琉球エージェントの死遊戯紀行   作:アヤ・ノア

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3巻編のプロローグ。
今回の話に登場するエージェントはこれで最後です。


3章 偽りの地獄祭り
29 雷鳴のエージェント


 桜ヶ島祭り開催『鬼ごっこのルール』

 

 ルール1 子供は、鬼から逃げなければならない。

 ルール2 鬼は、子供を捕まえなければならない。

 ルール3 能力者は、鬼と戦わなければならない。

 ルール4 街を越えて、逃げてはならない。

 ルール5 お祭り終了まで鬼から逃げ切れれば、その子供は勝ちとなる。

 ルール6 鬼に捕まった子供は、――

 ルール7 お祭り終了まで鬼だった奴は、チカラが無ければ人間に戻れない。

 

 沖縄県の小さな小さな島。

 そのどこかには、鬼に対抗する力を持った超能力組織「殺鬼軍」がある。

 政府にも認知されていないその島は、鬼から身を隠すのに十分だった。

 

「杉下……を調査し、妖鬼妃を倒せ」

 一は杉下の本名を言うが、読者には伏せておく。

 非常に高い知能を持つ彼は、鬼の本名すらも分かってしまうのだ。

「待ってください、妖鬼妃とは……」

「任務に私情は必要ない」

 阿藍は妖鬼妃について知っているようだが、一は車椅子に乗りながら首を横に振る。

 情に絆されて任務を失敗すれば、殺鬼軍の存続に関わるからだ。

 あまりにも知能が高い一は冷徹になってしまった。

「鬼に……鬼に、情を見せてはならないのだ」

 この世界での鬼は、ただ人を食べるだけの怪物だ。

 情を見せれば、すぐに食べられてしまうだろう。

「今回もアタシ達だけで行くのですね?」

 織美亜が一に質問すると、一は首を横に振った。

「いや……三人だけでは心許ないだろう。四人目を呼んだから、共に行動するのだ」

 今回の任務には、四人目のエージェントがやってくるらしい。

 一体誰だろうと織美亜、狼王、阿藍が首を捻ると、

 前髪を切り揃えた、肩まである茶髪の女性が来た。

「私は上原(うえはら)麻麻(まーさ)。コードネームはNo.16」

 女性は麻麻と名乗った後、丁寧にお辞儀した。

 タロットカードでは不吉を表す「16:塔」。

 そんな麻麻が持っている能力は、何なのだろうか。

「何々……」

「触らないで!」

きゃぁぁぁぁぁっ!

 織美亜が麻麻の手に触れた瞬間、麻麻の手から強い電撃が走った。

 電撃を受けた織美亜は感電してしまう。

「彼女は『雷鳴』の能力者であり、その名の通り電気を操る事ができるのだ」

「触らないで、って言ったのはこのせいだったのね」

 麻麻の能力は制御が難しいらしく、触るだけで感電してしまう。

 そのため、麻麻に触るには、絶縁体のゴム手袋を身に着けていなければならない。

「で、でも、戦闘はできると思うわよ」

「そうだな」

 おずおずと言う麻麻に、織美亜と狼王はなるべく彼女に触らないように近付いた。

「そっか……じゃあ、よろしくね! 麻麻!」

「学校では『No.16』だからね」

「俺達と共に鬼と戦おう。そして、妖鬼妃を倒そう」

 

 そして、織美亜、狼王、阿藍、麻麻の四人は転移装置を使用する。

 鬼を倒し、子供達を地獄から解放するために。

 

 次の舞台となるのは、地獄祭り。

 桜ヶ島で行われる祭りには、ある「恐ろしい秘密」があった。

 エージェント達はそれを調べるべく、桜ヶ島に向かうのだった。




阿藍と麻麻は、タッグではなくチーム制にしたくて作りました。
RPGのパーティーは、4人が定石ですしね。
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