中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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スケアクロウ攻防戦が終わったその日に何なんだってね。
波瀾万丈のナイルさんです。

早く日常やりたいんだけどね。
すぐ問題が起きちゃうんですよね。この基地。
呪われてるんじゃないのか?

ちょっと原作比でキャラ崩壊してるかもです。そこは御免ということで(笑)


26.指揮官、逮捕されるの巻

「二人とも動かないで!伏せて頭の上で手を組みなさい」

 

銃を向けて投降を促してきたのはウェルロッドmkIIである。そして横にFMG-9もいる。

本社の第11中距離支援小隊の二人がなぜ?全くでは無いが不審な点は無かったし、マークもしていなかった。

 

黙ってやられるわけには行かないナイルが対抗するため動こうとしたところで再度動くなと警告をする。しかしナイルに注意が向いた隙に92式が半身のハンドガンを抜いていた。

 

「ウェルロッドさん、これはどう言うことでしょうか。前線基地指揮官に銃を向けるなど重罪です」

銃を構える92式が二人を睨みつけて問いただす。

我々の基地側からすれば明らかにまともでは無い敵対行為だ。

 

これに対してFMG-9が答える。

「この基地のデータはもう調査済みです」

「ナイル指揮官は鉄血人形部品を収集しブラックマーケットに流していますね。証拠は上がっています」

そのFMG-9による宣言にウェルロッドが付け足して行く。

「反グリフィン団体への利益供与、テロ支援行為、つまり反逆行為の嫌疑ということね」

「悪行はこれでお仕舞いです」

真顔で説明していく。

 

それに対してナイルは嫌味を込めて回答する。

『さてはお前たち、根暗な情報部の人形だろ?』

『これはこれは御内密な調査ご苦労様。だがしかし我々は合法の範囲内でやらせてもらっている』

()()()調()()()()違法では無いと分かると思うがね』

お前らの調査が雑なんだよ!と言外に込めて返す。

その言葉に合わせて92式から抵抗する圧が増すが・・・

 

カチャリとドアを開けてネゲヴが入ってきて機関銃(ネゲヴ)を二人に向ける。

「んふふふ、甘ちゃんたちが。基地の救援の他にウェルロッドの護衛も任務に入っているわ」

全身擬似体液(返り血)まみれでハイライトの無い紅の瞳、あの凶悪な戦闘力。それがこちらに銃を向けているなど恐怖でしか無い。

指揮官と92式の抵抗の意思が削がれる

 

仕切り直してウェルロッドが告げる。

「本件について社長の承認は取っています」

ナイルに書面を見せると同時に、92式に電子命令書を送信する。続けて92式に指示を飛ばす。

 

・・・・

電子命令書を受け取った92式は愕然となる。社長の強権がこの場に限りウェルロッドに移譲されていたからだ。

続けてウェルロッドから指示が来る。ナイル指揮官を拘束せよ、と。

嫌だ。私はしたくない。しかし最高度の命令には逆らえない。意思とは別に体が勝手に動く・・・。嫌だ嫌だ嫌だ!

 

92式は手に持つハンドガンを指揮官へ向けていた。

拒否する意思からか手が震えているのが見て取れる。こんな状態では撃っても当たらないだろう。

「指揮官・・・抵抗しないでください・・・撃ちたくありません・・・」

 

ナイルが92式を見ると大粒の涙をポロポロと流していた。

92式のどこか冷たさを感じる瞳に涙とともに哀しさが溢れている。

 

ナイルはウェルロッド達に顔を向けて睨みつける

(くそっ!ウチの92式を泣かせやがって・・・・)

(いや、泣かせたのは迂闊に事を進めた俺なのか・・・しかし・・)

ナイルは歯軋りするが92式までも失ったこの盤面でこれ以上は難しい。

両手を上げ降伏を示すしか無かった。

第二ラウンドで巻き返してやるさ。

 

・・・・

92式に銃を取り上げられて、後手に手錠をはめられる。

黙ってウェルロッドの事を睨み続ける。抵抗はしないがささやかな反抗くらいはする。

 

その態度を見てウェルロッドはゴミでも見るように見下し言葉を紡ぐ。

「ふっ。反抗的ね」

「92式、抵抗の意思があるようだから制圧しなさい」

92式に汚れ仕事をやらせるウェルロッド。92式が敬愛する指揮官に暴行せよと命じるとは、嗜虐的な趣味も持ち合わせているようだ。

 

「誰が・・・やるものですか。やりたければ貴方がやればいいでしょう。」

抵抗を見せる92式。

 

「ふふっ。私は貴女にやれと命じている。・・・もう一度言う。やれ」冷笑し見下すような冷徹な目で命令するウェルロッド。

何がなんでも92式にやらせる気らしい。

(こいつ…ハラスメントの基本を分かってやってやがる…)

 

人間も人形も嫌なことを強制されるとメンタルに支障をきたす。逆に目的意識と合致しているとスペック以上の性能を出したりもする。

この辺りは旧世紀から研究されており、例えば「首尾一貫感覚」などがその結果だろう。

一方、意図的にこのバランスを壊すことで精神を支配することもされてきた。古くからの拷問や洗脳がこれに当たるだろう。

何にしても、今現在は悪意をもって92式のメンタルを破壊しに来ていると言うことだ。

 

命令には背く事が出来ない92式はメンタルでは必至に拒否するも体は言う事をきかない。

大粒の涙を流しながら「指揮官ごめんなさい・・・」と小声で呟く。

92式はナイルの後髪を掴むとそのまま顔面をコンクリートの壁に叩きつける。

戦術人形が全力でやれば一撃で人間の頭部を粉砕してしまうため適度に手加減されている。しかし人間にとってはそれでも十分強い。

「ゴッ」と鈍い音がし指揮官の口から呻きが漏れる。ブチッと92式が握っているナイルの後髪の一部がちぎれる。

(がはっ。凄まじく痛え・・・)脳への強い衝撃で意識が飛びそうになり目の前がチカチカする。

 

「ふっ。足りないわね。もう一度」

 

「ゴッ」

 

「まだ足りない。もう一度」

 

「ゴッ」

 

三度目に叩きつけた時、ゴリっという感触が92式の手に伝わる。2回目で意識が飛んだナイルが多少なりの防御態勢も取れなくなりノーガードで鼻を強打し骨折した感触だった。

ナイルは掴まれた髪が千切れ解放されたが気絶しているためそのままずり落ちるように床に崩れ落ちる。壁にはナイルの体から漏れ出た血の跡が床までスジを作り残っていた。

 

指揮官を手にかけてしまった92式は心が折れていた。

目から力が消え焦点が定まらず体は震えている。口は「指揮官ごめんなさい」との呟きを壊れたレコードのように繰り返していた。

ウェルロッドから「ふふふ、92式さんご苦労様でした。食堂に皆が集まっているから貴女もそこに合流しなさい」

と命令され一人ふらふらと調整室から出て行った。

 

92式のメンタルを破壊し、自身のコントロール下に置けた結果に満足する。

今後、R-15の人形達が廃棄処分になるなら洗脳して情報部の手先にしてやるのもいいかもしれない。煮るも焼くも私たちの自由だ。

 

「さて、ナイル指揮官?あら?聞こえてないかしら??」

水を汲み気絶したナイルに掛けて叩き起こす。

「これから本社に連行します」

 

・・・・・

立たされて引き摺るように連れて行かれるナイル。

 

途中、食堂の前を通る時に中で監視されている人形達に声をかけられる。

怪我が辛いナイルは、『本社の誤解だ。嫌疑が晴れて戻るまで基地を頼む』と一言だけ伝えそのまま連れて行かれる。

副官も拘束されて連行される。首には行動阻害用の首輪が嵌められており会話は不可能。完全に自律した意思を喪失しており家事ロボ以下の機能に落とされている。操り人形のように命令されたままトボトボと歩かされている。

副官は抵抗したのであろう傷が全身についている。

(くそっ、G36Cまで…)

(全部俺の責任だが、この代償はただでは済まさねえからな)

連行される先での第二ラウンドでの巻き返しを誓う。

 

・・・・・

ヘリポートに着くと、多目的活動隊のクリスティーナ指揮官達と会った。

ちょうど彼女達が乗ってきたヘリでそのまま連行されるようだ。

 

「ナイル指揮官、事情は聞きましたが私はあなたの潔白を信じていますわ」とクリスティーナから声をかけられる。

 

『ああ、俺もそのつもりだ。すぐに戻ってくる。基地と人形の皆をよろしく頼みます』と頭を下げる。

 

そのまま数台のヘリにナイル、副官、破壊されたハイエンドと生捕の鉄血兵、それにネゲヴ小隊とウェルロッドとFMG-9を乗せ、すぐに本社基地に向かって飛びたったのだった。

 

 




食堂で待機の一コマ

紫HG「指揮官をやってもうた・・・陰険ウェルロッドいつか殺す!!」( *`ω´)

ツンデレSMG「ろくでもない人形遊びするからよ」ʅ(◞‿◟)ʃ

痴女「指揮官を信じるのみ」( ˘ω˘ )

大食いSG「指揮官は悪い人じゃありません!」o(`ω´ )o

幼獣「チョコ美味しいよぉ」∩^ω^∩
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