中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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あれ?おかしいな・・・
一話で終わらせるつもりが、まだ終わらねえ。参ったなこれ。
何話かに刻ませて下さい。( ノ;_ _)ノ

・・・・
実は私、へなころは約10年前に交通事故で入院してるんですよね。バイク運転中に爺のクルマにはね飛ばされまして。背骨三本に左肩甲骨の骨折で。
当時はバイク仲間も多く、事故入院時は酒とエロ本(ナース物が表紙のやつ)とバイク雑誌を土産に持っていくのがお約束だったんですが、私もやりかえされましたね。(遠い目)(笑)

まあそんな経験も交えて書いてます(笑)


53.サブリナプロデュースその3

一般病棟に移って数日、ナイルの治療も進んでいた。

撃たれた肩に包帯は巻かれているが、腕を吊り定期的に動かすリハビリを始めていた。

 

『先生、動かそうとするとかなり痛くて固いですけど・・・大丈夫ですかね』

 

「動かし始めなんで痛みはありますが、すぐに可動域も回復してきますよ」

「焦らずにやれば日毎によくなりますよ」

 

痛みに顔を顰めながら女医さんに聞くが、ポジティブな回答だった。

とは言うものの、時間はかかるので焦りは出てくる。

本当に人形の骨格とか生体部品で治るのか?

 

(ふー。きついね)なんて考えいたら今日も元気なお見舞いが来た。

 

「しきか〜ん。こんにちは〜♪」ニッコニコの笑顔で部屋に入ってきたのはサブリナだった。

 

睡眠も十分取れているようで元気満点だな。

本社での今日の訓練も終わったようで、毎日のお見舞いに来たようだ。

 

「おお!サブリナちゃんや。こんにちは」

「サブリナちゃん、今日も綺麗だね」

「サブリナちゃん、愛してるよ♪」

部屋の他の患者からも挨拶が飛ぶ。いつの間にか他の患者さんとも仲良しになっていたらしい。

まあ、アスリートのように肉付きがよく美人で明るい。それに胸も大きいときたら男共がよると言うものだ。

 

「えへへへ。皆さんこんにちは♪」

ニッコリ笑顔でお辞儀をするサブリナ。

 

・・・・

「サブリナちゃんや、家族が持ってきたケーキを食べるかね。わしはそんなに食べられないんじゃよ」

ここはグリフィン傘下の病院であり、少なくともミッドタウンのそれなりの金持ちじゃないと入院などできない。

なので土産の菓子は高級品ばかりだ。

 

「おじいちゃん、本当にいいの?私食べるの大好きなんだよ」

 

「いいぞ。わしも美味しく食べるサブリナちゃんを見るのが大好きなんじゃよ」

そう言って、高級ケーキを差し出す。

サブリナはありがとーと言って美味しそうにケーキを食べる。本当に美味しそうに、だ。

他の若い男達もサブリナと話したいのか寄ってきて雑談を振っている。

サブリナも丁寧に対応しているけど、お前それ気があると勘違いされるぞ。

 

・・・・・

そんな八方美人のサブリナをボーっと見ながら物想いに耽る。

 

(本当さ、これだけ見てればいい子に見えるだろ?)

ところがどっこい、現実はもっと凶悪な子なんですよ。

指揮官をメチャクチャにいじり倒して、その様を全社に生中継するんですぜ。

ふっ、じいさんに兄ちゃんたち、あんたら騙されてるからな。この可愛らしい姿は仮の姿だからな。

天使の皮を被った悪魔なんだぜ!?

 

けど俺は何も言わない。何故か?ここで言っても信じてもらえないからだ。

おっさんの被害妄想で可愛いサブリナちゃんが貶められている。と思われるのが関の山だ。

だが俺には分かる。絶対にサブリナ達に酷い目に遭わされるだろう事を。

『見舞いはいい。お前達はもう来るな』

このセリフを言えれば俺は幸せになれるのだろうか?

 

・・・・・

そんなボーっとした指揮官の表情をサブリナはチラリと見て心配する。

(指揮官、ケガして落ち込んでいるのかな?)

(やっぱり指揮官にはサブリナがいないとダメなのね)

(よーし、ここはサブリナお姉さんが一肌脱いで指揮官を元気付けてあげましょう!)

 

『あ、指揮官!私、本社でやることがあるから2,3日来れないと思う』

『来れるようになったら、すぐに来るからね』

 

そう言って帰っていったサブリナは、R-15基地と連絡を取り"指揮官を励ますプロジェクト"を開始するのだった。

その日の夜、名乗りを上げた56-1式と62式、G36Cの3人がヘリで本社基地に向かってくることとなった。

 

・・

・・・

・・・・

・・・・・

 

翌日の事だった。

「ニイハオ、指揮官!元気付けに来たよ」

56-1式がひょっこりと病室に顔を出した。

 

『おう、56-1式。見舞いに来てくれたのか?』

ナイルはベットの上に横になりリハビリを終えて痛みから苦しい顔をして汗をかいていた。

56-1式を見て上半身を起こす。

 

(やっぱり指揮官つらそうね)

(これは元気付けてあげないと!)

 

ニッコリ笑って56-1式が懐からスキットルを取り出す

「私の国には"酒は憂いを払う玉箒"って言葉があるんだよ!」

「飲めば嫌なことも忘れるよ」と言ってウインクする。

 

『バカ、お前酒はダメだろ・・・』

と言ったところで、わがまま言わないの!と左手で顎を掴まれ口を開けさせられる。

戦術人形の握力を持ってすれば成人男性など赤子を捻るようなもんだ。

 

『あ〜え〜お〜(やめろ)』と言うが56-1式は止まらない。

そのまま蓋の開いたスキットルを俺の開いた口に装着され、スキットルの中身を口に流し込まれる。

 

『う・・ゴクッゴクッ・・ゴクッ・・・』

多少我慢したがダメだった。スキットルの中身を全て飲まされてしまった。

空になったスキットルを外され、顎が開放される。

 

『うえ〜。なんだよこの中身・・・これは、アレか?』

 

「そうだよ。PPS-43に相談したらこれがいいと言って渡されたんだよ」

そう言ってアルコール濃度の高いもはやアルコールに少量の水を加えた物体レベルのウイスキーボトルを取り出す。

「すぐに嫌なこと忘れて元気になるよ。おかわりはここに置いとくね〜」

「じゃあまたね。基地で待ってるよ〜」といってさっさと行ってしまった。

 

『バカ、お前その置き土産はまずい・・・』

『あ、ダメだ酒が胃に・・気分が悪くなってきた・・・・』

とりあえず酒を看護師にバレるわけにはいかない。

布団をかぶって寝るしかねえ。

なんて思ってたけど、こんな時に限って間が悪い。

 

「ルースさん、検温の時間です。ん?体調悪いのですか。先生呼びますか?」

それを聞いて全力で首を振る。気分悪いし口を開けるわけにはいかないので口を押さえるが、それが裏目に出る。

 

「口の中、どうかしたんですか?お口開けてください」

やめてくれ。武士の情けだ。

だがその願いは叶わず口を開けさせられるナイル。

息を止めて誤魔化すしかねえ。

 

「あら・・・特に異常はないですわね」

「うん?・・・・お酒臭い!」と言ってベッド脇のテーブルを見ると封を切った酒瓶が見つかる。

はい!バレました。人形の嗅覚センサーを誤魔化すことができない事ぐらいわかっていましたよ!

 

「ルースさん!これを飲んだんですか!!婦長に報告します!!」

と言って酒瓶を持ってパタパタと言ってしまった。

この後、飛んできた婦長にそれはそれはみっちりとお説教され、結局地べたに正座して謝る事となった。

 

(くそ〜。俺のせいじゃねーのに・・・何がどうなってこうなったんだ?)

 

納得の行かない結果に不貞腐れて布団に籠るしかないナイルだった。




また指揮官の知らないところで始まったサブリナプロデュース。
ナイルさんは生き残ることが出来るのか?(笑)
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