とりあえずデュエルしようぜ!   作:るくは

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第7話 新生活の始まり

 

白井ちゃんとのデュエルが終わった後、俺達はそろそろ皆の門限に間に合わなくなることから学園都市に向かうこととなった。どうやらここから学園都市まではそう遠くないらしく、学園都市までの直通バスがあった。

そのバスの中で学園都市に向かう途中で3人に俺の詳しい現状と、御坂に衣食住を提供してもらうことになった経緯を一応ながら説明させてもらった。

ちなみに反応は様々で――――

 

 

「うわ~……武者修行の旅かぁ~……決闘者として何だかあこがれちゃうなぁ」

 

 

とは佐天ちゃんの談。

アレ……この子ってこんな性格だったか??

次に初春ちゃんは――――

 

 

「でも、親御さんとかは心配してるんじゃないですか?一応これから先学園都市に住むにしても、れんらくはきっちりとしておいたほうがいいと思います」

 

 

とのことである。いやはや、このぶっ飛んだ話の中の唯一の良心と言いますか………まぁ連絡出来るものならしたいんだけどね?

俺がどうやってここに来たのかも、どうやれば帰れるのかも分からない以上、連絡なんて付けようも無いわけでして……

そして最後に白井ちゃんは――――

 

 

「………」

 

 

この通り先ほどからずっとご機嫌斜めである。周りを取り巻く負のオーラが、時間経過ごとに増大してるように思えるのは俺の気のせいと思いたいね。

一応さっきの約束の事もあり、大人しくしてくれてるけど、案外俺を他の子達にバレずに消すにはどうするかとか考えてるのかもしれん。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなしてる間に、バスは目的地学園都市に到着。

しかしよく考えれば俺は、ここに入れないんじゃないか?確か学園都市って、セキュリティが半端無くてID無しじゃ絶対には入れなかったような……

俺がその事を御坂ちゃんに聞こうとすると、なにやら御坂ちゃんが端末片手に何か作業をしていた。

結構真剣そうな顔をしていたので落ち着くまで待ってると、作業が終わったのか、御坂ちゃんは端末をポケットに納め、何やら俺に投げてきた。俺は何とかキャッチして、それを覗き込む………これは、IDカード??

 

 

「それがあれば、アンタも学園都市には入れるわよ。一応…これを私から受け取ったってことは誰にも話さないようにね」

 

「おう…?…そいつは一体どういうことさ??」

 

「ちょっとさっきの間にちょちょいと…ね。どうせアンタ、ここに入る為のIDとか持ってないんでしょ?」

 

「YES……お心使い痛み入ります」

 

 

でもそれって、思いっきり不法侵入zy……いや、これ以上先は怖いから考えるのをやめておこう。

なんにせよ御坂ちゃんのおかげで、俺は学園都市へと入ることが出来た。

 

 

 

 

 

「へぇ~………ここが学園都市か。やっぱすげえな………」

 

 

なんだかんだで、ラノベの方で予備知識は持ってたけど……実際に見てみるとやっぱりすげえな。

一言で表現するなら、近未来都市ってとこか?

元々俺が住んでた場所がどちらかと言えば田舎な方だったからそれが顕著なのかもしれないが、それにしたってこれは…………。

俺がそんな事を考えてると、いつの間にか隣に居た御坂ちゃんが話しかけてきた。

 

 

「さて…と、じゃあ次はアンタの寝床問題ね………とりあえず、今日の所はホテルで済ますとして、ここに暫く滞在するならマンションとかを借りた方がいいでしょ」

 

「そうだな………ただ、今の俺の所持金じゃ長くは持たん………早いとこバイトでも見つけねえとな」

 

「まぁ、その辺りの心配はいいわよ。約束だし、アンタが落ち着くまではその辺りの問題は面倒見てあげるから」

 

「わりぃな………ほんと何から何まで」

 

 

ははは…非常に有難い話ではあるのだが、心の何処かが痛むのは何故だろうね?

現役中学生に養ってもらう、現役高校生……………これは人間として、色々終わってるのではなかろうか?

ともかく、早い所自立しないと洒落にならん!!

 

 

 

 

 

 

そして適当なホテルを見繕ってもらい、そのホテルの前で俺は御坂ちゃん達と別れた。ちなみに、御坂ちゃんとは明日の午後1:00にまた会う約束をしている。

俺はホテルのチェックインを済ませ、早速自分の部屋に入るとベットの上で横になった。

 

 

「はぁ…………疲れた」

 

 

こうして横になっていると、ようやく興奮していた俺の頭も冷えて来た。

丁度いい、とりあえず今の俺に起こってることを整理してみるか…………。

 

 

 

まず1つめ       

 

俺は昨日先輩の家で寝ている内に、何故かこの世界に迷いこんじまったらしい。

その理由は不明。俺の知らない誰かの壮大な陰謀なのかもしれないし、SFよろしく時空の歪みのような物に飲み込まれて、この世界に飛ばされてきたのかもしれない。

 

 

2つめ

 

この世界には、どうやら漫画やラノベの中の登場人物が普通に住んでいたり、その舞台となった場所が実在するようだ。

俄かに信じられないが、実際この目で見てしまったんだからしょうがない。見た目だけならまだ否定も出来たが、あの電撃やこの学園都市を見せられた以上受け入れるしかないだろう。

 

 

3つめ

 

そして現状、俺は元の世界に帰ることは出来そうにない。つまり当分は、この世界で生きていくことになるだろう。

 

 

 

「………こんな所か。やれやれ………」

 

 

俺は実際、最初こそアブダクトやら異世界(?)クオリティに感動こそしたが、こうして冷静に考えてみると感動よりも先に来る感情は………恐怖だ。

自分の知る者がまったくいない場所へ一人放り込まれた状態で、これから先生きていかないといけない現状。この状態で暢気に生きていけるほど俺のメンタルは高くはない。

 

 

「ほんと…御坂ちゃんには感謝しないとな。この世界で最初に出会ったのが御坂ちゃんじゃなかったら………俺はどうなってたことやら」

 

 

おそらくは、ロクな事になってなかっただろうな。こうやって、ちゃんと今日の寝床を確保できてたかも微妙だ。そして、最終的にパニクって…………。

 

 

「…やめとこう。これ以上考えてたら、どんどん不のスパイラルに陥っちまう」

 

 

今はただ、明日の為に体を休めることが先決だ。そうして俺は、瞼を閉じ深い眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

そして次の日の朝、日の光を感じて俺は目を覚ました。今の時間は……午前7:30か。

俺の今いる場所は昨日の寝る前と変わらないホテルの1室…分かってはいたが、まだ心の中では昨日の出来事を夢と感じていた自分がいたのだが、その希望もこれで木っ端微塵だな。少なくともここはやはり現実なのだろう。

そんな現実に打ちのめされる事数分……こんな事をしていても仕方ないと割り切り、俺は行動を開始した。

 

 

「とりあえずは風呂だな。昨日はそのまま寝ちまったし………服は……一応着替え用に用意してたのがあるからそれに着替えよう」

 

 

いやはや、先輩の家に泊まる予定だったのがこんな所で幸いするとはね。しかし、何時までもこのままって訳にもいかねえよなぁ~。早い所日用品をそろえて置かないと………後はコインランドリーか。

そんな感じでこれからしなきゃいけない事を考えつつ、俺は部屋に備え付きのシャワールームで汗を流し予備の服に着替える。ここまでで大体20分ほど経過しただろうか、と…ここで自分が今とても空腹なことに気づく。

 

 

「まぁ無理も無いか、そういえばこっちに来てからまだまともに飯を食ってないしな」

 

 

となれば一旦部屋を出て、朝飯を食いに行くとするか。御坂ちゃんと会うのは午後1:00にこのホテル前って約束だし、まだかなり時間がある。

ちなみに昨日確認したのだが、何故か俺が持っていた携帯が無くなっていた。恐らく、先輩の部屋に置きっ放しになっているのだろう。まぁもっとも、持ってたとしても恐らくここでは使えないと思うけど。携帯も、出来れば早めに用意しておきたいね。じゃないと御坂ちゃんとの連絡方法が確立できないし。

そして俺は、一旦ホテルを出て近くのコンビニで食料を調達、そしてホテルに戻り朝食をとった。

 

 

「うむ………美味い。美味すぎてちょっと涙が出そうだ」

 

 

買って来たのはただのハムカツサンドとツナおにぎりなのだが、空腹も手伝ってすごく美味く感じる。やっぱり食事は大事だな……。そのままの勢いですぐに食べきると、最後にお茶で流し込み一息つく。

さて……まだまだ時間はあるわけだが………どうするしようか。ホテルの方は明日までとってあるみたいだから、まだチェックアウトする必要も無いし、だったら午後までのんびりしていようか……いや、それもなんだか………!

 

 

「そうだ、ここに来る途中にゲーセンがあったな!現在の時刻は9:25………いいねぇ~、とりあえず午前中の間時間つぶしに行ってみようか…ね!」

 

 

よし、そうと決まれば即行動だ!

俺は手早く用意を済ませ、昨日見かけたゲーセンへと足を運んだ。

 

 

 

 

 

関口達也    備考      ゲーセン好き

 

 

 

 

 

そして約5時間後―――

 

 

 

 

「やっべぇ………やりすぎたっ!!!!」

 

 

なんてこったい……俺とした事が、ついつい対戦にはまって時間を忘れてた!!だけど仕方ないだろ!男足る者、相手の乱入に対して逃げる事は出来ない。

 

 

「今の時刻は……14時30!?まだ御坂ちゃん…待っててくれるかな……」

 

 

ともかく今はそれを祈りつつ走るしかねぇ!!俺は全速力で、ホテル前へと走った。

 

 

 

 

 

幸いホテルまではそう遠くなく、5分ほどでホテル前へ付くことが出来た。

すぐに周囲を見渡すと、ロビー前に御坂ちゃんが立っているのを確認できた。しかしその様子は遠くから見ても分かるほどにイライラしている。時々迸るビリビリは、決して気のせいではないだろう。

 

 

「今飛び込んだら俺コロッコロ☆さられるんじゃないか?」

 

 

踏みとどまる足、滲み出る汗。そりゃそうだ、誰だって死にたくは無いのである。

まぁだからといって、これ以上待たせる訳にも行かない。今回のことは全面的に俺が悪いのだから、多少の電撃ぐらいは覚悟しないとな。

そうして俺は覚悟を決め、御坂ちゃんに歩み寄り声を掛けた。

 

 

「悪い御坂ちゃん!随分待たs」

 

 

刹那、俺の頬を掠める衝撃!何が起こったのかは理解出来ない。と言うよりしたくない。遥か後ろの壁から、何やら黒煙がのぼってる気がするが夢か何かだと信じたい。

俺はあまりの恐怖にその場を動けない。すると、御坂ちゃんが此方にトコトコと歩いてきて――――

 

 

「お・は・よ・う。昨日は良く眠れたかしら?」

 

 

何やら物凄い良い笑顔で声を掛けてきた。無論笑っているのは顔だけである。ここで一つでも選択肢を間違えたらデッドエンド………嗚呼、セーブシステムが欲しい。切実に!!

とりあえずは、御坂ちゃんの怒りを静めねば…………まずは遅れた事を謝らないとな。

 

 

「うん……まぁそこそこね。それより、遅れてマジごめん!!」

 

 

そう言って、頭を下げる俺。無論コレぐらいで許されるとは思ってないけど。

 

 

「……で、何で遅れたのよ?それも1時間半も」

 

 

…ん?何かさっきより御坂ちゃんの怒りオーラが緩んだような??アレ?これいけんじゃね?許してもらえんじゃね??

そんな感じで油断した俺は、つい口が滑り遅れた理由を………

 

 

「いや~……それがさ、すぐそこのゲーセンで時間潰してたら乱入の嵐d…ぐはぁっ!?」

 

「……バッカっじゃないの!?」

 

 

当然のごとく、俺が全てを語る前に御坂ちゃんの見事な回し蹴りが俺の脳天に炸裂。

薄れ行く意識の中……俺の最後に見た光景は、翻った御坂ちゃんのスカートの中の…………パンツだと思った?残念短パンでした!

 

 

 

 

「やべえよ……まだ頭ん中で火花飛んでるよ」

 

「っ……流石にちょっとやりすぎだったのは悪かったわよ。けど、元々は遅刻したアンタが悪いんでしょーが!」

 

「へいへい…故にこの痛みは甘んじて受けますよ、お嬢様」

 

「…何アンタ、もう一発喰らいたいわけ?」

 

「ノー!!ノー!!ノーウォーノーウォー!!」

 

 

ともあれ御坂ちゃんもあの一撃で遅れた事はチャラにしてくれたし、ひとまずは一安心だな。

そして俺達は、これからどうするかを話し合う事にした。

 

 

「まずは、何処かのマンションを借りた方がいいわよね。何時までもホテル暮らしじゃ色々大変でしょ?ひとまず第7学区内でよさそうなマンションを幾つか探してきたけど…今から見に行ってみる?」

 

「すげえ手際の良さだな…ともあれ、今は御坂ちゃんの厚意に甘えるしかないのが情けねえ話だ。宜しく頼むよ」

 

「おっけ~。じゃあそういうことで!」

 

 

そこから俺達は、御坂ちゃんが目星を付けてくれたマンションめぐりを開始した。

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