琉球エージェントの死遊戯紀行   作:アヤ・ノア

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この物語のプロローグです。
メインとなる、オリジナルキャラクターが登場します。


1章 閉ざされた地獄小学校
0 エージェント出陣


 殺鬼軍 心得 三箇条

 一つ、任務は出来る限り遂行すべし

 二つ、人喰い鬼は滅ぼすべし

 三つ、能力の乱用は控えるべし

 

 ここは、沖縄県にある、小さな小さな、政府にも存在を認知されていない島。

 この島には、「殺鬼軍」と呼ばれる、異能力を持つ者――能力者による組合がある。

 ただ、そもそも能力者の数が極めて少ないため、「軍」という名は有名無実となっている。

 

 要するに、簡単に言うと「悪に対抗する正義の秘密組織」といったところだろう。

 

「今日が、初めての任務か?」

 黒髪をポニーテールにしている女は、No.6こと島袋(しまぶくろ)織美亜(おりびあ)

 元は黒い瞳の持ち主だが、能力に目覚めたため瞳の色は金色に変わっている。

 彼女が持つ能力は「治癒」。

 その名の通り、ありとあらゆる傷を癒す事ができ、

 また治癒の力を逆に使って攻撃する事もできる。

 茶髪のショートヘアーの男は、No.8こと玉城(たまぐすく)狼王(ろぼ)

 織美亜同様に元々黒い瞳だったが、能力に目覚め、赤い瞳に変わっている。

 彼が持つ能力は「力」。

 常人を遥かに上回る驚異的な腕力を誇り、身の丈ほどもある戦斧を振るって戦う事ができる。

「うむ」

 車椅子に座っている幼い少年は、No.0こと糸村(いとむら)(はじめ)

 彼が持つ能力は「知能」。

 沖縄県で最初に見つかった能力者で、IQ600を超えると言われており、

 その天才的な頭脳から殺鬼軍の司令官をしている。

 肉体的には相応で戦闘力も皆無だが、存在感は殺鬼軍一と言われている。

「今回、そなたらが向かう場所は、桜ヶ島と呼ばれるここより遠い島じゃ」

「そんな遠い島にどうやって行くのよ?」

「心配無用。能力を用いて作成した転移装置がある。それを使って、桜ヶ島にゆくがよい」

「分かりました」

「御意」

 織美亜と狼王は一に敬礼した後、転移装置に向かって歩き出した。

 二人の背中を見送った一は、呟く。

 

「まぁ、大きな心配は無用じゃろう。この能力者は、儂が見出したのじゃからな」

 

 転移装置に辿り着いた織美亜と狼王は、腕輪を見ながらごくりと唾をのむ。

 これから、二人は沖縄から離れた場所に行くのだ。

 緊張しないわけがないだろう。

 扉を開けようとする織美亜の手は、震えていた。

「どうした、織美亜? 怖いのか?」

「いいえ、これは武者震いよ。どんな敵が待ち受けているか楽しみだわ。

 たとえ傷ついたとしても、アタシが治してあげられるから」

「そうだな。

 どんな敵であっても、この力さえあれば、オレ達エージェントは必ず、任務を遂行できる」

 狼王は織美亜の手を握ろうとしたが、彼の能力を知っている織美亜は慌てて離れた。

「アナタが手を握ったら、アタシの手が潰れちゃうでしょ?」

「ふぅ……まったく、織美亜は神経質だな」

「それに、目的はあくまでも任務なのよ。余計な事をしたら任務に関わるわ」

 織美亜は真面目な性格だ。

 任務を遂行するためだけに行動していると言っても過言ではない。

「それもそうだな。さて、任務を始めよう」

 織美亜と狼王は転移装置の中に入り、スイッチを押す。

 転移装置は作動し、大きく揺れていく。

 

「待ち受ける敵は、果たしてどんなものかしら」

「相手が誰であろうと、オレ達の目的はただ一つ。任務を遂行し、この島に戻ってくる事だけだ」

 織美亜と狼王は、待ち受ける敵にわくわくしながら、桜ヶ島へと向かっていくのだった。

 

 桜ヶ島で開かれるは絶望の鬼ごっこ。

 

 それに立ち向かうは二人のエージェント。

 

 今、エージェントと小学生、そして鬼による三つ巴の物語が、始まろうとしていた。




某小説を見て、特殊な力があれば鬼に対抗できるんじゃないかと思い、
この小説を書く事にしました。
ちょうど、昔の逃走中で、ハンターに対抗できるアイテムがあったように。
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