まだまだ未熟者で、至らぬ文章ではございますが、皆様に楽しんでいただければ幸いです。
プロローグ
時は2011年……世界は宇宙人に侵略されたり、各国同士の核戦争などに晒される事もなく平和と言って差し支えなかった。
超常的な事も何も無く、問題と言えば「地球温暖化」や「国の怠慢」などが真っ先に上がってくるような、見ようによっては退屈…そんな世界。
故に人々は、そういった「退屈」を紛らわすために様々な娯楽を求めた。
ゲーム アニメ 漫画 数えればキリが無いほどに増えて行く娯楽。
今回はその中の「カードゲーム」に情熱を燃やす少年の話をしよう。
2011年 某日
場所 遊戯王オフィシャルカードゲーム地区大会会場
「俺はこれでターンエンドだ。どうした、手も足もでないみたいだな関口!」
そう言って、目の前の少年 竹内広康は自分のターンを終了した。
さて……これから俺のターンになる訳だが……この辺で、一度状況を整理してみようか。
まず俺の名前 関口達也 現在高校1年 趣味はカードゲームに格ゲー…それにバスケを少々。
とまぁ、その辺を探せばゴロゴロいるような普通の男子高校生である。
次に俺の目の前にいる相手 竹内広康 同じく高校1年生 俺の昔からの友人である。
そして俺達は現在、世界規模で大人気のカードゲーム「遊戯王オフィシャルカードゲーム」の地区予選大会決勝戦を争っている。これに勝てば、全国大会の出場権が手に入る。だが状況が芳しくない。
相手のフィールドには上級モンスターが2体、それに対して俺のフィールドにはモンスターがいない。
竹内が魔法・罠ゾーンに何もカードを置いてないのは幸いだが、このドローで切り返せるカードがこなければ俺の負けは確定である。
LP 関口 1200 竹内 2000
まぁなんにせよ、ドローしなければ始まらない。俺は意を決して山札からカードを引いた…そして
「俺のターン…ドロー!…くっくっく…悪いな、竹内。引いちまったみたいだ」
「っ!? まさか…!?」
「俺は、手札から魔法カード「ブラック・ホール」を発動するぜ!」
《ブラック・ホール/Dark Hole》
通常魔法
効果
フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
「てめぇ…この状況でそのカードを引くとか、どんな運してやがんだよ!?」
「悪いね、昔から運だけはいいんだよ…お前もよく知ってるだろ?さらに、俺は手札から魔法カードミラクル・フュージョンを発動!俺の墓地にある、E・HEROアナザー・ネオスとサイバードラゴンを除外することで、E・HERO The シャイニングを融合召喚するぜ!」
《ミラクル・フュージョン/Miracle Fusion》
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって
決められたモンスターをゲームから除外し、「E・HERO」という
名のついた融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
《E・HERO Theシャイニング/Elemental Hero The Shining》
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている
自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついた
モンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。
「さて、お前のLPは残り2000だったよな?俺のシャイニングの攻撃力は、ゲームから除外されてるHEROが一枚で2900…これで終わりだ!ダイレクトアタック!!!」
「てめぇ……」
竹内康広 LP2000 → 0
勝者 関口達也
この瞬間、俺の全国大会出場が決定した。
その後俺はスタッフの人から全国大会のルールなどの説明を受け、竹内と共に大会会場を後にして何時も学校帰りなどに通ってるカードショップへと顔を出すことにした。
場所 カードショップ 崩摩屋
そんなこんなで、カードショップへ到着。中に入ると、20代後半ほどの男性が俺達を笑顔で出迎えてくれた。
「いらっしゃい関口君、竹内君」
ちなみに俺達を出迎えてくれたこの人は、ここの店員さんの上崎士郎さん。色んなカードゲームに精通していて、俺達によく情報を流してくれる。
「ど~も、士郎さん」
「今日もお邪魔します。他の奴はもう来てますか?」
「あづにゃんと小池君はちょっと前に来たね。多分二人でフリーしてるんじゃないかな?」
「ほほぅ…あの二人か。丁度いい、関口を血祭りに上げる前哨戦でもするかね…!んじゃ先に行ってるぜ」
そう言って、竹内は颯爽とフリースペースに向かって行った。やれやれ…んじゃまぁ俺も向かうとしますかね…
「ちょっと待った関口君!」
すると、士郎さんに呼び止められた。とりあえず振り返り話を聞くこととする。
「…?何ですか士郎さん」
「いや……大した事じゃないんだけどね。とりあえず、がんばって」
「??はぁ……了解です」
一体何に対してのがんばってだ?もしかして俺が全国大会に出場することを知ってるのだろうか?だけどそれはさっき決まったことだし、誰も話してないはずだよな??
俺はちょっとした違和感を感じつつも士郎さんに返事を返し、フリースペースへと移動した。
フリースペースへ行くと既にデュエルは終わってたようで、よく知った顔2人と竹内が談笑してた。
俺もすぐ、その輪に入るとする。
「よお、二人とも…やっぱ来てたか」
「オッス、関口。優勝おめっとさん!」
「流石ですね、関口さん。負けていった俺達の分も、全国で暴れてきてくださいよ!」
二人とも、どうやら大会の事は先に来た竹内から聞いてたらしいね。
ちなみにこの二人の説明をしておくと、最初に声を掛けてきたほうが同級生の阿須谷 智也。周りからはその苗字と彼の今で起こした逸話から、あづにゃんと呼ばれ親しまれている。
そしてもう一人の方が、中学の時後輩だった小池輝だ。現在中学2年生で俺達がよくつるんでるメンバーの中では一番年下なのだが、一度デュエルになると、中々面白い読みをする奴だ。
「まっ…できる限りはやってみせるよ」
「チッ………あと少しで俺が優勝出来たんだがな………」
「それでも竹内さんは地区大会まで出れたんだから、まだチャンスはあるじゃないですか。俺達なんて、地区大会前の選考会でお二人に当たって落ちてるんですから。」
「そうそう地区大会敗退者はここからの大会から全国大会開催の1週間前までに稼いだDPで、トップ10までが全国出場できんだろ~よ?」
「いくら可能性があるっていっても、全国各地の地区予選敗退者の中から10名だっつーの。いくらなんでも…」
「はっ……ビビッたかよタケェ」
「あぁ!?人をサ○ケェ見たいに言うんじゃねえよ!?コイツ…ぜってえ全国でぶっ潰してやる」
「なんなら全国と言わず、今ここでリターンマッチするか?消し炭にしてやんよ!!」
「上等だてめぇ!!さっきのラッキーで図に乗ってんじゃねぇ!!」
「やれやれ…お二人とも元気なのは結構ですけど、ここは公共の場って事忘れないでくださいねー」
「あんまやんなよ~、士郎さんにつまみ出されるど~」
おっといけねぇ……少々はしゃぎ過ぎたらしい。よく周りを見渡せば、俺達の罵声にビックリしたほかの客がこっちを見ていた。
とりあえず、軽く会釈して自粛することとする。
そして、静かに四人でデュエルを楽しむこと数時間……ふと気づいた事があり、聞いてみることにする。
「っと…そういえば荒木の奴はどうした?アイツいっつも来てるだろ?」
この荒木と言う人物は中学の時にここで知り合った俺の1っこ下の少年で俺達とは学校が違ったのだが、中々面白い奴なので今ではよくつるむ仲となっている。
「あ~…………あの人でしたら……」
「?……どうした??」
言葉に詰まるアキラ。どうやらまたあの馬鹿はなんかやらかしたらしいな。
「アイツ、なんか聖地巡礼で兵庫に行ってるらしいのぅ」
「……はっ?」
「わーお……くれいじー」
「なんか、格安で飛行機のチケット取れたらしくて荒木さん曰く「学校なんて行ってる場合じゃねえ!」だそうです。昨日電話で言ってました」
「…………( ゚д゚)」
○ねよアイツ……てかアイツ受験生だろ。なに考えてんだ!?
「まっ…荒木だし仕方ないよねー」
「ですよねー荒木だし。てか、今の内に土産でも頼んだるかー」
「あっ…俺、明石焼き食べてみたいです」
「あの馬鹿……………後で電話でシコタマ煽ってやるw」
荒木昌二 中学3年生 スキル 煽られ属性 EX
そんなこんな4人で談笑していると、もう外は暗くなっていた。そろそろ引き上げ時かな。
「ふぅ……んじゃまぁ、今日はこの辺でお暇するかね」
「ん………そういやいい時間だな。じゃあ移動しますか?」
「関口さんと竹内さんは、この後どっか行くんですか?」
「なんなら、ワシらとゲーセン行かんか?」
っと中々魅力的なお誘いだが、今日は他の予定が入ってるんで断らざる負えないね。
「ワリぃ………俺達は、この後先輩の家に行く予定なんだわ」
「っそ……朝までお泊りコース」
まぁ行ってもどうせやることはカードか格ゲーだろうから、ここやゲーセンとそう変わらないわけだがね。
「ああ……だからお二人ともそんな大荷物だったんですか。いいなぁ……俺も1度でいいから誰かの家に泊まってみたい」
「アキラの家は色々厳しいからのぅー。まっ…その分後でワシが乱入して騒いじゃるわ」
「やる気勢すぎる………」
「……まぁ先輩には言っとくよ」
そして俺達は一旦別れ、俺と竹内は先輩の家に あづにゃんとアキラはゲーセンに向かうこととなった。
何時も通りの日常。仲間達と馬鹿をやりつつも、平和に毎日を楽しんでいた俺達………だがしかし、それが急にあんなことになるなんて……今の俺は知る由も無かっただろう。
それは俺にとって、幸か不幸だったのか………それが何時か分かる日が来るのだろうか?
以上、プロローグでした。