二百五十五頁目
気づかれないよう匍匐前進状態で観察していると、そいつは青いところに突っ込んでいた部分を引き戻してきた。
そして見た……触手の中央にあった巨体は異形だけれど人の面影を残している部位であったことを。
何故だろうか、脳裏にチラつくのはエレメントをとりこんでいたルゥちゃんの姿だ。
それだけじゃない、俺自身もまた島でエレメントに誘われていた時にはあんな姿になることを心のどこかで望んでいたような気がする。
だからだろうか、何となく俺は察してしまう。
あれは人間がエレメントを取り込み変わり果てた姿なのだろうと。
そいつは忌々しそうに首を横に振ると触手を一つどこかへ送り込むように潜らせると、自身は禍々しい色をした水たまりの中に身体ごと漬かるように沈み込んで行った。
まるであの液体を吸収しているかのように……
『……この液体ってひょっとしてエレメントが溶けたものなのかな?』
二百五十六頁目
時折新たに湧く透明トカゲと戦闘するたびに音が向こうに伝わって気づかれないか不安になる。
だけど向こうがこちらに気づく様子は全くなかった。
距離があるとはいえ鈍すぎる気もするが、或いは自身の作業に夢中で周りに気を配っていないのかもしれない。
……ただでさえこんなに気づかれないのならば砂漠で作れた気配が伝わりにくくなるサボテンスープがあれば好き放題できたような気がする。
まあそう上手く行くとも思えないし、無い物ねだりしても仕方がないので、別のやり方でどうにか突破できるかを考えてみる。
あの触手が全て同じ戦闘力だとしても恐らく総力戦をすれば触手だけならば倒せなくはないだろう。
ただ正面から戦えればの話だ。
いつぞやのドラゴンのようにマグマの代わりにあの禍々しい水たまりの中から出ないで攻撃してきたら、接近戦しかできないメガちゃん達はほとんど役に立たない。
動物と違って人間の頃の知性が残っているとしたらそれぐらいはやってくると思った方がいいだろう。
また本体の戦闘力が未知数なのも恐ろしい。
砂漠での戦いを思えばあの触手全てを倒さないとバリアが張られて攻撃が届かない可能性もある。
だから無理やり戦闘で突破する方法は考えない方がよさそうだ。
だけどあの青く光るエリアに何が隠されているのか、何をしているのかは調べておきたいところだが……?
『もしかしてあいつがここの守護者、にしてはちょっと禍々しすぎる気がするし何より普通に外を出歩いてるのはおかしいよね?』
今回名前が出た動物
ロックドレイク(透明トカゲ)
ドラゴン
メガロサウルス変種(メガちゃん)
触手(〇〇〇〇〇〇テンタクル)
〇〇〇〇〇〇(触手の中央にある人の面影のある部位)