スカウトがHG並みの機動性というのはオリ設定です。
昔よくやってたCSの設定を持ってきています。
何故かスカウトを装備していると、HGやナイフ装備時より動きが早いんですよね。
好きな銃でしたね。
(書いてたらまたCSやりたくなっきたな)
訓練内容もSPEC様著 S10地区司令基地作戦記録から一部設定拝借しております。
と言うか、先陣の作者様の訓練プランが良すぎて、外すのが難しいっす。(泣)
最終訓練が始まった。
この期間のスケジュールは指揮官自らが立てる。
やることは既に決めている。
ざっくり、
基礎訓練 →対戦戦闘 →作戦報告書による戦術訓練 →対戦戦闘 →小隊指揮訓練
の順だな。
訓練には指導するために俺も参加する。ひとりレベルの高いエルには助教をしてもらう予定。
・行動訓練
まだ薄暗い早朝のグラウンドにフル装備で全員集合。
俺は愛銃のM4とサイドアームのブローニングHPを装備し、指揮官用戦闘服(普段着)で行く。
春の早朝はまだ寒い。けどランニングにはちょうどいい気温である。
人形は総じて不満そう。好感度もあるがある意味当たり前の反応。
何故かって?そりゃ仕様で決まっているのに改めて走らせる意味がわからない。根性論?馬鹿なの死ぬの?ってな感じだ。
「指揮官。やる意味が分かりません。理由を説明して下さい」と92式が不満そうに問いかける。
『やれば分かるよ。だから一度やってみよう。初日だから5kmね』
・・・
走り出すと、軽やかに走る指揮官にピタリと着くエル。
その後ろをHGとRFのスカウト、SMGが息も切れ切れついて行く。
終了する頃はARとSG、MGは大きく離されヘロヘロである。
・・・
一様に、何故スペックの劣る人間に置いていかれる?訳がわからない。と言った表情である。
終了後のクールダウン時に簡単に説明する。
『スペックはあくまで理想状態の理論値だ。慣れた半身の武器を持っただけでも状況は変わるのは体験の通りだ』
『状況変化時にどれだけスペックを落とさず性能を出すかは、皆のメンタルと義体の最適化次第だ』
『これからは天候も関係なく毎日走り込め。コースも色々最後は道なき道を走ると思え。目標はまずは自身の設計スペック超えだぞ』
「・・・・・・」
一様にげっそりとした表情で、返事をする気力も無いようだった。
・射撃訓練
朝飯後に射撃場に集合。ランニングが衝撃だったのか、概ね真剣だ。
とりあえず固定標的にセミオート、バースト、フルオートで撃ってもらう。
初弾はまあまあだが、すぐに弾がバラける。
(こりゃダメだな…)ってのが初見の感想だ。
(義体のパワーがなまじ人間より強いが故に、力で無理やり押さえて射撃しているな)
92式の構えを直してやるが、
「あまり触らないでね。誤射したら大変?ねぇ?」
『分かった分かった、とりあえずこれで撃ってみろ』
タン、タン、タン、タンとHGのセミオートの連弾が中央付近に集まる。
「え?何故・・・・」
『合理的な姿勢で撃てば弱い力でも制御しやすくなる。力の弱い人間でもお前達より上手く撃つ者は多い。今の構えを覚えておけ」
次いでアストラの姿勢を直してやる。同じく集弾性が上がる。
「うん、指揮官ありがとぅ」
うんうん、頑張れ。素直でいいぞいいぞ。
AR,SMGの姿勢も修正して、継続させる。
横を見ると、エルに任せた62式がしごかれている。
集弾率を上げろ。とか、弾は無駄にするな。とかなんとか。
(うっわ。エル厳しいな。62式頑張れよ)
さて、RFのスカウトは固定標的は余裕だよな。このRFの特性上立射が基本となるのでまずはその姿勢の適正化を終わらす。
『君は軽量ライフルだから、HG人形並の機動力を活かした動的なポジション取りが出来ることを期待する』と説明。
なんで、中距離射撃が可能なフィールドで、移動 →ストッピング →標的射撃の繰り返し練習をひたすらやらせる。
一連の正確さと速さを念頭に続けさせる。
さて、最後はSGのサブリナ。
『とりあえず、ナナハンの弾とフルチョークの準備をしようか』
「え?バードショットにフルチョーク?クレー撃ちでもやらせるのかしら」
『御名答。まずは人間用の練習速度でやってみようか』
・・・
(うん。二、三枚外したのち、全て落とすか。)
『じゃあ次は、旧オリンピック、じゃつまらないから、その二倍で』
とても人間では反応できないえげつない速度、切角のクレーが射出される。
(うーん、やはり二、三枚外したのち、全て落とすか。なるほどね)
『速度、方向、射出場所全てランダムでやってみようか』
今度は当たったり外したりなかなか安定しない。
『やはりな。サブリナは効率を上げるために無意識に予測して撃っていたわけだな』
『目視確認、エイミング、射撃の一連の精度を上げるために、この変則クレー射撃を続けよう』
昼まで全員ぶっ通しで続けたが、すごいな。
(これが戦術人形か!一度教えただけで、完璧に習熟できるのかよ。もう新兵のレベルを超えてるぞ)
本当に教えがいがある。先が楽しみだ。
・対戦戦闘訓練
昼食後はペイント弾を用いて所謂キルハウスでの戦闘訓練だ。ステージは岩系の遮蔽物の多いガレ場。
1vs1、2vs2で何周か対戦させるが・・・(やっぱり、ダメか)
射撃のフォームはいいが、素直すぎる。コンピュータゲーム初心者が動かすキャラみたいな感じである。
しょうがないから、俺が手本を見せる。端的言えば、俺つえーをリアルでやった訳だ。
鋭い駆け引きを交えてからのヘッドショット、バイタルエリアへの確実な射撃。接近して格闘からのサイドアームによるダウンなどなど、容赦無しである。
一通り終わったところで解説する。
『この差が何故なの何なのかかわかるか?』
「人形同士よりも指揮官の動きは嫌らしかった。やりづらく感じたわ」と56-1式
『そうだな。相手を困らせるように動いたからな。それがテクニック、応用だ』
『射撃の基本は学んだ。応用の必要性も理解した。なんで明日は一日中応用の座学でーす!』ニヤり。
「・・・・・」
心から嫌そうな顔をする一同であった。
・作戦報告書による戦術訓練
翌日のランニング、朝食の後からいよいよ座学だ。
(地獄の苦痛を味わうがいい!)なんて舐めていた時期が俺にもありましたよ・・・
電脳ってすげーな。最初こそ解説をしたけど、思考の柔軟さ、速度、記憶力ともに人間と比べたら完璧と言って過言でない。
まるで乾いた砂が水を吸うように吸収する。わずか3時間ちょいですごい知識量。
(いやいや、こんななら初めからインストールしといて下さいよ。ヘリアントスさん・・・)などと恨み節を思う。
とりあえず、午前で資料全て使い切ったので、急だけど午後から対戦戦闘訓練をしてみよう。
なんか、プレッシャーを感じるのは気のせいか??
・対戦戦闘訓練2回目
初日と同じキルハウス。
いやいや、昨日と動きが違いすぎるやろ。
まだまだ荒削りだが、自分らなりに緩急、軟硬交えた戦いをしている。
明らかに作戦報告書の戦術を理解している。
(もう教えなくても自分らで成長出来るだろうな)なんて思っていたら、
「そう言えば、指揮官とエル教官はどちらが強いんだ?」と62式が言い出した。
(ちっ。余計なことを。エルとやったら負けるぞ。マジで。年齢的に10年遅いんだよ)
そんな事を考えていたら先制されてしまった。
「私に胸を貸していただけますか?指揮官」と真顔でエルが答える。
『お、おーう』気の抜けた返事しか出ねえ。
「指揮官の戦闘、見たーい」FNCを初め、ほ皆がワイワイと囃し立てる。
(いや、マジでやばいって・・・。けど、こうなったらやるしかないか・・・)
『分かった。やろうかエル。俺を鉄血のハイエンドと思ってかかってこい』
(しかし、なんか好感度良くなっている??)
・模範対戦訓練 指揮官 vs エル
キルハウスの両端に分かれて開始を待つ。
人間は訓練用特殊スーツとヘルメットを着ける。これは、ペイント弾のダメージ軽減と着弾した部分の動きを制限する機能がある。敗北判定も自動で出る機能も付いている。
(エルはMG人形だから、速攻で近接戦に持ち込んで瞬殺で行くか。接近戦なら小回りの効かないMGに対して有利に戦えるだろう)
そんな作戦を考えているところで、開始の合図が出る。
「では、開始!」審判を買って出たG36Cの声が響く。
開始直後、素早く遮蔽物から顔を出しM4を構える。
(よし、牽制射撃を入れて・・・?え?エルが居ない??)
(まさか・・・・不利な近接戦闘を選んだか?)と疑念の隙を突かれた。
全速力で側方から回り込んできたエルがチラリと見えた瞬間、右手片手でM4をエイミングしフルオートの牽制射撃を入れると同時に横の岩陰に滑り込む。と同時に今いた場所にペイント弾が着弾する。
(疾走中の射撃の精度じゃ無いだろ。マジで。)
エルも同時に走りながらLWMMGを撃っていたが、M4の牽制射撃を警戒して遮蔽物に隠れる。
幸いな事に大きな岩だったので隠れながら、岩を次々と移動し距離を離す。
(くそ、完全に後手に回らされた。仕切り直すしかねえ)
しかしエルは逃がさない。指切りによるセミオート射撃、バースト射撃を移り変わる岩に確実に当て、追い立てる。まるで軽量なカービン銃かのようにLWMMGを振り回す。
(本当にMG人形かよ・・・)
ついには先のない岩に追い詰められる。
(マジかよ。シャレになってねーぞ。一回の牽制射撃しか出来てねえ)
(どうする・・・このままだと確実に負ける。ならば…)
敢えて露出が多くなる岩の左側から乗り出して、しっかりエイミングしたバースト射撃を数射入れる。が、一発エルの頬を掠っただけで外れる。
(くそ、有効弾を入れたかった。)欲をかいて一発終了を狙ったHSを外した事を後悔する。
エルは隠れず、LWMMGの凄まじい射撃レートで応射してくる。
素早く岩に隠れて、一呼吸、岩の上からエルに向けて一直線に飛び込み、M4を撃ち込む。と同時にLWMMGの銃弾を受けた。
虚をつかれたエルだったが素早くLWMMGをエイミングし射撃する。しかしそれと同時にM4の銃弾が義体に着弾した。
・ ・・
(痛えええ。着弾した左足がマジ痛え。これ本当にペイント弾かよ。MGの威力はヤバいな、スーツじゃなかったら足もげてたんじゃねえか?)着弾判定でスーツの左足が固まり使えなくなると同時に、メットのバイザーに3分のカウントダウンが始まる。出血の判定だ。時間内に止血動作を行わないとカウントゼロで失血死判定となる。
(このまま逃げられたら負けだ、捕まえて倒すしかない)
そのままエルに飛びかかるが、幸いエルも右手に被弾しLWMMGを落とした上、バランスを崩していた。
エルを押し倒して上を取る。と同時にM4を捨てて左手で腰から模擬ナイフを取り出して逆手に持ち。被弾して防御出来ない右脇腹を刺す。
ここで勝利判定となったが、エルの左手にも模擬ナイフが握られており、ギリギリの差だった。
しかし勝利後に止血用具を持っていなかったため処置できず、間をおかず失血死判定を貰ってしまった。
「指揮官の勝利ですが、その後に死亡となるので、ルールに則り引き分けとします」G36Cが結果を告げる。
・・・
(うーん、残念。部下と引き分けとか、うーん益々威厳が・・・)
エルと二人で戻り、『という結果だ。戦術の参考になったら嬉しい』と一言いってコソコソ逃げようとするが、皆に捕まってしまう。
「指揮官、人間なのに高レベルの戦術人形を倒すなんてすごいわね」呆れ顔で褒めるサブリナ
「エル教官に勝つとは…指揮官、尊敬します!」とエルの実力を知る62式が目を輝かせる。
「指揮官様、素晴らしい戦いでした」とG36Cが微笑みかけてくる。
他の面々も「少しは見直したわよ」とか言っているが、褒めるならもっと素直に褒めろよな。
エルも「ハイエンド相手と思って本気でやったし、もっと楽に勝てると思ってた」的に言ってくる。
『いや、僅かな差だったよ。たまたま右腕にヒットしたから運が良かっただけ。お前らはこれから伸びるだろうから、俺が勝てるのも今日が最後なんじゃないか』
『エル以外もすぐに俺を完封出来る様に育成プラン考えているから、黙ってついてこいよ、な。!』
「「はいっ!」」
皆、笑みを浮かべ熱い視線で返事を返す。
ん?なんか素直だし。やっぱり好感度上がってね?
うん。何故かエルと戦う事になっていた。何故だ?
誤字報告:TFTRDHさん、ありがとうございました。