中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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誤削除後の新話です。

ナイル指揮官が副業を始めるそうですよ。
うまく稼げるのか?上司のヘリアントスさんに怒られるのか?
どうなるのか・・・・

作者にも分かりません。(笑)

読んでくださる皆様のおかげもありサルベージ頑張りました。
ここから心機一転がんばります。

ちなみに、この作品は設定人物ともにフリー素材となっております。


14.副業

ある日、基地の幹部が招集された。

呼び出した副官のG36Cが切り出す。「基地保有の配給が減少傾向です。このままですと二週間で作戦に支障が出ます」

 

マジ?なになにいきなり問題なわけ?・・・大食い連中の食費が半端ない。と。あいつらかよ。

先日の大食い大会が人形達の間で評判が良く、皆が皆次の大会に備えて普段から多く食べている。と

 

『やめさせろ。すぐにだ』

 

食事の消費量の表を見るとサブリナはともかく、G36Cも上位に居る。

ちょっとG36Cさん、この消費量増加はなんですかね?

なになに?私も次は負けたくないから、朝晩は2食分食べていると・・・・

沢山食べていたら太ってはいないけど胸は大きくなったと?

 

(いや、聞いてねえから。)

 

え?なに、指揮官は女性の胸が大好きですから?いやいや、それ否定したよね。

いつ()()()()()()()()()が行われても大丈夫なように、って?

 

(勘違いだから。完全に勘違いだからね。それ皆の前で言わないでね。頼むから)

 

ジト目で副官を見ると目を泳がせている。まあ、2食食いはやめてくれればいいさ。

話し合い、とりあえず飯は1人1食1人前だけとする。

本当は好きなだけ食べさせてあげたいが、俺が不甲斐なくてすまんな。

 

本社から来る定期的な物資供給の、人力、弾薬、部品の供給割合を変えようかと思ったけどそれはとりやめた。

隊長達から反対があった。変な無理はやめた方がいいと。

例えば人形の損傷が無ければ部品の数は少なくても大丈夫だろう。理論的にはである。

しかし、実際には損傷は発生してしまう。このようなところを気合と根性でなんとかしようとすると無理が起こり破綻に至ってしまう。

本社が決めている「使うであろう割合」は変えるべきではない。と言う事である。

 

まずは全体的に倹約することとした。意識を変えていこうとの考えだ。

意識を変える策として、あちこちに標語をペタペタ貼りまくる。

皆の気持ちを見える化して統一することが大切。

と言うわけでデータベースから歴史上使われた強めの標語を集める。

 

「欲しがりません勝つまでは」

「ぜいたくは敵だ!」

「R-15の仲間ならぜいたくは出来ない筈だ!」

「全てを戦争へ」

「一発必中」(この語は妙にエルが気に入っていたな。数多く刷られていた)

「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」(これは司令室に貼られた)

 

ナイルも今日は特別に「ぜいたくは敵だ!」の鉢巻を絞める。

よし!気合が入ってきたな。

 

・・

・・・

・・・・

 

この日、第一小隊は基地周囲の地形調査と哨戒任務に出ていた。哨戒中に鉄血の部隊を発見したとの一報が入る。

R-15地区は比較的安定しており、現れる鉄血は稀な上に本体から逸れた部隊や一般人を殺傷する目的で放たれている自立ドローンに近いプラウラー、スカウト、ダイナゲート程度である。

ぶっちゃけ、基地に篭っていても何ら手柄は得られない=一年後には死刑宣告されると言うことを意味している。

 

『やっとこさ見つけたか。電動バギーを家事ロボに運転させ出させろ』

『第一小隊は攻撃開始せよ。予定通りしっかり狙っていけよ』

 

「92式了解。第一小隊は敵を排除します」「皆さん予定通りお願いします」

 

「はいはい、行くよ〜」いつも通りの気だるさでスモークグレネードが投げ込まれ鉄血兵の視界を奪うと同時にエラーによるフリーズを誘発する。

今回はPPS-43のHEグレネードは使用せず、ARとSMGのバースト射撃を電脳とコアに集中させ鎮圧する。

多少の反撃を許したが、完封勝利である。

 

「クリア。指揮官どうしますか」

 

『殲滅した敵は、リッパーとヴェスピドだったな。状態の良い奴を2体ずつ持ち帰るぞ。まもなくバギーがつくので積んで帰投しろ』

 

「ラジャー」「みなさん、帰投しますよ」

「「了解」」

 

・・・

「でも指揮官、鉄血の人形なんて何するんだろう」帰投中のバギーの上で鉄血の残骸(死体)を見ながら56-1式がぼやく

「さぁーね。どうせ碌でもないこと考えてんだと思うけどね」とPPS-43が返す。

「お人形遊びでもするんじゃないかな」FNCが無邪気に話す。

 

「「()()()()()・・・」」FNCが悪意なく話したその言葉を繰り返しそれぞれがナイルがする遊びを想像する。

あまりの悍ましさに、それぞれ顔色を悪くしたり吐き気を催したりしている。

とりあえず思考するのは止め、何かあったら命に代えても指揮官を止めざるを得ないのだろうと認識を共有する第一小隊の面々であった。

 

・・・

ナイルは第一小隊帰投指示に続いて、グリフィンが収集しデータベース化している社内情報システムにアクセスする。グリフィンの社内情報システム、それは世界情勢、企業情報、個人情報、あらゆる情報が収集されている。

その収集は情報部により行われているとの事だがかなり秘匿性が高く社員もよく分かっていない。誰が何処でどの様な活動を行なっているのか一切不明、あまりの秘匿性から非合法活動もやっているのではとウワサが立つほどである。

そんなデータベースにてナイルは鉄血工造の資料にアクセスする。前線基地指揮官には多くのアクセス権限は無いが鉄血工造の一般資料は開示されていた。

リッパーとヴェスピドは胡蝶事件以前よりラインナップされていたので、各種仕様書や取説、顧客整備マニュアルだけでなくメーカー技術者による重整備マニュアルまで揃っていた。ナイルは整備マニュアル系を一通り印刷して目を通し到着を待っていた。

 

・・・

第一小隊は帰投と共に、鉄血の残骸をメンテナンスルームに運び込む。メンテナンスルームには戦術人形用の修復装置がある他に簡易的に分解調整する事が出来る調整室も備えている。鉄血の残骸は調整室の診察台に乗せられる。

 

『皆ご苦労様。鉄血の人形を運んで貰った理由はパーツを剥ぎ取り中古部品として売買出来ないか。と考えたからだ』

(就業規則には鉄血との対立に関する規定はあるが、中古部品や電子部品の売買禁止の規定は無かったからな)

(副官にも確認したが確かに規定には無い、該当しないで確認済み。ただしグレーではあるらしいがね)

 

PCやタブレットの部品売買が成り立っているように中古人形のパーツ売買も一定の需要がある。どうせなら潰した鉄血兵から頂いてリサイクルしちまおうとの考えだ。

これを聞いた人形達は何とも言えない顔を見せる。人間で言えば倒した敵兵から臓器を抜き取り売買する様なもんだ。倫理観は置いといても気分がいいものではない。

 

『まあそう嫌な顔をするな。自分でやるのは一度だけだ。次からは家事ロボにやらせるよ』『それに一度くらいは鉄血の中身を見て勉強してもいいんじゃないか?』

ナイルにそう言われてやっぱり碌でも無い人形遊びだと観念する人形達だった。

 

まず鉄血人形の製造コードをPDAに打ち込み確認する。(ふむ、未確認の工場製か。どこかに新工場があると言うことかな)

まず鉄血兵の体全体をX線透過撮影する。(怪しい部品無し、過去のマニュアルと部品配置は同じ。と)

一点一点PDAで確認、記録しながら進めていく。

(じゃあマニュアルに沿ってバラしていきますかね)

 

人形は大きく分けて生物に近い生体部品と、骨格や駆動部品と言った機械部品に分かれる。

流石に生体部品は腐敗するので売買には向かない。機械部品の回収を行う。

 

まずは擬似体液の回収っと。診察台のホースをマニュアルに従いコネクタに接続し吸引する。

合わせて、自動で診察台が擬似体液の解析を行いすぐに結果がプロットされる。

(ベースオイルは変わらないが、ナノマシンは変わっているか。鉄血の開発は続いているんだな)

 

続いて、腰からパワーコンデンサとエナジーセルを外す。コイツは転売の品にするので保管する。

「コンデンサとエナジーセルはI.O.P.の人形より容量は大きいわね」と92式が漏らす

「けど、鉄血兵にはパワーや瞬発力があるようには感じないけど」と56-1式が返す

『電源に余裕を持たせているのかもな。メンテナンスが悪くても性能が落ちないようにとか。ね』

 

続いてモーター駆動用のインバータユニットを外す。これも保管。

「指揮官の予想通りね。インバータの出力はI.O.P.の人形より小さいわね」PPS-42がこぼす。

設計思想的に鉄血の人形は冗長に作られているらしい。恐らく戦場などでラフに使われる事を想定しているのだろう。I.O.P.の人形は逆にしっかり整備が行き届いた状態でフルスペックの性能が出せる設計なのだろう。

(長期戦や行軍といった活動ではI.O.P.の人形は苦しいだろうな。下手したら鉄血のローエンド人形より下まで性能低下するかもな。運用には注意が必要だな)

 

通信モジュールやジャイロも売れそうではあったが、ヘッドショットにより破損している。

致し方無しだろう。安全第一、取れる時は取るスタイルで行こう。

 

四肢の生体部品を外して調整室の処分箱に破棄し、肩と股関節から四肢の取り外しを行う。

「関節の接続規格と配線コネクタも私たちと同じ規格。鉄血のクセに真面目に国際規格を守っているところが笑える」とイングラム

 

『昔から変えていない。と言うところかね。長期遠征でお前たちが四肢を失ったら使えるんじゃ無い?』と笑って言うと

 

「そんな状況になった時点で指揮官失格でしょう。まあ足はともかく腕は何とか使えるんじゃないかしら。鉄血の腕を使うなんて気分は最悪だろうけど」92式がジト目で言ってくる。

 

そんなこんなで、電源制御周りと四肢を外して完了。流石にコアと電脳は破壊されているしバグって危険なので処分。他の部品も処分。

リッパーもヴェスピドも大きな違いなし。2台目以降は家事ロボに教育しながらやらせる。

次回以降は家事ロボに全て任せられるだろう。

作業が完了したので第一小隊は任務完了。解散とした。

嫌々付き合わされていた作業から解放されたので、皆そそくさと宿舎へ引き上げていく。

 

・・・・

よしよし。サンプル回収出来たので次は売買だ。PDAでエルを呼び出す。

「指揮官、お呼びでしょうか」すぐに司令室に現れるエル

 

『ああ、鉄血人形の中古部品を売りたい。そこで・・・・どうした?』

俺の問いにみるみる眉間に皺を寄せて険しい顔になるエル。何か懸念しているようだ

 

「指揮官・・・・」

「S10地区の知り合いは絶対に紹介できません!!」

抜き差しならぬ真顔で強く言い切るエル。

前回のサブリナプロデュースのパーティーで懲り懲りな様子である。

 

『え・・・お、おう』

『大丈夫、紹介して欲しくて呼んだわけじゃないよ・・・』あまりの迫力にタジタジで返すナイル。

 

「では、何用でしょうか」頭の上に??を浮かべて頬に手を当て首を傾げるエル

(うん、そのポーズすげえ可愛い)何かを本能的に感じたのかジロリとこちらを睨んでくる副官のG36C・・・

(いやそうじゃねえ。そうじゃねえ。本題本題と)ヤバさを感じて頭を切り替える。

 

『鉄血の部品を売りに行くから、荷物持ちと護衛を頼みたい』

単純な話だ。

 

「そう言う事ですか。了解しました。出発はいつになりますか」

内容が分かりスッキリしたエルは話が早い。

 

『うん3日後。なんで出発まで最低限の手入れだけで()()()()()()()()()()で頼む。』

 

「え?それは・・・どう言うことでしょうか」

意味が分からず聞き返すエル。3日も風呂に入るな服を変えるなとかどんな拷問だ。

お肌も髪も生体部品が傷まないようにきちんと手入れしないといけないのに・・・

風呂に入って手入れするのが日課のエルには我慢し難い命令だった。

(これならまだS10の知り合い紹介の方がよかったよ・・・)

 

『まあ頼むわ』とにべもない指揮官にため息で答えるエルだった。

 




この先が結構難しい。
悩んでいるんだぜ。

ちょっとアップが遅れるかもしれません。
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