入社のところ書いていたら、全然戦術人形出てこなかった。
おかしいな・・・
熱くもなく寒くもない、そんな春の日に俺は新天地にやってきた。
ここは、とある国の大きな街のアッパータウン。
最近勢いのあるPMCのグリフィンの本社があるところで、その本社に再就職の用で来ている訳だ。
俺? ああ、俺はナイル。ナイル・ルースだ。元軍人だったんだけど、最近退職した。
軍人というと、いわゆる公務員で先が長そうな仕事に見えるけど、実はそうでもない。
俺は現場仕事、いわゆる鉄砲持った兵隊さんやってたんだけど、これガッツリ体が資本な仕事なんですよ。
所謂、プロスポーツ選手みたいなもんなんで、おっさんになると厳しい。
出世するにも、上のポストがそんなにあるわけでもないしね。徐々に同年代は数を減らしていく。
俺は部隊長まで進んだけど、そこどまりでした。そんで40も半ばで退職と相成ったわけ。
けど、元軍人は一部民間企業では有用なもんで、再就職先は国もある程度斡旋してくれる。
PMCをはじめ、ガードマン、武器メーカ、警察、消防、コンサル・・・・。いろいろあるわけだ。食うには困らない。
まあ、懲戒処分受けたやつとかはダメだろうけど。俺は真面目だったんです!ってことで。(笑)
・・・・
さてさて、歩き慣れぬアッパータウンを進むと、ありましたよ本社。
立派な鉄筋コンクリートの建物。一見役所のように見えるが、一つ違うのがその警備だ。
『あ?女の子??』 思わず口から言葉が出てしまった。
ビルの入り口の立哨が少女といっても差し支えない見た目だったもんでつい・・・・
じろりと見られたが、手荷物のチェック、ボディチェック、金属探知機によるチェックと滞りなく、確実に実施する。
就職の要件を伝えると、ホールに迎えとの指示。
(そうか、グリフィンは戦術人形を積極的に使うPMCって、会社説明のパンフに書いてあったっけ。斡旋だもんで詳しくは読んでなかったわ)
ビルの中、エントランスは一般的なビルと同じ大空間。しかし紺色の制服を着こなしStg-44を手にした立哨の少女が綺麗な姿勢で立っている。
(うーん、すげぇ違和感・・・)
目を逸らすわけでもなく、注目するわけでもなく通り抜け、入社式が開かれるホールに足早に向かう。
・・・・
入社式はお偉いさんの話、就職の手続きと滞りなく進む。
会議室の中に座っているのは新人だが、2種類に分かれていそうだ。
前の方には、明らかに大学出てきました系の若者。
で、後ろの一部が、どう見てもアラサー以降の人。自分入れて三人、男性1、女性1だ。
俺も後者の男性その2なんだけど、これ多分軍人とかのキャリア再就職組なんだろうね。
とりあえず手続きは終わったけど、明日から研修だってさ。
研修はロアタウンの外にある、本社基地でやるんだってさ。明日から本社基地に寝泊まりになるってさ。
(まあ、がんばりますかね)
・・・・
翌日から、研修が始まる。
「ルース候補生。全然合っていないじゃないですか!説明を聞いていましたか!」
『も、申し訳ありません・・・・』
「やり直してください。アシスタントの方、フォローお願いします」
20代前半の女性教官に今日何度目か叱られる。だんだん言葉が厳しくなる。
若い同期からは、このおっさんダメじゃね?的な目で見られる・・・
アシスタントの先生が付きっきりになってるしで、完全に落ちこぼれ認定っす・・・・
基地運営に必要な知識を叩き込まれている訳だけど、まいった。
所謂部隊長レベルだと、それほど金勘定や提案書の作成などの所謂「組織運営・経営」といったことはやらない。
これは、完全に今までのキャリアが通用しない分野。
(きつい。この年になってまた勉強とは。偉い人が言ってたけど人生日々勉強は本当だな。)
なんとか食らいつきクリアする。
入社二日目でクビとかさすがに勘弁だし、元鞘の先輩後輩にもにも迷惑かけちまうからな。
一方、射撃や格闘といった兵隊さんの実務はバッチリ!隣の若人にもコツを教えてやったり。
あれ?このおっさん落ちこぼれじゃなかったん?と見直させてやりましたよ。
・・・・
そんなこんな、苦労はありましたが、無事に10日間の研修は終わりました。
最初は難しかった科目も問題ない程度にはなった。と思う・・・
明日からは、新卒とキャリア組で別れるみたい。
キャリア組は、間を置かず新基地配属なんだけど、その前に部下つまり人形との顔合わせだって。
顔合わせ後は、10日間の慣らし期間だと。
で、その顔合わせが明日。
どうなるのやら・・・・