第1話
一頁目
目が覚めたらここにいた。
一体何だっていうんだ……何で僕みたいな一般人がこんな目に遭わなければいけないのだろうか?
左手首に訳の分からない物を埋め込まれて、しかも全裸で謎の島に放置プレイとかひどすぎる。
おまけに信じられないだろうけどここには絶滅したはずの恐竜がいる、いるんだっ!!
ほら、今だって揺れているけどこれは地震じゃなくてブロントサウルスが目の前を歩いているからだ。
音も振動もやばいけど、それ以上にこの圧倒的質量がやばい。
ほんのちょっとした気まぐれでしっぽでも振り回されたら死んでしまう……とにかく安全なところを探さないとっ!!
二頁目
ああもう、この島は地獄だ!!
陸を歩けばスネまである体長のエリマキトカゲに毒を吐かれ、海に入ればピラニアが噛みつきに来る。
おまけに空からは人の持ち物を奪いにカモメか何かが突進してくる、くそったれッ!!
カモメから逃げる際に遠くに巨大な建造物と光の柱が見えたけど、そんなもん今は気にしてる場合じゃないっ!!
この島に安全な場所なんかない、このままじゃ殺されるっ!!
こうなったら自分で安全な場所を……家を作るしかないっ!!
もちろんそんな経験も知識もないけど、とにかくやるしかない。
まずは素材集めだ、落ちてる石を集めて尖ってる石で木を削って……原始人か僕は。
こんな泣き言を言っても何にもならないが、泣き言ぐらい言わせてくれ。
三頁目
木々の質がよいのだろうか、木材を回収する際に出る削りカスを束ねることでわらのように使うことができそうだった。
肝心の木材も揃いつつある、しかし問題はこれらを組み合わせる方法だ。
釘やネジなどあるはずもなく、ならば繊維のようなもので紐を拵え結ぶしかないが……そんなものどこにあるのだろう。
ああ、しかし動いているためかお腹が減ってきた。
食料を調達しようと茂みを漁ると、赤、青、黄、紫、白、黒、六種類の果実を拾うことができた。
さてこれらのうちどれが安全だろうか……いやそもそも安全なものが混じっているのだろうか?
何とか毒見の方法を考えてみないと……
四頁目
この島に来て以来、初めて自分に運が向いてきた気がする。
海岸沿いを歩いていると飛べない鳥が何匹も歩いていた。
こいつらは草食だからか近づいても敵意を向けてくることはなく、果実を食べ続けている。
その様子を観察したところ、白と黒の果実は決して食べないことが分かった。
人と鳥で違いがあるかもと不安はあったが、実際に他の四種は食べてみても問題なさそうだ……味以外はだが。
おまけに果実がなっている根草はかなりの強度があり、束ねることで繊維代わりつまり紐として使えそうだ。
当面の問題であった食料と紐がいっぺんに解決できた、これで次の段階へ進めそうだ!!
【今回登場した動物】
ブロントサウルス
ディロフォサウルス(エリマキトカゲ)
メガピラニア(ピラニア)
イクチオルニス(カモメ)
ドードー(飛べない鳥)