システムの縛りがなかったらクリスタルブレイブとブレイフロクスとホラ吹き風車のタコタン野郎は殴り飛ばしてる。
今回はFF色強めかな?
──『神降ろし』──それは伝承に伝わる神やそれに並びうる想像上の存在を現実世界に降ろすこと。
『私』は生まれてからずっと自称『天使い』という黒いローブの声からして男に魔法や神降ろしを教えて貰っている。
今日もまた、自宅の広い訓練場で天使い様に魔法を教えてもらっていた。
「だからお前は『神降ろし』にリソースを持ってかれているんだ。ただでさえ強力な力を持っているのにそれ以上魔法を覚えてどうするつもりだ?」
世界でも壊すつもりか、と天使い様は面倒くさそうにわざとらしくため息を吐く。
「だって魔法って楽しいじゃないですか、それにせっかく、私にしか見えない凄い先生もいるんですから!早く天使い様みたいに色々できるようになりたいですもん。」
「ああ、厭だ、厭だ…。私の仕事が増える一方だということに気がついていないのか」
また大きくため息をついた天使い様。
ヤレヤレと頭を振っているがこうは言っててもだいたいは聞けばちゃんと丁寧に教えてくれる。
私が1番好きで教えて欲しいのは創造魔法だけど、それだけは聞く度に鼻で笑うだけでなにも教えてくれない。
天使い様が稀に懐かしいものを見る雰囲気で手のひらの上にミニチュアサイズのビル群を作る。
それは現在でも沢山あるビルとは違い、どこか幻想的で荘厳で、とても”綺麗”だったのだ。
でも最後は燃やして消してしまう。憎しみでもあるのか、天使い様は過去を一切教えてくれない。
「お前は第1高校とやらの魔法力測定の反復練習をしろ。『BS魔法師』は演算領域が他と比べて狭い、……落ちるぞ?」
「ウッ…嫌なこと思い出させないでください…。でもでも!一応測定は合格ラインは超えてるんです!だから大丈夫!」
魔法科高校ができて約30年、さすがに魔法技能の平均合格ライン等がある。私もつい一昨日の測定で合格ラインをギリギリだが確かに超えた。さすがにそのラインを超えたら必ず合格するという訳では無いが、自信はつく。
国立魔法大学附属第一高校、通称『一高』。
私が受験する高校。日本の中でも最難関とも言われる。
天使い様も入って出るだけで人生の箔付けができるなら入るべきだと応援してくれるほど。
すでに過去問やらは解いて十分な点数が取れているが、その年に新しくでた魔法理論などを聞いてくることがあるため中学生なのに毎日魔法分野の新聞欄を眺める必要がある。
天使い様と朝のカフェオレを飲みながら新聞を眺めるのはすでに私のルーティンと化した。
「そうか。で…私がわざわざ用意してやった物語は読み込んだんだろうな?」
「あー・・・いや、まだ蒼天編の魔大陸に入る所で…。」
「遅い!遅すぎる!私も書物はゆっくり読む方だが…これは!あまりにも!遅すぎる!
───・・・魔大陸か、ならば神は雲神ビスマルクまでは理解したのだろう?この世界はエーテルが薄い、お前の特異体質を加味して…その身に堕とすのも顕現も数時間が限界か。もう少し読むのを進めろ、せめて
「だって主人公の親友でずっとお世話になったイイ騎士があんな退場の仕方なんて…おもしろ筋肉フェチ枠かと思って好きだったのに…。やっぱ教皇諸々はクソですわ!あとニーズヘッグ一切悪くないじゃん!!」
「お前がどう思ったかは知ったことか、どうなるか先に書いてあるのだからまずは読め。」
天使い様から渡された本は新生編、蒼天編の2種類。
どちらも超長編で寝る前に読んでも一向に終わりに向かってる気がしない。あと外伝みたいなので各都市のギルドや街の人々絡みの紀行があって本の厚さはもはや壁。
新生編を読み終わるのと同時に蒼天編を渡されたのでこれ以降もあるのではないかと嫌な予感がしている。
いや、面白いので苦ではない。ないんだけど、果たして私は読み終えられるのか…と不安になる。街の古本屋でも、ショッピングセンターの一角をしめる大きい本屋でも見たことない物語だ、ファンタジーものではあるが描写や話の作り込みがやけにリアルでもしかしたら天使い様に関係あるのでは…?とよく推察する。
「…昼寝してくる。なにか重要な問題が起こった時だけ呼べ。」
そういうと天使い様は隣接する庭の1番大きい、なんの種類かいまだにわからない木の上に移動すると横になって身動きをしなくなった。
まだ昼前だし、よく落ちないなと思いながら私もお昼ご飯を食べに訓練場から離れた。
「ご馳走様でした。」
天気も良く、風も心地よい程度なのでテラスで昼食をとり、そのまま食後のティータイムと洒落こんでいると珍しくお母様がいらっしゃったみたいだ。
使用人が手際よく私の対面にお母様の分のカップを用意した。
「高校入試が近いけど大丈夫そう?」
「大丈夫!過去問は平均90点は取れるようになったし、魔法理論の記述も問題なさそう!」
「そう…それは良かった…。……ねぇ、今、天使い様は居るのかしら?」
お母様は紅茶で口を湿らすと辺りを見渡した。
天使い様はまだ木の上でお昼寝をしているようだ。
「天使い様はお昼寝してるよ?ほら、あの木の上。」
私が指を指すとお母様も目を凝らしてそこに注目する。
「はぁ…やっぱり見えないわ…。大丈夫?悪霊の類とかじゃない?」
「お母様は心配性だなぁ!大丈夫だって!天使い様は面倒くさがりでやる気がないような発言したりするけど私の為になることはちゃっかりやってくれるから!」
「名前も教えて貰ってないんでしょ?」
「顔も見たことないなー・・・でももしかしたら神様の1人だったりして」
「それは…聞いてる限りだと人間臭くて神様とは言えそうにない気がするけど……。」
「たしかに…神様ってよりかは若いお爺ちゃん?でも凄い魔法使うんだよ!私のとっておきのCADも天使い様がくれたものだし!」
私が使う魔法を行使するためのデバイスは天使い様が使えとくれたもので、神降ろし時や、緊急事態に使うようにと指示された。
現代魔法の実行はオーダーメイドの特化型でこれも天使い様製には及ばないがBS魔法師の私でも特別早い速度で魔法式を展開できる。
ま!普段から魔法使うくらいの有事の際には迷いなく神降ろしするんですけどね!!
たしかに神様を数時間も降ろし続けるとサイオンが枯渇して最悪倒れることになるけど、そんなこと新年恒例行事を除けば2回しかない。
オンオフがしっかりできる。不敬ながらとても使いやすい力だなっと。
「そうそう、近々
お母様もオンオフがしっかりしていた!しっかりと血の繋がりを感じる…。
「!!──でもいいの?権利とかそこら辺問題にならない?」
「大丈夫よ、もし実現出来たら共同開発の方向に持っていくから。それにFLT社とは知らない中でもないしね♡」
そうウィンクするお母様は残りの紅茶を堪能すると「行ってくるわ」とテラスを飛び降りて車が着いている玄関に向かって行った。
お母様の飛び降り出勤にはもう全使用人が慣れた。
でも、飛び降りるにしてもせめて魔法を使った素振りは見せて欲しいと常々思う。
「紅茶…美味しいなぁ………」
あぁ、入試…やっぱ緊張するなぁ………。
いったいなにトセルクなんだ…………。
早くレベル上げてストーリー終わらせて極蛮神殴ってマウントが欲しいズェ……。
幻想図書館に行かないと……。