ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第1010話

二百四十頁目

 

 倒した触手は溶けるように消えていった。

 お陰で素材も何も採取できないで終わった。

 消耗しただけで何の得もない戦い。

 

 これはARK本来のシステムではありえない事だ。

 全体的に底意地の悪さこそ感じても、一応は危険や消耗に伴うだけの見返りは用意されていた。

 つまりはこれこそバグそのものなのだろう。

 

 そしてこの触手は間違いなくルゥちゃんを操ってた黒幕の一部、或いは僕のはずだ。

 分からないのはその目的と、そもそもこの触手と黒幕がバグから生まれた存在なのか、それともバグを引き起こしている存在なのかという点だ。

 ……バグから生まれた存在であってほしいと思うのは感傷だろう。

 

 特にロックウェル氏とは……いやここに送られてきた人間達とは無関係であると信じたいところだ。

 

『日記を読む限りエレメントに魅了されてたロックウェルさん……エレメントに侵食されてたルゥちゃんの身体が変異した形に色も形もよく似ている触手……関係ありそうな気がするのは私の考え過ぎだよね?』

 

二百四十一頁目

 

 地上の探索は最初の数日だけ見送ることにした。

 豚がいない状態でメガちゃん達の傷が癒えるのを待つ必要があるのと、またあの触手が生えてきたら困るからだ。

 だから数日かけて簡易拠点を作り、更にはオートタレットまで常備することにした。

 

 弾薬の用意は面倒だったけれど、これでもし触手が生えてもその瞬間にハチの巣に出来るはずだ。

 尤も努力を嘲笑うように新しく触手が生えてくることはなかった。

 メガちゃん達の傷が癒えるとアレが本当にあった事なのかさえあやふやになりそうだ。

 

 唯一、跡形もなく壊れてしまい休眠装置が無くなっていることだけが事実を物語っているようであった。

 

『後から来た人がここに来ても、最初から休眠装置はなかったって思いそう……私達が作った設備とかも新しい人が来る前に壊されたりしたらやっぱり同じように思われちゃうのかな?』

 

二百四十二頁目

 

 触手が湧く心配もなさそうだとわかり、残る二日ほどをずっとカプセル回収に専念した。

 しかし今回は当たりと断言できる物資はたった一つしか手に入らなかった。

 尤もその一つがあのカニ……カルキノスという名前と共に高品質なサドルの作り方が書かれている設計図だから大当たりと言っていいだろう。

 

 これで放射能エリアの攻略も少しは楽になるはずだ。

 後はもう一つ、ロックドレイクなる生き物の高品質サドルの現品も手に入った。

 恐らくはあの透明になる巨大なトカゲというか竜というか、あの子のサドルだろう。

 

 これも当たりと見たいところだけれど、まだ仲間にする方法すら見つかっていないので何とも言い難いところだ。

 他にはムカデとかカメとかのサドルの現品という、今更使い道が薄そうな物ばかりであった。

 そういうのは全部粉砕機で分解して材料だけ利用させてもらうとしよう。

 

 その上でガスボールも結構な数を確保できたことだし、今度こそ本格的に放射能エリアを探索し始める事になりそうだ。

 

『……放射能エリアにあの触手が当たり前のように出没する地帯あったらどうしよう?』




今回名前が出た動物

メガロサウルス変種(メガちゃん)
カルキノス(カニ)
ロックドレイク
アースロプレウラ変種(ムカデ)
カルボネミス変種(カメ)
触手(〇〇〇〇〇〇テンタクル)
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