二百五十七頁目
向こうが水の中に浸っている間にも孵化作業を続けていく。
更に新しく湧いた透明トカゲが卵を産み落とすたびに回収するのも忘れない。
そうしているうちに卵は十二個ほど集まっており、最初の卵もようやく孵化して幼体が顔を表した。
早速刷り込んで世話をするけど、他の幼体と違って追いかけっこやら特別なものを欲しがったりといった我儘を言わないので凄く助かる。
ただ寄り添っているだけで落ち着いてくれるのでその点は本当にありがたかった。
だけど問題は食料だった。
肉も果実も受け付けてくれず、キノコ類も全然駄目であった。
やはりミルクに相当する特別な食料が必要そうであるが、それらしいものは今のところ一つも見かけていない。
それでも色々とかき集めて試してみるうちに、メガちゃんの中に変な液体を持っている子がいる事に気が付いた。
少し考えて思い出す、名無し共が堕とす毒液だ。
名無し自体が出てこないように光を絶やさないようにしていたからこの素材の存在自体すっかり忘れていた。
多分メガちゃん達が持っていたのは少し前の触手との戦闘時に、あいつが呼び出していた名無しを駆除した時の物が残っていたのだろう。
……一応このARKにしかいない名無しから取れる素材である毒液と、ここでしか卵が手に入らない透明トカゲ。
毒液が餌になるとは思えなかったけど試す分にはタダだと思って近づけてみたら、幼体が目を輝かせたではないか。
実際に与えてみると喜んで食べ始めて、しかも体調を崩す様子もなく満足した様子を見せていた。
まさか名無しの毒液を食料にするだなんて……もし同時に孵化させていたら間違いなく食料が足りなくなるところだった。
『あの名無しを狩らないといけない理由があるだなんて……嫌がらせに近い気もするけど……』
二百五十八頁目
もう少し毒液を集めようと、移動拠点を置いてメガちゃん達を十五匹連れて少し上の方に戻る。
大丈夫だと思うけど万が一にもあの触手たちに気づかれたくなかったからだ。
その上で肩に乗せていたドック君にも光を放つのを辞めてもらうと、途端に地面から湧き出てくる名無し共。
これを倒して回り毒液が採取できたら光を点灯させて追い払い、また透明トカゲの元へと戻る。
毒液の採取効率自体は余り宜しくないが、ほぼ無尽蔵に湧いてくるので幼体のお腹が減る前に調達するのは容易かった。
そうして育て続ける間も受精卵は増えて行くし、あの触手の本体も思い出したように水たまりから出てくると青いエリアに身体を突っ込んで何かをしていた。
その度に触手をどこかへ送っているようであったが、やはり前見たように一番上のエリアで何かを探して回っているのかもしれない。
『本当にオベリスクを探しているのかな? でも戻って確認するにしても距離がありすぎるし……』
今回名前が出た動物
ロックドレイク(透明トカゲ)
メガロサウルス変種(メガちゃん)
ネームレス(名無し)
バルブドッグ(ドッグ君)
触手(〇〇〇〇〇〇テンタクル)