中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

49 / 85
お盆休みが開けて、初日出社からの二日目いきなり有給でした。
お盆休みズレの友達からの釣りの誘いでね。お陰でヘロヘロで筆が遅れてしまいました。申し訳ない。

さてさて、鉄血部品転売の件で上級指揮官から呼び出しです。
回答次第では反逆行動となって、死刑まっしぐらですね。
しかし、ナイルさんは気づいていない模様。


46.R-13への表敬訪問

こんにちは、ナイルです。

本日はR-13基地へ挨拶として出張中です。

 

R-13前線基地、それは鉄血に潰されてしまったR-14と我が15を管轄する上役の上級指揮官の基地である。

R地区自体は激戦区のS地区より歴史は古いが、ナンバーが大きいところはごく最近に出来た地区である。13も決して古くはないが人が集まり城下町まで出来ている事から分かる様に、急速に発展を遂げている基地である。

これは指揮官が優秀である事を示していると言えよう。

 

今はR-13基地へ向かうヘリの中だ。今回の出張はウェルロッドと92式が同行している。まあこの二人は所謂鞄持ちってやつだ。

え?俺の保護者?無い無い・・・・・無いよね?

 

・・・・・

『ローズマリー上級指揮官、か』

ヘリの中で上級指揮官の事をふと考えていて思わず口に出していた。

スケアクロウに襲われた時に映像通信で顔を見て少し話した程度だ。人となりも正直よくわからん。

 

『優秀・・・なんだよな?』

独り言の様な問いかけの様な中途半端な言葉を続いて吐いた。

 

そんな言葉を聞いた部下が解説を始める。

「ローズマリー上級指揮官は短期間でR-13地区を安定させて街を発展させています」

「戦術指揮はもちろんのこと、戦略眼と経営力を兼ね備えた傑物。と言ったところでしょうか」

「まあ、上記の能力が無いとそもそも上級指揮官には登用されませんが・・・」

ウェルロッドが淡々と説明してくれる。

私が仕える指揮官なんですから、早くスキルを身につけて出世して下さいね。と余計な一言を追加してくる。

うるせ〜。余計な借金のせいで副業やる羽目になってるってのもあるだろ。

ウェルロッドも借金肩代わりしてよ!え?バカ言うな?・・・だよね。(泣)

 

「本当にしょうがないですね。一緒に頑張って借金返済していきましょう」

「そのかわり後で紅茶をご馳走して下さいね」

ニッコリ笑ってウェルロッドが視線を送ってくる。笑顔は可愛いじゃない。

横で92式も笑っているところを見ると、以前の二人のわだかまりは解けつつあるのだろう。

サブリナの策略でえらい目にあったが、パーティーの目的は達成できたのかなと思う。よかったよかった。

 

R-13基地は同じR地区内にあるので距離もそんなに離れてはいない。

ヘリならそんなに遠くも無い。まもなく着く頃合いだった。

 

・・・

・・・・

・・・・・

 

程なくしてR-13基地の上空に到達する。

 

『基地も街もデカいな。これは立派だ』

窓から下を見ていたナイルが子供の様にはしゃぐ。

基地はともかく城下町までが出来ており活気があるのを伺える。

うちの基地も各ありたいものだ。

 

ん?まてよ?そうか町を作れば住民から税金を徴収できるのか!

なるほどなるほど。なるほどね。

これは色々と夢が膨らみますな。

 

下を見ながら静かにニヤけるナイル。

それを見て、92式とウェルロッドがジト目を送ってくる。

 

「指揮官、何考えているかは知りませんが一応言っときます。自重して下さいね」

92式が無駄とわかりながらも釘刺しをする。

戦術人形である以上、無駄と諦めるのは許せない。そろそろ効果的な釘差しを考えねばとも思う。

ナイルをコントロールするべく人形達の管理包囲網は確実に狭く、強力になっている様だった。

 

・・・・

何事もなく着陸シーケンスが行われて無事にヘリポートへと着陸する。

ドアを開けて表に出ると2名の戦術人形が出迎えに来ていた。

派手なオレンジと闇に紛れる様な紫。カノシノの姉妹だった。

 

「ナイル指揮官!お久しぶりです。お待ちしておりました!」

明るい声で挨拶して話しかけて来たのは姉のカルカノM1891だ。ニックネームはカノである。

とにかくポジティブさを全面に出した性格で明るくていい。これで実力が不足していると能天気に見えるのだろうが、実力も一級品であり困難な状況もなんとかしてくれると思えてしまうのが彼女の凄いところだと思う。

 

『ああ久しぶり。カノも元気そうで何よりだ。基地防衛戦では本当に世話になったよ』会釈して礼を述べる

 

「いえいえ。ローズマリー上級指揮官の采配です。指揮官を信じています!」

カノは照れながら返すが、自分の指揮官の采配の賜物だ。と指揮官を持ち上げる。

うん、いい人形だな。

 

一言二言話した後に、カノはヘリから遅れて降りて来たウェルロッドと会話を始める。

防衛戦では屋上に降り立っていたから、うちのウェルロッドとは付き合いが深いのだろう。

 

 

続いてカルカノM91/38、ニックネームはシノでありカノの妹である。

(前回の防衛戦の時はほとんど話していないんだよな・・・・)

 

あまり話をするのが好きそうでは無いが、まあ適当な雑談をする。

これから、ローズマリー上級指揮官への案内役が来るとの事だった。どうやら妹さんがいるらしい。

ふむふむ。

 

そうこうしていると、ジュニアハイスクール位の金髪の女の子が建物からこちらに歩いてくるのが見えた。

ふむ、シノの言う通り迎えの使者の様だ。

(ここは失敗しないようにキチンと挨拶をしないとね)

 

『お嬢さんこんにちは、お出迎えありがとうございます』

『ローズマリー上級指揮官へのご案内よろしくお願いします』

うん、フレンドリーさをアピールしとこう!

頭を撫でて御使いありがとう!と伝える。ジュニアハイスクールだと少し子供扱いしすぎかな?

 

・・・・

ナイルの行動を見てウェルロッドは度肝を抜かれていた。

カノと会話をしていたら、出迎えてくれた()()()()()()()()()()()()自身の指揮官がとんでもない事をしたからだ。

ローズマリー上級指揮官はかなりの小柄。言ってしまえばロリ体型であった。

まさか、何か勘違いしたのか?

何にしても上役相手に何しているのか。これはまずい!

 

「指揮官・・・ローズマリー上級指揮官へ何をなさっているのですか?」

とりあえず、相手がローズマリー上級指揮官である事は伝えようと思った。

 

・・・・

 

ウェルロッドの言葉を聞き、俺はただただ黙って正座、いや土下座をしていた。

え?姉妹はいないし本人だって?話が違うじゃん!とシノを見たがどこ吹く風である。

カノは妹の嘘が原因でとんでもない事態になってしまいアワアワしている。

ウェルロッドは呆れを通り越して、怒りながら俺に説教をしてくる。

説教なんて普段は嫌だが今日この場に関しては助かる。このどうにもならない空気を動かしてくれるからだ。

 

ローズマリー上級指揮官?彼女は何も一言も発していない。凄まじい怒りの形相でプルプル震えているだけである。

どうもロリ体型なのはコンプレックスな様だ、つまりは地雷。俺はシノに綺麗に地雷を踏まされたようだ。シノよお前は鬼か。ついていい嘘と悪い嘘があるだろう。今回は完全にダメなやつだろうよ。

しかし何を言っても後の祭りだし、そもそも面会する上役の情報を仕入れていない時点でアウツである。

 

ローズマリー指揮官のナイルに対する印象は最悪、そしてナイルの今日一日の正座対応が確定した瞬間だった。

なんとか挽回しなくては。と考えるがどうにも難しい。

プンスカ怒ったローズマリーに、建物内へ案内もとい連行されていくナイル御一行なのであった。




シノさんの洒落にならんウソがナイルさんに効果ばつぐんの模様。
シノの天邪鬼な性格を認識していなかった。ローズマリーの情報を調べなかった。この2点はナイルさんの失敗ですな。
これは正座で反省ですね。笑
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。