二百二十八頁目
フローラに言われるまですっかり見落としていた。
だけど放射能があらゆる生き物に牙をむくのは当たり前じゃないか。
野生の動物が平然とうろついていたから勘違いした。
慌てて仲間達と一緒に一旦安全なところまで避難して体調を確認していく。
ラベちゃん達はまだ後遺症が残っているようだが体調が悪化することは収まったようだ。
少し安堵しながらも主力で大暴れしていたメガちゃん達の診察に移る。
何故かこちらはみなぴんぴんしており、特に苦しそうにしている子は居ない。
素人の見立てだからあまり頼りにはならないが丸で耐性があるかのようだ。
……そういえば実際にカニ以外はあのエリアに野生の個体が生息しているのを目撃している。
放射能に耐性がある動物とない動物がいるのかもしれない。
……環境対策が必須なだけじゃなくて連れ込める動物にも制限があるとか、もう勘弁してくれよ。
『これまで経験してきた嫌な点を煮詰めたようなエリアだね……』
二百二十九頁目
このまま引き返したい気分だけど、まだラベちゃん以外は仲間も装備も万全なままだ。
もう少しだけ調べようと自身に活を入れて進み直す。
もちろんラベちゃんは置いていき、代わりにカニに騎乗しておく。
その上で前には絶対に出ず、メガちゃんとスピノの後ろをついていく形にする。
相変わらず高品質サドルを装備したメガちゃん軍団は強く今のところ敵なしだ。
何なら敵として現れるメガちゃんも捕獲することも考えたが、現状でこのエリアに長居するのは危険だと判断してそれは見送っておいた。
代わりに途中で初めて見る謎の植物にも似たほのかに光る自生物には安全を確保した上で手を伸ばしてみた。
表面はぬるっとしていて絞れば絞るほどにじみ出てくるこれは……有機ポリマーだ。
まさか環境から有機ポリマーが取れるだなんて……色んな意味でここは狂っている気がする。
もう少し進むと例の発光する食肉植物っぽいのが自生している場所を見つけた。
もしも拠点を作るならここがいいだろうが、放射能の真っただ中に作るべきかどうかは迷う。
取りあえず判断は保留にしてもう少し先まで調べようとするも分かれ道にぶつかってしまう。
のぼり坂になっている正面と緩やかな下り坂の左の道。
装置は左に続いているようでありそちらへ……と思ったのだが分かれ道の真ん中あたりにある岩陰に赤く光る水晶の塊のようなものを見つけた。
これはもしやと思って砕いてみれば、想像通り赤い宝石が取れたではないか。
やはりこのエリアに合ったのか、最後のパーツが揃ったような気分だ。
『赤い宝石も手に入ったことだし、一旦帰ってもいいんじゃないかな?』
今回名前が出た動物
ラベジャー(ラベちゃん)
メガロサウルス変種(メガちゃん達)
カルキノス(カニ)
スピノサウルス変種