まあまあ、閑話的な後始末ですね。
書いてて分かったが、P38課長代理大好きや。
俺は冷たい目で見下されて罵られたいのか?
課長代理の日常も書くかな〜(笑)
配属記念パーティーの翌日、2名の戦術人形が司令室に呼び出されていた。
呼び出しを受けたのはサブリナと小隊長のエルである。
サブリナはパーティー成功を青筋立てたナイルに褒められた直後、
サブリナは当初(稟議書??予算??)と質問が理解不能であったが、あの稟議書が指揮官の知らないところで承認されたものと分かり、顔を真っ青にして固まっていた。
司令室の床に竹のラグを莚代わりに敷き、サブリナを正座させる。
『サブリナ、パーティーの予算についてどうしてこうなった』
ナイルの問いかけに、正直に全て話すサブリナ。
「相談のきっかけにするため稟議書を出したけど、承認されてしまって・・・。Px4さんも指揮官が話つけたに違いない、理解しているに違いないって・・・』
混乱しているのか、いまいち要領を得ない説明をするサブリナ。
Px4の名前が出た途端、エルが顔を顰める。
エルを見ると(どうせこうなる事は分かっていたんです)的な雰囲気を出している。
『エル、お前も何か知っているな。・・・正座だ』
エルも黙って莚の上に正座する。
『で、なに?Px4??何処の誰だそいつは。そいつが今回の件の元締か?』
キレかけたところで、猛烈に胃が痛み出してうずくまる。
「指揮官様、胃薬です。飲んでください」とG36Cが心配そうに介抱する。
『すまない・・・』と薬を一気に飲む。高級な薬なのかすぐに痛みが和ぐ。
昨日の暴飲暴食もあるが、意味不明の給料前借り使い込みのストレスが大きい。
だって俺、入社して一カ月弱よ。お給料まだ一回ももらってないのよ。なのに既に年収分借金してるのよ。
副官とのやりとりが落ち着いたところで、サブリナが涙を流しながら答える。
「Px4さんは悪くありません。調達とか助言とか協力してくれただけです。本当に良い人です!」
その褒め称える回答を聞いて、エルがギョッとしてサブリナを見る。そして観念して伝える。
「指揮官、サブリナにPx4を紹介したのは私です。彼女は前の所属先S10地区で特注物資の調達などを副業としてやっていました」
「ただ、悪事を働く人形ではないのは確かです。だから紹介しました」
ふむ。ちょっと想定外。
もっとこう、悪事や企みが明確になると思っていた。
念のため全て詳細に確認しよう。
『サブリナ、エルとの会話、Px4とのやりとりの映像記録を全て渡すんだ』
G36Cが「サブリナさん、ごめんなさいね」と伝え頭部のアウトプットコネクタにコードを繋ぐ。
繋いだ瞬間から、サブリナは目を見開き無表情となり固まる。外部接続モードになった証拠だ。
それと同時に、大型モニタにサブリナの
G36C、エルを入れた3人で確認する。
・・
・・・
・・・・
全て確認して要約するとこうだ。
ーーーーー
サブリナが要望を伝えダメ元の稟議を出す。稟議が通ってしまった。
相談相手のPx4が承認結果にビックリし、指揮官が理解し希望を伝えたのでは?とコメント。
指揮官が知っているならばと見積もりをもらい契約。
盛り上げるために広報部とか呼んだらどうかと助言を受け実際に呼んだ。
ーーーーー
『うーん、不審点はあるが、白に近い灰色ってところか』
変に全て白塗りして隠したような取り繕った痕跡もない。
見積も各品目について安くは無いが、異常な金額でもない。
むしろ、納期内に調達した手腕を考えると極めて有能。俺でも使いたいくらいである。
(条件によっては自ら工作してでも調達してくるだろうな。それくらいの手腕を持っていると推定する。)
(とてもじゃないが、今のサブリナが使いこなせるレベルの人材では無いな・・・)
エルの方を見て目を合わせると、目をつぶって首を振る。
(悪巧みの可能性はありますが、これ以上は無理)と言外に伝えている。
くそっ。S10基地が糸引いていたなら乗り込んで苦情を言ってやろうと思ったが、この件はこれ以上は無理か。
サブリナを起こし、二人の正座を解く。
流石戦術人形、痺れは無いらしい。
・・
・・・
・・・・
一応、念のために本社の財務管理課にも確認をしておこう。
財務管理課へ映像通信を繋げる。しかしコールが鳴ってもなかなか出ない。
「お待たせしました〜。財務管理課です」と20代前半の女性が出る。
『おはようございます。R-15前線基地指揮官のルースです。課長代理はいらっしゃいますか』
「課長代理は電話中です・・・ルース指揮官?ああ研修のときの・・・」
げっ。落ちこぼれ認定されたあの教官の女性か。
どーもどーもとか、手続きで分からないことがあったらいつでも連絡ください、とか世間話を始める。
「昨日のパーティーの生中継見ましたよ〜。ウワサ通りなんですね〜。うふふ」
どんなウワサだよ。誰が流してやがるよ。
「でも、人形には優しくしなくちゃダメですよ〜」幼稚園児を叱る保母さんみたいな顔で言ってくる。
G36Cやエル、サブリナの前で・・・はらすめんとはやめてください・・・
雑談中に課長代理の電話が終わったらしく変わってくれる事となった。
・・・
『おはようございます。P38課長代理。本日は先の稟議書の件でお電話しました』
「おはようございます。R-15基地ルース指揮官・・・昨日の生中継、見ましたよ」
P38課長代理は落ち着き可憐さを残した美しい女性。静かに返事をする。
ただ、少しハイライトが薄くなったその瞳には、ゴミでも見るかのような嫌悪感が滲み出ている。
『本日は稟議書の決済が通った理由を聞きたくお電話しました。』
ナイルは率直に伝える
「体裁は整っていましたし、何より指揮官の気持ちが滲み出ており感化された。・・・それでは不満ですか?」
薄っすら目を細めて説明する課長代理。
『しかし、』
課長代理は追い縋るナイルの言葉に被せるように続ける。
「ただ、昨日の生中継を見て私の判断は間違っていなかったと確信に至りました」
「とてもお楽しみでしたわね・・・。最後はあんな破廉恥な様を全社に中継して・・・。その感性は理解出来ませんが」
気分が悪いのかハンカチで口を押さえて、目を瞑る
(くそっ。分かっちゃいたけどそうくるよな。俺が中止出来なかった時点で文字通り後の祭りだ。)
(しかし、そんな酷かったっけ?酒が回っててぶっちゃけ後半は記憶が曖昧なんだよな。)
「他に話がないなら、これ以上は時間の無駄ですわね」
紅茶を啜りながら話す課長代理の胸元にちらりと気品あるネックレスが見える。
よく似合っているその姿をナイルは特に不審に思う事もなく通話は終了するのだった。
ーーーーー
R-15基地では、このパーティーは大きな事件となったが、悪意のない偶然の産物つまり事故と断定された。
以降、事故防止のために新たにルールが制定された。
曰く、予算申請は必ず指揮官と副官の書面承認を行う事
曰く、他地区との無断取引は禁止。取引が必要なら指揮官の書面承認を行う事
ーーーーー
なお、サブリナはお咎め無しとなった。
意外なことかもしれないが、ナイルは今回の彼女の行動を大きく評価していた。
自身の借金の結果は最悪ではあるが、パーティーを計画し手配実行した行動力は大変素晴らしい。と。
今回のことをネガティブに捉えず精進するように、と皆の前で褒めたほどだ。
(まあ、年収分1000万円。高級車でも買ったと思えば・・・。)
(しかし、その
そうか!決めた。
『エル。これは第二小隊の連帯責任だ』
『第二小隊でうちの
(どうせ中古で処分しても二束三文。足元見られるだけだ。それなら有効利用するしかない)
一連の責任と後始末を押し付けられたエルは、二度と元鞘の戦術人形をこの基地に近づけてはならないと心に誓うのだった。
Px4「エルちゃんを泣かせるな」o(`ω´ )o
エル「Px4さん大暴れの尻拭いの責任とらされたぉ」。゚(゚´ω`゚)゚。
ナイル「一体何が何だか…わい完全な交通事故の被害者やん…」(´ω`)
次回以降は、地獄のパーティーの続きを書かんとね。
課長代理に破廉恥とバッサリ切られたが、いったい何があったのか??
乞うご期待?なのか??(笑)