ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第1018話

二百五十九頁目

 

 受精卵も増える中で遂に最初の透明トカゲが成長しきった。

 ただ移動拠点の背中に作った部屋から外に出す際に変に引っかかってなかなか出せなかった。

 まるでロックされたように一時は固まっていて、結局は壁の一部を破壊する羽目になった。

 

 破壊する際の音でまた触手たちに気づかれないかビクビクしてしまったこともあって、異様にその時のことが印象に残ってしまったので名前もロック君にしてみた。

 フローラが呆れたように見ていたけど、気にせずサドルを作って早速性能をチェックしようとしたが、そこで前にこの子の高品質サドルの現物を一つだけ手に入れていたことを思いだす。

 もちろん持ち込んでいたので装備させて乗ってみた。

 

 ……凄い!

 なんだこれ! 

 こんな便利な生き物が居たのかっ!?

 

 島とかの洞窟にいたトカゲみたいに壁に張り付いて移動できるし、背中に乗っている俺ごと透明になって気づかれないように行動できるし、戦闘力だってカニに近い程度はある。

 しかも少し離れた距離にある壁や地面に向かって勢いよく突進して飛び移ることもできれば滑空しての移動もできるのだ。

 狭くてあちこちに壁や天井があるこのARKなら実質空を自由に飛べるようなものだ。

 

 まさかこんな素晴らしい生き物がいただなんて!

 ジップラインに乗れるラベちゃんも便利だったけど遥かに上を行くぞ!

 他のARKでも使いたいぐらいだ!

 

 ……まあサイズがサイズだから連れ込める場所は限られそうだけれど。

 

『ここで見つけたアーティファクトのある洞窟は全部動物の出入り制限されてたし、残る洞窟にも連れ込めそうにないことだけはちょっと残念かな?』

 

二百六十頁目

 

 この子の透明になる能力を使えばあの触手の奴が首を突っ込んでいるエリアを調べることが出来るかもしれない。

 だけど万が一にも気づかれて戦闘になったらと思うともっと戦力は整えておきたい。

 具体的にはこのロック君で軍団を作っておきたいところだった。

 

 だけどここだとあんまり狭くて一度に孵化させにくい。

 まして近くにあの触手の奴がいるから毒液集めなどをあまり派手にやりたくはない。

 できれば第二階層というかあの青い宝石のあるエリアまで戻りたいところだけれど、ここから戻るのは大変……だったのはさっきまでの話だ。

 

 今の俺にはロック君がいるのだ。

 壁に貼りついて垂直によじ登ったり、たまに滑空や突進を織り交ぜればあっという間に上のエリアまで戻ることが出来る。

 危険がせまったら透明化して回避することだって可能だ。

 

 尤も滑空がグライダーのように少し特殊なのと突進できる距離にも限りがあるようで、それらの操作に慣れるまでは練習しておこう。

 実際に試運転時に透明化と滑空や突進を併用してたらスタミナを異様に消費して、ちょっと落下して危なかった経験もあるのだ。

 その際にピッケルなどの採掘道具を始めとした何かを片手に持っている状態で突進や滑空をすると風圧に耐えられないこともわかっている。

 

 そういうことを癖でしないようにしっかり練習してから上のエリアに戻るとしよう。

 ……もしもここにキャシーが居たら……きっと彼女ならすぐに乗りこなしただろうな

 

『苦労してるのはわかるんだけど、すっごく乗り心地良さそうで……いいなぁ……』




今回名前が出た動物

ロックドレイク(透明トカゲ)
カルキノス(カニ)
ラベジャー(ラベちゃん)
触手(〇〇〇〇〇〇テンタクル)
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