中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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イベントの間で中弛み中です。
あかんね。
4-3eを周回しないと(笑)

今回は本社でのお叱り会です。
どうなることやら。ですね。

投稿日の昼休みになんとか仕上げた。
肉付けも怪しい。生煮えチックですが御容赦お願いいたします。


27.第二ラウンド

本社の一室、周りがコンクリートに囲まれた殺風景な部屋。警察署の取調室の方がまだ綺麗だろう。

視界を塞ぐ頭巾を取られたらそんな部屋の少しゴツい椅子に拘束されていた。

目の前には汚ならしい机が一つ。対面する側には椅子があるが誰も居ない。少なくとも自分の椅子より座り心地はよさそうだ。

 

ふと横を見るとウェルロッドが手を後ろに組立っていた。眼を瞑っているところを見ると会話などするきは無いのだろう。誰かの到着を待っているようだった。

 

(なるほどね。これから尋問な訳か)

(これからの回答で俺の生死が決まるのね。ま、頑張りますかね)

(尋問官は誰なのか。殴る蹴るの拷問はやめてほしいけど)

そんな事を考えていると扉が開く。

入ってきたのはヘリアントス上級代行官だった。

 

マジか。正直やりづらい。

 

特に挨拶を交わすこともなく対面の椅子に座るヘリアントス。

こちらから見えない位置に書類が置かれているようだ。軽く目を通しているのが伺える。

 

書類からこちらに目を移して問うてくる。

「今日、連行されてきた理由は分かるか?」

特に感情も篭っていない。この尋問は甘くは無さそうだ。

 

『ええ。聞いております。部品の転売に対して身に覚えのない嫌疑を掛けられていると』

正直にオレは悪くないと言い張る。

 

「鉄血の部品を売り捌いている様だな」

『ええ。しかし部品は禁制品ではなく合法です』

 

「R-13基地の城下町では自立ロボによる自爆テロが発生している。お前が捌いた部品が使われたと疑っている」

 

『それは違うと思います。全てカタギの会社のドールハウスに渡っています。ドールハウス社には反社会団体に売らぬ様、確約をとっています』

『調べればすぐに分かると思いますよ』

 

「・・・・・」返す言葉に詰まるヘリアントス。

まさか正面切って言い返してくるとは思っていなかった。

「しかし、前線基地指揮官がそんな金儲けをやるのはどうなんだ!」

 

『どうと言われても、ヘリアントス上級代行官にお伝えし承認取りましたよ。ピザ屋さんなどで合法範囲内で借金返済のために稼ぐと』

「・・・・・」

 

『なんで、特に咎めを受ける様なことはしておりません』

「・・・・・」

 

なんだよ。本気でキチンと調べてなかっただけか?ウェルロッドのやつスクラップにしたろか?

とにかく難癖つけられる前にこの勢いに乗ってさっさと帰ろう。

『特にないなら、G36Cと帰ります。解いてもらっていいですかね』

「・・・・・わかっ」とヘリアントス言い掛けたところで、カチャリとドアが開く。

 

入ってきたのはグリフィンの社長、クルーガーである。

 

・・

・・・

・・・・

「社、社長。この様な所に・・・」と言いヘリアンが立とうとするが手で制す。

ウェルロッドは襟を正し敬礼をしている

 

「気にする必要はない。期待の新人がやらかしたと聞いてな。顔を見にきただけだ」と顔を緩めて話す。

『・・・・』(やばい雰囲気を感じる。ここは黙して流れるのを待つしかねえ)

 

「それでしたら、嫌疑は・・」とヘリアントスが言い掛けたところで資料に目を通していたクルーガーが言葉を発する。

 

「あー、これは問題だな新人。すぐには帰れんぞ」残念そうな顔つきで語りかける。

するりとヘリアントスと椅子を変わっている。

様子を見にきた?冗談じゃない。自らやりに来たんだろう。

 

『何か・・・問題でもありましたか?社長』

『合法の範囲内でやっております』と俺は言葉を選び答える

 

「ああ問題だ。副業は構わないが"グリフィンの指揮官"としての立場でやられては困る」

「社の立場を悪用して私服を肥やす。立派な規則違反だ。申し開きはあるか?」真顔で伝えてくる。

 

『元はと言えば社のために出来上がった借金です。指揮官としての立場で返しても問題ないでしょう』

 

「誰が社のために借金しろと命じた?貴様が自分の判断で勝手に使ったんだろう?」

 

この野郎。そこまで言い切るか。そこはグレーで構わない範囲だろ。

『確かに命令はありませんが社のために使ったのは事実です』

この理屈で押し切るしかねえ。それしかねえ。

 

「認められんな」

一言でバッサリと切り捨てられる。

 

(この野郎・・・)

理不尽に感じていたためか思わず睨みつけていた。

「ウェルロッド・・・足りなかった様だぞ」と話すと、ウェルロッドが申し訳ありませんと深々頭を下げる。

(こいつ・・・()()()()()を全部聞いて知ってやがるな)

 

そう思った時、丸太の様な鉄拳を横っ面に受けて椅子ごと壁まで吹き飛ぶ。

(が、がはっ)何が起きたのか瞬間分からなかったがどうやら社長に殴られたらしい。折れた鼻に痛みが響く。

 

「ウェルロッド、起こせ」ウェルロッドが乱暴に元の位置に戻す。

俺は左頬がガッツリ腫れている。

(痛え。人間の鉄拳ってレベルじゃねーぞ)

 

「ふむ、やはりまだ足らんか」

 

「ヘリアントス、次はお前がやれ」とヘリアントスに命じる。

「はっ」と回答して木の棒を持ち、俺のことを一発殴る。

(痛い・・・けどこれならまだ助かるわ)

 

「ヘリアントス、そうじゃない」「死んでも構わん気持ちでやるんだ」

ごくり、とヘリアントスが喉を鳴らす。

正直、凶器で人を殴ったことなどない。それを死んでもいい気で殴れと。かなりの無茶だ。

 

「ふむ、木の棒の時点で甘い。これを使え」と鉄パイプを手渡す。

(おい、バカ言ってんじゃねーぞ。おい)

 

社長に命じられたヘリアントスは鬼気迫る表情でナイルを殴る。

3発ほど思いっきり殴られたところで、まあそんなところだろう。とストップが入る。

(・・・マジで死ぬ)

 

・・・・

「前後したがナイル指揮官、貴様の言い分もまあ分からんでもない」

「部品転売業は認めよう。ただし会社に3割納めろ。それと仮に被害が出た場合は貴様が責任を取れ」

「あと、R-13基地の企業を使うならローズマリー上級指揮官にも話を通せ」

 

それと、と続ける

「ウェルロッド、貴様はR-15基地に転属だ。新人をフォローしてやれ」

「ただし現業務も兼務だ」

告げられたウェルロッドは想定外とばかりに目を見開くが、了解しましたと返す。

(クソッタレ。兼務だと?要は俺に対する監視だろう)

 

「ナイル指揮官、貴様には処分を言い渡す」

「処分は罰金だ」

 

『分かりました』

(よかった・・・死刑かと思ったわ。よかった)

 

目録を渡され、確認すると・・・

 

 

罰金・・・2000万円也

 

(冗談だろこれ、冗談だろ・・・)

ボロボロなナイルは天を仰ぎ呆然とするだけだった。

 

・・

・・・

・・・・

ナイルの拘束が解かれ、医務室に運ばれる。

今回の怪我は自業自得と言うことで、治療費は本人持ちとのこと。無茶苦茶だ。

 

ヘリアントスは社長の執務室に呼ばれ指導を受けていた。

『人間、窮地に立たされたとき動きが止まる者と、自ら人参をぶら下げて走る者がいるが、奴は完全に後者だ。』

『そういう奴はいい仕事をするが、慣れぬ内は得てして暴走する。うまく舵取りをしてやる必要がある』

『今回は尋問のOJT(実地訓練)を兼ねて貴様に任せた。まだ甘いが今日の訓練を忘れるな』

 

「はっ」と敬礼するヘリアントス。

(アイツにはちょうどいい訓練相手なってもらえたな)と社長はほくそ笑む。

 

『それと、アイツには何かにつけて借金を背負わせとけ』

『組織に縛るには丁度いい。縛りが無くなったら制御は出来なくなると思え』

 

「はっ」と改めて敬礼するヘリアントス。

ヘリアントスは社長のあまりな発言に顔をしかめる。

アイツはとんでもない人に眼をつけられたな、と同情する。

計画的に借金を負わされるなど地獄以外のなにものでもない。しかもその計画相手が自社の社長などと。

もはやなんのために働いているのか、意味が分からないだろう。

しかし、言われた以上やるしかない。

私は社長に期待されている。そう思いあっち側には行かないように気を付けよう。と心に決めるのだった。




あらら。また借金が上乗せされちゃいましたね。
ナイル指揮官は社長の思惑から逃れることができるのか。
乞うご期待ですね。
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