ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第103話

二百九十三頁目

 

 山の頂上付近にもアルケン君の同種は旋回していて、丁度近くに別の生き物も居ないようなので捕獲を試みることにした。

 果たしてあの洞窟で見つけた質のいいクロスボウから打ち出す麻酔矢は、勢いが凄いために普段より身体の奥に刺さるようで前より遥かに効きが良くあっさりと眠りに落ちた。

 そしてペヤラちゃんの食事用に持ってきた生肉を食べさせて、無事に仲間にすることに成功した。

 

 こいつの名前は何にしようか少し悩むが、その間にもう一匹も見つけたのでそいつを仲間にすることを優先する。

 そんなことを繰り返した結果、三匹ものアルケン君の同種を仲間にすることができてしまった……一々名前を付けるのも面倒で、とりあえずはアルケンABCと呼んでおくことにする。

 こいつらを追従させながらようやく山の頂上へ到着したところ、他の場所と殆ど変わらないオベリスクの装置が目に飛び込んでくる。

 

 少し雪に埋もれてこそいるが、中央にある操作盤は変わりなく……その脇に付いている何かを埋め込む穴が三つ開いている。

 どうやら四つ空いている赤いオベリスクだけが特別だったようだ……確か揃えてはめ込むと違う場所に飛ばされてそこで待ち構えている生き物と戦闘になるらしいが……条件が多いということは、それだけあのドラゴンが強いということなのだろうか?

 尤もロックウェル氏は別の日記を書いているネルヴァ氏と協力して倒したらしいし、勝てない相手ではないのだろうけれど……。

 

 そんなことを考えながら空いている穴を観察していた俺は、そのうちの一つの穴が前に手に入れたアーティファクトと同じ形をしているように見えることに気が付いた。

 あと二つ集めればここの奴とは戦える……尤もフローラとの安全な暮らしを求めている俺にとってはそんなことをする理由がないのだけれど……一応、頭の片隅には入れておこう。

 

二百九十四頁目

 

 他には別のオベリスクと特に違いがあるわけもなく、後は何かと周りを見回したところで光り輝く素材の山に遅れて気が付いた。

 オベリスクしか目に入っていなかったが、ここにはあの火山と同じ様に水晶や金属鉱石それに黒曜石も僅かに存在している。

 あの火山と違ってここならば寒さ対策をした拠点を作れば活動できなくはなさそうだがこれ以上住む場所を増やしても……そう思ったところで天啓のようにひらめいた。

 

 この島のあちこちに幾つも拠点を作って、数日おきに引っ越せばあの厄介な停滞者を追い立てるシステムは破綻するのではないだろうか?

 あの草食島で暮らすのも悪くない案だが、万が一駄目だった時に備えてそのプランを試すのも悪くない。

 だから早速拠点を作ろうとして……その手の素材を何も持ってきていないことを思い出す。

 

 もちろんこの場所に木など生えていないし、繊維代わりに使えそうな草だって……少し下った山肌にはあるから回収してくれば不可能ではないが……とりあえず今は保留しておこう。

 代わりにこの場所にある素材を回収するだけ回収してアルケン君ABCに積み込んでおこう。

 これだけ集まれば金属の壁を作り放題では……いやだけどセメントも必要だがそのためにはキチンやケラチンを集めないと……それぐらいならいっそのことカエルを使って虫狩りも悪くないが、そうそう虫は見つからな……あの前に見た毒が噴出している洞窟を少しだけ進んで……だけど危険すぎるか?

 

 そんなことを考えていた俺の目にまたしても日記が収められている箱が飛び込んできた。

 こんな場所にまで残されているとは……そう思いながら回収して中を読むと、それは前にも読んだ覚えのあるヘレナという人の記録だった。

 この話を読む限り、どうも彼女はロックウェル氏と協力しているらしい古代ローマ軍人のネルヴァ氏に囚われた挙句に客人として協力を余儀なくされてしまったようだ。

 

 しかもその際に共に居たらしいメイ・インなる女性が連れていたペットは惨殺されたらしいが……あのロックウェル氏の協力者なのだから立派な人物だと思っていたのだれど……。




【今回名前が出た動物】

アルゲンタビス(アルケンABC)
ドラゴン
ベールゼブフォ(カエル)

【今回登場した日記】

ヘレナの記録(#27)
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