中年指揮官と零細基地の日常   作:へなころ

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お疲れ様です。やっとこさで拵えました。
もうね、ほっといたら絶対ゴールしないから強引に行きますわ。
ハードランディングさせますぞ。(笑)

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アニメ始まりましたね。
まあ、多少残念なところもあるが関係ない!
アニメでキャラが動くところが見れたらわしゃ満足じゃ。



72.戦いの準備

荒野を走行していた一台の電動バギーが停止する。

 

「皆、着いたよ」

「ブリーフィング通り展開」

そう声を掛けたのは第一小隊長のイングラムである。

隊長の指示により、小隊員は素早く降車して周囲を警戒する。FNCがチョコ棒を咥えているのはいつも通りの光景である。

 

「異常なし。鉄血の姿は見えないよ」

56-1式がリラックスした感じで索敵結果を報告する。

 

「こちらもクリアですわ」

M1911も特に異常がない旨を伝える。相変わらずのスケスケスカートにアイドルの様な格好である。男性指揮官を喜ばす以外なんの意味があるのか?とイングラムは思うがそれは口にしない方が良いと飲み込んでいる。

 

「居ないわね」

端的に伝えるのは桃色髪のPPS-43である。普段はクールな彼女だが、指揮官にハグされた時の照れた彼女が素だとイングラムは確信している。

 

「了解。それでは予定通り作業開始!」

イングラムの指示を受けて、FNCと56-1式がバギーに銃を置き、スコップを持ち穴を掘り始めたのだった。

 

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「え?建築工事をしろ?ですか?」

イングラムがナイル指揮官の指示を聞いて思わず聞き返す。

 

『ああ、色々あってね。詳細を話すと、ペルシカさんに鉄血ハイエンド対策を相談してたのよ』

『連中、ジャミングを仕掛けてくるだろ?あれをなんとかしないといけなくてさ』

『その対策が出来たから、その設備を仕掛けるのさ』

『工事の資材と仕様書も来ている。事前に確認しといてくれ』

 

まあ、建築工事は大袈裟だけど、ちょっとした作業を訓練がてらやって欲しいとの事だ。

「分かりましたよ。訓練ついでにやっときますよ」

 

そんなやりとりが数日前にあったわけだ。

 

ちなみに、ジャミングの検知対策は直ぐに行われた。R-14基地の知らぬ間の陥落もありそれは早かった。

難しい話ではなく、通信で互いの基地に「ピンポン」するだけ、である。

数分おきに相手先にピンを送り、受けた相手がポンを返す。どちらかが途絶えればなんらかの障害が発生していると分かる仕組みである。これを複数の基地間でネットワーク化して多重化する事で検知の信頼性を確保している。

 

しかし、これはあくまでパッシブな対策でしかない。

ジャミングをかけられて初めて分かるので、救助の準備して一時間後に駆けつけたらもう潰されてました。なんて事がある。それでも何日も分からず放置されるよりマシな訳だが。

ここ最近、S地区で複数のハイエンドが共同して多数の基地を襲撃しており、多くの基地と指揮官が駆けつける間も無く短時間で潰されていた。

大規模な攻勢に冷や水を浴びせられた格好だ。

 

そんな事情もありアクティブに鉄血進行を検知するのとジャミングを破るシステムの開発が急がれ、それが出来上がった。

重点地区のS地区と鉄血の襲撃を受けたR-14、15とそれを管轄するR-13に先行して導入されたと言う訳だ。

 

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「こんくらいでいいかな?」

56-1式とFNCがあっという間に2m程の穴を掘る。スコップによる作業と雖も侮るなかれ、戦術人形による作業は凄まじい。特にパワーのあるMG人形やSG人形、パワー寄りのAR人形の作業能率は小型重機を凌駕する程だ。

ものの10分程で基礎工事位の穴が掘られた。

 

「オッケーだね。じゃあ、コンクリブロックを穴の底に設置して」

イングラムが56-1式とFNCに指示を出すが・・・

 

「え〜〜〜。また私たち〜。ずるいよ〜」と駄々をこね始める。

 

「ワガママ言わないでやるの!」

 

「だってぇ〜〜〜」

 

「分かったよ。終わったら皆で56-1式とFNCにお茶を奢る。それでいいでしょ」

「でも仕事なんだから、ワガママはこれっきりよ」

 

「やった〜!じゃあ、さっさと終わらせて帰ろう」

 

やれやれと言った感じのイングラムだが、色々考えなきゃならない隊長の役割に疲れが湧く。

(92式隊長も大変だったのかね。もう少し早くから考えておけばよかったかな)

 

ーーーーーーー

 

コンクリブロックを入れて支柱を立てる。即硬性セメントを流し込み土を埋め戻す。

地上から出た支柱に設備とソーラーパネルを取り付けて配線を終わらせて完了!

ちょっとした椰子の木みたいな外観である。

 

「隊長〜。結局、これってなんなの?」

FNCが首を傾げて問いかける。何を作っているのか知らずにやらされていた様だ。

 

「ああ、説明してなかったね」

「仕様書によると、簡易式レーダー基地、だってさ」

 

「れーだーきち?」

不思議そうな顔をするFNCの問いかけにイングラムがうなづいて答える。

 

大型のレーダー基地の機能をガッツリ絞り、近くを通る鉄血人形を検知する事ができることに特化させている。

ついでに、無線通信とレーザー通信機能が付いている。

レーザー通信はジャミングの影響を受けないため、基地からの通信をレーザー通信として中継しここから無線通信を行う。

簡易レーダー基地はR-15基地の八方に配置され侵入する鉄血の検知と通信の確保を同時に行う。これにより鉄血の進行の早期発見とジャミング無効化を狙う訳である。

簡易式なので電源はエナジーセルだがソーラーパネルを併用することで三ヶ月程度はメンテフリーである。まあ、エナジーセルは鉄血人形部品取りの副業でいくらでも手に入るから、費用はさして問題にもならない。

便利なものである。

 

「立ち上げ・・・・無事完了!」

スイッチを入れてソフトが問題なく立ち上がることをPPS-43が確認する。

 

「通信チェック。・・・テス、テス、聞こえますか」

 

「聞こえますわ。クリアですわ」

 

PPS-43の発信に副官のG36Cから返事が返ってくる。問題無い様だ。

G36C側でも人形の探知機能を確認する。

グリフィン人形が5体、誰かは分からないが第一小隊分が検知されている。

 

「人形の認識も完璧です。調整確認完了ですわ」

 

「了解」

PPS-43が確認作業完了の連絡を受け返事をしてオールオッケーとなった。

 

「じゃあ、最後に偽装網を掛けて終了」

 

注意してみなければ植物にしか見えない状態にして完了となった。

小隊の全員がバギーに乗り帰任する。

 

・・・・・

 

「ハイエンドとの戦いは終わるどころかまだまだ続く・・・って事かね。指揮官・・・」

帰りのバギーの上でイングラムは一人呟いていた。

 

ーーーーーーーー

 

一方その頃。

 

基地の応接室に居る3人

ナイルとその横に立つウェルロッド、それに向かう様に立つひとりの人形。

 

薄ピンクの髪をポニーテールにまとめた儚そうな顔。

髪と同じようなカラーのキャップに化繊のコート、インナーは黒のトップスに赤のパンツ。トップスに収まるボディは豊満である。

 

「本日付でR-15基地配属となりました戦術人形、AR-57で……って、なんでそんなに離れて立ってるの?何もしたりしないのに……」

 

今日配属された彼女は新造の人形との話だった。

ただね・・・目つきがヤバいぞこいつ。ってなもんで思わず距離をとっていたら、そこを目ざとく指摘された。

 

『いやいや、別に他意はないよ。AR-57、これからよろしく頼む』

 

「目つきが悪い、雰囲気が怖いと思っているんでしょう?」

 

『いや、1mmも思っていませんよ』

うん当たり。けどとりあえずウソをつくしか無い。

 

「嘘だっ!指揮官は私のこと信じてないんだ!」

絶叫してポロポロ涙を流してパニックになるAR-57。新任の顔合わせ早々無茶苦茶だ。

 

この後慰めたりなんだして少し落ち着いたところでウェルロッドに全部押しつけた。

第三小隊に配属させる予定だったからちょうどよかった。

そう言うことにしとく。

 

 

・・・・・

 

『で、どういう事ですか?』

映像通信先のヘリアンさんを問い詰める俺。

いきなりあんな人形を送ってきた上司にクレームをつけているところだ。

 

『どういうメンタルの人形送ってきてるんですか!おかしいでしょう』

 

「うむ、元々の性格もあるが、少し感情的な個性になってしまってね」

「合格範囲ではあったので納品された訳だが、なかなか配属先がきまらなくてね」

 

なかなか決まらなくてね、じゃねーわ。新造じゃなくて新古の売れ残りやないかい!

涼しい顔で解説するヘリアンがなおさら腹立たしい。

しかも個性を与えるにしても限度ってもんがあるだろ?

目つきの悪い個性を与えるとか、ペルシカも何考えてんだ?

その製品企画は流石にクレイジーすぎるだろうが。I.O.P.の開発者は頭のネジ外れてんじゃねーのか?

おっといけない、考えが明後日の方に飛びそうになるのを抑えて会話を続ける。

 

『ほお。で、なんで配属がうちなんですかねえ」

ジト目で聞いてやろうじゃ無いか。え。

 

「うむ、優秀な貴様なら使いこなせると信じているだけだ」

あいも変わらず涼しい顔である。

 

言葉で褒められても嬉しくありません。

『優秀なんですか?じゃあ、報酬をもっと上げてもらえますね?』

 

「うん?仕事は出来るが迷惑も人一倍だろう?正しく評価したら減給となるが?どうする?」

ニヤリと笑みを浮かべるヘリアントス。

 

(ああ言えばこう言うかよ!殺したろか?あーん?)

 

『どうせ何言っても無駄なんでしょ!多少の便宜くらい期待してますよ』

もう、ストレートに言ってやるわ。

 

「ふっ。言うようになったな。資材を即日追加で送ろう。それで我慢しとけ」

ナイルのPDAに着信があり、少なくない資材が送られるインボイスが届いていた。

 

『分かりました』

ナイルの了解の返事を聞いたヘリアンは微笑を浮かべてすぐに通信を切った。

 

 

ふうー。応接室のソファーに腰を下ろして一息つく。

92式の転勤の上に、M1911とAR-57の問題児たちの転入と。基地運営は苦しくなる一方だ。

鉄血の工場攻略とこれから忙しくなるのに・・・なんとかしなければ。

 




スペクトラM4さんの移籍の関係でAR-57さんを加入させてみました。
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