中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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ネタが切れてきた。
いよいよここから執筆も大変になりそうです。

遅くなってしまい申し訳ない。
日常回を書きたいのだが難しい(泣)
そろそろお楽しみのパーティー回もやりますぞ。



34.一方その頃

とある地区にある鉄血工造の本部となっている工場にて、ある人形が目を覚ました。

ウェーブの掛かったハイツインテール、そしてガスマスクを装着した独特な風体。

そうスケアクロウだ。

 

今日の寝起きは最悪だ。

『・・・・』(記憶があやふやだ)

ゆっくりと電脳内のデータ(記憶)を整理していく。

そして思い出していく、R-15での出来事を。

 

『私の・・・ミス?』

全て思い出し呟きが溢れる。

そして顔を怒りによって顰めるが、マスクのせいでいまいち外からは分からない。

 

鉄血兵300体を連れて遊びに行ったR-15基地

途中までゲームをやる様に楽しかった筈なのに・・・・

あと少しでゲームオーバーと言うところまで進めたのに・・・・

今となっても意味のわからない逆転劇

(私の手下共を屠ってくれたのは誰だ?)

(・・・まあそれは後で調べればいい)

 

本当に頭にくるのは、どうやってか私の元まで来たあの2体の人形だ。

『絶対に負けないゲームに土をつけてくれたあの2体は絶対に許さない・・・』

『絶対にだ!!』

あまりの怒りに顔が醜く歪む。普段は見せない感情を口から強く吐き出していた。

 

 

「ふふふ。そこまで感情を露わにした貴女を見たのは初めてですわね」

「それに、義体を破壊されたのも初めて、でしたか」

そう声を掛けられて振り向くと、いつからいたのか見目麗しいメイド姿のハイエンド人形が立っていた。

 

SP47 Agent

 

鉄血のハイエンドのトップに立ち、鉄血の真のボスの命令を受けて全てを采配する人形だ。

鉄血工造特有のモノクロをベースとしたカラーやその冷徹さが滲み出る雰囲気でかろうじて分かる外見。

普通に街を歩いていても、出来の良いメイド人形にしか見えないだろう。

その腰から下、スカートの中から生えている複数のアーム砲が無ければ、だが。

 

『お、お姉様』スケアクロウの顔が怒りから恐怖へと変わり呟く

 

『・・・・申し訳ありません』

『300体の下級兵士を損失し、私自身も破壊されるなど・・・』

『なぜ私は廃棄処分にされなかったのでしょうか』

今回の不始末を恥と感じ、処刑されなかったのが不思議だった。

 

「失敗の度に廃棄処分にしていたら部下は育ちませんわ」ニッコリ笑いスケアクロウに答える

「ただし、同じミスをするバカは不要ですわね」

「それが例え妹でも、ですわ・・・」口をスケアクロウの耳元へ近づけ静かに言う。そう伝えるエージェントの顔は冷たく笑っている。

それを見聞きしたスケアクロウの顔がふたたび恐怖に染まる。

 

「ね、姉様。同じミスは二度としません。R-15はすぐに落として見せます」

汚名返上、名誉挽回をすぐにでもすると誓う。

 

「・・・R-15への手出しは禁止します。貴女はエクスキューショナーとハンターと組み、S地区の基地を潰して回りなさい」

先日の大規模作戦でS地区は押されていたため戦力的に梃入れする必要がある。

スケアクロウの指揮特性、エクスキューショナーとハンターの攻防特性を合わせれば、大部分の基地は簡単に攻略可能だろう。

R-15地区で遊んで、ましてや破壊などされている暇など無いのだ。

 

慌てて立ち上がったスケアクロウは急いでS地区への出撃準備を進めるためにフヨフヨ浮いて出て行った。

 

・・・

スケアクロウの出て行った方をしばらく見続けながら考え事をしていた

「さて、可愛い妹を弄んでくださった殿方に近いうちにご挨拶に伺わないといけませんわね・・・」

 

エージェントはちょっとR-15(そこ)まで散歩にでも出掛けようかと考えるのだった。

 

・・

・・・

・・・・

『なんだよスケアクロウ、一人でやるって言っといてやられて帰ってきたのかよ』

ニヤけながら近づいて来たのはエクスキューショナーだ。

会話すらもする気が無かったスケアクロウは無線通信でエージェントの命令を伝える。

『お、なに。次はハンターと一緒に仕事か。やったぜ!』

『スケアクロウ、お前も一緒か。今回は仲良く楽しもうぜ』

 

・・・・

『で、R-14は楽勝だったけど楽しめたぜ』

ハンターのところに向かう二人だが、フヨフヨ浮いている次の任務の相方に話す。

言ってしまえば攻略成功の自慢話だ。

無視するつもりだったが、無線通信で無理くり頭に情報を送ってくる。うざい事この上ないと思うスケアクロウだが無視し続けるのも悪いので諦めてR-14攻略話を聞くこととした。

 

『基地入り口の抵抗は激しかったけど関係ねーよな。俺が突っ込んで行って全部ぶった斬ってやったわけよ』

戦略もクソもない。ただ性能に物を言わしたゴリ押しじゃないか。と思うスケアクロウ。

まあ、エクスキューショナーはそれが正しい運用だって分かってはいるが。

 

『メンテナンスルームと司令室に立て篭もりやがったから、メンテルームは部下に皆殺しを指示して、俺は司令室に向かったんだよな』

テーマパークに遊びに行った思い出を語る様に愉快に話すエクスキューショナー。

 

『あー、そうそう。アイツらにも根性ある人形がいたんだよ』

そう言ってスケアクロウの肩をバンバン叩いてやる。

スケアクロウはフヨフヨ浮いている為、姿勢制御が危うくなって転倒しそうになり非常に迷惑そうな視線を向けてくるが、エクスキューショナーは全く気にしていない。

 

『そいつらがさー・・・・』

 

・・

・・・

・・・・

 

「くっ、アクセル指揮官、司令室前の防衛隊は全滅です」副官のリー・エンフィールドが苦しそうに報告する。

 

隣のアクセルは頭を抱えて「死にたくない死にたくない」と呟き反応がない。パニックになっている様子である。

 

「指揮官。もう少しシャキッとしてください!」と発破をかけるが、あまり効果が無い様子である。

「敵のハイエンドだけでも倒せれば…」と思うが、有効な策は思い浮かばない。

こんなときに人間の指揮官の能力が求められるが、先にフリーズしてしまっていて役に立たない。

 

「そうだよ!お前らの誰かが命掛けて・・・特攻して倒してこいよ!」涙と鼻水を垂らして騒ぎたてる指揮官。

戦術人形たちもそれを聞いて固まるが、悪くないというかそれくらいしか無いと感じていた。

 

・・・・

「指揮官様、私たちが行きますわ」

とM1911とブレン・テンが立候補し準備を始める。指令室の中に集めた武器弾薬の中から、対戦車地雷を持ち出す。直撃すればマンティコアすら破壊できる強力な地雷。それを手動起爆モードにして身体に固定する。

両名の準備が完了したところで、

「私が先に行って道を作ります。M1911はその後にお願いします」

「行ってきます。バイバイ、指揮官」と悲しそうな顔を見せて出ていく。

 

ブレン・テンの特攻に合わせてグリフィンの仲間は射撃を中止する。鉄血からの射撃は続き被弾しながらもブレン・テンは敵に肉薄する。

多数の直撃を受け機能停止直前になるが、ギリギリ敵前方にたどり着き地雷は起爆された。

爆発による凄まじい爆風と熱によりブレン・テンの義体は消滅するが、それに巻き込まれる形で多数の鉄血兵も損壊させられる。

 

『特攻・・・かよ』さすがにエクスキューショナーも怯むが・・・

 

ブレン・テンの特攻に間をおかずM1911が飛び出してくる。

(指揮官様、行って参ります!寂しがらないでくださいね・・・)

 

M1911がエクスキューショナーを視認し一気に駆け寄る。

「獲った!」M1911が勝利を確信した言葉を吐く。

地雷を起爆して作戦成功!・・・のはずが、地雷は起爆しなかった。

「なんで・・・・?」

右手に握りしめた起爆装置・・・右手?・・・

 

「あああああっ」気がついたら両腕が肩から下で斬り飛ばされていた。痛みと衝撃でパニックになるM1911。

 

『ああ悪りいな。どっちかわかんねーから両方斬ったわ』

『しかし、お前ら根性あるな』友達に話しかける様に声をかけて、左手で首を掴み吊り上げる。

 

「か、かはっ」首を絞められ苦しむM1911であるが、

「て、鉄クズが・・・殺す」と強がり言葉を発する。

 

『いいねえ。根性があって折れないヤツは敵だろうが俺は好きだ』

身体に巻き付けてある地雷を取り外しながらエクスキューショナーは楽しそうに声をかける。

 

『お!いい事考えたぞ』

『おいお前、そこらに転がっている鉄パイプ拾ってこい』

横にいたイェーガーに指示するが、よくわからない事態に反応が遅れてしまった。

と言っても大した話では無かったのだが・・・

 

『テメーに言ってんだろが!』突然激怒し蹴り飛ばされたイェーガーは壁にビチャリと貼り付き破壊される。

慌てて周りのイェーガーがパイプを持ってくる。

鉄パイプを受け取ったエクスキューショナーはM1911の腹に突き刺し貫通させ、壁へと磔にする。

両腕を喪失したM1911に解く術はなく吊るされるがままだ。

 

『お前さぁ。鉄血に来ねえか?』吊るされたM1911へ真顔で問うエクスキューショナーだが、

 

「誰が!・・・殺してやる」

 

『いいね。その態度。だからさ、これを使ってやるよ』そう言って人形用のインジェクターを取り出す

それを見たM1911の顔は恐怖に染まる。

 

「なに・・・それ?イヤ。やめて・・・」身を捩るが磔にされた身体が解ける事は無かった。

 

『姉達が作った鉄血人形に改造するウイルスさ』

『電脳とメンタルが犯されていく感覚をゆっくり楽しめ』

笑顔のエクスキューショナーはM1911の首筋にインジェクターを突き立て全量注入する

 

「ああああああああああっ」

注入されたおぞましいウイルスを乗せたナノマシンが全身を巡り身体が溶けるほど熱くなる。身体中の血管が浮き出て蠢く。

ウイルスによりファイアーウォールが破壊されメンタルが書き換えられていく。その過程で大量のエラーが発生してシャットダウンさせられたのか、M1911は程なく気絶していた。

 

・・

・・・

・・・・

司令室にはM1911から外した地雷をブルートに取り付け特攻させ切り崩し、最後は自身が乗り込んで全て斬殺してやった。

まあ、余裕だったな。

司令室から出てきたエクスキューショナーはグッタリしたM1911を見て声を掛ける

『助けに来たグリフィン人形と指揮官は皆殺しにしろ』

 

「・・・・」

「わかりました・・・えくすきゆーしよなーさま」

おう。良さそうじゃないか。すぐに射殺されるだろうが上手くいけば何体か巻き込めるだろう。

 

『おーし、お前ら引き上げるぞ』

生き残った鉄血兵をまとめてさっさと撤収するのだった。

 

・・

・・・

・・・・

『・・・てな感じだったわけよ』

事細かに話すエクスキューショナーは楽しそうだ。

お前の話も聞かせろよとせがんで来るが負け戦など話す気はないスケアクロウは無視を決め込む。

 

『分かったよ。S地区の遠征が終わったらR-15を三人で潰しに行こうぜ』

『三人なら余裕だろ?』

確かに仲間で行くのも悪くないだろう。

 

「分かりましたわ。次は皆で潰しに行きましょう」

S地区の任務をさっさと終わらせてリベンジに行く気満々のスケアクロウだった。

 




うーん。ハイエンド達にしっかり目を付けられてしまいましたな。
エージェントが来たら、一撃で粉砕されますぞ。
それにエージェントじゃ無いにしてもスケアクロウたち三人が来たら死にますがな。
この三人はS地区から無事に帰ってくることはできるのか?

あ、あとSPEC様から教練のご許可を頂いたので送ろうかと思います。
近日中に濃ゆい人形を送らせていただきます。
よろしくお願い申し上げます。(笑)
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