大体がガセネタだったりしたがあるスレッドにBSAAとA.B.F.隊員のオメガ1が来たと言うとある学園に籠った者のスレを見つけ、更にそのスレの続きには『689:一緒に籠ってるBSAA隊員の隊長とラクーンシティ帰りの超イケメンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!【続々々・避難ナウ】と言う投稿や『817:B.O.W.襲撃ヤベェ【避難ナウの人】』と『856:BSAA隊員2人とオメガ1にラクーンシティ帰りの超イケメンTUEEEEEEEEEEEEEE‼︎【続・避難ナウの人】』と言う投稿を見つけ取り敢えずレオンは生きていて、傭兵達の間では死神とされて関わらない様にとされる凖テロリスト指定の反バイオテロ組織A.B.F.の中でもボスの『アルファ』と共に素性、経歴一切不明で体型から16、7歳としか分からないツートップ部隊の隊長オメガ1とBSAA隊員2名と現地協力者と言う奇妙な共闘下で生き残っている事を確認し、フレンチトーストを頬張っていた。

 

「流石ラクーンの英雄様だ、幾らバイオテロに巻き込まれても死にはしないか。

しかしA.B.F.、しかもオメガ1と協力してやがるのか……アレは死神の称号に相応しい民間人にのみ寛容だがB.O.W.や自分らの作戦の邪魔になる奴はBSAAや他の傭兵だろうが構わず爆撃して来やがるヤベェ女だ。

さて、如何した物かな「あ、見つけたわジェイク‼︎」ん?

お前、『シェリー』じゃねぇか!

何でアメリカのエージェントが此処に居やがるんだ?」

 

更にちょっとだけ甘めのコーヒー(店1番の味と評判)を飲みながらオメガ1の死神っぷり……2ヶ月以上前にアフリカの地でB.O.W.の退治と依頼者の身内の救助をしていた時偶然BSAA東部アフリカ支部や極東支部の部隊、そしてA.B.F.オメガ小隊と遭遇し、依頼者の身内はオメガ1が救出していたらしく安全圏に避難させた後再び戦場に戻った際にBSAAごと絨毯爆撃に晒され命辛々生き残りその時にA.B.F.、特にオメガ1は命令があれば効率良くB.O.W.の殲滅が出来るなら自分達以外の戦場に居る戦闘員も纏めて吹き飛ばすヤベェ奴と改めて思い知り、更に個人の戦闘力もBSAA隊員のそれとは余りに練度が違い過ぎる為2度と関わり合いを持たない様にしようと心に決めていた事を振り返っていた。

そして次の自分の行動は如何するか考えていた所、約2年前にイドニア共和国で出会い、そして1年前の中国のバイオテロを共に生き延びたその時のパートナーであり、アメリカDSOのエージェント『シェリー・バーキン』が其処に居り、何故フランスに居るのか尋ねた。

 

「アメリカ政府とレオンからの依頼で貴方を探していたのよ!

お願い、一緒に来て!

今日本でT-Genesisと言うワクチンの無い新型ウィルスによるバイオテロが発生していて、貴方の力が必要なのよ‼︎」

 

「あー、レオンの奴も巻き込まれた事件だな。

ほら、写真写りが良くて新聞でも映えてるぞ。

それに俺の力ってアルバート・ウェスカーの息子として受け継いだ凡ゆるウィルスに耐性を持ち、適応する血の事だろ?

さて、またアメリカに良い様に使われて献血募金をする事になるか……如何するかな?」

 

如何やらシェリーはジェイクの血、アルバート・ウェスカーの息子である彼が父から完璧に受け継いだ特性からこの日本で使われている新型ウィルスに対するワクチンの精製を手伝う様に写真写りが良いレオンやアメリカ政府から依頼されたらしく、自身がアルバート・ウェスカーの息子だと知るきっかけとなった『イドニア紛争』、及びアメリカ・中国同時多発バイオテロ事件と似た様な事になり、ジェイクは冗談混じりで如何するかなと曖昧な返事を取った。

するとシェリーは相席に座りジェイクの目を真っ直ぐ見ながら自身の中にあるこの事件に対する決意を話し始めた。

 

「ジェイク聞いて。

私は今、自分の過去の因縁がこの事件に絡んでしまっているのよ」

 

「過去の因縁?

俺の親父がアルバート・ウェスカーだったのと同じ様にか?」

 

「ええ、私は前に話したよね?

私の両親はアンブレラのウィルスの開発者で、その人が作ったウィルスが私の中に残ってて色々検査されたって。

今回の事件で使われたT-Genesisは、その両親が作ってしまったウィルス、Gウィルスも使って作られた悪魔のウィルスなのよ!

そして今、それを使った人達は人類の高次への進化なんて言う馬鹿げた盲信からこの事件を起こし、そしてT-Genesisは今この時もGウィルス由来の進化とも取れる異常な変異を繰り返していて、後5日もすればT-Genesisは誰も手が付けられない程に変異して1ヶ月もしない内に全世界に広まって罪の無い全ての人達が死んでしまうのよ!

今レオンが色んな人の手を借りて戦ってるけど、とても彼や今日本に向かう手筈になってるクリス達だけでは止め切れない、だから此処に来たのよ、貴方の力を借りる為に‼︎

お願い、アメリカ政府に使われたくないなら私の過去の因縁を断ち切る為に力を貸して、ジェイク‼︎」

 

ジェイクはシェリーの決意…Gウィルスを作った両親やそのGを使って作られたT-Genesisと言う悪魔のウィルスが齎す最悪のシナリオを止める為に此処に来た事、自身がウェスカーの息子だと言う因縁と同じくバーキン夫妻の娘と言う因縁が絡んだこの事件の解決にはレオンやクリス達だけでは無理だと断言し、過去のアメリカ・中国同時多発バイオテロの首謀者の1人であるディレック・C・シモンズに利用された時と同じ様な事になるのが嫌なら自分の因縁を断つ事に力を貸して欲しいと強い決意が感じられる言葉を投げ掛けられた。

その言葉を聞いたジェイクは1年前の自分と同じ様な状況、特に両親が作り上げてしまったウィルスが関わってしまっている為ある意味自分以上に過去からの因縁が巡って来たのだと感じ、少し思い耽る仕草を感じながらシェリーに視線を戻し口を開く。

 

「……良いぜ、その願いを聞いてやるよ」

 

「!

ありがとうジェイク‼︎

それで依頼料の事なんだけど「要らない」えっ?」

 

「別に金は要らない、今回はお前の個人的なお願いから動くんだから金なんか取らない。

まぁ、それでも何か払いたいって言うなら………お前が知ってる良い店の1番良い料理を俺に食べさせな」

 

「……OK、とっておきのお店を紹介してあげるわ!」

 

ジェイクはシェリーの願いを聞き入れる選択をし、更にシェリーの個人的な願いを聞き入れるだけである為金の請求はしなかった。

しかしシェリーは真面目なので何らかの対価を要求されれば上司に交渉して払って貰ったり、また借りも返さないと気が済まない事を1年前の事件を通して知っている為条件としてシェリーが知っている1番良い店の1番良い料理を奢って貰う事を対価として要求し、シェリーもそれに応じてとっておきの店を紹介する様に約束する。

それを聞いたジェイクはカフェテリアでのブレックファーストを終え、支払いを済ませながら新聞をゴミ箱に捨てアメリカがチャーターした機体へと向かった。

自分が2度と関わり合いたくないと思ったオメガ1が居るが、シェリーの因縁が待つ日本へと降り立つ為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本時間PM15:30。

某国の軍事施設にて動きがあった。

此処は反バイオテロ組織A.B.F.の本部であり旧アンブレラが使っていた軍事施設の1つである。

現在日本政府、アメリカ政府、更には自分達が絨毯爆撃等を行い被害を齎しているBSAAの欧州本部から日本で起きた大規模バイオテロ事件解決のオーダーを受け、隊員達が慌ただしく装備を整えて出撃準備をしており、特に旧アンブレラが南極に持っていたアシュフォード家の基地とはまた別の基地の調査中に被害を受けたベータ小隊と隊長と数名の部下を残し全員が死亡、アンデッド化し、仲間を撃たざるを得なくなったシータ小隊の生き残りや、隊長が日本へと観光客に扮し潜入し、現在バイオテロで現地協力者やアメリカエージェント、BSAA隊員等の協力で何とか生き延びている茜率いるオメガ小隊の隊員達が気合を入れまくったりCLOWNへの復讐の炎を燃やして居る者が集っていた。

すると隊員達の背後の自動ドアが開き、全員が後ろを見やると其処には『アルファ』……A.B.F.で唯一部下を持たず、その場に応じて各小隊の中に入り指揮を取り、そして彼だけは『昔から地獄の様な状況でも必ず生きて帰ってくる』武勇伝……否、彼の実力から裏打ちされた結果が彼の生きた歴史に単に刻まれただけであるそれを、人はこぞって1人生き延びて任務を達成する事から『死神』と称し、彼に狙われた者は生きて帰らないとすら言われるA.B.F.のオメガ1とツートップの存在である(逆を言えばそんなアルファと並ぶオメガ1が異常存在とも言える)。

そのアルファが皆の前に既に昔から愛用しなお劣化や傷が付いてないガスマスクと迷彩服、新品同様だが同じく昔からの愛用ヘルメットと防弾チョッキ等のフル装備をして現れ、全員敬礼してアルファを迎え入れた。

 

「全員準備は万端だな?

此れより我々A.B.F.は総力を上げて日本へと赴き、CLOWN達B.O.W.共を掃討する作戦を執る。

この戦場にはBSAAも来る事になるがこれまでの様な偶然居合わせた任務の邪魔をしてくる連中では無く、共にCLOWNと言う共通の敵、旧アンブレラの意志を継ぐと抜かす愚者達を屠る背中を預ける者達だ。

これまでは絨毯爆撃等を行いB.O.W.ごと殲滅する事が最効率の選択だった為命じたが今度は違う、ただ悪戯に『味方』の戦力を減らす愚策だと肝に銘じよ。

そして我々の理念通り民間人の救助とB.O.W.抹殺を行いつつ、己の運命を自らの手で切り開け、理解したな?」

 

『サー・イエッサー‼︎』

 

アルファは今作戦でのBSAAの立ち位置を明確化し、以前の様にB.O.W.抹殺任務の際に邪魔になる様に部隊を展開し実際射線に立ったりなどして自分達の任務の障害となってた側面があり、それでは1秒でも早くB.O.W.抹殺を行えない為止むを得ず絨毯爆撃等による鎮圧作戦を行なったりするなど両者の溝が埋まる事の無い事象が戦場で発生していたのだが、今回は完全な味方である為向こうも過去の遺恨は表に出さずCLOWNの抹殺に協力すると言って来た為BSAAも戦力の一つとし、その戦力を維持しつつA.B.F.の理念を貫き、アルファの信条でもある戦場では運命は自ら切り開く事を肝に銘じさせる。

そうしてアルファが見ている中でシータ小隊は更なる復讐の炎を燃やしたりし、更にオメガ小隊の一員のオメガ3、オメガ2はBSAAと漸く本当の意味で共に戦える事に安堵の表情を見せながら口を開いた。

 

「ふぅ、BSAAと本格的な共同作戦か……ジルが今の俺を見たら呆れるか、怒るかな?」

 

「俺もレベッカに顔合わせが出来ないと感じていた……彼女はアドバイザーとは言え仲間のBSAA隊員をこの手で殺す真似をしてしまった……かつての過ちを繰り返す俺に嫌気を感じていたさ、お前みたいな」

 

オメガ3とオメガ2……バイオハザードが起きたラクーンシティでアンブレラ所属の傭兵部隊『U.B.C.S.』として民間人救助等の為に戦い、最後はラクーンシティが核で焼き払われる直前に死の街からクリスの仲間であるジルと共に脱出した本名『カルロス・オリヴェイラ』と、洋館事件の発端となった『黄道特急事件』でとある無実の罪でその近辺を護送車で運ばれてた途中でバイオハザードに巻き込まれ、近くに止まっていた黄道特急列車にて偶然出会ったクリス、ジルと同じくラクーン市警のエリート部隊S.T.A.R.S.のブラヴォーチーム(クリス、ジルはアルファチーム)の隊員にしてS.T.A.R.S.メンバーの中で最年少だった女性『レベッカ・チェンバース』と共にその事件の元凶を斃し、レベッカの計らいにより報告資料で死亡扱いにして貰いその後は行方知れずとなっていた元海兵隊少尉『ビリー・コーエン』は、かつてそれぞれが共に戦ったジルやレベッカが隊員を務めたり、アドバイザーを請け負う組織の人間に銃口を向けてしまう行いに嫌気が刺しており、B.O.W.憎しで此処まで戦えたがBSAAが国連公認組織となり、その規模を巨大化させた弊害により彼等と戦場で鉢合わせる事が増えてしまい、特に2012年以降はバイオテロが蔓延化した為にそれまで相手していた規模とは比べ物にならない数のB.O.W.と戦う事になり、その関係でBSAAといざこざが絶えず遂には絨毯爆撃等を行いBSAA隊員すら巻き込む作戦すら増えて来てしまい、終わりの見えない戦いの両者の板挟みになり常人なら精神的に耐えられず銃を捨ててしまうだろう。

しかし、それでも2人が銃を捨てなかった理由は3つある。

1つはアンブレラが齎したB.O.W.やウィルスを根絶する為、2つ目は先の絨毯爆撃等の作戦により命を落としたBSAA隊員やアンブレラ関連の事件で命を落とした者達の十字架を背負っている為。

そして3つ目は……彼等は『絨毯爆撃等の作戦に反発し、任務放棄し掛けた』自分達の代わりにそれらの作戦を、自分達の分までやったオメガ1、茜を裏切ってしまう為である。

そう、ビリーとカルロスは決してBSAA隊員を直接手に掛けてはいないのだ。

しかし、任務放棄がバレてしまうと如何なる理由があってもバイオテロとの戦いを戦場で放棄した扱いになる為、正式の除隊以外で銃を捨ててしまうと重い罰則を課されてしまうが故に茜が彼等の分までそれらの作戦を行い、任務放棄はしていない様に装っていたのだ(無論オメガ小隊全員がこの隠し事の共犯である)。

その為今此処で銃を捨て、戦う事を止めてしまえばその命を奪ってしまう結果になったBSAA隊員達やかつての仲間達やその他全ての十字架も捨てる事になり、またビリーはレベッカ、カルロスはジル、そして自分達の罪まで被った冷徹ながらも優しい琴葉茜と言う矛盾に満ちた自分達より遥かに若く儚い少女にしてオメガ小隊の隊長すら裏切ってしまうからに他ならなかったからだ。

だからこそ2人は前に進んで来たのだ、茜の被った罪を本来の自分達の方へと戻す為に。

そしてそれはこれからも変わらないだろう、彼等が戦いを捨てない限り。

 

「さて、感傷に浸るのは終わりにしましょうかビリー、いやオメガ2」

 

「ああそうだな、オメガ3。

アカネ…オメガ1や民間人達を救助しに行くぞ」

 

そして2人はそれぞれのコールネームで呼び合った後、マスクと暗子ゴーグル、ヘルメットを被りオメガ小隊としての仮面を被りロッカーから振り返り一歩前に進もうとした。

所が其処に未だアルファが居り、このパターンはアルファがオメガ小隊の指揮をすると言う物だと2人は悟り、無言で首を縦に振りアルファの指揮下に入る。

そしてビリーとカルロスとアルファ……嘗てアンブレラ社の諜報部隊『U.S.S』アルファチームに所属し、アンブレラ社崩壊にすら立ち合いその後は死地を求め、しかし嘗てのアンブレラ社の職員達が集まり旧アンブレラの負の遺産の根絶を目的とした贖罪の企業『PMCアンブレラ』にその素性から合流する事は出来ず、しかしならば己の運命を切り開く為彼等とは違う自分なりのやり方で旧アンブレラの遺産の根絶を行うと決めA.B.F.を立ち上げた男、実はビリー達の隠し事にも気付いているが茜の思いを汲み2人に対して処罰を与えなかった人間性と冷徹性が遺伝子螺旋の様に上手く組み上がっている死神『HUNK(ハンク)』もまたそれぞれの贖罪と十字架を背負い、死地と化した日本の首都東京へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本時間PM17:56、東京湾にて海から防水バッグを片手に持った水中スーツを着込んだ女性が地上に上がって来る。

その女性は近くの洋服店に入ると誰も居なくなった店の入り口付近で水中スーツを脱ぎ捨て裸体を晒し、その容姿はアジア系の美人であり10人中10人が美女と口を揃えて言う程整った容姿をしていた。

そんな女性は防水バッグの中から地上用の着替えである下着と赤と黒を基調としたチャイナドレスを着こなし、更にハイヒールを履きハンドガンとクロスボウ、そして愛用のフックショットを装備して通信タブレットを開き、既に日本に長い事ある任務に就いている『女性』からの連絡を待ち、丁度タブレットを開いてから5秒の辺りで通信が入りボイスオンリーの会話を始める。

 

「時間にキッチリなのは良い事ね貴女。

『彼』みたいなせっかちな奴じゃなければ時間にルーズと言う訳でもない、しかもしつこい訳でも無いし私からしてみれば今回のオーダーのパートナーには相応しいわ」

 

『ああはい、ありがとう。

後私の前で『奴』の話は止めて欲しいかな?

奴は私にとってみればただの汚点だし、貴女からしてみてもつまらない男だったでしょう?

そんな面白く無い奴の話なんか捨てといて本題に入るわよ。

私は今T-Genesisのサンプルをゾンビやら何やらから回収して、更に私の任務の監視対象だった『彼女』のサンプルも十分確保出来た。

その上棚からぼた餅が出て来てもう1個のサンプルの入手が出来たわ……かなり苦しい理由だったから怪しまれたかも知れないから、なるべく早く合流してサンプルを渡したいわ。

まあ貴女が観光を楽しみたいならその限りじゃないけど』

 

2人の女性は通信越しにビジネスライクな話に他愛の無い会話を混ぜてこれからこの地獄の街会う人間とは思えない様な楽しさを滲ませる会話運びをしており、しかしこれも互いの機嫌を損ねない為の打算的な物だとこの2人の女性は通信越しに理解しており、こう言った見返りをキッチリ用意しつつオンオフを切り替えるタイプこそ互いがビジネスパートナーとして信頼出来るとすらお互いに考えていた。

 

『じゃあある程度楽しみながら此処迄おいでね、ただBSAAやA.B.F.がそろそろ動き出しそうだからそうなったら合流が面倒臭くなるから気を付けてね〜』

 

「ふふ、貴女の『力』を以てすればそんなの火の粉を払う様に簡単に巻けるじゃない。

まあ良いわ、タイミングを見計らって合流してあげるわ。

それまでそっちに居る『お友達』に目を付けられて捕まらない様にね、助けるのが面倒になるから『はいは〜い、じゃあ次は直接対面で話そうね〜』『Pi』……ふふ、キッチリサンプルを集めるだけじゃ無く追加の手見上げまで用意するなんてあの碌でなしな『親』と違ってキッチリしてて良い子ね。

しかも身に余る欲をかかない点も『親』とは大違い、一体どんな風にアレの遺伝子からこんな子が産まれるのかしらね」

 

そうしてビジネス話を終え互いに面倒になる前に合流し合う事を肝に命じて置きながら通信を切り、女性は記憶にあるつまらなかった『男』からこんなに自分の妹分に欲しくなる位優秀で分を弁えた子が生まれるなんて信じられないとし、これから面白くなりそうと感じながら通信タブレットを閉じ……ようとした所で通信してきた女性が次いでに送って来た画像を見て感慨に耽っていた。

 

「……ふう、本当に私が行く所にはいつも貴方が居るわね。

本当にこの世には運命の赤い糸って物が存在するのかしらね。

ねぇ、レオン…」

 

タブレットに映った画像……レオンが東京で戦う場面を捉えた写真画像を見ながらとある組織のスパイであるアジア系女性『エイダ・ウォン』は、レオンと何時も引かれ合う運命の悪戯が如き巡り合わせに運命の赤い糸などと言う不確かな物が本当にあるのかと思う程彼との思い出、1つ1つの出会いや別れ、そして共闘等を全て思い返し、それが終わった所で店から外に出て移動を開始しようとした。

すると周りはゾンビだらけであり今にもエイダは取り囲まれそうで、しかし全く動揺せず余裕の笑みすら浮かべてゾンビ達を一瞥した。

 

「悪いんだけど今の私は仕事中だから構ってあげられないわ。

それに、私は身なりを整えない腐った死体モドキも大嫌いなのよ。

だから貴方達とは此処でお別れよ、それじゃあ、アディオス」

 

エイダはゾンビ達が嫌いと公言し相手をしないと告白した瞬間、フックショットを使い3階建ての店の屋根に飛び移りゾンビ達を一度に撒く。

そしてフックショットを連続で使いながらBSAAの初動部隊や警察、自衛隊にテレビ局に見つからない様に移動を繰り返しビジネスパートナーが待つ場所まで焦らず、しかし大胆に近付いて行く。

こうして東京と言う舞台を中心に役者は揃った。

後はこの混沌とした舞台が如何なる幕を下ろされるのか?

それは未だレオン達も葵達も、ましてやエイダやCLOWN達すらも分からない。

そう、此処はそう言った混沌を煮詰めた地獄なのだ。

故に誰も物語の結末を知らず、ただただ運命の流れと呼ぶべき物に身を任せて踊るだけなのだ…。

 




此処までの閲覧ありがとうございました。
補足説明として6の事件はレオン達が無実を証明したと同時にディレック・C・シモンズが首謀者の1人で、エイダはクリス達の報告で死亡扱いでレオンとヘレナだけが生存を知っている事になり、更に『偽物』の痕跡も消した結果エイダはシモンズに良い様に利用されて死んだとされています(公的文章では)。
そしてA.B.F.のリーダーは……アンブレラ崩壊後は死に場所を求めて彷徨った結果カルロス達に会いこの組織を作るに至ったと言う事です。

此処までの閲覧ありがとうございました。
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