ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第10話

三十五頁目

 

 凄い迫力だっ!! これが巨大な恐竜同士の戦いなのかっ!?

 まるで地震のような振動がいつまでも続いているから様子を見に行ったらブロントとスピノが争っていた。

 巨体が激しく動きながらぶつかり合う姿を生で見られるなんてっ!!

 

 こんな映画のような場面に立ち会えたことに感激のあまり震えて、現状を忘れて見入ってしまう。

 こればかりは普通に生きていたら決して体験できなかったことだろう……この島に来たことを初めてほんの少しだけよかったと思えた。

 しかし戦闘が激しくなるとその余波でなぎ倒された木々や岩がこちらまで飛んできて、おまけに日も暮れてきて視界が悪くなってきている。

 

 流石にこれ以上は危険だろうと判断して最後まで観察せずに切り上げたが、本当に口惜しい限りだ。

 とにかく明るくなったらあの二匹がどうなったか確認しようと思う。

 できればあのブロントがスピノを倒してくれたらありがたいんのだけれど……

 

三十六頁目

 

 ついにこの島で過ごす三日目の夜だ。

 スピノ対策に炊いた大量の炎のおかげで少し眩しいと思えるほど明るいが、同時にかなり熱い。

 まあ命には代えられないから我慢するつもりだが、おかげで中々睡魔が襲ってこない。

 

 恐らく夕暮れに見た巨大生物のバトルの興奮が収まりきらないのもあるだろうが、だからと言って寝不足になるのはいただけない。

 この危険しかない島では睡眠不足からくる不注意など簡単に命の危険に繋がりそうだ。

 だけど無理してカプセルから入手したベッドの中で目を閉じるけれど中々眠くならなかった。

 

 外の監視は引き続きドーちゃんとエーちゃんがしてくれている、何かあれば彼らの鳴き声で目が覚めるだろうから安心して眠ってもいいはずなのだが……どうしても色々と頭をよぎってしまう。

 これならいっそ眠くなるまでの間、この明るさを利用して何か作業するのも悪くないかもしれない。

 

 初めてこの島に来て過ごした夜を思い出す、あの時も恐怖で眠れなかった。

 あの時に比べれば比べれば僕自身を取り巻く環境はかなり整ってきたと言える……僕自身も少しは成長したのだろうか?

 

三十七頁目

 

 最悪だっ!! 寝過ごしたっ!!

 やはりさっさと眠っておくべきだったっ!!

 ドーちゃんとエーちゃんの悲鳴で飛び上がってみたが、もう手遅れだっ!!

 

 畜生っ!! 僕はなんて馬鹿なんだっ!!

 何が成長だっ!? 恐怖を忘れるなんてただの愚か者じゃないかっ!!

 くそっ!! もう何も考えてる暇もないっ!! とにかく逃げようっ!! 

 

 何もかも放り出して……命だけ守り抜くんだっ!!




【今回登場した動物】

ブロントサウルス
スピノサウルス
ドーちゃん(ドードー)
ディロフォサウルス(エーちゃん)
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