中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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スジがぁ〜スジがぁ〜。
なかなか浮かばないっす。
遅れてすみません。

アンケートありがとうございました。
締め切ろうかと思います。ナイルさんの借金削減回答にネガティブなコメントをしてしまいましたが、借金無くなる最後まで頑張ろっか。的な意見と前向きにとっておきます。
後は、ヘリアンさんや他の指揮官にも、は今回少しでも頑張りたいですね。
人形達に、が無かったのは笑いました。ほんと、甘やかしてるとサブリナの暴走止まりませんよ(笑)

てな訳で、サブリナ暴走編になりました(笑)


59.R-14基地にて

その日も朝から司令室で反省させられている人形()が居た。

サブリナと・・・。ウェルロッドの二人である。

しかし二人の態度は全く違う。サブリナは「えへへへ〜」と言った笑いを浮かべているが、もう一方のウェルロッドは神妙ではあるがどこか納得がいっていない様子だった。

 

反省をさせているナイルも頭を抱えていた。

『全く、何やってんだよ・・・・』

 

人形達も押し黙り、陰鬱な空気が司令室を支配していた。

 

・・

・・・

・・・・

・・・・・

 

時は二日ほど前に戻る・・・・

 

・・・・

 

『じゃあ、そう言うことでお願いしますね・・・』

 

「分かった。今回の件はとばっちりだからな、貸しだぞ!」

 

『いえいえ、苦情は開催を決めた上級指揮官殿へ・・・』

 

(全く、なんで俺がコイツに気を遣わなきゃなんねーんだよ!)

ナイルは、R-14基地のジャスティン指揮官との映像通信を終了しながら心の中で悪態をつく。

先日の謁見時に決まってしまったパーティーの事務的な連絡をしていたところだった。

ローズマリー上級指揮官からの指示は「それぞれの基地から幹事を出せ」だったのでその連絡だったわけだ。こちらの幹事は粗方決まっていたので、明日にでもそちらに伺わせて幹事たちの顔合わせはどうでしょう?と言うことだ。

まあ、特に問題もなく明日ヘリで伺うことに決まった。

 

『さてと…幹事だが…』

『まあ、サブリナは確定だろう。アイツが言い出しっぺだからな』

ただ、アイツだけだとすこぶる不安である。しかも今回は他基地や上司が含まれる。うちだけの問題では無いのだ。

まあ、最低限を抑えておけばいいだろう。ならば・・・

 

『ウェルロッド、お前も幹事に任命する。やる事は分かっているな?』

真面目な視線をウェルロッドに合わせると、コクリと頷き返す。

 

「分かっています。()()()()()()()()()ですね?」

うん。分かっているようで何より。

 

ウェルロッドと言えば、先日OBRに会ったのだが、凄い勢いでグチをこぼされた。

曰く「ウェルロッドに財布を管理されて、借金が減る一方だ」と。

ちょっと何を言っているか分からなかったが、財布を管理されるのがすこぶる嫌らしかった。

借金が減るならいいじゃん。と思ったが、金を自由に使えないのがストレスらしい。

普通、借金が増える方がストレスだと思うのだが。少なくとも俺はそうだよ。ストレスで生え際が怪しくなってきている。

ヤツは俺にシンパシーを感じているようだが、そこは全力で拒否させてもらう。

てか、あいつは自分で借金返してねえからな。全部こっちに追っ付けてばっくれてやがるからな。

ざまあみろってんだ。もっと管理されやがれ。ウェルロッドはもっとやれ!

 

話が逸れたが、サブリナが暴走しないように手綱を握らせるのに丁度いい。

ついでに俺の監視が緩んで一石二鳥だからな。

 

そんな訳で、翌日にR-14基地のジャスティン指揮官の元へ顔合わせに出掛けるのだった。

 

・・・・・・・

『ジャスティン指揮官、初めまして。R-15基地から参りましたウェルロッドMkIIとSPAS-12です』

ウェルロッドが挨拶をして深くお辞儀をする。

横のサブリナも黙ってペコリとお辞儀をするが、ウェルロッドに黙って頭を下げるだけにしろと言われたようだ。

 

「ほう・・・ウェルロッドMkIIとは高級な人形ではないか」

「買ってやるから俺の元で働かないか?可愛がってやるぞ」

下卑た笑いで挨拶になっていない返事をするジャスティン

 

『ジャスティン指揮官、ご冗談を・・・』

面白くも無いジョークとウェルロッドは判断したが、ジャスティンとしては本気だったのだろう。

心情を何一つ顔に出さず大人の対応で返すウェルロッドはやはり優秀だった。

 

「冗談では無いのだがな。まあいい。95式、幹事の元へ案内してやれ」

ジャスティンは横に立つ副官の95式は腰まである黒髪のロングヘアに、その豊満を通り越して爆乳の胸を強調する真っ白なドレス調のミニスカートの制服とふわりとしたイメージの真っ白な上着を羽織っている。下半身は黒いストッキングでまとめられており真っ白な制服とのコントラストが映える。

 

「分かりましたわ。指揮官様」

言葉も丁寧であり外見も含めて非常に大人な雰囲気の人形である。R-15の副官のG36Cともタイプが違いサブリナも思わず見惚れていた。

 

「では、行きましょう!」

95式に案内される形で司令室を後にする二人だったが、いきなり失礼なことを言うジャスティンとの会話を切り上げたかったこともあり黙ってついていく。

司令室の外に出て95式について廊下を歩いていく。以前に鉄血のハイエンドのエクスキューショナーに襲撃され全滅した時と施設の構造は同じだが修復されており当時の凄惨な面影は全くない。全く無いのだが、なにかうまく言えぬ違和感がある。なんだろうか?

後ろのサブリナもなにか感じたようでソワソワしている。

 

95式に案内されたのは戦術人形達の娯楽スペースだった。娯楽スペースは廊下から特に仕切りもなくオープンな空間となっておりボードゲームや雑誌が置いてあり談話可能な椅子とテーブルもいくつか置いてある。サブリナは雑誌を見て昨日の正座を思い出し身震いしていた。もう正座は御免だ。余計なことをしないように気をつける、と決意しているようだった。

 

娯楽スペースには数体の人形がいるようだが、どうも様子がおかしい。一人の人形がその他数人に詰め寄られている。

「あんたはいいよね。ランクも高いし、副官の妹だし」

「成績も悪く全然使えないゴミ人形なのに」

「捨てられていくアンタより優秀な人形に申し訳ないと思わないのかね」

「なんとか言ってみなよ!」

自分達が掛ける言葉に興奮したのか腹部にボディを入れる。

 

「うっ・・・・」

責め立てられていた人形は涙を堪えて苦しそうにしている。単純な物理的ダメージではなく責め立てられる精神的ダメージの方が大きいのだろう。

 

「あなたたち。何をしているの」

95式の声掛けに人形達が一斉に振り向くが、一人はまだ苦しそうにしていた。

「お、お姉ちゃん・・・」その苦しそうな人形が答える。

 

使()()()()()()()()を指導していたのですよ。副官殿」

「もう行きましょ」

そう言って人形達は一人を残して出て行く。

 

そんな人形達を見送り95式が声を掛ける。

「97式、大丈夫ですか」

 

「うん・・・大丈夫だよ。お姉ちゃん・・・」

「今日は急にどうしたのかな」

見られたくないところを見られたためか、元気なく答える97式。

 

「指揮官様からの司令です。今度の3基地合同のパーティーの幹事をやりなさい」

淡々と告げて95式は踵を返して一人戻ってしまった。

置いていかれたウェルロッドとサブリナはどうしたものかと思案するが、引き合わせてくれたという事で気を取り直し97式に挨拶をする。

 

『R-15基地の幹事に任命されたウェルロッドMkIIとSPAS-12です』

「こんにちは、97式さん。私のことはサブリナと呼んで下さい」

ウェルロッドはともかくサブリナもしおらしく挨拶をする。

(サブリナ?らしくないけど・・・大丈夫か?)

 

「私はR-14基地の97式です。副官の95式は私のお姉ちゃんよ」

擬音にすると、えへへへ。と言った感じで挨拶をする。

(・・・・・・)

サブリナは何かシンパシーを感じていた。

 

ウェルロッドはしおらしいサブリナを不気味に感じながらも話を続ける。

『今日は顔合わせで来ました。今後の進め方をある程度決めたいと思います』

 

「分かりました。事情も何も知らないので、そこから教えてね♪。あっ、教えて下さい」

97式はニッコリ笑って返事をするのだった。

 

 

・・・・・・・

色々事務的な話を終えて、クロージングの雑談に入っていた。

 

「では次の打ち合わせはR-15基地だね。楽しみだなぁ」

97式がニコニコでウェルロッド達に伝える。

今回の打ち合わせで会話を重ねて97式の人となりを理解し、本来はすごく明るい人形だと分かった。

初対面の3人だったが十分打ち解けたようだ。

雑談も混じる中で、サブリナが踏み込んだ質問を始める。

「あの・・・会う前の・・・人形達に絡まれてたのはなんだっだのかな?」

 

問われて97式は自重気味に笑いながら話す。

「気がついていると思うけど・・・この基地は実力主義なんだよね・・・」

「役に立たない人形は廃棄処分にされちゃうんだ・・・・」

そこでため息を一つついて続ける。

「はぁ〜。私はこの基地の役立たず組なんだけど、姉やランクのおかげで残されてるんだと思うんだ」

「私はみんなと仲良くしたいんだよね。だから()()()()()()()()調()()()()皆が幸せになれるように考えてたんだけど・・・。ダメだった」

「指揮官もこの基地も好きだけど、息苦しいのは嫌い。もっと皆が個性を発揮できればいいのにな・・・」

「今日も人形が処分されるみたいなんだよね・・・」

目を伏せて涙を流す97式。

97式はこんな状況でも基地や指揮官が好きなようだった。

そんな97式をみて何も言えないウェルロッドとサブリナだった。

 

 

「ウェルロッドさん、今日は帰ろっか。帰りに()()()()()()()()()()()()()()()()()()

突然言い出すサブリナであったざ、この時サブリナの目が紅く光っていたことにウェルロッドは気づいていなかった。

サブリナは椅子から立ち上がりスタスタと歩き始める。

 

「ちょっと・・・サブリナ?」

「??。サブリナちゃん?」

ウェルロッドと何がなんだ分からない97式が突然の事に驚きながらついて行く事しかできなかった。

 

・・・・・・

 

「指揮官様、お願いです。私はまだやれます!チャンスを下さい!」

司令室でひざまづいて悲痛に訴えるのはSMG戦術人形のスペクトラM4である。

彼女はジャスティンの元で昔から働いている人形だった。決して高級なランクではないが経験を積んだテクニックで仲間を助けてきた。

ジャスティンの勝利に少なからず貢献してきた人形。しかし、優秀な人形であった彼女もついにお払い箱。

司令室の端では95式が静かに目を伏せている。特に何かできるわけではない。いつもの事だ。この基地で定期的にある風景。

 

しかし、そんな陰鬱な空気をぶち壊し司令室のドアが開き一人の人形が入ってくる。

突然の事に司令室の皆が一斉に注目する。

 

「何か貴様。今は立ち入り禁止としているだろう」

ジャスティンが通達を守らずに入ってきた人形に問う。これが彼の人形であったならば即廃棄処分にされていただろうが、入ってきたのはサブリナであった。

 

「ジャスティン指揮官、本日はありがとうございました。これにて帰任します」

「うーん、でも・・・ここは人形が働き辛い雰囲気かな?」

ハイライトの消えた紅い瞳に薄笑い。ウェルロッド以外ここにその意味を理解している者はいないが、ウェルロッドが後ろにいてサブリナの様子が見えなかった事は運が悪いとしか言えなかった。

 

「ちょっと、サブリナ・・・」

ウェルロッドが止めに入ったが遅かった。後ろからついてきた97式も目をパチクリしている。

 

「貴様、人形風情が他基地指揮官に楯突くとはどういう了見だ!?」怒気を込めてジャスティンが詰め寄る。

 

「楯突く?ただ感想を述べただけだよ〜。・・・あら?人形捨てちゃうんですか?勿体ないお化けが出ちゃうかも〜」

「ナイル指揮官なら、もらって帰るかな?かな?」

 

「貴様〜・・・」

「そうか、そういう事か。ナイルに命じられて狼藉をはたらいている訳だな?」

あのG36Cを奪っていったナイルを思い出し怒りは頂点に達していた。

 

「指揮官に?何言っているのかわからないかな?」

 

「とぼけるのは大概にするんだな。さっさとその人形を持って帰れ」

「貴様の指揮官に直接問いただすとしよう」

 

「人形もらっていいのかな?ジャスティン指揮官は太っ腹だね。ではサブリナは帰りま〜す」

笑顔で綺麗な敬礼を見せるサブリナ、顔を真っ赤にして怒るジャスティン、青い顔して引き攣るウェルロッド。そして何がなんだか理解できない95式97式は唖然としていた。全く知らないものがこの風景を見たらなんの場面だか理解できない。そんな状況だった。

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

と言うのが、先日の話だった。

サブリナが人形を持って帰ってきたのを見たときはたまげたが、ことの真相をウェルロッドから聞いた時はさらにぶったまげた。

おかしいだろ?いち戦術人形が他基地の指揮官に喧嘩売って、人形持ち帰るなんてさ。

サブリナ(コイツ)、やっぱりどこか壊れてるんじゃないのか?大丈夫か?次の定期点検で廃棄処分にされたりとか??

 

連れてきたスペクトラM4もいるが、申し訳なさそうにしている。

まあ、それが普通の態度だよね。

 

いや、それどころじゃねー。ジャスティン指揮官に連絡せんと。完全に俺が嫌がらせを仕掛けた形になっている。

まずいだろ。パーティーにかこつけて嫌がらせをしたなんてローズマリー上級指揮官にチクられたらめちゃくちゃ怒られる。

誤解を解かんと・・・・

 

・・・・・・・

 

「ほーう、誤解だったと、ね・・・・」

「馬鹿にしているのか?貴様!人形が独断でやるわけないだろうが!」ブチ切れて怒鳴り散らすジャスティン

まあ、そういう反応だよね。

 

『いや、全く申し訳ない。不慮の事故だと思って頂いたら助かります』

後ろに正座させている人形達を映り込ませて、それとなくアピールしとく。

 

「貴様の態度はよくわかった。上級指揮官殿にはことの顛末は伝えておくからな」

やはり怒りは収まらないらしい。

 

いや、やめて。それだけはやめて。謝ったじゃん!謝ったんだからやめてよもう!

 

「あと、貴様の人形がこちらの廃棄人形を()()()()()()()()と啖呵を切ったからな。代金を払ってもらおうか」

 

てめえ、どさくさに紛れて意味わからん事言ってんじゃねーぞ。コラ。

『サブリナの視覚データは確認してますよ。嘘はいかんでしょ』

『ただ無料もないでしょう。トレードでどうですか?』

廃棄処分予定だから無償もありだが、コイツから無料で貰って貸しを作りたくない。

 

「では、コア30個だな」ニヤリと笑うジャスティン

 

くそ、落とし所は考えてやがったか。嫌らしい数を突いてくる。高過ぎるが異常とまでは言えない。ケチると面倒くさいことになるな。

『分かりまたよ。それで手打ちでお願いします』

 

「ああ。では後日の幹事会はR-15で。以降はR-13でどうかね」

 

『いいでしょう』

 

そんなこんなでなんとか収めたが、独断でトラブルを起こしてきたサブリナとウェルロッドには反省してもらいたい。

とりあえず正座から立たせて解散とする。

 

『ウェルロッド、スペクトラM4は第三小隊に編入する。第11中距離支援小隊の復活だな』

『部隊方針については改めて話そう』

 

なんとかドタバタを収めるナイルだったが、キッチリ彼方此方からヘイトを集めた事に変わりは無かった。

 




結局、尻拭きはナイルさんなんだろう。かわいそうに。
サブリナやG36Cは人形としてはヤバイ奴らになってますよね。笑えます。いや、笑えねえ。
やり過ぎ感ありますが、そういう芸くらいにライトに考えていただければ幸いです。(笑)

サブリナがパーティー催しを宣言しました。さてどうなる?

  • お約束通りナイルさんがいじられるっしょ!
  • たまには他の指揮官達がやられてもいいだろ
  • いやいや、今回は人形達でしょ?
  • ヘリアン達も今回は苦労しろ
  • ナイルはもう借金ゼロにして休ませてあげて
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