今回は本編と離れてのコラボ企画です。我が心の師であるSPEC様にご許可頂けました。
SPEC様の作品である「S10地区司令基地作戦記録」とのコラボになります。
↓URL貼ります
https://syosetu.org/?mode=ss_detail&nid=186365
SPEC様の作品はいいですよ。私は大好きです。
未読の方は是非読んで頂ければと思います。
(私の作より圧倒的好評価ですので紹介する資格など無いですが。笑)
今回のコラボはうちの人形達を揉んで下されるとの事で教練に送り出すと言うお話です。
専門用語でこれを「MARUNAGE」と言います。(本当にすみません。)
お時間ある時に書いていただけるとの事なので気長にお待ちします。
本コラボは物語の時間軸的には適当になります。よろしくお願いします。
ある日の午後の事だった。
第一小隊と第二小隊、第三小隊(仮)に所属する一部の人形と幹部人形が司令室に集合していた。
小隊毎ではなく、居る人形居ない人形がランダムな形なので珍しい。そんな事もあり人形達も緊張気味だし、なんだろうね?と雑談を交わしていた。
『お、皆集まったな。では話をしていこう』
指揮官のナイルが明るく話し始めるので多少なり緊張は和らぐが、普段とは異なるシチュエーションなので皆集中している。
『あまり緊張するな。大した話ではないよ。S10基地へ教練に送り出すことが決まったのでその連絡だ』
『人員は5名だ。サブリナ、56-1式、スカウト、ウェルロッド、G36Cの5名となる』
『出発は3日後。期間は二週間。往復共にヘリで先方の基地へ移動し現地基地に泊まり込みだ。フル装備だが半身の武器はケースに入れていけ。各自準備を進める様に』
『ここまでで質問はあるか?』
一気に必要な用件を伝えるナイル。特に大きな質問もないだろう。と思ったが、色々ある様だ。
「指揮官、人選はどういう基準なんですか?隊長達の方が優秀なのに入ってないですし」手をあげて56-1式が聞いてくる。
『うむ。各銃種を分けたつもりだ。皆の練度も高くなっているが伸び悩んでいるのも事実だ。先方の練度は素晴らしいと聞いている。訓練を受けて学びR-15基地に持ち帰り展開して欲しい。そのように考えた総合的な人選だ』
「S10基地とはどんなところなのですか」スカウトからの挑発的なニュアンスを含んだ質問だ。
左頬の傷跡を撫でながら鋭い視線を向けてくる。
教練と言うが練度が高いとは雖もいち基地である。教練?教えを仰ぐ?他基地に遜り過ぎである。
私たちは鉄血兵のハイエンドを倒した基地なのだ。それなりに強いというプライドもある。
そんな気持ちが感じ取れる。
『うむ。一基地ではあったが「多目的戦闘群 MAG」として社長直々に任務を受けている特別な基地だ』
『他の基地からの教練依頼も多く内容も好評の様だぞ。まあ勉強と思って揉んで貰え』
「つまらなかったら後で文句言いますからね」
スカウトはハイエンド倒してるから相当自信があるんだな・・・
今回のことで上を知るもよし、(無いだろうけど)スカウトの方が上ならうちを宣伝できてよし、俺はどっちでも構わない。
まあ、何にしても勉強にはなるだろうさ。
『分かったよ。終わった後に先方から講評は貰っとくよ。結果を楽しみにしとくよ』
「指揮官!ショットガン人形の私が行っていいのかな?敵の射撃から味方守るだけなのに」
味方の盾以外たいしてやる事なくない?的なサブリナ。
お前、仕事に対して大雑把過ぎじゃねーか?
『その戦術的考えが変わったりするかもよ?技能だけでなく認識や考えの変革も教練の大切な目的だ』
大体な、サブリナお前は平常時は俺のコントロールが効かねえからな。本当に人形かと思うくらい効かない。
まあ仕事はきちんとやってるけどさ、平時の
ブリッツ指揮官にもやらかしてシメられてこい!
うまく隠しても先方の
帰ってきてマトモになってたら幸いだ。
丸投げ?違う違う。教練ですよ教練!
すまんなあ、ブリッツ指揮官・・・うちの問題児を送っちまって・・・。
「指揮官様・・・
不安そうな顔をする副官。どうしてそういう話になる。
『そうではない。今は副官メインだがこれからは部隊への配置も検討しようと考えている。なので戦闘技能を高めていく計画だ』
『まずはオレと離れての業務訓練としてこの教練を利用しようと思う』
「分かり・・・ましたわ」
あまり納得はしていなさそうだ。不安なのかな?
『大丈夫だ。他意はないよ。G36Cがより強くなって帰ってくることを期待している』
極力不安を取り除くように説明したら、分かってくれたようだ。よかった。
一通りの説明を完了した。
『本日の内容は以上だ。解散』
『幹部人形は残るように』
・・・・
『さて、ここからは裏任務の連絡だ』
『G36C、君はS10の意向をそれとなく探って欲しい。うちを潰す意向があるのか知りたい』
『会話などの聞き取りだけで構わない。変に隠れてやるのは危険だからだ』
「
「お言葉ですが、勘繰り過ぎではありませんか」
G36Cはナイルの指示に対してかなり疑問のようだ。
それもそうだろう。先方はどこにでもある仲間の基地なのだ。しかもエルの出身地でもある。
『念のためだ、丸々戦闘特化の特殊部隊の基地だ。そんな基地の人形から情報戦を仕掛けられた。というのも気になってな』
『本当に念のためだ』
Px4の借金攻勢があった事を警戒している。何しろ本気で狙われたら数時間で俺たちを皆殺しに出来る力を持っているのだ。
相手の指揮官の意向は確認したい。
「分かりましたわ。無理しない誤解されない範囲で見てみますわ」
『ウェルロッド、お前はG36Cの調査の手伝いとS10のPx4独断だった場合の釘刺しを頼む。借金の件もありこちらへの干渉を看過できない』
『ただし、潰す事は禁止だ。先方基地との関係及び今後の調達時の利用価値があるからだ。頼む』
そのナイルの要求に顔を顰めてウェルロッドは回答する。
「指揮官、その制限は解除できませんか?目的の未達だけでなく逆になめられる恐れもあります」
制限によるデメリットを伝えるウェルロッド
『いや、相手が危険なのもある。相手への攻撃意思は一切無いのでそこは誤解されないようにしたい』
『よろしく頼む』
「了解しました」
以上で説明会は終了となり。三日後に何事もなくS10基地へ向けてヘリが飛び立って行ったのだった。
・・・
・・・・
・・・・・
時は数日前に遡る。
・・・・
『ローズマリー上級指揮官からの推薦でS10に教練に送ろうと思う。ローズマリー上級指揮官には受ける旨回答している』
『なんで、ウェルロッド、S10の情報を教えてほしい』
ウェルロッドとふたりだけの司令室でナイルがそんな話題を出した。
それを聞いたウェルロッドは目を見開いて見つめ返してきた。
『どったの?何か不味かった?』
ウェルロッドは立ち上がり無言でプリンターへ歩いていく。
プリンターから一枚の紙が吐き出される。ウェルロッドの無線接続でプリントアウトしたらしかった。
どうぞと渡された紙に目を通す。どうやら情報部が仕入れた身上書のようだ。
なになに?
名前:ブリッツ
性別:男
役職:S10前線基地指揮官、多目的戦闘群特別現場指揮官
・・・意味を持った情報はそこまでだった。
年齢
『情報部の適当な仕事自慢か?』
ナイルが揶揄いながらウェルロッドを見るがウェルロッドは真顔で返す。
「これが全てです。これ以上のデータはありませんし、S10への調査は禁じられております」
「本社の経営幹部クラス以上がアクセス可能なデータは存在するようですが・・・・詳細は不明です」
「禁止前に情報部員による調査が行われた事がありますが、ブラックホールですね・・・・」
ブラックホール、つまり情報は一切漏らさないしちょっかい出して帰ってきたものもいない。と。
ナイルは
(多目的戦闘群の現場指揮官?現場で人形と共に切った貼ったするだと?戦術人形とだぞ?そんなことできる人間居るのか?居るならば恐らくは表に出せないような正規軍のヤバいところ出身なんじゃないか?それも本当にヤバいトップクラスの戦闘系の特殊部隊)
コレ系の正規軍の特殊部隊はいくつか知っているが、どこもかしこもヤバかった。あいつらは人間じゃなかったよ。
俺はひょっとして触ってはいけない何かに近づいているのでは無いか?
・・・・・・
そんな警戒があったが、覚悟を決めてS10へ連絡してみた。
応対したのはナビゲーターと名乗る女性秘書であった。映像通信を送ったがサウンドオンリーの応対だったのをみてこちらの警戒心がぐっと上がる。
物腰は柔らかく特に抑揚もない機械的な対応だったが一切の情報を漏らさない徹底ぶり。優秀な秘書を雇っているようだ。
教練に必要な約束だけを取り付けて退散するしかなかった。
(これは色々ヤバい事になるかもな)
Px4被害の会会長のナイルは、S10基地に対する盛大な誤解と杞憂を抱えながら部下を送り出したのだった。
うちの問題児達がS10でどうなるのか楽しみです。
ナイルさん的には、少しでもマトモになれば御の字みたいですが、はてさて。